宇宙刑事シャイダー(特撮テレビ)のネタバレ解説・考察まとめ

宇宙刑事シャイダーとは、1984年に放映された東映製作の特撮ヒーロー番組で、宇宙刑事ギャバンより続く「宇宙刑事シリーズ」の第3作目にして最終作である。訓練学校を卒業したばかりの新米宇宙刑事・シャイダーこと沢村大と相棒のアニーが、シリーズ最強最悪の宇宙犯罪組織・フーマに挑む姿を描く。「不思議」をテーマとした奇抜な悪役や完成度の高いストーリーで、シリーズ中でも独自の輝きを持った作品といえる。

『宇宙刑事シャイダー』の概要

本作は「訓練を終わって間もない見習い宇宙刑事」であるシャイダーを主人公とすることで、若き宇宙刑事の成長物語としての側面が強調されており、前2作では殆ど描かれなかった、宇宙刑事として未熟な姿が度々描かれている。また本作の敵組織フーマのテーマソングと言える曲・不思議ソングの存在に代表されるように、前作がややホラーよりであったのに対し、「不思議」を強く意識した作風となっている。

本作最大の特徴として、敵組織である不思議界フーマが、「人間の心を堕落するor支配する」といった観点で侵略を進める戦略をとったことが挙げられる。「地球を傷つけずに征服するため、直接的な武力に訴えない」という説得力ある理由づけがなされていたが、このため身の回りの衣食住や娯楽、教育などが侵略作戦に利用され、身近なところにまで魔手を伸ばし人間の心をえぐるフーマの魔性が強調された。「百点源太の正体」や「ユメコン狂時代だ」等、コンピュータおよびネットが発達した現代(当時からすれば近未来)を予期したり、高い社会風刺性を持ったエピソードも多い。また、作戦の性質上しばしば子どもがターゲットとされるため、子どもが絡んだエピソードも増えた。

前2作の様に先輩宇宙刑事の救援はなかったものの、最終話のEDで三人が揃い踏みし、宇宙刑事三部作の締めとなった。

『宇宙刑事シャイダー』の登場人物・キャラクター紹介

銀河連邦警察

沢村大/宇宙刑事シャイダー(演:円谷浩)

若き3代目宇宙刑事。歴代でもとりわけ爽やかなイメージの強い好青年だ。

本編の主人公。大学在学中にナスカの図形の解読に没頭しており、イースター島にある謎の遺跡を発見。その洞察力と行動力、遺跡に仕組まれたバリヤー光線に耐えた肉体の強靭さを買われ、銀河連邦警察にスカウトされて訓練生となる。
かつてクビライと戦い、ムー帝国を滅ぼした伝説の戦士の名前である「シャイダー」のコードネームを与えられた。訓練半ばで着任したため、度々未熟さを垣間見せる事もあり、歴代屈指の組織力を誇るフーマに苦戦するも、不屈の闘志で何度も試練を乗り越え戦士として成長した。
極めて理論的であり客観的で冷静な判断を下すが、悪を許さぬ心は人一倍強い正義漢でもある。地球赴任当初は宇宙刑事以外の職には就いておらず、第1話で自宅も破壊されてしまったが、第17話から小次郎が経営するペットショップ「モンキー」に下宿し、そこで働くようにもなる。両親は幼い頃に他界し、育ててくれた祖母も亡くしている。
当初、「シャイダー」のコードネームは伝説にあやかって付けられただけに思われたが、日本に戦士シャイダーの墓標があったことや、最終回に戦士シャイダーが力を貸し、彼の残したマシンを起動して見せた事で、本当に戦士シャイダーの末裔だったことが判明する。
フーマ壊滅後は太陽系地区担当となった。

アニー(演:森永奈緒美)

可憐な容姿からは想像出来ないハードなアクションを度々魅せた。80年代を代表する特撮ヒロインの一人。

宇宙刑事シャイダー=沢村大のパートナーを務める女宇宙刑事。フーマに滅ぼされた惑星・マウント星出身で、フーマ本隊が地球を主要侵略目標に定めたことを知り、地球担当を自ら志願した経歴を持つ。
シャイダー同様に宇宙刑事候補生であり、捜査官としての力量及び戦闘力は高いが、フーマを憎む気持ちが先行して罠に落ちることもしばしばあった。テレパシー能力も持つ。武器は2丁のレーザーセンサーガン(別名・バードニアブラスター)。バビロスやシャイアンの操縦も単独でしばしば行い、特にスカイシャイアンでの活躍が多い。「アニーにおまかせ!」が口癖だが、その言葉通り、シャイダーの頼れる相棒として活躍する。
フーマの手で故郷と家族を喪ってしまった為、天涯孤独の身の上となり、第2の故郷とした地球を守るためにもフーマとの戦いに身を投じる。
『宇宙刑事シャイダー』第41話ではシャイダーにべた付くバード星人ビビアンに嫉妬心を剥き出しにして激怒するなど、意外と嫉妬深い性格。
フーマ壊滅後は考古学生としてエジプトの大学に留学したことが最終回で語られた。
演じた森永奈緒美氏はJAC(ジャパン・アクション・クラブ)の精鋭女優であり、本編ではアクション経験の浅いシャイダー役・円谷浩氏以上の激しくも華麗なアクションを披露し、視聴者を熱狂させた。
また、彼女を主役とした後日談小説「女宇宙刑事アニーの大冒険」が存在し、オリジナルのコンバットスーツを纏ったアニーの活躍が描かれている。

コム長官(演:西沢利明)

3部作に皆勤した我らが長官。今作では未熟な若い宇宙刑事たちを導く指導者としての側面が強く描かれている。

前2作から引き続き登場した、銀河連邦警察の最高責任者。本編開始の2年前に大を宇宙刑事にスカウトした張本人でもある。大が未熟だからとて甘やかしたりはせず、厳しく接することで、彼の成長を促すなど、本作では若い宇宙刑事たちを導く指導者としての姿が多く描写された。しかし最終盤では、銀河各地に吹き荒れるフーマの大攻勢に対し焦りを覚える等、前2作では見られなかった描写も見せている。

宇宙刑事ギャバン/一乗寺烈(演:大葉健二)

画像は第49話から。どうしたんですかその頭は?

本作では直接の登場は殆どなく、対マクー戦でのドクジャモンスターとのエピソードや、劇場版第一作での銀河の流れ者・オメガとの戦いが語られたり、フーマの全銀河大侵略を迎え撃つ奮闘が描写されたりする程度にとどまり、シャイダーとの共闘は無かった。登場時にはスキンヘッドになっており、そのことで電と大からツッコまれていた。本編での理由は不明だが、実際の理由は演じた大葉氏が当時「影の軍団Ⅳ」に登場するがま八役で撮影していたためである。

伊賀電/宇宙刑事シャリバン(演:渡洋史)

画像右側の人物。服装の色合いもあり、前作より落ち着いた雰囲気。

前作最終回にてイガ星地区担当刑事に就任していた。本作では銀河の流れ者・オメガとの交戦が語られるほか、フーマの大侵略に対するイガ星防衛の戦いが描写されたものの、ギャバン同様シャイダーとの共闘は無かった。新撮での登場は特別編の第49話で初めて実現した。イガ星もフーマの侵攻で大打撃を受け、ようやく復興しはじめたことが電の口から語られた。

地球の人々

大山小次郎(演:鈴木正幸)

何気に歴代宇宙刑事全員と交友関係を持つ凄い人なのだが、悲しいかな自覚は無し。

元UFO関連のルポライターであり、前2作から引き続き登場した地球人代表で、沢村大の良き友人となる。
今作ではペットショップ「モンキー」のオーナーを務め、店の2階で生活している。モンキーは良一達のたまり場ともなっており、大の情報収集にも役立っている。また古いSF専門雑誌から、沢村大が二年前にナスカ平原で消息を絶った宇宙考古学の研究家と知ってからは、自宅の二階に家賃タダで彼を下宿させているが、店員としてこき使うなどしている。やはり今作も、フーマの起こす様々な事件に巻き込まれてしまう。モンキーを経営している関係か、一時はUFO関連への情熱が薄れたかに見えたが、本編途中で再燃し、不思議獣をETだと思い込むなど相変わらずの姿を見せた。第20話では、動物本来の攻撃的性格がむき出しになるという不思議ソング病に罹患しない特異体質であることが判明し、フーマ一同を困惑させた。

小村陽子(演:原美穂)

nae201403
nae201403
@nae201403

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