大奥(よしながふみ)のネタバレ解説・考察まとめ

「大奥(おおおく)」はよしながふみによる日本の少女漫画。2004年より隔月刊誌「MELODY」にて連載。男子のみがかかる謎の疫病「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」によって男が女の1/4以下になった空想の江戸時代を江戸城・大奥を中心に描く。2010年、二宮和也主演で実写映画化、2012年には堺雅人主演でテレビドラマと続編映画2作が制作された。ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞他、多数受賞。

熊痘(くまとう)

東北の山に棲む熊たちが皆体内に赤面疱瘡を持っていることが平賀源内によりわかり、
人痘の場合は種(ワクチン)を繋ぎ続けることが困難であるところを、熊で代用することにより容易なワクチン接種を可能としたもの。

お内証の方

徳川家光が作った大奥の法令。
未婚の将軍の最初の相手を務める男は大奥出身者から選ぶことに加え、将軍を傷つけた大罪人として死罪にする決まり。

大奥〈男女逆転〉THE LADY SHOGUN AND HER MEN(2010年)

金子文紀監督作品。2010年10月1日公開。
よしながふみによる漫画「大奥」を原作として制作された時代劇映画である。
テレビドラマシリーズの第1作でもあり、続編としてドラマ「大奥~誕生~有功・家光篇」がTBS系列で放送された。
また、ドラマ終了後には映画第2作となる「大奥~永遠~右衛門之佐・綱吉篇」が制作・公開されている。
DVDの商品名や作品紹介の際は「大奥〈男女逆転〉」または「男女逆転大奥」と表記される。

映画化企画は公開の5年前から進められた。
当時は原作コミックが1巻までしか発売されていなかったため1巻準拠の内容。
企画書には初期段階から吉宗役に柴咲コウの名があり、原作者であるよしながふみに熱望されたキャスティングだった。
監督である金子文紀は「続編をするならぜひまた二宮さん柴咲さんで」と語っている。
撮影は東映京都撮影所の全面的な協力を受け、二条城、西本願寺、仁和寺、青蓮院門跡、三井寺といった世界遺産・国宝級建造物でのロケーションが行われた。
制作当時は京都での時代劇撮影が減少しており、日本映画界全体で時代劇の技術を繋ごうという試みがあった。
キャッチコピーは「将軍は女、仕えるは美しき男たち三千人」「待ち受けるのは愛か死か」。

あらすじ・ストーリー

江戸幕府第3代将軍・徳川家光の御代で謎の疫病が流行し、男子の数が急速に減少した。
男子が貴重になった世で、将軍の後継をもうける目的で大奥には美男ばかりが集められる。
水野祐之進(二宮和也)は見目麗しく武芸に秀でた旗本の息子で、子を望む女たちに無償で自らを提供していた。
水野は幼馴染のお信(堀北真希)に恋をしていたが身分違いで叶うことなく、大奥へ奉公に上がることを決意する。
大奥に集う美男たちがいかに将軍に気に入られるかばかりを考えていることに辟易する水野だったが、武芸の腕を見込まれ、大奥の有力者である藤波(佐々木蔵之介)・松島(玉木宏)に気に入られる。しかし一方で今まで松島のお気に入りであった鶴岡(大倉忠義)は水野に敗北したことで地位を失い、自害。
新しく立った将軍・徳川吉宗(柴咲コウ)は煌びやかで豪勢な大奥を縮小しようと画策していた。
大奥では、未婚の将軍の相手をしたはじめての相手は死ぬという決まりのため、藤波と松島が水野を罠に嵌め、吉宗に選ばせる。
覚悟を決めて吉宗の寝所を訪れた水野は自身の恋する「お信」のことを話し、吉宗のことを一夜「お信」と呼ばせてくれるよう頼む。
翌日、処刑を待つ水野の元を吉宗が訪れ、別人としてお信と添い遂げるよう申し付ける。
水野は国へ帰り、お信と結ばれる。

キャスト

水野祐之進:二宮和也(嵐)
徳川吉宗:柴咲コウ
お信:堀北真希
鶴岡:大倉忠義(関ジャニ∞)
垣添:中村蒼
松島:玉木宏
杉下:阿部サダヲ
藤波:佐々木蔵之介
加納久通:和久井映見
水野頼宣:倍賞美津子
水野の父:竹脇無我
瀬川:細田よしひこ
白河:竹財輝之助
柏木:松島庄汰
副島:ムロツヨシ
山元:崎本大海
石塚:三上真史
三郎左:金子ノブアキ
水野志乃:白羽ゆり
三田村:田上晃吉
八重:宍戸美和公
御伽坊主:浅野和之
大岡忠相(越前):板谷由夏
間部詮房:菊川怜
村瀬の声:大滝秀治

大奥〜誕生~[有功・家光篇](2012年10月~ TBS)

2012年10月12日より12月14日までTBS系列の金曜ドラマ枠(毎週金曜20:00 - 22:54〈JST〉)で放送された日本の連続テレビ時代劇。
よしながふみによる漫画「大奥」の実写映像化シリーズ第2作。
第1作にあたる映画「大奥〈男女逆転〉」の続編かつ前日譚にあたる。
放送終了後の2012年12月22日より続編映画「大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]」が公開された。

映画「大奥〈男女逆転〉」では原作第1巻を基に徳川吉宗の時代が描かれたが、本作では原作2~4巻を基に女将軍徳川家光の誕生と有功との愛が描かれる。
キャッチコピーは「全ての男女逆転はここから始まった…。」。
2012年12月にTwitterが発表した1年間のトレンド(Twitter上での会話の盛り上がりの指針)では、テレビドラマランキング5位を記録。
主演陣の演技は高く評価され、堺雅人と多部未華子は本作における演技でギャラクシー賞を受賞している。

主演の堺雅人は「大奥~誕生~」では万里小路有功、「大奥〜永遠〜」では右衛門佐を演じている。
これは原作漫画で有功と右衛門佐の姿が似せて描かれていることから発想されたもの。演出は金子文紀。
1990年代後半から人気の衰えるテレビ時代劇に原作漫画読者の若い世代や、女性の視聴者を取り込む新しい試みとして注目された。

主演の堺雅人は本作および「リーガル・ハイ」の演技で第50回ギャラクシー賞テレビ部門の個人賞を受賞。同主演の多部未華子も本作の演技で第75回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演女優賞を受賞している。

主題歌

DEEPNESS (4:43)
作詞:MISIA / 作曲:佐々木潤、MISIA / 編曲:末澤一郎
歌:MISIA

キャスト

万里小路有功:堺雅人
徳川家光:多部未華子/幼少期:庵原涼香
春日局:麻生祐未/幼少期:吉村心琴
玉栄:田中聖(当時KAT-TUN)/幼少期:田中陽太/老境(桂昌院):西田敏行
稲葉正勝:平山浩行/幼少期:玉山詩
捨蔵(お楽):窪田正孝
溝口左京(お夏):市川知宏
松平信綱:段田安則
松平信綱の妻:生稲晃子
松平輝綱(しず):小澤美和
堀田正盛:菅原卓磨
阿部忠秋:柴田善行
阿部重次:浅田祐二
太田資宗:井上久男
三浦正次:朝良晃三
雪:南沢奈央
鶴千代:西山潤
野乃:荒田悠良
村瀬正資・尾美としのり
万里小路有純:小日向文世
明慧:駿河太郎
徳川家光:岩井秀人/幼少期:藤原明都
お彩:永田沙紀
とよ:花田福代
徳川家綱(千代姫):河野百花/幼少期:庵原涼香
長子姫:牛島七菜子
徳子姫:古野本二葉
矢島:阪田瑞穂
沢村伝右衛門:内藤剛志
角南重里:戸次重幸
和田正隆:遠藤要
勝田頼秀:夙川アトム
酒井忠勝:栗塚旭
酒井忠朝:鈴木伶奈
大目付:木谷邦臣
小菊:原田夏希
よつ葉:吉倉あおい
桔梗:村上佳子
武士:西尾英孝(X-GUN)
お栄:吉田羊
お紺:田野アサミ
部屋子:大河原優太
隆光:又吉直樹(ピース)
小間物屋:沢井桃子
お安:小野愛寿香

大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇](2012年12月公開)

「大奥〈男女逆転〉」「大奥~誕生~[有功・家光篇]」から連なるプロジェクトのひとつ。監督は金子文紀。
原作コミック4巻~6巻を基に男女の立場が逆転した江戸時代に君臨する女将軍・徳川綱吉の江戸城・大奥で繰り広げられる右衛門之佐との愛を描く。
2012年12月22日公開。
堺雅人が有功に引き続き右衛門佐を演じ、綱吉を菅野美穂が演じた。
堺と菅野は本作での共演をきっかけに交際を深め2013年4月1日付で結婚している。

あらすじ・ストーリー

謎の疫病により男子が激減した時代。家督を継いだ女性たちはお家存続のため正室の他に幾人も側室を持つのが常となっていた。
江戸幕府第5代将軍・徳川綱吉(菅野美穂)も常に男を侍らせ大勢の側室に囲まれて暮らしていた。
そんな綱吉に取り入ろうと、大奥では熾烈な派閥争いが巻き起こる。
御台所(工藤官九郎)も己の派閥を強化しようと京都から学問の得意な貧乏公家の息子・右衛門之佐(堺雅人)を呼び寄せる。
右衛門之佐は持ち前の才覚を発揮し、大奥総取締の座を手に入れる。
そんな中唯一の後継者・松姫(渡邉このみ)を病で失った綱吉は、世継ぎを産むという使命を与えられ子作りに励む。
しかし年齢のためか子はできぬまま月日が流れ、父・桂昌院(西田敏行)が助けを求めた寺の住職に動物愛護を訴えられ、綱吉はかの悪名高い「生類憐れみの令」を発布する。
政から遠ざけられ男に溺れる日々を過ごしながら疲弊していく綱吉は、自分のために苦言を呈してくれる右衛門之佐に心を開き、右衛門之佐との愛に生きることを決意する。

原作漫画と違い、綱吉の死までは描かれない。また、赤穂事件に関するエピソードは省かれている。
ラストの変更点として
・将軍の後継を徳川家宣に決めた綱吉が右衛門之佐の元へ向かう最中、柳沢吉保が綱吉の首に手をかけるが途中で殺害をやめ、綱吉に「苦労をかけた」と声をかけられ泣き崩れる。
・打掛を脱ぎ捨て、婚礼衣装とも見える姿で大奥へ続くお鈴廊下を走り抜ける綱吉は動かない右衛門之佐を発見し、綱吉の笑顔のアップで映画が終わる。
の2つが挙げられる。
この改変について、原作者よしながふみと主演の堺雅人は「原作では残酷な場面として描いたこのシーンが、体の軛(くびき)から解き放たれたハッピーエンドとなっている」とし、「いいラスト」であると語っている。

キャスト

4zhisashi1961
4zhisashi1961
@4zhisashi1961

Related Articles関連記事

西洋骨董洋菓子店(アンティーク)のネタバレ解説・考察まとめ

西洋骨董洋菓子店(アンティーク)のネタバレ解説・考察まとめ

「西洋骨董洋菓子店」とはよしながふみ作の漫画作品である。深夜まで営業している「アンティーク」というフランス菓子の店を舞台に、オーナーの「橘圭一郎」を軸に緩い日常や人間関係で構成される。 ある事情で一流企業を辞めた圭一郎が洋菓子店を開き、そこで出会ったパティシエの「小野祐介」、元プロボクサーの「神田エイジ」、圭一郎の家の家政夫「小早川千影」という4人でアンティークを盛り上げていく。

Read Article

きのう何食べた?(漫画・ドラマ・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

きのう何食べた?(漫画・ドラマ・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『きのう何食べた?』とは2007年からよしながふみが『モーニング』で連載を開始した漫画及びそれを原作としたドラマ、映画作品。ゲイのカップルである弁護士の筧史朗(かけいしろう)と美容師の矢吹賢二(やぶきけんじ)の2人が毎日の食卓を中心とした2LDKのアパートで暮らす日常を描く。料理のレシピが載っており実際に作ることもできるため、料理本としても楽しめるのが魅力。ドラマは2019年に放送、映画版は2021年に公開され、ともに筧史朗を西島秀俊、矢吹賢二を内野聖陽が務めた。

Read Article

【半沢直樹】名作だらけ!超面白かったテレビドラマまとめ!【白夜行 など】

【半沢直樹】名作だらけ!超面白かったテレビドラマまとめ!【白夜行 など】

あまり連ドラを見ない方でも知ってるであろう過去の懐かしい話題作や脚本演出が光る最近の名作ドラマをあらすじとともにまとめました。半沢直樹や白夜行など名作だらけですのでぜひ最後までご覧ください!『半沢直樹』は、TBS系列「日曜劇場」枠で放送された、池井戸潤の小説「半沢直樹シリーズ」を原作としたテレビドラマである。

Read Article

目次 - Contents