巨獣特捜ジャスピオン(特撮テレビ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

巨獣特捜ジャスピオンとは、1985年に放映された東映製作の特撮ヒーロー番組で、宇宙刑事ギャバンより始まる「メタルヒーローシリーズ」の第4作目である。銀河の野生児・ジャスピオンが超惑星戦闘母艦ダイレオンを駆り、宇宙の魔王・サタンゴースが操る巨獣、更には無法者のエイリアンらと宇宙を股にかけた戦いを繰り広げる。等身大ヒーローと巨獣の戦い等、野心的な試みが数多くなされた作品である。

漆黒の鎧をまとった宇宙の魔王。どことなく、某有名SF大作映画の悪役を想起させる見た目だ。

第43話より見せた真の姿。ロボット風の見た目から一転、醜悪な怪物となってしまった。

全銀河を巨獣帝国と化して支配せんと企む暗黒の大巨神。黒い鎧に身を包んだロボット風の外観を持っている。巨大な剣が武器。目から発する光線で巨獣を狂暴化させたり、等身大の戦士を巨大化および巨獣化させる魔力を持っている。圧倒的な力を持ちながら、悪夢に見るほど「黄金の鳥」の存在を恐れている。
その正体はブラックホールから弾き出された負のエネルギーが凝縮した超生命体で、脱皮をすることで成長する外骨格生物であることが終盤で判明する。当初は言葉をしゃべらなかったが、マッドギャランが一時死亡し、ギルザの手で蘇った頃に言葉をしゃべるようになった。第43話にて、儀式を経て脱皮し、大サタンゴースとなった。その姿は脱皮前とは正反対の醜悪な外観の怪物であるが、儀式をジャスピオンに妨害されたため、不完全脱皮であった。大サタンゴースとなって以降は、胸部の触手と頭部からの光線が武器で、自分の等身大の幻影や「サタンゴース空間(劇中ではサタンゴースゾーンと呼称)」と呼ばれる異空間を作り出すことも可能。サタンゴース空間ではジャスピオンはダイレオンを召喚できないため、窮地に追い込まれることになった。最終決戦で光に打たれし赤子(ターザン)の泣き声に苦しめられ、黄金の鳥が変化した剣によるダイレオン・コズミックハーレーによって倒された。

マッドギャラン(演:春田純一)

遂に現れた「悪のコンバットスーツ」戦士。80年代を代表する悪役の一人といえる。

こちらは人間態。その辺にいるかも?と思える絶妙な小悪党感がいい味を出している。

第4話より登場したサタンゴースの息子。父であるサタンゴースの命を受けて、侵略計画の立案、作戦の実行を指揮する司令官でもある。様々な惑星から配下を集め軍団を率いている。普段は人間の姿をしているが、戦闘時はメタルテックスーツを思わせる黒い鎧を纏ったような姿になる(というよりは、黒い鎧をまとった姿から、人間の姿に「変身している」といった方が正しい)。ジャスピオンとはライバル関係にある。当初は「マッドギャラン」と名乗らなかったため、しばらくジャスピオンに「怪しい奴」と呼ばれた。
第29話でのジャスピオンとの一騎討ちの末、右腕を切断され、直後にコズミックハーレーを受けて戦死するが、魔女ギルザの魔力で蘇った。復活以降、人間態時には黒と紫の法服を着用し、頭部にはヘルメットを被るようになった。第45話で大サタンゴースの指導の下、打倒ジャスピオンの特訓を行い、ジャスピオンとの2度目の一騎打ちを行う。激戦の末、満身創痍の状態からコズミックハーレーを受け致命傷を負うも、執念でサタンゴースと同じ姿になる。しかし力及ばず、巨大化直後に爆発を起こし息絶えて元の姿に戻り、大サタンゴースの手の中で霧散し消滅した。

四天王

画像左より、ギョール、ザンパ、イッキ、ブリマ。

第13話より登場。マッドギャランが宇宙から呼び寄せた精鋭戦士である。イッキ、ザンパは比較的早期に退場するも、ブリマ、ギョールは長らくサタンゴース軍団の諜報員として暗躍することとなる。

イッキは怪力自慢のサイボーグ。槍にも変形し、柄から火炎を放射する三叉剣と、両手のロケットパンチ、右肩のビーム砲と右腕の刃を武器とする。
第15話でジャスピオンと戦うも、投げ返されたロケットパンチとビームスキャナーガンでダメージを負った後、新登場の必殺技・コズミックハーレーを受けて倒される。四天王で最初に倒された。

ザンパは滅亡した機械帝国の行動隊長だった機械人間で、ジャスピオンの両親と因縁がある。鎖鎌の使い手。内蔵された電子頭脳で常に敵の先手を打って攻撃してくる。第18話にて真の姿である「戦闘機械人ザンパ」となる。機械のタフなボディと切り落とされた自らの右腕を操るなど、ロボットならではの戦法でジャスピオンを窮地に追い込むが、アイアンウルフを駆ったジャスピオンの反撃を受けた上、目が弱点であることを見抜かれてしまい、ビームスキャナーガンで攻撃された後、コズミックハーレーを受けて倒された。

ブリマは予知能力を持つ女妖術師。水晶玉から光線を放つ。カード手裏剣や短剣による戦いも得意。妖女チキタという師匠を持つ。ザンパの敗北後はマッドギャランの片腕としてギョールと共に、サタンゴース軍団の諜報役として暗躍する。第44話でギョールと合体し、獅子のような怪物合体獣になって最後の戦いを挑むが、コズミックハーレーの前に敗れた。

ギョールは小鳥や犬への変身能力を持つ他、相手を動物に変えることもできる妖術使い。術を使う際に吹く横笛は、槍や吹き矢にもなる。ザンパの敗北後、ブリマ共々サタンゴース軍団の諜報役として暗躍する。

銀河魔女ギルザ(演:高畑淳子)

奇怪な妖術の数々でジャスピオンを幾度も追い込んだ強敵。無名時代とはいえ、高畑淳子の眼力はすさまじい。

第29話より登場した宇宙の妖術使いで、銀河の彼方からサタンゴースに召喚された。剣が武器。死者を蘇生させるほどの強大な魔力を持っており、登場直後、戦死したマッドギャランを頭部・胸部・腰部・両手だけの状態から見事に蘇生させた。「ベルベカンカタブンダ、ベルベカンカタブンダ…」という呪文を唱え、数々の妖術を繰り出す。首を切り落とされても死なない上、相手の攻撃を自在にすり抜ける技を使う難敵である。第36話にて光に打たれし赤子のイメージに苦しんだことで弱体化し、自身の剣をジャスピオンに投げ返された後、コズミックハーレーを受けて完全に果てた。

ギルマーザ(演:賀川雪絵)

暗黒銀河のスペクター・クイーンを自称するギルザの姉。

第39話より登場したギルザの姉。ジャスピオンに倒された妹の復讐のために地球に来た。ギルザ以上の魔力の持ち主で「暗黒銀河のスペクタークイーン」の異名を持つ犯罪プロフェッショナル。両手のカスタネットを鳴らして魔術を発動する。配下に5人の宇宙忍者を率いる。地球に赴任する前は様々な惑星で暗躍しており、サタンゴース教を広めて退廃させたり、魔術師として乗り込んで東西の首脳を操り核戦争に突入させるなど幾多の破壊工作を行っていった。プリマ・ギョールと共に人間に扮して諜報活動も行う行動派。
最終話の最終決戦にて、大サタンゴースが致命傷を負った際に生じたエネルギーに巻き込まれて爆死した。

宇宙忍者

カ、スイ、モク、ドウ、フウの5人。皆高い戦闘能力を持つ猛者ばかりだ。

ギルマーザ直属の配下。ギルマーザがカスタネットを打ち鳴らすと、5色の光の中から現れる。

ドウは額の色が白。ムカデのような怪地虫に変身する能力を持つが、コズミックハーレーの前に敗れる。

スイは額の色が青。キラービーボール(長く鋭い針がたくさん生えた鉄球)に変身する能力を持つが、コズミックハーレーの前に敗れる。

モクは額の色が緑。鬼女に変身する能力を見せるも、コズミックハーレーの前に敗れる。

フウは額の色が黄色。フウ大砲に変身する。カと共にコズミックハーレーの前に敗れる。

カは額の色が赤。カ・マグマ弾に変身し、フウが変身した大砲の弾となる連携を見せるが、ビームスキャナーガンの前に破れる。

巨獣

写真は巨獣ダイヤゴラス。ウルトラシリーズやゴジラシリーズ等とはひと味違う、独特なデザインの巨獣たちが画面を賑わせた。

宇宙各地に存在する巨大生物。特に地球は、「巨獣の惑星」と呼ばれるほど多くの巨獣が眠る星である事から、サタンゴース軍団の主目標とされた。
その多くは眠っているか、大人しい性格であるが、サタンゴースの眼から発する光線を浴びることで凶暴化する。サタンゴースのために無理矢理暴れさせられる個体も多く、決して悪の存在ばかりではない。中にはジャスピオンに倒されず、平穏な暮らしに戻るものもいる。
ウルトラシリーズの怪獣や東宝怪獣等のような恐竜然とした見た目のものもいるが、死神調のデザインであるハカバーン、カジノの要素を持つソドモンなど、多くは他の追随を許さぬ独創的なデザインであることが多い。

コマンダー

サタンゴース軍団の戦闘員で、様々な星から寄せ集められたエイリアンの混成集団である。地球の言語は話さず、彼ら独特の「宇宙語」で会話するが、マッドギャランやギルザたちの命令(日本語)は理解していた。様々な星の出身であることから、1体1体違う造型の「量産型」ではない頭部をしている。

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