アダルト・前衛的な表現を追求した『LUPIN the Third -峰不二子という女-』の魅力

銭形幸一

本名は銭形幸一。
本作ではルパン逮捕ではなく「ルパン一族を根絶やしにする」という目的のため動いている。
ルパンを捕まえるためなら手加減なしで発砲するやり手の刑事。
不二子のこともセックスには応じたが「安い泥棒」とみなして、利用することが目的。

部下オスカーとの出会いはオスカーが子どもの頃にさかのぼる。
貧しく身よりのないホームレスのような生活をしていたオスカーはある日他の子どもたちから大切にしていた1フランを取られてしまう。
たかが1フランだが命がけで取り返そうとするオスカーを見て勇敢だと彼を褒めた銭形。
それ以来オスカーから熱い好意を寄せられている。

オスカー

今作で銭形の部下を務めるオリジナルキャラクター。
天涯孤独の身で子どものときはホームレスのような状態だったが、銭形に拾われ、警部補の位置までのぼりつめる。
銭形への尊敬・思慕は厚く、肉体関係を持った峰不二子のことを激しく憎み嫉妬している。
性格は激情型で峰不二子のことを「たんつぼ女！！」「メス豚！！」と呼ぶことが多い。

6話では峰不二子が学者の娘が持つペンダントを盗むことを知り、自ら女性徒に変身して潜入捜査する。
女学園の生徒たちを掌握したオスカーはわざと他の生徒に自分をいじめさせ、弱弱しいイゾルデを演じ見事不二子の隙をつき、部屋まで潜入する。

最終話で明らかになる峰不二子の正体とは

第10話「死んだ街」から峰不二子の正体が徐々に明らかにされる。
ある日ルパンの部屋にルイス・勇・アルメイダ伯爵の執事を名乗る謎の梟頭をした人物がやってくる。
その人物は「峰不二子を盗んでほしい」と依頼してきた。（第一話より前の出来事。この依頼により、不二子が潜入しているフロイラインオイレ教団へルパンも向かうことになる）

峰不二子と会い、その正体を依頼とは関係なく知りたいと思ったルパンは彼女の過去について調べた。
その結果たどり着いたのは、ある実験施設で少女を使った人体実験が行われていたという事実だった。
実験を行っていたのはグラウコス製薬という会社でそのパトロンは他でもない依頼主ルイス・勇・アルメイダ伯爵。
彼は実験に美少女ばかりを集め、自らの欲望のはけ口としても彼女たちを利用していた。
伯爵は特に研究の中心人物フリッツ・カイザー博士の娘・アイシャを気に入っていたという。
実験施設は13年前の薬品流失事故で壊滅しており、職員・少女たちも全員死亡した。
峰不二子がその施設の生き残りではないかと予想したルパンは伯爵の屋敷に行き、そのことについて問い詰める。
しかしそこにいたのは伯爵ではなく、ただのからくり人形だった。
そして現れた執事に攻撃されたルパンは気を失い、気が付くと13年前の薬品事故を起こした実験施設に居た。

13年前の薬品事故の影響で街全体が荒廃した雰囲気を漂わせるオイレンシュピーゲルの街。
実験施設の中に入るとそこには死んだはずのフリッツ・カイザー博士がいた。
そして彼は実験施設で行われていたことや娘・アイシャについて話し始める。
実験施設で作られていたのは植物を結晶化させてできた幻覚剤だった。
第一話の教団で使われていたフラフラの幻覚剤とは、この実験施設で作られていたものだった。
特徴は急性中毒になると狂暴性が高くなることと、なぜか他人が梟頭に見えること。
博士は実験が成功することを信じて、パトロンである伯爵に娘であるアイシャを実験台として差し出した。
ルパンは伯爵の屋敷で幻覚剤を使われたことに気づくが、どうやって抜け出せばいいかわからない。
博士と話している途中で、実験施設の職員と思われる人物たちから攻撃されるルパンはひとまず逃げることにする。

職員たちから逃げているとルパンはいつの間にか不二子の幻覚世界に迷い込む。
「わたしを捕まえられたら出られる」という不二子に対して、必死で追うルパンだが、捕まえようとする文字通り蝶のように消えてしまう不二子に悪戦苦闘。
「もうやめたやめた！なんでも好きにすればいい」と言うルパンに対して不二子はルパンの腕に噛みつく。
そこでやっと不二子を捕まえることに成功。
不二子の世界から出られる。