マイ・ドッグ・スキップ(My Dog Skip)のネタバレ解説・考察まとめ

『マイ・ドッグ・スキップ』とは、2000年にアメリカ合衆国で公開された、孤独な少年と飼い犬の交流を描くヒューマン映画である。原作は作家ウィリー・モリスによる同名の自伝小説『My Dog Skip』。
原作者の回想記を元に、一匹の子犬との出会いによって、孤独な少年が愛と友情と別れを学び成長していく実話に基づいた感動ストーリー。監督はジェイ・ラッセル、主演はフランキー・ムニッズが務めた。

『マイ・ドッグ・スキップ』の魅力

犬の素晴らしさを感じる作品

犬を飼う事の素晴らしさを感じる事ができる作品。犬を通して、友情、恋愛、成長、命全てを学ぶ事ができるのだと感じさせられる。特にこの時代は、黒人への差別があった時代だが、犬には色など関係無い。スキップが居た事で、ウィリーは黒人の男の子と出会い友達になる。そして、その男の子から教えて貰い初めて黒人の野球選手の試合を見に行くようになる。今までは黒人とは少し距離を置いて過ごしてきたウィリーだったが、犬と共に生きて行く事で、考え方が少しづつ変わっていくのだ。

スタンドバイミーを彷彿とさせる作品

5人の子供が冒険に出る映画で有名な「スタンドバイミー」を彷彿とさせる作品でもある。今作は冒険ではないが、5人で集まり野球や映画館に行ったり、共にスキップに芸を教えたりと子供達の友情を感じられる事ができる作品でもある。

戦争の痛みも描いた作品

ウィリーの父親も片足を戦争でなくした退役軍人であり、戦争を経て笑顔を見せずに厳格な態度を取るようになってしまった。ウィリーが憧れていた隣人のディンクも戦争を経て、以前の輝きを失い酒に逃げてしまう。ディンクは死ぬ事の怖さよりも、人を殺す事への怖さがあったと告白した。ウィリーの父親は勲章を貰い戦争から帰還したが、勲章よりも片足が欲しかったと告げる。戦争は何かしらの犠牲を払わなくてはならないものであり、精神面、身体面の痛みが描かれている。

『マイ・ドッグ・スキップ』の名シーン・名場面

スキップのドライブ

ウィリーを車で迎えに来た母親は、学校から出てくるウィリーがいじめられっ子達からからかわれているのを目撃する。そこで母親はスキップを運転席に乗せて、犬が車を運転しているように見せてウィリーを元気づけた。この事がきっかけで、スキップは町中に知れ渡り人気者になっていく。

ウィリーの八つ当たり

ウィリーは野球の試合で上手く結果が出せず、周りからも笑われてしまう始末。そんな中、スキップがウィリーを元気付けようと試合に乱入し暴れるが、ウィリーはそれさえも恥ずかしくなってしまいスキップを叩いてしまう。憧れのディンクが臆病者になってしまった事と、練習したはずなのになかなか結果が出せない事への苛立ちから思わずスキップに八つ当たりしてしまうシーン。

ウィリーの部屋で眠るスキップ

ウィリーが大学生になりオックスフォードに留学するため家を離れていく姿を見えなくなるまで見送り、家に戻ったスキップがウィリーの部屋のベッドで眠りにつくシーン。大好きなウィリーの匂いがあるベットで横になるスキップはとても安心し、幸せそうに見える。

『マイ・ドッグ・スキップ』の名言・名セリフ

人は相手にレッテルを貼って、よく知ろうとしない

町中の人々に戦場から逃げてきたと思われているディンクに、ウィリーの父親が言ったセリフ。ディンクは殺されることが怖い臆病者という間違った噂が広まり、いかに町中の人々が噂だけを信じ相手を知ろうとしないのかをディンクに伝えた。

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