マイ・ドッグ・スキップ(My Dog Skip)のネタバレ解説・考察まとめ

『マイ・ドッグ・スキップ』とは、2000年にアメリカ合衆国で公開された、孤独な少年と飼い犬の交流を描くヒューマン映画である。原作は作家ウィリー・モリスによる同名の自伝小説『My Dog Skip』。
原作者の回想記を元に、一匹の子犬との出会いによって、孤独な少年が愛と友情と別れを学び成長していく実話に基づいた感動ストーリー。監督はジェイ・ラッセル、主演はフランキー・ムニッズが務めた。

『マイ・ドッグ・スキップ』の概要

『マイ・ドッグ・スキップ』とは、2000年にアメリカ合衆国で公開されたヒューマン映画。数々の文学賞を受賞したウィリー・モリスの自伝的ベストセラー小説を映画化した作品である。
内気な性格でいじめられっ子の少年・ウィリーを心配に思った母親が、誕生日に子犬をプレゼントする。スキップと名づけられたその子犬とウィリーは大の仲良しになり、ウィリーはスキップのお陰で学校の友達もたくさん出来るようになる。だが、野球の試合で上手く結果が出せなかったウィリーはスキップに八つ当たりをしてしまい、スキップがその場から逃げて生死を彷徨う程の事件が起こる。
愛犬との友情を通して孤独な少年が成長していく姿を温かなタッチで描いた実話ドラマ。 友情や淡い恋、信頼と戦争。ウィリーはスキップと一緒の日々を通して様々なことを知り、成長していく。
監督はジェイ・ラッセル、主演はフランキー・ムニッズが務めた。父親役は『フットルース』で脚光を浴びたケヴィン・ベーコンが務めた。

『マイ・ドッグ・スキップ』のあらすじ・ストーリー

孤独な少年ウィリー

舞台は1942年、夏のミシシッピ州ヤズー。8歳の少年ウィリー・モリスは、外で走り回るより読書が好きな内気で自己主張のできない男の子。同級生の男子からはいつもいじめられ、孤独な毎日を過ごしていた。いつも明るく笑顔が絶えない母エレンに対し、父ジャックは厳しく威圧的な人間。隣の家に住んでいる野球選手のディンク・ジェンキンスはウィリーの唯一の理解者だった。いろんな話をしてくれるディンクはウィリーにとってのヒーローだった。だが、ディンクは戦争に行ってしまい、ウィリーは寂しい9歳の誕生日を迎えることになる。

スキップとの出会い

ウィリーの9歳の誕生日に、内気な性格な息子を心配したエレンは1匹の子犬をプレゼントする。ウィリーは大喜びするが、動物の世話はまだ早いとジャックに取り上げられてしまう。しかし、エレンの強い説得もありジャックは渋々飼うことを了承する。
エレンは寝ているウィリーの側に子犬を連れて行く。ウィリーは子犬に気づき飼える事を喜ぶ。子犬はスキッパー(愛称スキップ)と名付けられ、スキップはモリス家の一員になる。

初めての親友

ウィリーとスキップはすぐに大親友になった。利口で人懐こいスキップは町の人々からも愛され、スキップをきっかけに、孤独だったウィリーも少しずつ交友関係を広げていく。
クラスで人気の少女リバース・アップルホワイトと話したり、黒人の少年と仲良くなったり、スキップのお陰でウィリーにとって素晴らしい出会いばかりとなっていった。

いじめっ子との戦い

ある日、ウィリーの元にヨーロッパの戦場にいるディンクから手紙と荷物が届く。荷物の中にはドイツ兵のヘルメットと弾帯が入っていた。ウィリーが得意気に学校で披露すると、クラスメイトからは羨望の眼差しを向けられる。それを良く思わない3人組のいじめっ子ビッグ・ボーイ達がいた。放課後になるとウィリーが披露していた手紙を奪って破いた挙句に、男としての根性を自分自身で見せてみろと、フットボールに参加するようビッグ・ボーイ達がウィリーに命令する。
運動ができないウィリーは最初全く動く事ができず、こけてばかりだった。それを側で見守っていたスキップがボールを取りに走り、咥えてウィリーの元に向かい、ボールを咥えたままのスキップをウィリーが担ぎそのままタッチダウンを決める。スキップの活躍でタッチダウンを決めたウィリーは、ビッグ・ボーイ達に感心される。
ビッグ・ボーイ達も本当はウィリーと遊びたいと思っており、仲間に入れるために、その夜、度胸試しとしてウィリーを墓地に呼び出し、墓地で一晩過ごせと言う。怯えながらもスキップと朝を待っていたウィリーは、思いがけない出来事に遭遇する。
墓場の物置に密造酒が隠されており、2人組の売人が酒瓶を持ち出していたのだ。彼らに見つかったウィリーは、誰かに話せばスキップの命は無いと脅される。その場で固まっていたウィリーはいつの間にかスキップと眠ってしまい、墓場で一晩過ごした大物だとビッグ・ボーイ達から賞賛される。

憧れの存在から一転

ある日、ついにディンクが帰ってくると知らせが入る。ウィリーは大喜びで待っていたが、帰還したディンクは人が変わってしまったかのように輝きを失っていた。ディンクは勲章を貰う事ができず、帰ってきてからは酒に溺れる毎日だった。すぐにディンクは戦場が恐ろしくなって逃げ出した臆病者だと噂が広まった。戦争に行って勲章を貰うことが憧れのウィリー達には、ディンクの行動が信じられなかった。

スキップへの八つ当たり

春になり、ウィリーは野球のチームに入った。しかし初試合では三振の上にエラーを連発し、観客から笑われる有様だった。ウィリーの苛立ちを感じたスキップは試合に乱入し、場を和ませようとする。しかしウィリーは、スキップの行動で更に自分が笑われている気がしてしまい、我慢ができずスキップを思い切り殴り、追い出してしまう。観客はその行動に失望し、ウィリー自身も深く後悔する。そのままスキップは姿を消してしまう。
ウィリーは両親や友人達にも協力して貰い、町中を探し回るが、夜になってもスキップは見つからない。泣きじゃくるウィリーのところにディンクがやって来る。ウィリーはスキップにしてしまった行動からディンクに八つ当たりをし、嘘つき、臆病者と詰め寄る。そんなウィリーにディンクは、殺されることが怖かったのではなく、殺すことが怖かったのだと真意を明かした。そして、どこか探していない場所が必ずあるはずだとアドバイスをする。
少し考えたウィリーは、密造酒が隠されていた物置がある墓地に向かって駆け出す。スキップは墓場のその物置にいた。スキップが酒瓶を壊して台無しにしたため、現れた売人達は激怒しスコップを振り下ろす。殴られ力なく倒れたスキップのところにウィリーが駆けつける。遅れてやって来たディンクが売人を追い払い、急いでスキップを動物病院に運ぶ。

全てへの感謝

スキップは治療を受けたが危険な状態だった。ウィリーは涙を流しながら、友人が出来たことも、フットボールが出来たことも、リバースと話せたことも、ディンクの本当の気持ちを知ることが出来たのも、全てスキップのおかげだと訴える。ウィリーは一晩中スキップに付き添った。翌朝、スキップは目を覚まし元気にウィリーの顔を舐めた。

数年後、ウィリーはイギリスのオックスフォードに留学することになる。バスに乗って旅立つウィリーの姿を、スキップはずっと見つめていた。ウィリーが見えなくなると、スキップはウィリーの部屋のベットに上り、ゆっくりと眠りについた。
そしてある日、ジャックからスキップが死亡したと連絡が入る。ウィリーが「スキップは僕の心の中で眠っている」と思い出を振り返る。

映画は幕を下ろす。

『マイ・ドッグ・スキップ』の登場人物・キャラクター

ウィリー・モリス(演:フランキー・ムニッズ)

日本語吹替:林原めぐみ
8歳の少年ウィリーは、外で走り回るより読書が好きな内気で自己主張のできない男の子。学校ではビッグ・ボーイ達にいじめられていた。唯一の理解者は隣人のディンクであり、憧れのヒーローであった。母親からの誕生日プレゼントで犬(スキップ)を飼う事になってから、スキップを通して周りと関わり合えるようになり、自然と友達も増えていった。

ジャック・モリス(演:ケヴィン・ベーコン)

日本語吹替:山路和弘
ウィリーの父親。片足を戦争でなくした退役軍人で笑顔がなく厳しい。戦争の痛みを知っているからこそ戦争で苦しんだディンクの気持ちに寄り添い、優しい言葉をかけてあげる心優しい一面もある。母親が勝手に買ってきたスキップを飼うことに反対し、まだ息子には犬の世話なんかできないと主張していた。最初はいたずらばかりするスキップを毛嫌いしていたが、息子の成長を感じ徐々にスキップを家族の一員と認めていく。

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