アダルト・前衛的な表現を追求した『LUPIN the Third -峰不二子という女-』の魅力

日本人なら誰でも知ってるルパン三世シリーズ。
今回はその中でも男女問わず人気のある峰不二子にスポットをあてたアニメシリーズ『LUPIN the Third -峰不二子という女-』について紹介する。
今までのルパンシリーズになかったアダルトかつ前衛的な演出に中毒になること間違いなし。

自室のベッドで目覚めるルパン。

やっと幻覚世界から出られたルパンは自室ベッドで目覚める。
全ては幻覚。そう思いつつ、手元に残された不二子の噛み跡と博士からもらったアイシャの写真にどこまでが現実でどこからが幻覚なのかわからなくなるルパン。

グラウコスパークにある「不二子の家」というアトラクション。

その頃、巷では少女誘拐事件が多発していた。
誘拐された少女の部屋からは梟のアイテムが残されており、そのことから伯爵が関与していることをつかんだ不二子は銭形と組んで、グラウコス製薬が運営するグラウコス・パークという遊園地に向かう。
そこにあったのは「不二子の館」というアトラクションだった。
そのアトラクションは不二子の生まれてから今までの記憶を追っていた。
(グラウコス製薬に働く研究者父・フリッツ・カイザーのもとに生まれ→実験台の一人として利用される→アルメイダ伯爵に気に入られ、もっと過酷な虐待・実験を受けるという流れ)

アトラクションの内容に動揺し、銃で破壊しようとするところを銭形に押さえられる不二子。

誘拐された少女たちは不二子の家にいた。

自分の悲惨な過去を目の当たりにし、錯乱状態になった不二子はアトラクションの人形を壊そうと銃を乱射する。
しかしそれは人形ではなく、誘拐された少女たちだった。
それに気づいた銭形は必死で不二子を取り押さえる。

城の玉座に座っていたアルメイダ伯爵。だが中身は彼のミイラだった。

過去の記憶を思い出した不二子はパーク内にある、かつてアルメイダと暮らしていた城へ向かう。
アルメイダ伯爵と対面し、動揺する不二子だったがそこへ後から駆け付けたルパンによって、本当の黒幕はアルメイダではないことを知らされる。アルメイダはミイラ状態で話していたのはスピーカーからだった。その声の主が本当の黒幕だった。

数多くの実験や虐待によって寝たきりになってしまったアイシャ。

ルパンの導きによって塔の最上階へ向かう不二子。
そこにいたのは寝たきりになった博士の娘・アイシャだった。
あの薬品事故の日、アルメイダ伯爵は数名の研究員とお気に入りの少女だけを連れて街から逃げた。(アイシャの父は事故に見せかけて殺した)
グラウコスパークにある城に移ってからも実験は続き、ついにアイシャは寝たきりの状態になってしまった。
アルメイダ伯爵も寿命によって亡くなり、ついに自由の身となったアイシャだったが、極度の虐待を受けたことによりストックホルム症候群(誘拐や監禁事件などの犯罪被害者が犯人と長時間一緒に過ごすことで同情や愛情を抱くようになること)のような状態に陥っていたアイシャは「アルメイダは死なない。実験は続ける」と言ってアルメイダの実験の後継者となった。
彼女は自分の余命も少ないことを悟ると、あることに執着するようになった。
それはifの世界。すでに寝たきり状態になっていたアイシャだったが、「もしも外に出られる状態だったら自分はどんな風に外の世界で生きていただろうか」、それを知りたくなったアイシャは自分と同じような洗脳・虐待を多くの少女に行い、そこで解放したら少女たちがその後どんな人生を送るのか実験を続けた。
しかしほとんどの少女は実験の途中で脱落するか、解放した後に自殺してしまい、アイシャの満足のいく結果にはならなかった。
そこに現れたのが峰不二子だった。

新しいメイドとして雇われた峰不二子。

不二子はフラフラの教団の秘宝がグラウコス製薬にあると突き止め、メイドとしてアルメイダ(アイシャ)の元に雇われた。
アルメイダに色仕掛けで迫ろうとしたところを拘束され、少女たちと同じ実験を受ける。
そして解放された不二子は泥棒となり、自由奔放な生活を送り始める。
アイシャは不二子の提供するIfの世界「峰不二子という物語」を観察し続けた。
しかしいつからか不二子が実験の記憶を意図的に忘れようとしたので、それに腹を立てたアイシャは彼女が苦しむように記憶を思い出させるように仕向ける。
つまり峰不二子が自分の過去だと思っていた「フリッツ・カイザーの娘として生まれ、アルメイダ伯爵に虐待された」という記憶はアイシャに埋め込まれたものだったのだ。

アルメイダの執事として実行犯をしていたのはアイシャの母親だった。アイシャの声優を担当したのはオープニングでナレーションをしている橋本一子。

寝たきりのアイシャに代わって、ルパンに会ったり実行犯的役割を果たしていたのはアイシャの母親だった。(アルメイダの執事として名乗っていた)
彼女は自分の娘がアルメイダに苦しめられているのを知りつつも、それを黙って見ていた。
アルメイダが亡くなってからもアイシャが酷い実験を他の少女にするのを手助けしていた。
そのことで峰不二子から「アイシャに母親としての優しい面影も残してやらなかった」と言われ、不二子とルパンにアイシャを託す。

アイシャを海辺で寝かせる不二子とそれを見守るルパン。

不二子とルパンはアイシャを海辺に連れていく。
「どうせあそこから離れたら少ししか生きられないし、一思いに殺してやればいいのに」と言うルパンに対して、不二子は「(アイシャに対して)あなたに宝物をあげる。あなたが今まで一番欲しかったもの、”自由”よ。」と言ってアイシャの髪を撫でた。

アニメ全体をまとめた動画。

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