バットマンの概要まとめ

概要

バットマンはアメコミのダークヒーローである。警察署に設置されたバットシグナルという蝙蝠型のサーチライトで事件を知ると出動し、ゴッサム・シティの平和を守っている。
そんな彼がなぜ、ダークヒーローと言われるのか。それは、彼の生い立ちと、行動理念に理由がある。

バットマンの正体であるブルース・ウェインはプレイボーイの億万長者であり、ウェイン・エンタープライズという巨大会社のオーナーであるが、彼を変えたきっかけとなる出来事が起こったのはその恵まれた生まれ故だ。
ブルースが10歳の時、目の前で両親が強盗に殺害されたのだ。その際、この事件を担当したのが、後のゴッサム警察本部長であり、バットマンの協力者となるジェームズ・ゴードンである。
両親を喪って以来、彼は執事のアルフレッドに育てられるが、両親の命を奪った『犯罪』という行為そのものへの復讐心を持っており、14歳で犯罪学や化学・法医学の知識を学び、実践的な技術を磨く為に世界各国をめぐり、犯罪心理学や格闘術、忍術や暗殺術まで、様々な技術を身につける。そして、一度はFBIを目指すも、法に則った捜査への限界を感じ断念、犯罪を恐怖で抑止するという考えに至り、犯罪者に恐怖を与える「恐怖の象徴」としてバットマンが誕生した。
闇の騎士（ダークナイト）、世界最高の探偵、ケープを纏った十字軍騎士など様々な異名を持つバットマンであるが、蝙蝠を模した理由はブルース自身のトラウマからであり、彼にとっての恐怖の象徴が蝙蝠であった為である。
「正義の象徴」ではなく「恐怖の象徴」であるバットマンはダークヒーローなのだ。

道具

スーパーパワーを持たない彼の能力は明晰な頭脳と、鍛え上げた肉体、そして巨万の富という『人間』が持つ力のみであり、バットマンはその頭脳で様々な物を開発し、使用している。

バットマンの秘密基地であるバットケイブは地下洞窟にあり、ウェイン邸ともつながっており、コマンドセンターとして世界各国を監視する事ができ、彼が使用する車両や機器が管理、収納されている。
バットマンの象徴であるバットスーツは全身タイツのものからボディスーツ、まるでロボットのようなボディアーマーなど様々な形状があるが、顏を覆うマスク、蝙蝠のようにとがった耳、胸のバットエンブレム、黒いマントに三枚の刺があしらわれたグローブという点は共通している事が多い。他にも有名な道具として「アンカーの付いたワイヤーを射出し自由に街中を飛び回るグラップネル・ガン」「蝙蝠型の手裏剣で、遠距離攻撃を可能とし、爆破機能や追跡装置など様々な機能を持つバットラング」「様々な武器・道具を収納し携帯するためのベルトで、バットマン以外に開く事は困難な代物となっている、ユーティリティベルト」「様々な乗り物も開発しており、4輪駆動の車で、変形機能があり、装甲車のようになったり、パーツをパージする事でバイクの形態になる事もできる、バットモービル」「空を飛び、宇宙でも活躍するバットウィング」等があり、それ以外にも、ジャスティスリーグではチームの基地である人工衛星ウォッチタワーを建設するなど、様々な技術支援、開発を行っている。
様々な道具を駆使し、利用するバットマンであるが、銃は両親を死亡させた武器であるため使う事は無い。

信念

悪人に対して容赦がなく、不法で過激な制裁を行う犯罪者でもあるバットマンだが、自身に害を及ぼす存在であっても、人を殺さないという絶対的な信念があり、そういった正義感が彼をヒーローたらしめている。
しかし、その信念故に、ヴィランの大半が心身喪失に当てはまって罪に問えず、精神病院へ収容するも脱走を繰り返し、また捕まえて精神病院へ送るという鼬ごっこが続いており、精神病院が犯罪者の巣窟となり、暴動がおこった事がある（バットマン：アーカム・アサイラム）。
また、ジョーカーのようにバットマン個人に執着するヴィランも多く、結果としてバットマンの存在が犯罪を増長している部分が少なからずあるも、バットマンが居なければ、ゴッサムシティは持ち直す事も出来ず壊滅していたであろうことも事実である。

ファミリー

バットマンは犯罪に巻き込まれた子供を保護し養子にするなど、両親を失った子供に対し同情的であるが、自分と同じようには育って欲しくない。とも明言しており、そんな葛藤に彼の人間らしさがかいまみえる。

アルフレッド・ペニーワース

ウェイン家に仕える忠実な執事であり、両親を喪ったブルースを育てた人物。
ブルースの裏の顏であるバットマンの誕生を見届けた人物でもあり、時に厳しい事を言いつつも誠心誠意ブルースに仕え、バットケイブの管理からファミリーの世話まで何でもこなすスーパー執事。

ディック・グレイソン（初代ロビン／のちのナイトウィング）

本名はリチャード・ジョン・グレイソンでディックは愛称。
サーカス団の空中ブランコ曲芸師「フライング・グレイソンズファミリー」の子供だが、ショーの最中に両親が事故に見せかけて殺害され、養子としてブルースに引き取られる。
成長後はナイトウィングを名乗りヒーローとして独り立ちした。

ジェイソン・トッド（2代目ロビン／のちのレッドフード）

本名はジェイソン・ピーター・トッド。
サーカスのアクロバット一家の子供で両親をヴィランに殺され、バットマンの養子になったというディックと似た経緯の持ち主である。
好奇心旺盛でウェイン邸にてバットケイブを発見し、2代目のロビンとなる。
編集の電話投票の結果、僅差で死亡が決定し、「デス・イン・ザ・ファミリー」でジョーカーに殺されるも後に復活をとげ、レッドフードとなる。

ティム・ドレイク（3代目ロビン／のちのレッドロビン）

本名はティモシー・ジャクソン・ドレイク。
バットマンとロビンの大ファンであり、その推理力で彼等の正体に辿り着いた少年。
バットマンにはロビンが必要だと主張、ジェイソンを喪ったバットマンは難色を示すが、ディックとアルフレッドの説得により3代目ロビンとして就任。
ディック、ジェイソン程の戦闘力は無いものの、その推理力はバットマンも認めた程。
5代目のロビンであるダミアン登場後はレッドロビンとして独り立ちした。

ステファニー・ブラウン（4代目ロビン／スポイラー）

ティム・ドレイクがロビンを辞めていた時期にバットケイブへ侵入しロビンになる事を志願したティム・ドレイクのガールフレンドにして紫のコスチュームで活動していたスポイラー。
バットマンの指示に従わず行動したことで解雇され、ヴィランに攫われ拷問され死亡。
しかし、それは偽装で実は生きており、先代バットガールであるカサンドラからコスチュームを渡され、4代目のバットガールとして活動するも、バーバラ・ゴードン（2代目バットガール）がバットガールに復帰し、彼女は再びスポイラーとして活動している。

ダミアン・ウェイン（5代目ロビン）

ブルース・ウェインと、宿敵である、ラーズ・アル・グールの娘、タリア・アル・グールとの間に産まれた、遺伝子操作を施されたフラスコベイビー。ラーズ・アル・グールの組織するリーグ・オブ・アサシンズで育ち、若干10歳でありながらその殺人技は達人級。殺人に躊躇のないダミアンの行く末を憂い、バットマンは彼を引き取り、ロビンという役割を与える事で更生させようとする。
生意気な性格ではあるが、父のようなヒーローになりたいという憧れをもっている。