家栽の人(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『家栽の人』は1988年~1996年に『ビッグコミックオリジナル』で連載された毛利甚八作・魚戸おさむ画の裁判を扱った人情物青年漫画、及び本作を原作としたテレビドラマである。家庭裁判所の裁判官桑田義雄が裁判を進めていく中で裁判に関わる人々の心情を書いた人情系漫画。多くの悩みや問題を抱えて裁判所にやってくる人々を桑田が裁判を通じて救っていく。また、桑田に様々な感情を持ちながら桑田と関わっていく裁判所の個性的な職員たちも魅力的だ。
篠原繁蔵(しのはらしげぞう)
緑山家庭裁判所の書記官。桑田と長く一緒に仕事をしており、桑田のことをよく理解している。そのため、他の職員から桑田について聞かれることが多い。桑田が春河支部に転任した後は、花壇の手入れを引き継いでいるらしい。
伊藤りさ(いとうりさ)
事務官。桑田の話をすると頬を赤らめるなど、桑田に好意を抱いていると思われる描写がある。
兼松所長(かねまつしょちょう)
緑山家庭裁判所の所長。桑田に何故東京への転属を断ったのか聞いたことがある。
浜口所長(はまぐちしょちょう)
兼松所長に代わって新しく転任してきた所長。桑田が優秀にも拘らず東京への転属を断った理由が理解出来ず、最高裁判所への転任の話が来ていることを伝える。
桐島宏美(きりしまひろみ)
緑山家庭裁判所の判事補。後に春河支部に転任してくる。司法試験に23歳で合格した優秀な裁判官だが、まだ新米で判断に悩むことが多い。同僚の判事に「桑田判事は木を眺めながら判断を考えているらしい」と言われて散歩中の桑田を尾行するが、散歩が仕事を助けてくれる訳ではないと言われてしまう。しかし処分が重いか軽いかばかりを考えることを忘れるように言われ、自身で考えながら事件を処理していく。
春河支部に桑田を追って転任してくるが、フェミニストとしての考え方から保守的な調停委員の久保一騎と対立することになる。若い女性であることで調停を受ける人間になめられることもあり、仕事が上手くいかなくなってしまう。周りは心配するが今度は自分で考えて問題を解決する。
緑山警察署
細川右近(ほそかわうこん)
緑山警察署捜査二課係長の刑事。桑田とはパソコン通信を利用した窃盗事件を機に知り合う。優秀な刑事だが何でも自分で抱え込んでしまう性格で、いやな事があった日は妻との会話が全くなくなってしまったことから離婚を切り出され裁判となる。桑田に妻の気持ちを全く理解していなかったことを咎められ離婚を決意するが、妻から桑田を通じて離婚の執行猶予を提案される。次に登場した時は妻とは別居中であったが、妻と会ったときには事件でいやなことがあったことを告白出来ていた。
岩崎地家裁春河支部職員
鳥海和友(とりうみかずとも/演:斉藤洋介)
判事で、少年事件が嫌い。東京に何度も転属希望を出しており、少年事件に入れ込み東京への転任を断った桑田のことを、評価しながらも嫌っていた。また、渋谷達少年事件に熱心な調査官とも仲が悪い。妻と息子がいるが、息子は受験のストレスから万引きをしてしまう。桑田が岩崎地裁に転任したあと寂しそうにしており、春河に戻ってきた際には他の職員の一緒に笑顔を見せていた。趣味はテニス。
倉本哲(くらもとあきら)
特例判事補。皮肉屋で、鳥海とよく桑田の悪口を話している。東京に妻子を残して単身赴任しているが、後に東京に転任となった。趣味はテニス。
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目次 - Contents
- 『家栽の人』の概要
- 『家栽の人』のあらすじ・ストーリー
- 緑山家庭裁判所編
- 単行本1巻「タンポポ」
- 単行本2巻「スミレ」
- 単行本3巻「ユリ」
- 岩崎地家裁春河支部編
- 単行本4巻「コスモス」
- 単行本5巻「ナノハナ」
- 単行本6巻「ヒマワリ」
- 単行本7巻「サザンカ」
- 単行本8巻「モモ」
- 単行本9巻「サルスベリ」
- 単行本10巻「ゴデチア」
- 単行本11巻「モクレン」
- 単行本12巻「カサブランカ」
- 高原地方裁判所編
- 単行本13巻「ウツギ」
- 単行本14巻「グミ」
- 単行本15巻「オランダナデシコ」
- テレビドラマ版『家栽の人』
- 『家栽の人』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 桑田義雄(くわたよしお/演:片岡鶴太郎・時任三郎・船越英一郎)
- 緑山家庭裁判所職員
- 山本博(やまもとひろし)
- 篠原繁蔵(しのはらしげぞう)
- 伊藤りさ(いとうりさ)
- 兼松所長(かねまつしょちょう)
- 浜口所長(はまぐちしょちょう)
- 桐島宏美(きりしまひろみ)
- 緑山警察署
- 細川右近(ほそかわうこん)
- 岩崎地家裁春河支部職員
- 鳥海和友(とりうみかずとも/演:斉藤洋介)
- 倉本哲(くらもとあきら)
- 戸井隆三(どいりゅうぞう)
- 高崎又二(たかさきまたじ/演:山谷初男)
- 渋谷直正(しぶやなおまさ/演:柄本明)
- 大滝信(おおたきまこと/演:風間トオル)
- 今西恭子(いまにしきょうこ/演:仙道敦子)
- 丸山功(まるやまいさむ)
- 目黒留吉(めぐろとめきち)
- 久保一騎(くぼかずき)
- 石嶺渉(いしみねわたる)
- 岩崎地方検察庁春河支部
- 東山整史郎(ひがしやませいしろう)
- 徳川政治(とくがわまさはる)
- 弁護士
- 三越三郎(みつこしさぶろう)
- 谷川悟(たにがわさとる)
- 吉良松之介(きらまつのすけ)
- 英憲太郎(はなぶさけんたろう)
- 栄中学校生徒
- 寺尾保(てらおやすし)
- 町田(まちだ)
- 川上明(かわかみあきら)
- 横内篤(よこうちあつし)
- 栄中学校教師
- 緒方(おがた)
- 足立(あだち)
- 弦巻(つるまき)
- 関良治(せきりょうじ)
- 高原地方裁判所職員
- 薬師寺新伍(やくしじしんご)
- 佐伯祐介(さえきゆうすけ)
- その他の人物
- 松門吉徳(まつかどよしのり)
- オバケ屋敷の森に住む学者
- 石嶺セーラ(いしみねせーら)
- 桑田守(くわたまもる)
- 須藤(すどう)
- 寺尾の母(てらおのはは)
- 勝俣(かつまた)
- 『家栽の人』の用語
- 緑山家庭裁判所
- 岩崎地家裁春河支部
- オバケ屋敷の森
- 高原地方裁判所
- 高原市立栄中学校
- 『家栽の人』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 桑田「どんなに長い処分を与えても、少年は社会に戻って来るんです。誰かの隣に住むんですよ。その時……その少年が笑って暮らしている可能性を探すのが裁判官の仕事じゃないんですか」
- 桑田「町が育てなければ誰が少年達を育てるんですか?」
- 桑田「あなたの子供が今、ここに立っていることが、あなたの教育の結果ですよ。これをどう償うつもりですか?彼を、これからどう育てるか答えて下さい」
- 桑田「私達がこうして集まっているのは、その10歳の子を育てるためですよ。たとえ10歳でも自分自身の世界を持っているんじゃないでしょうか?」
- 桑田「私たちが少年に対してできることは、小さなことです。だけど小ささを恥じて、それをしまい込む人が多すぎるんです」
- 渋谷調査官が母親を息子に会わせるために背負って運ぶシーン
- 仕事中に暴行を受けた少女が帰り道に傷ついた男の子と出会うシーン
- 桑田「あなたは知らないだけですよ。その恐ろしい輪の中から抜け出した時に…人がどんな顔で笑うかを」
- 『家栽の人』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 福岡家庭裁判所のマンホールに「家栽」の文字
- 植物「以外」のタイトル2つ
- 異色回「ホオズキ」
- 原作者・毛利甚八の遺作『「家栽の人」から君への遺言 佐世保高一同級生殺害事件と少年法』
- 『家栽の人』の主題歌・挿入歌
- TBS版ドラマ主題歌:大貫妙子「春の手紙」