ベルサイユのばら(ベルばら)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『ベルサイユのばら』とは、池田理代子が描いた少女漫画で、1770年から17789年頃のフランスを舞台とした物語である。週刊マーガレットで連載以来、少女たちを中心に人気に火が付き、アニメ化や宝塚化などを果たした。
ロマンチックな恋のセリフや、時代の波に飲まれながらも必死に生き抜こうとする格好良いセリフの数々は、読者に長年愛され続けている。
ロザリー⋯。ポリニャック家に嫁いでも⋯シャルロットが生まれても⋯あなたのことを思わなかった日は1日だってありませんでした⋯。なぜ⋯ゆるしてもらえ⋯ない⋯の⋯?
ポリニャック伯夫人が、ロザリーのことを思いながら涙を流した時の独白である。ロザリーは、ポリニャック伯夫人の本当の娘だった。しかし、ロザリーにとっては育ての母親を轢き殺し、ポリニャック伯夫人の実の娘でロザリーの妹に当たるシャルロットを苦しませ、自殺に追い込んだ憎むべき女性だった。育ての母親を轢き殺した件は事故ではあったものの、ロザリーの事をただの平民と思っていたので謝るどころか高圧な態度をとってしまい、シャルロットの件は娘の望まない政略結婚を強いてシャルロットの感情を無視してしまう。しかも、ポリニャック伯夫人は自分の地位やお金のために手段を厭わない一面もあり、ロザリーに好かれる要素は全く持って無かった。そのため、ポリニャック伯夫人がロザリーにだした「ロザリーをポリニャック家でひきとる」というお願いも全く聞き入れてはもらえなかった。
ポリニャックは15歳の頃、とある男性と激しい恋に落ちてしまい、妊娠してしまう。しかし、ポリニャックはまだ嫁入り前で、親にも内緒で身ごもってしまった。子供を育てる財力や知識がなく、困り果てたポリニャック伯夫人だが、生まれてきた子供を引き取ってくれた女性がいた。それが、ロザリーの育ての母親でもある女中、ラ・モリエールだ。ポリニャック伯夫人からモリエールが引き取った子供こそ、ロザリーだった。この独白は、この時の出来事を思い出しながら言ったもので、狡猾な女性だと思われたポリニャック伯夫人のロザリーに対する母娘愛が現れた名台詞である。ポリニャック伯夫人は、愛するロザリーに今までの悪行を許してもらえない事に対してひどく苦しんだ。
シャルロット・ド・ポリニャックの名言・名セリフ
だれもおかあさまの権力を恐れてわたしに近よってこないのに⋯あなただけだわ⋯おねえさまみた⋯い⋯。
シャルロットがロザリーに言ったセリフだ。シャルロットはポリニャック伯夫人の娘で、近々結婚することが決められていたが、シャルロットはオスカルに恋をしていて、さらにシャルロットはまだ11歳なので、「結婚なんて怖いもの」としか考えていなかった。しかも、シャルロットの結婚相手である公爵はポリニャック伯夫人曰く、若い娘が好きだそうで、シャルロット本人は会ったことのない人物だった。シャルロットは一人で泣き叫ぶが、その光景をロザリーに見られてしまう。
ロザリーはシャルロットを実の姉のように慰めた。そんなロザリーの様子に安心したシャルロットがロザリーに言ったのがこの台詞だった。ロザリーの優しさに触れたことでシャルロットは胸の内をすっと明かすことが出来たという、姉妹愛のようなものが感じられる名セリフである。
実は、ロザリーとシャルロットは本当の姉妹である。ロザリーはポリニャック伯夫人が若き頃に自分の両親にも内緒で産んだ子供だが、まだポリニャック伯夫人は嫁入り前の身分だった。子供を産んだと両親に知られれば、自分は勘当されてしまうと悩む若き頃のポリニャック伯夫人だが、ちょうど女中のラ・モリエール(ロザリーの育ての母親)がロザリーを引きとると言ってくれたのだ。こうして、ロザリーとシャルロットは別々の家で育てられることとなった。
いや⋯結婚なんて⋯結婚なんてこわ⋯い⋯。ロザリーさんたすけて⋯!たすけて⋯結婚なんていやよう⋯。あ⋯死んでしまいた⋯い⋯。
シャルロットが不安に苛まれながら、心の中で思った独白である。シャルロットは結婚を間近に控えていた。この結婚は、シャルロットが公爵家のものと結婚するという契約だ。公爵家は王室と血縁関係がある貴族ばかりなので、ポリニャック家にとても大変有益なものだった。しかし、シャルロット自身に「結婚したい」という意思は全く無く、以前自分の気持ちを正直に話したロザリーに助けを求めた。シャルロットは自分の話を優しく聞いてくれるロザリーのことを、本当の姉のように慕うようになったのだ。
この独白は結婚式の期日が迫り、恐怖に陥るシャルロットの気持ちが込められていて、シャルロットを通して自分の意思は関係なく地位や身分に人生を縛られる貴族の哀しさがわかる名セリフだ。
お母様⋯ごめんなさい。こんど生まれてくるときは⋯⋯もう⋯貴族なんかじゃないところにする⋯わ⋯。ほんと⋯よ⋯。貴族なんかじゃないところに⋯
シャルロットが自ら命を絶つ前に言ったセリフだ。シャルロットはポリニャック家の繁栄のために有無を言わせずド・ギーシュ公爵と結婚することが決められていたが、彼女は心底結婚したくないと思っていた。シャルロットはまだ11歳だったため、結婚に対しては怖いイメージしか無かった。しかも、好きな相手もいたため、会ったこともない公爵と結婚など不安でしかなかったのだ。自分の母親であるポリニャック伯夫人は娘の結婚を通して更なる地位を得ることしか考えておらず、シャルロットの「結婚はいや!」という訴えは聞いては貰えなかった。絶望したシャルロットは、自殺することを選んだ。この台詞は、シャルロットが自殺する寸前に言った言葉で、地位や家柄に縛られる貴族の世界に絶望する気持ちが込められている。一見華やかな貴族社会の暗い一面が表れている名言だ。
ナレーションの名言・名セリフ
もしも⋯もしもこの日の感激を、幸せを、民衆の愛情をアントワネットがいつまでもわすれないでさえいたなら⋯⋯。彼女は悲劇の女王にならずにすんだかもしれなかった⋯!!
ルイ王太子(未来のルイ16世)とマリー・アントワネットが初めてフランスの首都・パリに訪れるというパレードが行われた。パレードの日は熱狂に包まれていて、民衆たちがこぞって若き夫婦を祝福した。特に、愛らしい容姿を持つマリー・アントワネットは大人気で、彼女が少し手を振るだけで大歓声を浴びることになった。このナレーションはこの時のもので、今後のマリーの運命を示唆した、不穏なものとなっている。また、「もしマリーがこの時に民衆から受けた愛情を忘れずにいたならば、歴史はどうなっていただろうか?」という非常に考えさせられる一文でもある。
そのときともに18歳であった若き二人の眼差しの中に一瞬きらめいていたものはなんだったろうか⋯?王妃の地位を約束され、ただ退屈することだけを恐れていれば良いベルサイユ一の美人と、北欧の美しく高貴な騎士との偉大な歴史的愛の第1幕は、ふたり自身にもそうと気づかぬうちに始まったのであった⋯⋯。
マリー・アントワネットとフェルゼンについて語ったナレーションだ。ベルサイユ宮殿でのしきたりや作法に雁字搦めの暮らしに疲れたマリー・アントワネットは、お忍びで仮面舞踏会に遊びに来ていた。マリーは、仮面舞踏会を心ゆくまで楽しんでいた。すると、マリーは一人の男性から声をかけられた。それが、フェルゼンだった。二人はその日から恋に落ちる。そして二人は夫婦にはなれないものの、生涯互いを想い続けるような関係となる。このナレーションは、そんな二人の運命的な出会いをロマンチックに言葉にした名言である。
ばらとダイヤモンドと華麗な調べとさんざめく笑い声にうずめつくされた幾百の昼と夜をこえ、はるかにへだてられた空間と距離をこえて、いま、よみがえる。熱い胸の高鳴りに22歳の王妃マリー・アントワネットは精一杯にたえていた。
フェルゼンと再会したマリー・アントワネットの気持ちを代弁したナレーションである。フェルゼンとマリー・アントワネットはオペラ座の仮面舞踏会で出会い、お互いに相手を一目惚れした。マリー・アントワネットはフランスの王妃で、フェルゼンはスウェーデンからフランスに留学しにきた貴族である。二人はオペラ座での出会いの後、ベルサイユ宮殿で二人は仲良くするが、貴族たちの間で二人は付き合っているという噂が流れてしまう。フランス王妃と外国人との恋愛沙汰は王室においては御法度なため、フェルゼンはアントワネットには何も告げずにスウェーデンに戻っていった。
そして4年後、アントワネットとフェルゼンはベルサイユ宮殿で再開する。アントワネットは、「フェルゼン⋯!!あ⋯あ!ほんとうに⋯ほんとうに?ああ、フェルゼン⋯!?わかっていました⋯。わたしにはわかっていたわ⋯。あなたがきっと⋯フランスに戻ってきてくれるということが!!」と独白した。このナレーションはフェルゼンと再開直後のアントワネットの喜びを表したもので、美しい情景描写と熱い恋心を表現した心情描写が強く印象に残る。
たぶん⋯⋯あの4年前の仮面舞踏会の夜から⋯⋯二人の魂はひそやかに、ほんのすこしずつ求めあい、呼び合って⋯。もう神に定められたこの時がいつか来るのを予感しながら、たて琴の銀色の弦のようにふるえあっていたのだ⋯。
マリー・アントワネットとフェルゼンの愛について説明したナレーションである。アントワネットとフェルゼンが出会った仮面舞踏会の夜から、二人は結ばれることはなくともフェルゼンがアントワネットの話し相手になるなどして、密かに交流が続いていた。しかし、宮中で「二人が付き合っている」などといった良からぬ噂がたってしまい、フェルゼンは一旦母国のスウェーデンに帰っていった。
それから4年後、フェルゼンは再びフランスにやってきた。しかし、フェルゼンはスウェーデンでアントワネットとは別の婚約者がいた。フェルゼンは、このまま自分がアントワネットと結ばれるようなことになれば、アントワネットにとっても自分にとっても良くないことが起きるとわかっていた。アントワネットは、国王陛下の妻でフランス王妃である。フランス王妃が外国人と不倫したなどという噂がたてば、王妃の地位に傷をつけてしまうことになる。一方、アントワネットの方は、フェルゼンに対する思いを抑えきれなくなっていた。そのため、フェルゼンと再会した時はアントワネットは心から喜び、フェルゼンに婚約者がいると知った時は心から嘆いた。そして、アントワネットはフェルゼンを抱きしめた。そんなアントワネットの様子を見て、フェルゼンは抱きしめ返す。このナレーションはこの時のもので、二人の愛の深さがよく分かる文となっている。アントワネットを抱きしめた後、フェルゼンは初めてアントワネットの唇にキスをした。その後、フェルゼンは「生涯アントワネットただ一人を愛し、独身でいる」と誓う。
数週間におよぶお祭りさわぎの間さえ、すでに民衆はパンを買うことができずに飢えていた。
フランス王妃、マリー・アントワネットが二番目の子にに男の子を産んだことで、お世継ぎの王子誕生のニュースにベルサイユ宮殿の中はお祭り騒ぎとなっていた。宮殿に祝砲をたくさん打ち上げ、パーティや美味しい食事などを楽しむ貴族たち。一方、パリの民衆たちは今日食べるもののお金すら手元になく、貧しさで苦しんでいた。このナレーションは、そんな貴族が住むフランス(ベルサイユ宮殿)と民衆が住むフランス(パリなどの地方)のギャップを端的に表している。
マリー・アントワネットはようやく目覚め始めた。自分が今まで何をしてきたか、自分に本当に忠実につかえてきたのはだれだったのか、今まで惜しげも無く浪費してきたお金がいったいどこから入ってきていたのか⋯⋯。
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『ベルサイユのばら』とは、池田理代子原作の漫画作品である。通称「ベルばら」。1972年から1973年にかけて、『週刊マーガレット』(集英社)で連載された。フランス王妃マリー・アントワネット、男装の麗人オスカル、スウェーデンの貴族フェルゼンの三人を中心に、ルイ15世末期からアントワネット処刑の頃までを描いている。1974年に宝塚歌劇団でミュージカル版が上映されると、続々とテレビアニメ化・劇場版アニメ化され、爆発的な人気となった。発行部数2,000万部を突破するなど、愛され続ける作品である。
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目次 - Contents
- 『ベルサイユのばら』の概要
- あらすじ
- オスカル・フランソワ・ジャルジェの名言・名セリフ
- もしも⋯もしもどうしてもアンドレをお咎めになるならば⋯ジャルジェ家の名において正当な裁判を要求いたします!さもなくば⋯アンドレの責任は主人であるわたくしの責任⋯まずここでこのオスカル・フランソワの命をたってからにされるがよい!
- やーれやれ!また随分とかわいらしい売春婦もいたものだな。娘!名はなんという?なぜこんな馬鹿な真似をしたのだ?
- まだものの善意も分からぬ子供を背中からピストルでだまし討ちにするような男が公爵だなどとは、こちらも片腹いたいわ!
- 美しくなった⋯まるで生まれた時からの貴婦人と変わらない⋯⋯。
- 覚えておかれよ!彼女はあなたをさがしだして母の仇をとりたいと⋯ただそれだけのために死ぬ覚悟でここまで来たのだ!
- 仇をとって⋯そしてどうする?間違えなくお前も死刑になるぞ。むなしくはないか!?ポリニャック伯夫人を殺したって死んだものは帰ってこないんだ!なぜ自分の人生をもっと大切にしようと考えない!?死ぬなロザリー!おまえはもうジャルジェ家の一員だ!おまえを死なせたくない⋯!
- もしわたしが本当の男性だったら⋯まちがえなくおまえを妻にするよ⋯⋯ほんとだ。
- これだけ⋯!?これだけって⋯⋯これはスープではないのか!?野菜の切れ端がほんの少し浮いているだけの⋯⋯これが食事だというのか⋯⋯!?うそだ⋯!わたしがいつも家でする食事といえば、とりどりのオードブルに何種類かのスープ、そしていく皿ものアントレやアントルメがでて焼肉にゼリーにぶどう酒に⋯⋯
- だが⋯子を思う親の心に貴族も平民もない!!
- それに⋯盗賊のところへ大事なロザリーを嫁にやる訳にはいかん。
- そう女、女と言うな。嬉しくなってしまうではないか。わたしをしょっぱなから女性扱いしてくれたのはこのフランス衛兵隊だけだ。さっきから女、女と騒いでいるが、この中に一人でもわたしに敵う者がいるか!?え!?腰抜けどもめ。空威張りだけが男の能か!?
- アンドレの目のことを侮辱する者は今から腕を磨いておいたほうがいいぞ。
- 感謝いたします。このような人生を与えてくださったことを⋯女でありながらこれほどにも広い世界を⋯⋯人間として生きる道を⋯⋯ぬめぬめとした人間の愚かさの中でもがき生きることを⋯。もう後悔はございません。私は⋯私は⋯軍神マルスの子として生きましょう。この身を剣に捧げ、砲弾に捧げ、生涯武官として⋯軍神マルスの子として⋯!
- アンドレ・グランディエの名言・名セリフ
- オスカル⋯おれはいつか⋯おまえのために命を捨てよう⋯。お前が今日、この俺のために命をかけてくれたように⋯。いつかアンドレはおまえのためにこの命をかけるぞ⋯。
- 片目くらいいつでもおまえのためにくれてやるさ、オスカル。
- 落ち着けオスカル!!個人的な恨みは忘れろ!武官はどんな時でも感情で行動するものじゃない!!
- てめえらにオスカルの女らしさが分かってたまるか!!
- ⋯だめなのか⋯⋯!?どんなに愛しても⋯⋯どんなにどんなに愛しても身分のない男は無能なのか!?この命と引き換えに地の果てまで愛しても⋯それでもだめなのか!?それでも⋯⋯だめ⋯なの⋯か⋯⋯!!
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- オスカル⋯幼い頃から片時も離れず共に生きてきた⋯。このまま⋯共に死んでくれるか⋯⋯俺を許してくれるか⋯⋯?苦しませはしない⋯最後の瞬間までしっかりと抱きしめていてやろう。命尽きるその瞬間まで⋯限りない愛のうちに死ねるのだときっと確信させてやろう!だから⋯許してくれ⋯。
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- きょうは⋯⋯ベ⋯ルサイユはたいへんな人ですこと!
- あ⋯あ!!なんというあまいおどろき⋯!だって⋯だってフェルゼンはまるでイカロスのように突然私の前に舞い降りてきて⋯息がつまりそうだった⋯!
- 国王陛下。実は今日は⋯大胆不敵にもわたくしのお腹を足でけとばしました家臣のことで陛下に苦情を申し上げにまいりました。
- 男にならね⋯ば⋯。
- ハンス・アクセル・フォン・フェルゼンの名言・名セリフ
- 想像以上だ⋯!なんという瞳⋯なんという唇⋯なんという肌の色!!いったいこの少女は⋯!?
- 愛している⋯と⋯王后陛下を愛してしまったとどうしていえる!?王后陛下だ⋯ぞ⋯。フランスの⋯国王陛下のお妃⋯なんだぞ⋯。国王陛下への⋯王室への反逆罪だ⋯⋯!これ以上アントワネット様にお近づきするのが⋯わたしは怖い⋯!こんな気持ちを持つなどと⋯私は逆臣だ⋯おそれおおい⋯。
- アントワネットさま⋯⋯!!お慕いしておりました⋯はじめてお姿を見た18歳の時から⋯。
- 私がこの魂の全てをかけて愛し、一生を共にしたいと願っているただ一人の女性⋯そしてこの私に全てを預け、愛してくれているただ一人の女性⋯。その女性とはわたしは永久に結婚することができないのだ⋯⋯だから⋯だからわたしは一生だれとも結婚はしない!!
- アントワネットさま⋯ポリニャック伯夫人やその仲間たちとどうぞ手を切ってください。思い出してください。メルシー伯やオスカル⋯あなたのことを本当に心配している者たちを⋯あなたがまだ王太子妃殿下だった時代から⋯じぶんの地位や出世よりもひたすらアントワネットさまを思い、口うるさいと思われようともいつも忠実な意見を述べてきた者たちを⋯。どうそポリニャック伯夫人をはなれ、オスカルやメルシー伯のところへお戻りください。
- だが信じてほしいオスカル、このフランスで得た私の最高の友人!尊敬もし、ともに語りともに苦しんだ⋯⋯!失いたくないただ一人の素晴らしき親友!君に会えたことを幸せに思っている!
- ともに死ぬために戻って参りました⋯。あなたの忠実な騎士にどうぞお手を⋯。
- ロザリー・ラ・モリエールの名言・名セリフ
- くやし⋯い⋯⋯!かあさんを目の前で殺されても⋯あ⋯あたしたちにはなにも出来ないの⋯!?悔しい⋯!!
- 私の母は⋯それこそパンくずしか食べられないような⋯下着さえも食べ物のために売らなくてはならないような⋯そんな貧乏のどん底で、必死に私を育ててくれました⋯。いまにして思えばあのとき馬車の中にポリニャック伯夫人を見つけてそれで母は馬車の前にとびだして⋯。私はポリニャック伯夫人の娘⋯。でもわたしの母はあの優しかった母さんただ一人⋯ラ・モリエールという母さんだけです。ほんとにいま心からそう感じられるんです!
- シャルロット、シャルロット。わたしの⋯妹!同じ思いに毎夜を泣き明かしている小さな私の妹!!
- シャルロット⋯かわいそうな私の妹⋯⋯。姉妹だと名乗り合うことさえしないうちに⋯。いや⋯貴族なんてほんとうにいや⋯だ⋯。家柄やしきたりにぎりぎりと締め付けられて⋯⋯人間であることを否定されて生きるなんて⋯。
- オスカルさま⋯あなたが女性であっても⋯愛しています。オスカルさまが死ぬほど好き⋯⋯。だからこそお別れするのです。いつまでも忘れないわ⋯。ロザリー・ド・ポリニャックと呼ばれるようになっても⋯⋯。忘れることなんて出来ない⋯ジャルジェ家ですごしたわたしの生涯で一番幸せな日々⋯はじめての愛⋯⋯!!
- よかったわ。この分だともうじき治りそう。わたしって射撃の名手なのね。
- ルイ16世の名言・名セリフ
- こんな私と結婚して⋯もう二人の王子を生んで王妃としての義務は果たしてくれたのに⋯あなたが女としての幸福を求めるのをどうして非難することが出来るだろうか⋯⋯。
- わたしの国民たちよ!!私は罪なくして死んでゆく。しかし、私を殺そうとする者たちを私は許そう。私の血が祖国フランスの幸福の礎とならんことを!!アデュウ⋯!!
- ベルナール・シャトレ/黒い騎士の名言・名セリフ
- 娘⋯いつまでしゃがみこんでいるつもりだ。体が冷えてしまうぞ。埋葬の手続きは全部済ませてやった⋯。辛いだろうが⋯死んだものは帰らない⋯。
- わたしの名を語り私利私欲を貪るニセモノ!!許さん!!
- オスカル・フランソワ⋯⋯さすが女だ⋯⋯おそろしい⋯⋯⋯
- すきに⋯⋯なってもいいか⋯⋯?
- アラン・ド・ソワソンの名言・名セリフ
- 約束だとォ!?笑わせんな!目の見えねえ奴と一緒に戦場に行けるか!縁起でもねぇ。俺たちの足手まといになりたいか!?
- ヴィクトール・クレマン・ド・ジェローデルの名言・名セリフ
- 人の心に⋯⋯命令はできませんぞ。
- 背伸びをやめて素直におなりなさい。悲劇の中に只中へまっしぐらに向かっていく前に立ち止まって⋯私のこの胸でよければ⋯いつでも⋯いつでもあなただけを受け止める用意がある。何もかも⋯胸につかえた悲しみや肩に背負った苦しみをみんな私に預けてみては見ませんか⋯?私のこの胸でよければ、あなたの長い長い苦しみも悲しみも涙も⋯すべて⋯預けさせてください。愛しています⋯美しい方⋯⋯。
- うけとってください⋯私の⋯ただ一つの愛の証です⋯⋯。身を⋯⋯ひきましょう⋯⋯。
- ジャルジェ将軍の名言・名セリフ
- よし決めた!オスカル!お前の名はオスカルだ!どうだ、いい名だろう?⋯そうとも!こいつに儂の後を継がせる!この父がフランス一の軍人に育て上げてやろう!オスカル!儂の息子だ。わかったな?
- はっはっはあ!油断をしているとそういう目にあうのさ。ひきょうもらっきょうもあるか!精神の緊張が足らんのだ。まだまだお前には一個の小隊も任せられんよ、オスカル。
- マリア・テレジアの名言・名セリフ
- わたしは⋯オーストリアの女帝として⋯⋯ただ我が国の繁栄と安全のを考えてこの結婚を決め進めてきたのだけど⋯これで良かったのだろうか⋯?あのむじゃきでおてんばで遊び好きなマリーにとって⋯もしかしたら王冠や王妃などという地位は⋯⋯あの甘ったれで素直で考えることの嫌いな平凡な娘にとって、不幸をもたらすものに過ぎないのでは?ああ!!たまらなく不安だ⋯。なぜか不吉な予感がして⋯⋯。
- あなたの背負う地位がどれだけ大変なものか⋯それをわたしはあなたに教えておかなければなりません。2000万フランス国民のためにあなたが立派な女王になれるように⋯。私のマリー⋯あ⋯⋯こんなに早く手放すのじゃなかった⋯⋯。
- さようならマリー!!この母のことを忘れないで!そして勉強をして自分を磨き、自分の欠点に打ち勝っておくれ!!そのことだけがあなたを守る!!遠く離れてもわたしは⋯最期の⋯最期の息を引き取るまであなたの身を案ずるのをやめないでしょう!!やめない⋯でしょう⋯!!
- メルシー伯の名言・名セリフ
- アントワネット様お一人がかたづけられるのならばまだいい方⋯。国王は事の次第によってはオーストリアとの戦争も辞さないほどのご立腹!そうなるとオーストリア・フランス同盟はどうなります!?母帝マリア・テレジア様が生涯最大の力を注ぎこんで成立させたこの同盟は!!もし同盟がやぶれ、オーストリアとフランスが戦争することになれば⋯それは全てアントワネット様。あなたの責任でございますぞ!!
- デュ・バリー夫人の名言・名セリフ
- わたしは⋯なんの地位もない下町の平民に生まれて⋯とうとう伯爵夫人号も手に入れたし⋯国王の寵愛もすべての権力も宝石やドレスやお城や⋯のぞむものはなにもかも手に入れてきたわ。この上はなんとしても王太子妃に言葉を掛けさせて、私の力が王太子妃よりも上だということを認めさせなければ⋯!!
- ジャンヌ・バロアの名言・名セリフ
- あたりまえだわ⋯。なんのために夜も寝ないで貴婦人になりすますために血の滲むような努力をしてきたと思うの⋯⋯。これからがほんとうの私の力の見せ所よ。ふふ⋯まあ見ているがいいわ。
- マルティーヌ・ガブリエル・ド・ポリニャック(ポリニャック伯夫人)の名言・名セリフ
- な⋯なに!?その目は。もんくがあるならいつでもベルサイユへいらっしゃい!
- ロザリー⋯。ポリニャック家に嫁いでも⋯シャルロットが生まれても⋯あなたのことを思わなかった日は1日だってありませんでした⋯。なぜ⋯ゆるしてもらえ⋯ない⋯の⋯?
- シャルロット・ド・ポリニャックの名言・名セリフ
- だれもおかあさまの権力を恐れてわたしに近よってこないのに⋯あなただけだわ⋯おねえさまみた⋯い⋯。
- いや⋯結婚なんて⋯結婚なんてこわ⋯い⋯。ロザリーさんたすけて⋯!たすけて⋯結婚なんていやよう⋯。あ⋯死んでしまいた⋯い⋯。
- お母様⋯ごめんなさい。こんど生まれてくるときは⋯⋯もう⋯貴族なんかじゃないところにする⋯わ⋯。ほんと⋯よ⋯。貴族なんかじゃないところに⋯
- ナレーションの名言・名セリフ
- もしも⋯もしもこの日の感激を、幸せを、民衆の愛情をアントワネットがいつまでもわすれないでさえいたなら⋯⋯。彼女は悲劇の女王にならずにすんだかもしれなかった⋯!!
- そのときともに18歳であった若き二人の眼差しの中に一瞬きらめいていたものはなんだったろうか⋯?王妃の地位を約束され、ただ退屈することだけを恐れていれば良いベルサイユ一の美人と、北欧の美しく高貴な騎士との偉大な歴史的愛の第1幕は、ふたり自身にもそうと気づかぬうちに始まったのであった⋯⋯。
- ばらとダイヤモンドと華麗な調べとさんざめく笑い声にうずめつくされた幾百の昼と夜をこえ、はるかにへだてられた空間と距離をこえて、いま、よみがえる。熱い胸の高鳴りに22歳の王妃マリー・アントワネットは精一杯にたえていた。
- たぶん⋯⋯あの4年前の仮面舞踏会の夜から⋯⋯二人の魂はひそやかに、ほんのすこしずつ求めあい、呼び合って⋯。もう神に定められたこの時がいつか来るのを予感しながら、たて琴の銀色の弦のようにふるえあっていたのだ⋯。
- 数週間におよぶお祭りさわぎの間さえ、すでに民衆はパンを買うことができずに飢えていた。
- マリー・アントワネットはようやく目覚め始めた。自分が今まで何をしてきたか、自分に本当に忠実につかえてきたのはだれだったのか、今まで惜しげも無く浪費してきたお金がいったいどこから入ってきていたのか⋯⋯。
- 夜をこめて、今、神はその御前に幼なじみの二人を結びあわせたもう。結ばれるべく生まれてきた美しきふたりゆえに⋯⋯