(500)日のサマー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『(500)日のサマー』とは、運命の恋を信じる男トムと信じない女サマーが繰り広げる、出会いから別れ、立ち直りまでの500日をリアルに描いた恋愛コメディー映画。ミュージックビデオを多く手掛けてきたマーク・ウェブの長編デビュー作である。本作は、脚本のスコット・ノイスタッターのロンドン・スクール・オブ・エコノミクスでの実際のロマンスに基づいて作られている。

シドとナンシー状態

サマーとトムがレストランで交わす会話の一部で、関係が悪くなっていた2人が険悪なムードで話し合い中にサマーがトムに向かって言った言葉である。シドとナンシーとは、セックス・ピストルズのメンバーだったシド・ヴィシャスと恋人のナンシー・スパンゲンのこと。シドの泊まっていたホテルでナンシーの死体が発見される事件があり、麻薬で錯乱したシドが、ナンシーを刺殺したと言われている。

グリーティングカード

トムが勤めている会社は、ロサンゼルスのグリーティングカード会社「ニューハンプシャー・グリーティングス」。トムは、カードのメッセージを考える仕事をしている。サマーとの関係がうまくいっている時には、「I Love Us」などの幸せにあふれたメッセージを次々に考え出す。だが、うまくいかなくなると、ヴァレンタインデーのグリーティングカードのメッセージに、「バラは赤、スミレは青、くたばれ売女」と書いてしまう。社長のヴァンスは、トムの落ち込んだ気持ちを仕事に生かすために、葬式のグリーティングカードのメッセージを書いてみることを勧める。愛を信じられなくなったトムは、グリーティングカードに書かれるメッセージがウソに感じてしまうようになる。さらに、メッセージを考えることが悪いことをしているように考え、そのことを社内の会議でぶちまけて、会社を辞める。

『(500)日のサマー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

実はトムがサマーを振り回している可能性

あるツイッターユーザーが映画の中でのサマーがトムを振り回すシーンを見て「まだサマーがトムにしたことが許せない」というツイートを投稿した。そのツイートを読んだトム役を演じたジョセフ・ゴードン=レヴィット本人が反応し、自分のキャラクターにきついひと言を放った。「もう一度見てよ。ほとんどトムのせいだから。彼はプロジェクティング(※)だ。聞く耳を持たないし、ワガママだし。最後に成長してくれてよかったよ」トムに同情して彼の味方になったユーザーに対して、ジョセフ・ゴードン=レヴィットが自分の役を痛烈批判し、サマーの味方になった。意見が真っ二つに分かれたこの映画については、実際に「サマーがトムを振り回している」と思う人と、「じつはトムがサマーを振り回している」と思う人がいるのだ。
※プロジェクティング(Projecting):自分の悪い部分を相手がそうであるように見せたり、自分のネガティブな感情を相手に押しつけて自分を哀れに見せること。恋愛でよく使われるスラング。

トムは本当にサマーの事が好きだったのか

映画の中で、バーでトムと一緒にいるサマーが男に口説かれるシーンがある。その時、サマーがどんなに口説かれてもトムは何も言わなかったのに対し、その男に自分の悪口を言われた途端相手に殴り掛かる。その上サマーには「サマーの為に殴った」と言う。その瞬間、サマーはトムに呆れてしまう。トムがサマーの為に殴ったというのは、「サマーを守った」のではなく「トム自身を守った」という事にさえ気づいていないのではないかと言われている。他にも、トムはサマーの為だと思って行動する場面があるが、実際は自分の自己満足でしかない事が多い。サマーが運命を感じなかったのではなく、サマーが望んでいる事を分かってあげられずトムが運命を感じさせることができなかった為、サマーはトムとの別れを決断したのかもしれない。

『(500)日のサマー』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):Mychael Danna & Rob Simonsen『A Story of Boy Meets Girl』

挿入歌:Regina Spektor『Us』

挿入歌:Regina Spektor『Hero』

挿入歌:The Temper Trap『Sweet Disposition』

挿入歌:The Smiths『There Is a Light That Never Goes Out』

挿入歌:The Smiths『Please, Please, Please, Let Me Get What I Want』

挿入歌:Black Lips『Bad Kids』

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