ふしぎ遊戯(玄武開伝)のネタバレ解説・考察まとめ

『ふしぎ遊戯 玄武開伝』とは、渡瀬悠宇による漫画、及びそれを原作とするメディアミックス作品で、前作『ふしぎ遊戯』で語られた玄武の巫女と七星士の活躍を紡ぐ物語である。大正時代の女学生・奥田多喜子は、嫌っていた父が訳した書物・四神天地書に吸い込まれる。本の中に広がる異世界で玄武の巫女となった多喜子は、巫女を守る七星士と共に玄武の召喚を目指す。玄武を祀りながら巫女と七星士を不吉と見なす北甲国皇帝一族、北甲国を狙う倶東国の軍勢との戦いの中、多喜子は巫女としての使命に目覚めていく。

『玄武開伝』には、前作『ふしぎ遊戯』との繋がりを示す描写が多々ある。前作を知るファンへのサービス的なシーンである一方、前作を知らない新規のファンでも置いて行かれることのない作りと言える。

朱雀七星士の先祖が『玄武開伝』に登場

紅南国の呉服屋の迢(左)と、朱雀七星士の柳宿(右)。

多喜子らが、紅南国の衣装を現地で購入するシーンがあるが、その時接客をした女性・迢(ちょう)が朱雀七星士・柳宿(ぬりこ)に似ており、家業の呉服屋と苗字が彼と同じであったことから、柳宿の先祖であることが示唆される。

斗宿と虚宿が登場

前作『ふしぎ遊戯』に登場した斗宿と虚宿。

伝承とは違った多喜子の死

斗宿と虚宿は、前作『ふしぎ遊戯』にも登場している。元々『玄武開伝』は『ふしぎ遊戯』の前日譚のような扱いであり、天地書内部では多喜子たちと戦いから200年が経過していて玄武の巫女や七星士の戦いは伝説となっていた。
巫女と七星士が揃った状態でなければ神獣の召喚はなされないが、『ふしぎ遊戯』では七星士に欠員が出ても神獣を呼べるアイテムとして神座宝が登場した。神獣召喚を果たした際、巫女が身に着けていたものが神座宝である。斗宿、虚宿は死後多喜子の遺した神座宝を他の巫女に託す為に守ることを女宿に誓った。
『玄武開伝』では、紅南国に立ち寄った虚宿と斗宿が、朱雀の巫女や七星士について語る描写がある。『玄武開伝』の時点で紅南国は平和な国であり、朱雀の巫女、七星士が現れるとしても自分たちが彼らに会うことはないだろうと斗宿が口にしている。
尚、『ふしぎ遊戯』において玄武の巫女並びに七星士の神座宝についての伝承はあったが、その成り立ちや巫女がどうなったかについては北甲国で生まれ育った老人でさえ正確には知らなかった。

前作では「玄武を召喚し国を救ったが、現実世界に戻った後に父親に殺され、後追い自殺された」と語られたが、伝承と実際に起こった出来事には大きな違いがあることが今作で明かされた。
母から感染した結核に侵されながらも玄武召喚に成功し、2つの願いを叶えた多喜子。玄武に体を食われて苦しむ中、『四神天地書』を読んで娘の状況を把握していた父は、何とか娘と接触しようとナイフで自分を刺し、流血したことで本の中の多喜子と通じ合う。自分が書いた書物のせいで娘が苦しんできたことを詫び、玄武に食われる苦しみから娘を救うため、父は自分の心臓にナイフを突き立てた。物語の中と現実世界が繋がっていたことから、多喜子もダメージを負い、それが原因で死亡したのだ。
『ふしぎ遊戯』本編では狂人のような印象だった父だが、今作で娘への愛情を抱いていたことが描かれた。

豪華声優陣が共演したドラマCD

『ふしぎ遊戯 玄武開伝』はテレビアニメ化はされていないが、ドラマCDが発売されている。雪野五月、櫻井孝宏、福山潤、谷山紀章など、豪華声優陣の共演は必聴。
また、『ふしぎ遊戯』にも登場した虚宿と斗宿の声優は、『ふしぎ遊戯』のアニメ版と同じ。虚宿を岩永哲哉が、斗宿を檜山修之が担当している。

『ふしぎ遊戯 玄武開伝』の主題歌・挿入歌

ゲーム主題歌はPS2版OP「永遠の花」(作詞・歌:米倉千尋・作曲:鵜島仁文・編曲:WAKA TAKAYAMA)、ED「Cross」(作詞・作曲・歌:米倉千尋・編曲:WAKA TAKAYAMA)の他PSP版OP「Scramble」(作詞:MIZUE・作曲・編曲:高山和芽・歌:米倉千尋)、ED「ハレルヤ」(作詞・作曲・歌:米倉千尋・編曲:高山和芽)がある。

PS2版ゲームOP(オープニング):米倉千尋「永遠の花」

PS2版ゲームED(エンディング)米倉千尋「Cross」

PSP版ゲームOP(オープニング)米倉千尋「Scramble」

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PSP版ゲームED(エンディング)米倉千尋「ハレルヤ」

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