大奥（よしながふみ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】
『大奥』とは、よしながふみによる日本の少女漫画。2004年より隔月刊誌『MELODY』にて連載。男子のみがかかる謎の疫病「赤面疱瘡（あかづらほうそう）」によって男が女の1/4以下になった空想の江戸時代を江戸城・大奥を中心に描く。2010年、二宮和也主演で実写映画化、2012年には堺雅人主演でテレビドラマと続編映画2作が制作された。ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞他、多数受賞。
江島（えじま）
大奥総取締。
甲府宰相時代から家宣に仕え、側室となった左京の身の回りの世話をする。
実直で誠実な人柄で大奥に務める男たちに非常に好かれた。
不細工な容貌と毛深さで女に嫌われ続けたことがコンプレックスで女性とうまく話せない。
ご代参のついでに芝居見物を楽しむことが大奥で流行り、江島も通っていたが資格定規な性格のため門限を必ず守り、大奥の男達に不平を鳴らされるほどであった。
月光院付きの宮路の案で生島新五郎と会うことになり、肉体関係には至らなかったものの相思相愛の仲となる。
しかしその1晩がきっかけで捕縛され、間部顕房と月光院の関係を割り出そうと企む者たちの手で拷問を受ける。
死刑になるところであったが、月光院が黒幕であった天英院に江島の助命を嘆願したため流刑となる。
流刑地で彼と接した者は皆好感を持った。28年の幽閉の後、高遠の地で生涯を終える。
天英院（てんえいいん）/國熈（くにひろ）
家宣の正室。御台所。
家宣とは非常に仲睦まじいおしどり夫婦であった。
家宣の死後、第8代将軍として紀州・徳川吉宗を推し、間部顕房・月光院両名と対立。
吉宗の小姓・加納久通及び幕府の老中たちと組み、月光院と近しい大奥総取締・江島を捕縛させる。
月光院に頭を下げられ死刑が確定した江島を流刑に、間部顕房に手を出さぬことを約束する。
吉宗を推したのは妻・家宣の幕政改革を進めてくれると信じたから。
吉宗が将軍として立った後は過去の遺恨を流し、吉宗・月光院とともに花見をするようすが描かれている。
生島新五郎（いくしましんごろう）
江戸で一番人気の役者。
大奥の男たちに金を貰って夜の相手をしていた。
江島にはじめて会った際、恥じ入ったようすの江島に心を動かされ、また会いたいと願う。
江島とは床をともにしなかったにも関わらず、江島と寝た罪で引っ立てられ、拷問を受ける。
無実の罪で三宅島に流刑。江島が死んだ翌年、江戸へ帰りまもなく死亡。
宮路（みやじ）/弥助（やすけ）
月光院部屋付きの御中臈。
正体は紀州・徳川吉宗に仕える隠密で本名は弥助。
真面目一辺倒の江島が代参の帰りに芝居見物をするきっかけを作り、さらに生島新五郎と密会する機会を用意した。
江島捕縛の際に大奥から追放になり、大奥での務めを終え、忍びの弥助としての本分に帰る。
『大奥』のあらすじ・ストーリー（家重編）
春日局が書かせた「没日録」を読み、現在に至るまでの日本の歴史を知った吉宗は、男が著しく少ないこの国が外国に攻め込まれたときのことを考え武力の強化と赤面疱瘡撲滅に向けた取り組みを始める。
改革を進める吉宗は3女に恵まれ、彼女の治世はこれで安泰だと思われた。
しかし吉宗の長女・家重には障害があり、言語に遅れが見られたため城内で家重を廃嫡し、次女・宗武を次期将軍にしようという動きが生まれる。
自身の障害に苦しむ家重は性格が歪み、家臣に意地悪を繰り返し、酒と男に溺れるようになる。
吉宗は家重の知性を評価し、将軍の座を譲って隠居する。
しかし第9代将軍となった家重は老中たちが隠居した母・吉宗を頼りにするため将軍として自信を持てぬまま日々を過ごすこととなる。歴代でもっとも無能と評価される家重の一方で、家重の小姓として仕えていた田沼意次は先代将軍・吉宗にその才を見出され、吉宗の死後、本草学者の平賀源内とオランダで蘭学医として働いていた青沼と共に赤面疱瘡撲滅に乗り出す。
『大奥』の登場人物・キャラクター（家重編）
徳川家重（とくがわいえしげ）
第9代将軍。吉宗の長女。
身体に障害があり、言葉や排泄など思うようにならない。
話ができないため頭が弱いと思われているが実際は知的な人物。
周囲からの誤解や蔑みによりひねくれ、酒と煙草と男に溺れる。
吉宗にその知性を認められ将軍となるが、己に対し母・吉宗を求める臣下に囲まれ卑屈になり、無能な将軍といわれる。
京都から迎えた御台所・比宮（なみのみや）に愛され、良い夫婦関係を築くが、比宮との子を死産してすぐ比宮が病没。
比宮の死に気落ちし、比宮に仕える梅溪（うめたに）の婚約者に違う男をあてがい、側室として迎えた。
娘・家治に将軍職を譲り渡した後、今後のことを小姓・田沼主殿頭意次（たぬまとのものかみおきつぐ）に託して病没。
お幸の方（おこうのかた）/梅溪（うめたに）
家重の側室。
家重の御台所として比宮が江戸へ下る際、ともに京都から下ってきた。
京都に想いを交わしあった許嫁がいた。
比宮の死後、家重によって許嫁に男をあてがわれ、家重の側室となる。
比宮の死を家重とともに悲しんだ過去も手伝い、家重のことを愛するようになるが、家重が新しい側室を作り嘲笑ったため側室に斬りかかり、獄に繋がれる。
家重との間に竹姫（後の徳川家治）をもうけた。
気弱な性格で、周囲を思いやる能力に長ける。
獄に繋がれた際、料理人の芳三の作る料理に出会い、生きていく力を得る。うな重をはじめて食べた人間として描かれている。
芳三（よしぞう）/善次郎（ぜんじろう）
料理人。
一流料理屋「かね清」で焼き方を務めるほどの腕前だったが、男の料理人を気味悪がる客に配慮した店の女将に暇を出される。
直属の上司であった板長に、男しかいない大奥に料理人として務めることを勧められ、善次郎から芳三と名を変えて大奥の御前所に入る。
御前所で作るお他物と呼ばれる副菜を担当。
家重はこのお他物だけをおかわりして食べたと伝えられている。
獄に繋がれたお幸の方に食事を作って運び、飢え死にしようと考えていたお幸の方を止める。
はじめてうな重を考えた男として描かれている。
後に同じ御前所に務める清吉と恋仲になる。
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目次 - Contents
- 『大奥』の概要
- 世界観
- 『大奥』のあらすじ・ストーリー（水野・吉宗編）
- 『大奥』の登場人物・キャラクター（水野・吉宗編）
- 水野祐之進（みずのゆうのしん）/進吉（しんきち）
- 徳川吉宗（とくがわよしむね）/信（のぶ）
- 加納久通（かのうひさみち）/おみつ
- お信（おのぶ）
- 杉下（すぎした）
- 柏木（かしわぎ）
- 藤波（ふじなみ）
- 『大奥』のあらすじ・ストーリー（有功・家光編）
- 『大奥』の登場人物・キャラクター（有功・家光編）
- 万里小路有功（までのこうじありこと）/ お万の方（おまんのかた）
- 徳川家光（とくがわいえみつ）/千恵姫（ちえひめ）
- 春日局（かすがのつぼね）/斎藤福（さいとうふく）
- 玉栄（ぎょくえい）/お玉の方（おたまのかた）/桂昌院（けいしょういん）
- 徳川家光（とくがわいえみつ）
- 稲葉正勝（いなばまさかつ）
- 捨蔵（すてぞう）/お楽の方（おらくのかた）
- 村瀬正資（むらせまさすけ）
- 神原さと（かんばらさと）
- 『大奥』のあらすじ・ストーリー（家綱編）
- 『大奥』の登場人物・キャラクター（家綱編）
- 徳川家綱（とくがわいえつな）/千代姫（ちよひめ）
- 『大奥』のあらすじ・ストーリー（右衛門之佐・綱吉編）
- 『大奥』の登場人物・キャラクター（右衛門之佐・綱吉編）
- 右衛門之佐（えもんのすけ）
- 徳川綱吉（とくがわつなよし）/徳子（とくこ）
- 柳沢吉保（やなぎさわよしやす）
- 桂昌院（けいしょういん）
- 秋本（あきもと）
- 伝右衛門（でんえもん）/お伝の方（おでんのかた）
- 御台（みだい）
- 浅野内匠頭長矩（あさのたくみのかみながのり）
- 吉良上野介義央（きらこうずけのすけよしひさ）
- 『大奥』のあらすじ・ストーリー（家宣編）
- 『大奥』の登場人物・キャラクター（家宣編）
- 勝田左京（かったさきょう）/左京の方（さきょうのかた）/月光院（げっこういん）
- 徳川家宣（とくがわいえのぶ）
- 間部顕房（まなべあきふさ）
- 『大奥』のあらすじ・ストーリー（家継編）
- 『大奥』の登場人物・キャラクター（家継編）
- 徳川家継（とくがわいえつぐ）/千代姫（ちよひめ）
- 江島（えじま）
- 天英院（てんえいいん）/國熈（くにひろ）
- 生島新五郎（いくしましんごろう）
- 宮路（みやじ）/弥助（やすけ）
- 『大奥』のあらすじ・ストーリー（家重編）
- 『大奥』の登場人物・キャラクター（家重編）
- 徳川家重（とくがわいえしげ）
- お幸の方（おこうのかた）/梅溪（うめたに）
- 芳三（よしぞう）/善次郎（ぜんじろう）
- 『大奥』のあらすじ・ストーリー（家治編）
- 『大奥』の登場人物・キャラクター（家治編）
- 田沼主殿頭意次（たぬまとのものかみおきつぐ）/お龍（たつ）
- 平賀源内（ひらがげんない）/お吉（きち）
- 青沼（あおぬま）
- 徳川家治（とくがわいえはる）/竹姫（たけひめ）
- 黒木良順（くろきりょうじゅん）
- 青海伊兵衛（おうみいへえ）
- 菊之丞（きくのじょう）
- 『大奥』のあらすじ・ストーリー（家斉編）
- 『大奥』の登場人物・キャラクター（家斉編）
- 徳川家斉（とくがわいえなり）/豊千代（とよちよ）/竹千代（たけちよ）
- 徳川治済（とくがわはるさだ）
- 松平定信（まつだいらさだのぶ）
- 茂姫（しげひめ）/広大院（こうだいいん）
- お志賀の方（おしがのかた）/滝沢（たきざわ）
- 武田（たけだ）/武女（むめ）
- 『大奥』のあらすじ・ストーリー（家慶編）
- 『大奥』のあらすじ・ストーリー（家定編）
- 『大奥』の登場人物・キャラクター（家慶編・家定編）
- 徳川家慶（とくがわいえよし）
- 徳川家定（とくがわいえさだ）/祥子（さちこ）
- 阿部正広（あべまさひろ）/真佐女（まさじょ）
- 瀧山（たきやま）
- 『大奥』の用語解説
- 赤面疱瘡（あかづらほうそう）
- 人痘（じんとう）
- 熊痘（くまとう）
- お内証の方
- 大奥〈男女逆転〉THE LADY SHOGUN AND HER MEN（2010年）
- あらすじ・ストーリー
- キャスト
- 大奥〜誕生～［有功・家光篇］（2012年10月～ TBS）
- 主題歌
- キャスト
- 大奥〜永遠〜［右衛門佐・綱吉篇］（2012年12月公開）
- あらすじ・ストーリー
- キャスト