スクール・オブ・ロック(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『スクール・オブ・ロック』とは、リチャード・リンクレイター監督によるアメリカの映画。日本では2004年に公開。脚本は出演もしているネッド役のマイク・ホワイト手がける。バンドをクビになってしまい途方にくれていたギタリストのデューイが、一本の電話をきっかけに教師の友人ネッドになりすまして名門小学校の臨時教師となり、子どもたちと共にバンドバトルを目指すコメディである。

父親に学校へ送ってもらった時に「ロック音楽なんてやるな、課題の曲だけやれ」と言われ、ザックは朝から落ち込んでいた。

その日の授業では、デューイが子ども達に「世界一腹の立つことは何だ?」と聞いていった。皆で怒りを表してロック音楽を即興で作ろうとしたのだ。
子ども達からは、おこづかいなし・お手伝い・いじめっ子などが挙げられた。そこで「じゃあいじめっ子にはなんていい返す?」とデューイがザックに聞いた。しかしザックは無表情で「分からない、知らない」と答えるだけだったので、「通せんぼされたら?誰かに突き飛ばされたら?」とデューイがさらにザックに聞いた。するとようやくザックの口から出てきたのが「やめて!(Step off!)」だった。デューイはそのザックの言葉を歌詞に組み込んで、「いじめっ子や親のいいなりになっていたらロボットになってしまう」と子ども達の気持ちを代弁するようなロックソングを作っていった。

デューイが直接的にザックを励ましたわけではないが、即興でできたこの歌に合わせて掛け声を出しているうちに次第にザックの顔に笑顔が戻ってきた。ザックが「やめて!(Step off!)」と言えた時、いいなりばかりではなくて能動的に動こうというロックの気持ちがザックの中に芽生えたのだった。

とにかく明るくて面白いデューイの音楽の授業

自分が作ったバンドから突然追い出されたというのは、デューイにとってとても悲しくやるせない事であった。さらに家賃を負担していなかったので家まで追い出されそうになってしまう。だからと言って、友人のネッドになりすまして学校で働きバンドまで作ってしまったというのは許されるわけも無い。
デューイの周りで起きた事・またデューイがやってしまった事は本来ネガティブな事柄なのだが、デューイのふるまいは基本的にいつも明るくて元気いっぱいだ。デューイは「(音楽を)あきらめるのも大事だ」とネッドに言われたこともあった。それでもバンドを成功させようと子ども達と楽しく練習するのは、音楽を愛し懸命にロックを追及するデューイの熱意の表れなのである。

ザックの演奏が上手なので次第にノリはじめるデューイ

面白い顔をして子ども達を笑わせるデューイ

デューイの面白い顔を見て思わず笑う子ども達

『スクール・オブ・ロック』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

しっかりもののサマー役は実は最年少

撮影当時他の子ども達が10~11歳という中、サマー役を演じたミランダ・コスグローブは、最年少の9歳だった。しかしハキハキした口調で学級委員の役を演じきった。
ちなみにサマーがコーラスに名乗りを上げるところで下手な歌を披露するが、ミランダ自身は非常に歌が上手で現在はシンガーソングライターとして活躍している。

写真のなかにメイクをした監督が映っている

デューイがネッドに昔を思い出せと過去の写真を見せるシーンがあるが、そこに映っているデスメタル調のメイクをしたバンドメンバー3人は、ジャック・ブラックとマイク・ホワイト、そしてもう一人が本作の監督リチャード・リンクレイター監督である。

監督自身の娘の存在が大きかった

監督には当時10歳の娘がいた。「デューイと子ども達の関係は娘が生まれる前なら怖いと感じたと思うし、子ども達と仲良くできるかと心配したりしていただろう。でも娘と重ねたり自分の子どもの頃と重ねたりしながら映画を作っていくことが出来た」と言い、劇中の子ども達と同じくらいの年齢の娘がいたことが非常に大事だったと語っている。

『スクール・オブ・ロック』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):No Vacancy『Fight』

挿入歌:The Clash『Stay Free』

自分のバンドを辞めさせられたデューイが、家に戻ってギター買取業者に電話をかけているシーンの曲。

挿入歌:KISS『Do You Remember Rock 'n' Roll Radio?』(Ramonesの曲のカバー)

家でネッドとパティと話していたデューイが、怒って席を立つシーンの曲。

挿入歌:ホアキン・ロドリーゴ『アランフェス協奏曲 - 第2楽章』

Parfait55p5
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@Parfait55p5

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