THE FIRST SLAM DUNK / ザ・ファースト・スラムダンク

THE FIRST SLAM DUNK / ザ・ファースト・スラムダンク

『THE FIRST SLAM DUNK』(ザ・ファースト・スラムダンク)とは、井上雄彦の漫画『SLAM DUNK』を原作とする、2022年に公開されたアニメ映画。『SLAM DUNK』のキャラクターである宮城リョータを主人公に据え、原作で最後の試合となった山王工業との一戦を描いている。
インターハイ2回戦に進出した神奈川県代表の湘北高校は、優勝候補筆頭の山王工業との試合に臨む。リョータにとって「山王工業を倒すこと」は、仲間たちと夢見た全国制覇に必須の大仕事にして、今は亡き兄の悲願でもあった。

THE FIRST SLAM DUNK / ザ・ファースト・スラムダンクのレビュー・評価・感想

THE FIRST SLAM DUNK / ザ・ファースト・スラムダンク
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湘北バスケ部新たな伝説の幕開け!心に響く青春群像劇

井上雄彦先生の原作漫画『SLAM DUNK』を、原作者自ら脚本・監督を務めたアニメ映画『THE FIRST SLAM DUNK』。長年愛され続ける原作の世界観を、新たな視点で描き出した本作は、多くのファンを熱狂させました。

本作の最大の魅力は、なんといっても湘北高校バスケ部員たちの成長を描いた、繊細かつ熱く感動的なストーリーです。特に、宮城リョータの過去と、その心の葛藤が丁寧に描かれている点が印象的でした。原作では描かれなかった宮城の視点から物語が展開されることで、新たな発見や感動が生まれ、キャラクターへの共感が深まります。

試合シーンは、まるで漫画から飛び出したかのような迫力と美しさ。特に、湘北と山王工業の試合は、息をのむような展開の連続で、観ているこちらまで心臓がドキドキしました。井上監督のこだわりの詰まった作画は、キャラクターたちの表情や動きを細やかに表現しており、まるでそこにいるかのような臨場感を味わえます。

また、劇中で流れる主題歌「THE FIRST SLAM DUNK」は、作品の熱量をさらに高めています。歌詞の内容も、登場人物たちの心情とリンクしており、より深く作品の世界観に浸ることができます。

本作は、単なる原作のアニメ化にとどまらず、新たな『SLAM DUNK』として、私たちの心に深く刻まれる作品となりました。バスケを知らない人でも、青春の輝きと感動を味わえる、まさに奇跡のアニメ映画です。

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原作とは違った視点での人間ドラマ!映画版「スラムダンク」レビュー

宮城リョータに焦点を当てていることにより、物語に新たな視点が生まれています。漫画では天才バスケットボール選手である桜木花道が主役でしたが、今作では宮城リョータの人生や苦悩がしっかりと描かれているのが特徴。兄を失った悲しみを乗り越える過程や、チームメイトとの絆を深める瞬間が、彼の人間味を際立たせ、宮城という人間味が描かれています。
映画の中心となるのは、湘北高校と山王工業のインターハイでの試合です。しかし、その背後には宮城の個人的な物語が強く描かれています。彼は幼い頃に父親を亡くし、その後、頼りにしていた兄も事故で失うという悲劇に見舞われます。このような過酷な状況下でもバスケットボールに情熱を注ぎ続ける宮城は、体格にも恵まれない自分自身と戦いながら、逆境を乗り越えようと努力します。
宮城に焦点を当てたことで、彼の苦しみや成長が丁寧に描かれ、身近に感じることができます。特に、努力や逆境に直面する姿は、自身の経験と重ね合わせやすく、物語に感情移入しやすくなっています。またバスケットボールの試合シーンでは、選手たちの動きが非常にリアルに描かれていて、シュートやドリブル、フェイントなどの細かい動作も実際にバスケットボールをしているかのような臨場感があります。特に、スピード感のあるカットや視点の切り替えが巧みに使われていて、試合に引き込まれるような迫力を感じられます。
原作を知らない方にとっても、ただのスポーツ映画ではなく、心に深く響くドラマとして楽しむことができます。宮城リョータの成長物語と、仲間との絆は、誰もが共感し、胸を熱くさせること間違いなしです。

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音楽とベストマッチな映画

映画公開前から話題になっていたため、情報として知ってはいましたが、公開から1年半後の2024年夏に
ついにNetflixで配信が開始されました。
映画館で観たかったです。
オープニングテーマが流れるシーンが圧巻で、チバユウスケさんのハスキーボイスと重低音のベース音と絵コンテタッチの作画風景が見事にマッチしていて、鳥肌モノでした。
全体の内容としては原作でも描かれた「山王戦」と、原作では描かれていなかった「宮城リョータの過去」の2つを軸に展開していきます。
さらに大きなポイントは声優陣に違和感がなかったこと。あれだけ人気で根強いファンがいる作品の映画化、しかも声優陣が総入れ替えともなれば、若干の違和感を感じるやもと思っていましたが、全く違和感なし。全体的にセリフが少なめだった印象もあり、その影響かなとも思いましたが、それを踏まえて考えてみても違和感がなかったです。
映像技術を駆使した場面展開で、試合の臨場感が伝わってきました。
最初に結論として記した「映画館で観たかった」と感じたのは、この臨場感やオープニングテーマが流れる圧巻のシーンがそう思わせてくれたからです。
久しぶりに観た『スラムダンク』は、進化した『スラムダンク』でした。

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音楽と映像は満点

映画始まり早々に、全国大会の山王戦が始まり、期待通りの展開でうれしかったです。映像もきれいで音楽(「第ゼロ感」)もとてもかっこいいです。また、アニメの時よりもスピード感やバスケットの音がリアルでいいのです。
しかし、主役が桜木花道ではなく宮城リョータになっており、回想のシーンの子供のころはあまり面白みがなくつらい過去があったんだってことしかなく、三井との喧嘩のところでも大事な「バスケがしたいです…」とかのシーンもなく、『SLUMDANK』の派手な部分や面白いところがなくなってしまい非常に残念です。
アニメでは、主人公の桜木花道のめちゃくちゃな感じや派手さがあり面白く、さらにバスケットがどんどんうまくなっていっていたので、山王戦での桜木の活躍はもっと見たかったです。
赤木に対しての浣腸のシーンや、赤木からげんこつされるところなども淡々としていて、「やまおーはおれが全員たおす」のところももっとざわざわ感というか、桜木の一生懸命のところがもっと見たかったです。
最後のシーンでの流川ハイタッチも期待していたのとは違っており、この映画は映像とバスケットのリアルさ、それと音楽の方を優先して作られているのかなと感じました。

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前評判を覆した感動の一作『THE FIRST SLAM DUNK』

公開前、声優の変更やCGアニメーションの導入による不安の声が多かった『THE FIRST SLAM DUNK』ですが、実際に映画を見てその心配は全くの杞憂だったと感じました。

この映画は、原作の魅力をしっかりと受け継ぎながら、宮城リョータの新しい物語を軸に展開しています。彼の過去と現在がどう繋がっていくのか、その心理描写が丁寧で、私の感情を強く掴んで離しませんでした。
CGアニメーションで描かれる試合の迫力と臨場感は、まるで実際のバスケットボールの試合を目の前で見ているかのような感動を与えてくれました。

新しい声優陣の演技も、この映画の新しい世界観に見事にマッチしていました。彼らの声を通じてキャラクターたちの感情がリアルに伝わってきて、物語にさらに深みを加えていました。また、映画の雰囲気を高める音楽も素晴らしく、特に試合シーンでの熱量を増幅させてくれました。

原作を愛する私ですが、この映画はスラムダンクを知らない人でも十分に楽しめる内容だと感じました。バスケが好きな人、人間ドラマを楽しみたい人、様々な人におすすめできる作品です。
公開前の不安を完全に覆し、新たなファンを獲得した『THE FIRST SLAM DUNK』は、私にとって前評判を覆した感動の1作でした。

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映画を見てアニメも漫画も見たくなった

『スラムダンク』事態見たことがなく、職場の同僚がとても進めてくるため観た。まったく知識なく見てしまうとやはりわからない部分が多いと同僚にも言われ、YouTubeで登場人物や設定について少し知識を持ち見に行った。
見ると曲やストーリーや絵にも引き込まれた。井上雄彦先生の描く登場人物の躍動感あるプレースタイル、全編フルCGアニメで動きもすごくなめらかであった。最後のブザービーターまでの数秒間は音は要らないと感じた。実際プレーをする音もつけられていないはずなのに、画面から音も感じることができ、その場面が1番胸が熱くなった。
結局映画を見終わって、アニメも漫画もすべて見返した。アニメを見終ったのち再度映画を見に行ったが、最初よりもさらに感動が上回った。最後の流川から桜木へのパスは興奮したし、桜木の合宿シュートの成果がまさかこの場面で生かされてくるとはと感動した。結局、4回も映画を見に行くこととなるとは最初に勧められた時には思いもよらなかった。
声優は違ったがそれはそれでアニメも面白かった。ネット記事では声優について賛否あったが、アニメ版も映画版もどちらも良かった。
またドルビーシネマでみるとより躍動感や音の立体感を感じられたのではと思い、見れなかったことが残念である。

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原作を知らなくても楽しめる映画「THE FIRST SLAMDUNK」

1990年週刊少年ジャンプで連載され瞬く間にアニメ化。映画としても人気作品となった井上雄彦先生の「SLAM DUNK」。

不良少年で主人公の桜木花道を中心に、ヒロイン赤木晴子ら仲間との湘北高校バスケットボール部での成長を描いた伝説のバスケット青春漫画である。
当時日本にバスケのプロはなかったが、それでも中学だった息子の友人も何人もバスケ部に入ったくらい影響を与えていた作品。

映画公開の予告が出ると、日本だけでなく映画を楽しみに待っていた全世界のスラムダンクファンがSNSで盛り上がった。実際、映画公開が全世界でもニュースになるなど、注目の高さがわかる作品なので私も1ファンとして楽しみにして行ってきた。

ここから若干ネタバレありで、映画について紹介する。
映画は、漫画で最終回として描かれたインターハイ2回戦で対戦した過去インターハイ3連覇の絶対王者、秋田県代表校の山王工業高校との激戦。原作ではメンバーの1人として描かれた2年生ポイントガードの宮城リョータ目線で作られたオリジナルストーリーだ。

漫画を読んでいる方はあの山王戦の感動がよみがえるはず。何より試合中の息遣いや、体育館でシューズがこすれるキュっという音、筋肉がぶつかり合う音や、一気に相手を抜き去るスピード感などが、The Birthdayが歌う「LOVE ROCKETS」や10-FEETの「第ゼロ感」の爽快なロックの音楽とマッチし、まるで体育館で本当にバスケットの試合を見ているような高揚感、臨場感を味わえた。

結末がわかっていても引き込まれる演出は時間を感じさせないもの。

今回の主役、宮城リョータがどうしてバスケットをやり始めたのか、どんな思いで王者に挑むのか。その過程が要所要所に盛り込まれ、漫画では描かれていない彼のバックストーリーが作品自体に深みを与え私も泣いてしまった。

ただ、漫画を知らない「THE FIRST SLAMDUNK」初めての人にとっては、メンバー構成がわかり辛く、「湘北?山王って何?」となるかもしれないのと、漫画で描かれている湘北高校の安西監督の“名言のよさ”は伝わらないだろうなと思った。

総じて、SLAMDUNKを知らなくても、映画を見終わった後にちょっとバスケの試合を見てみたいと思えるくらいの疾走感と躍動感の溢れるエンターテインメント映画だった。

エンドロール終わった後に本当のエンディングあるのもよかった。
2022年に拝見した映画の中では自分が楽しみだったことも踏まえ、星8つ挙げたい。

映画館に足を運んでいるのは漫画で育った親とその子供だけでなく、若いカップルや、1人女性も多く来場していたのでお1人様でも見やすいと思う。

映画館で配布されているオリジナルステッカーは人気で終わってしまいもらえなかったのが悔やまれる。

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漫画派でも最高に楽しめる

とりあえず最高に面白い!
前評判がよかったので、相当期待していったが、期待以上の作品でした。
アニメはあまり好きではなく、基本的には漫画しか読まないので、「アニメだし…」みたいな気持ちがありましたが、アニメ最高、綺麗な映像最高となりました。
子供の頃から心と体に染み込んでいるはずの物語がこれほど新鮮に感じられるとは衝撃でした。
「主人公が花道じゃないけど、どういう話になるんだろう」と楽しみにしていきました。主人公は宮城だけど、5人の主人公たちが共に織りなす群像劇だったと思います。各々が濃密な個性を打ち鳴らし、それが合わさることで疾風怒濤のハーモニーが生まれゆく。特に音楽が完全にとまった数秒は数分に感じるくらい迫力があるものでした。その上、本作に限っていえば、伝説の山王戦に時間軸を定め、さらに5つの視点の重心を変化させることで、我々が慣れ親しんだハーモニーから”これまで聞こえてなかった響き”を鮮やかに抽出してみせる。これは原作者だからこそ成し得た画期的なアプローチだと思いました。
原作から時間がたってもまた新しさを与えてくれる作品に感謝です。子供が大きくなったら、絶対見せたいと思える映画はなかなかないです。

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スラムダンクを見たことない人でもハマる映画

私はスラムダンクの漫画を一度も見たことはなく、名セリフを知っている程度でしたがそんな人でもすごく楽しめる映画でした。
映画は強豪校と対決するシーンが主で、そこに登場する人物がこの試合に至るまでにどんな過去がありどんな人生を送ったのかを随所に取り入れていたので、その人達の生き様に共感して映画に引きずり込まれていきました。
決して順風満帆でここまできたわけではありませんし、まだお互い敵対心もある中で試合を通して意思統一をしていき、点差が離れてきて苦しい展開でも諦めない気持ちを持っている選手もいたり、プレーの最中に怪我をして歩くことさえ難しいような状況でも強い気持ちを持っていたりと、鳥肌が立つような演出やセリフが何度もありわくわくした気持ちを持ちながら映画を見ていました。
音楽と映像の流れがさらに映画を盛り立てており、スローシーンになるとそれまでガンガン鳴っていた音楽が急に無音になるなど目でも耳でも楽しめました。
映画を見る前までは原作を読んでから見た方が絶対に面白いのではないかと少し戸惑っていましたが、それをキレイに裏切られました。
私は原作を知っている人と一緒に観に行きましたがその人もすごく面白かったと言っていたので原作を読んでいる人でももちろん楽しめる映画になっていると思います。

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バスケットボール界に残る革命的名作!『THE FIRST SLAM DUNK』の魅力を解説!

『THE FIRST SLAM DUNK』は、バスケットボール界に一石を投じた作品です。この作品の魅力は、リアルなバスケットボールの試合描写にあります。作者である、井上雄彦は、バスケ経験者であり、その経験を活かして作中の試合を迫力ある映像で書き出しています。ドリブルやパス、シュートなどの細かい動作が精密に表現され、スポーツファンを圧倒します。また、映画の中にはドラマチックな展開や感動的なシーンもあり、観客は一緒に感情を共有することができます。
そして、この映画は原作である漫画とは別のストーリーが描かれています。そのストーリーの主人公はネタバレになるため明かしませんが、ぜひとも映画を見て確かめていただきたいです。そのストーリーはバスケットボールを通じて夢を追い求めることや、挫折や困難を乗り越えて成長する大切さがテーマとされています。そのため、この作品はスポーツに限らず人生のあらゆる分野で努力と情熱をもって取り組むことの意義を考えさせてくれるでしょう。
この映画は、バスケットボールファンはもちろん、感動的なストーリーに触れたい方などにもおすすめです。この映画を通じて、スポーツの魅力や人間の成長を感じ、自分自身の夢や希望に向かって努力する勇気を得ることができるでしょう。ぜひともご覧ください!

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親子で感動

アニメ映画はもともとあまり見る方ではなく、『SLAM DUNK』は原作のコミック版の頃が私の世代でした。そのため自分の中でキャラのイメージがあるので「どうなのかな?」と不安が半分、ドキドキが半分で見に行きました。
コミックの時は初心者の「桜木花道」が「もてたい」という単純な動機から始めたバスケが、バスケの難しさを知り、ひたすら練習して努力すれば上手になる事を知り、何よりもバスケが好きだということに気づいて成長していく。そして仲間たちと全国1位を目指すストーリーで、勝ち進む為に強いチームと戦っていく話でした。

しかし今回の映画は当時のストーリーの筋道はあっているのですが、スポットライトの当たった人物が「りょうた」で驚きました。
そして、「りょうた」の過去にそんな切ない、悔しい出来事があったなんて驚きです。
大事な人をなくす痛みは消えることはないけど、残った人は生きていかなきゃいけないから。泣きたいときに泣かないと泣けなくなるから、思いっきり泣いた方がいい。気が済むまで泣けば、きっと吹っ切れてスッキリして前に一歩歩き出せる。そんな風に感じました。

原作が人気だった当時、中学・高校でバスケをやっていた私は、安西先生のセリフに感動したのを思い出しました。そして息子も中学・高校とバスケ部で青春を送りました。私よりも先に彼女と『SLAM DUNK』を見に行った息子が、「絶対に見た方がいいよ」「少しウルウルした」と、そして何よりも「皆が主人公だな」と言っていました。

誰にスポットライトを当てても物語ができるような、今もどこかで練習をしているんじゃないかと思ってしまう、細かいところまで丁寧に作られている映画になっていると思います。続編が出るとかでないとか…見終わってからも話題は尽きませんでした。

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もう一人の主人公!?宮城リョータ

知らない人の方が少ないであろう、人気漫画『スラムダンク』を映画化した『THE FIRST SLAM DUNK』。
スラムダンクといえば思い浮かべるのが、バスケ素人の主人公・桜木花道、そのライバル流川楓の2人ではないだろうか。
今回の映画は、レギュラー唯一の2年生・宮城リョータにスポットを当てており、漫画でも人気な山王との試合が舞台となっている。
宮城リョータといえば、メインとなる話はあるものの、漫画でも他の個性豊かなキャラクターに埋もれて目立たなかったキャラクターである。
だが、今回の映画では宮城リョータが「何故背番号7を譲らなかったのか」「どうして山王に必死に挑むのか」がこと細かく描かれており、原作を読んでいるファンでさえも新しいスラムダンクを読んでいる気分を味わわせてくれる内容となっている。
今回の映画には、彼の死別した兄との思い出、家族との繋がり、自分のチームの中でのポジションへの葛藤などが詰まっており、流川、三井を追い抜くほど女性ファンも増えたのでは無いかと思う。
だが、やはり最後は主人公である桜木が原作通りに良い所を持っていくのも、ファンのことを分かっている作りになっていてとても良い映画であると思った。

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ここまで進化しているとは

とても面白いです!!バスケが好きな人もそうでない人でも、また、『スラムダンク』の原作やアニメをこれまで見たことがある人もない人も、みんなが楽しめる作品となっています。
特に、原作やアニメを見たことのある人たちにとっては、待望の一作と言っても過言ではないと思いました。
本作のあらすじは、インターハイでの神奈川県立湘北高校対秋田県立山王工業高校の試合がメインとなります。それだけでなく、湘北高校7番ポイントガードである宮城リョータの過去も明かされます。
原作やアニメとは異なり、リアルさを追求したアニメーションとなっているため、山王戦は、実際に試合を見に行っているかのような臨場感・緊張感を味わうことができます。
また、宮城リョータの過去は原作漫画やテレビアニメでも明かされていません。本作では、彼の視点で描かれているシーンが多く、つらい過去を仲間とともに乗り越えるところが魅力の一つになっています。
原作漫画やテレビアニメを見た人も見てない人も楽しめる内容となっていますが、この作品でもう一つ注目していただきたいのが、劇中の挿入歌です。エンディング曲である10-FEETの「第ゼロ感」とともに湘北のメインメンバー5人がゆっくり歩いてくる線画での演出は、鳥肌級のかっこよさでした。
是非劇場で見ることをおすすめします。

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SLAM DUNK好きの人もそうでない人も必見!最高の解放感を与えてくれる名作「THE FIRST SLAM DUNK」感想

言わずと知れた名作バスケ漫画 SLAM DUNKの作者井上雄彦先生が脚本・監督を務めた本作。

SLAM DUNKが好きな人だけでなく、知らない人にもオススメしたいそんな作品です。

私自身、SLAM DUNKは未読でほとんど知識なしで鑑賞しましたが、映画館で初めてガッツポーズをしました。
そして当時真冬でしたが、汗をかきました。

物語の舞台は原作でもクライマックス、インターハイ3連勝中の絶対王者山王工業との試合。この試合と今作の主人公宮城リョータの過去が交互に描かれていきます。

本来原作ではバカでまっすぐな自称天才桜木花道が主人公なわけですが、今作はそのチームメイトの宮城リョータが主人公なのです。
私はこの英断がこのTHE FIRST SLAM DUNKという作品を名作に押し上げたと感じました。

映画の気持ちいい構成として「抑圧からの解放」がありますが、主人公を宮城リョータに据えることによってこれでもかというくらいに観る者に解放感を与えてくれる作品になっています。

物語は宮城の小学生のころから始まります。兄と1on1でバスケをやる宮城、もちろん技術も体格も兄の方が上なわけですから、ドリブルで抜こうにも抜けません。格上との対峙に心臓もバクバクで挑む刹那に、抜けそうな一瞬が訪れます。しかし、その瞬間兄は友達に誘われて釣りに行きそのまま不幸にも亡くなってしまうのです。
ここで兄を抜けそうだったのに一生抜けなくなってしまったという抑圧が描かれます。

一方試合のシーンではこれまたディフェンス最強の山王の選手と対峙し、ドリブルでなかなか出し抜くことができずに鬱屈とする宮城の姿が描かれ、さらに観る者に抑圧を感じさせるシーンが続きます。

そして、宮城の母との過去や、これまでの背景をつづる中で最高に気持ちいい瞬間が訪れるのです。

この瞬間は是非自分の目で味わっていただきたいです。

上述の通りストーリー展開が優れているのはもちろん、音響にも目を見張るものがありました。
床にこすれるバッシュの音、ボールが床にバウンドする音がリアルで臨場感を感じさせます。
その一方息をのむような静寂も効果的に使われており、グッと惹き付けられます。

秀逸なストーリー展開と音響によってさらなる名作として輝いでいるわけです。

いかがだったでしょうか?
主人公を変え、映画として描くのは大変勇気のいることだっただろうに、うまく構成し新たに最高の1本を作り上げた井上先生には頭が上がりません。SLAM DUNKがもともと好きな人も、全く知らない人も楽しめる作品になっているので、是非自分の目で観て楽しんで頂けると幸いです。

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新たな発見

映画スラムダンクの制作が発表された時は、鬼滅の刃が素晴らしい作画力で爆発的に人気になり、TVアニメ界に追い風を与えていた時期でした。
正直、映画スラムダンクが鬼滅の刃と同じ作画クオリティで上映すると思うとワクワクが止まりませんでした。
しかし、次々と続報が発表されていく中で作画はまさかのフルCG、そして声優は全て交代。
不安の方が徐々に大きくなってきた中での鑑賞でした。

ここからはネタバレを含みます。
映画を見終わった第一印象は、「宮城リョータが主役なの!?」でした。
とりあえず宮城リョータを深掘りしています。
原作には出てこなかった「母」と「妹」、そしてバスケを始めるキッカケをくれた「兄」も出てきます。
宮城を深掘ることで桜木花道の存在感がない…。
なんならエンディングのクレジット、トップが宮城リョータなので笑ってしまいました。
そこまで宮城推しならタイトル「THE FIRST SLAM DUNK」ではなく、「SLAM DUNK エピソード宮城リョータ」ぐらい開き直っても良かったのでは!?とさえ感じてしまいます。

と、ここまでは少し酷評ですが映画の内容は良かったと思います。
期待通りアニメでは幻となった山王戦でしたからね。
ただ、やはり120分じゃまとめるのがしんどかった印象。
前半戦は数分で終わります。
後半戦と宮城リョータに重点を置いた映画を作っていったのでしょう。
終盤の音楽はアップテンポでスラムダンク感もあって非常に良かったです。
名シーンの流川と桜木のタッチも心が震えました。

そして最後!
時は流れて的な感じで宮城がアメリカでバスケをするシーンがあるのですが、原作ではわからなかった宮城のその後を知れたのは凄い良かったです。

総括すると平均よりは楽しめましたが、それは圧倒的な「スラムダンク」と言うブランドが大きかった印象。
宮城リョータ推しであれば至極の作品かもしれませんが、それ以外の推しキャラであれば少し物足りないかもしれません。
もしスラムダンクと言う最高ブランドがなければどうなっていたか…。

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原作観た事も読んだこともなくて良かった!

原作未読、旧アニメも未鑑賞で行きました。
1本の映画として完結しますので、知らない人は事前知識を入れずに観たほうが楽しめると思います。

アニメの3D表現が素晴らしく、実写でも手書きでも表現できない新たな表現方法として世に出たと思わされました。
東映アニメーションはプリキュアやドラゴンボールの劇場版でも3D表現を取り入れ、試行錯誤しながら完成形を模索していたように感じますが、この映画でそれが完成したように思います。

また同じくらい楽曲も素晴らしかったです。
クライマックスのあるシーンでこの映画のメインテーマが流れるのですが、かっこよすぎて勝手に泣けてきます。
全編10-FEETが劇伴を担当しており、1シーン1シーン丁寧に演出されているのがわかります。

声優問題ですが、私は旧アニメシリーズ未鑑賞の為ノーダメージでした。
もしも旧アニメに思い入れの強い方がおられるようでしたら、別物として鑑賞するのがいいと思います。
何せタイトルがもうTHE FIRST SLAM DUNK。完全にゼロ知識の人向けだと思います。
原作や旧アニメファンにも受け入れられる劇場版アニメとして蘇ったとんでもない傑作だと思います!

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モチベーションアップ

先日やっと『THE FIRST SLAMDUNK』の映画をこどもと観てきました。少し出遅れた感じはありますが、未だに満員御礼な感じで予約が必要でした。さすがと言わざるを得ません。

私自身バスケットボールに打ち込んできた経験があるので、これまでなんとかネタバレせずに持ってこれたのは奇跡というよりさすが『SLAMDUNK』です。SNSを観ても、ネタバレをしてくるような『SLAMDUNK』ファンはいません。何年も前から構想が練られ、予告も内容が全くわからないものとなってきました。

普通であれば大体の内容はしばらくすると耳に入ってしまうのですが、この作品に対するみなさんの想いが強く誰もネタバレをしないという雰囲気を作り出してしまうほど伝説の作品であると私は思いました。
従って、このレビューを書いてますが、内容がわかってしまうようなネタバレは一切しません。それが『SLAMDUNK』のファンである条件であり、作品を守る想いだと思います。

このような想いを持てているのは、作品から得られるモチベーションや感動を心から感謝しているからだと思います。私だけならまだしも、まだ未成年の私のこどもまでが言われなくても、ネタバレはいけないという空気感を感じています。何も言いません。言えません。絶対に後悔しない、観た方が良い作品ということ以外は。