家栽の人(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『家栽の人』は1988年~1996年に『ビッグコミックオリジナル』で連載された毛利甚八作・魚戸おさむ画の裁判を扱った人情物青年漫画、及び本作を原作としたテレビドラマである。家庭裁判所の裁判官桑田義雄が裁判を進めていく中で裁判に関わる人々の心情を書いた人情系漫画。多くの悩みや問題を抱えて裁判所にやってくる人々を桑田が裁判を通じて救っていく。また、桑田に様々な感情を持ちながら桑田と関わっていく裁判所の個性的な職員たちも魅力的だ。
勝俣(かつまた)
栄中学校の隣の学校の生徒。学校の不良達のリーダーであり、川上が放火をしたところを見かけてそれ以来彼を脅していた。川上に万引きをさせようとしたところを寺尾に邪魔されて逆上、寺尾に沼の小屋を燃やすように命じるが、逆襲され重傷を負う。
『家栽の人』の用語
緑山家庭裁判所
架空の都市緑山市にある家庭裁判所。人員は裁判官6名、調査官30名、書記官18名が所属しており、物語開始時桑田はここに勤める判事である。桑田によって花壇が整備され、いつも花が咲いている。桑田の転任後は書記官の篠原が花を世話しているらしい。
岩崎地家裁春河支部
春河市にある裁判所。桑田は緑山家裁からここに転任してくる。地裁、家裁、簡裁が同居していて大変な忙しさらしい。最初は庭が荒れ放題だったが、桑田が転任してきてから多くの花が咲くようになった。
オバケ屋敷の森
桐生町にある森林。近所の子供たちによると、過去に殺人事件があったらしい。奥にひっそりと洋館が立っており、変わり者の学者が一人で暮らしている。
高原地方裁判所
高原市にある裁判所。前の二つとは違い、家庭裁判は取り扱わない。栄中学校体罰事件の舞台の一つであり、この長編のみの登場となるため花壇を世話するようなシーンは無い。桑田はここに春河支部から転任してくる。
高原市立栄中学校
高原市吉富区栄町にある中学校。ある時期急激に人口が増え生徒数1300名を超えるマンモス校だったが、新しく中学校が出来て現在は生徒数747名に落ち着いている。マンモス校時代は教師の目が行き届かず非常に荒れていたが、生徒が減ってから少しは落ち着いている。しかし敷地内に多くの煙草の吸殻が落ちているなど、平穏とは言い難い。不良生徒を取り締まるために喧嘩の強い教師が何人も配属されているらしく、体罰が常習化している。
『家栽の人』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
桑田「どんなに長い処分を与えても、少年は社会に戻って来るんです。誰かの隣に住むんですよ。その時……その少年が笑って暮らしている可能性を探すのが裁判官の仕事じゃないんですか」
少年の処分を決定するときに不安を感じている桐島判事補は桑田にそのことを相談する。桑田は「処分を決めるのが憂鬱だとおっしゃったでしょう。あなたの処分が厳しいか甘いかそればかり考えているんじゃないですか?」と質問し、桐島は「凶悪なら重く、罪が浅ければ軽く、というのが世間の常識ですからね。裁判官もそれを意識せざるを得ない」と返す。しかし桑田は「それを忘れたらどうです?」と問い、難しいという桐島に「厳しい罰を与えれば問題のある少年が自分達の前から消えると思うこと自体、完全な誤解です」「どんなに長い処分を与えても、少年は社会に戻って来るんです。誰かの隣に住むんですよ。その時……その少年が笑って暮らしている可能性を探すのが裁判官の仕事じゃないんですか」と話す。この後桐島は、家庭がバラバラだった少年の両親を呼び出して毎日どちらかが食事を一緒に取るように提案しており、甘い・厳しいとはまた異なる判断を下すことが出来た。
桑田「町が育てなければ誰が少年達を育てるんですか?」
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目次 - Contents
- 『家栽の人』の概要
- 『家栽の人』のあらすじ・ストーリー
- 緑山家庭裁判所編
- 単行本1巻「タンポポ」
- 単行本2巻「スミレ」
- 単行本3巻「ユリ」
- 岩崎地家裁春河支部編
- 単行本4巻「コスモス」
- 単行本5巻「ナノハナ」
- 単行本6巻「ヒマワリ」
- 単行本7巻「サザンカ」
- 単行本8巻「モモ」
- 単行本9巻「サルスベリ」
- 単行本10巻「ゴデチア」
- 単行本11巻「モクレン」
- 単行本12巻「カサブランカ」
- 高原地方裁判所編
- 単行本13巻「ウツギ」
- 単行本14巻「グミ」
- 単行本15巻「オランダナデシコ」
- テレビドラマ版『家栽の人』
- 『家栽の人』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 桑田義雄(くわたよしお/演:片岡鶴太郎・時任三郎・船越英一郎)
- 緑山家庭裁判所職員
- 山本博(やまもとひろし)
- 篠原繁蔵(しのはらしげぞう)
- 伊藤りさ(いとうりさ)
- 兼松所長(かねまつしょちょう)
- 浜口所長(はまぐちしょちょう)
- 桐島宏美(きりしまひろみ)
- 緑山警察署
- 細川右近(ほそかわうこん)
- 岩崎地家裁春河支部職員
- 鳥海和友(とりうみかずとも/演:斉藤洋介)
- 倉本哲(くらもとあきら)
- 戸井隆三(どいりゅうぞう)
- 高崎又二(たかさきまたじ/演:山谷初男)
- 渋谷直正(しぶやなおまさ/演:柄本明)
- 大滝信(おおたきまこと/演:風間トオル)
- 今西恭子(いまにしきょうこ/演:仙道敦子)
- 丸山功(まるやまいさむ)
- 目黒留吉(めぐろとめきち)
- 久保一騎(くぼかずき)
- 石嶺渉(いしみねわたる)
- 岩崎地方検察庁春河支部
- 東山整史郎(ひがしやませいしろう)
- 徳川政治(とくがわまさはる)
- 弁護士
- 三越三郎(みつこしさぶろう)
- 谷川悟(たにがわさとる)
- 吉良松之介(きらまつのすけ)
- 英憲太郎(はなぶさけんたろう)
- 栄中学校生徒
- 寺尾保(てらおやすし)
- 町田(まちだ)
- 川上明(かわかみあきら)
- 横内篤(よこうちあつし)
- 栄中学校教師
- 緒方(おがた)
- 足立(あだち)
- 弦巻(つるまき)
- 関良治(せきりょうじ)
- 高原地方裁判所職員
- 薬師寺新伍(やくしじしんご)
- 佐伯祐介(さえきゆうすけ)
- その他の人物
- 松門吉徳(まつかどよしのり)
- オバケ屋敷の森に住む学者
- 石嶺セーラ(いしみねせーら)
- 桑田守(くわたまもる)
- 須藤(すどう)
- 寺尾の母(てらおのはは)
- 勝俣(かつまた)
- 『家栽の人』の用語
- 緑山家庭裁判所
- 岩崎地家裁春河支部
- オバケ屋敷の森
- 高原地方裁判所
- 高原市立栄中学校
- 『家栽の人』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 桑田「どんなに長い処分を与えても、少年は社会に戻って来るんです。誰かの隣に住むんですよ。その時……その少年が笑って暮らしている可能性を探すのが裁判官の仕事じゃないんですか」
- 桑田「町が育てなければ誰が少年達を育てるんですか?」
- 桑田「あなたの子供が今、ここに立っていることが、あなたの教育の結果ですよ。これをどう償うつもりですか?彼を、これからどう育てるか答えて下さい」
- 桑田「私達がこうして集まっているのは、その10歳の子を育てるためですよ。たとえ10歳でも自分自身の世界を持っているんじゃないでしょうか?」
- 桑田「私たちが少年に対してできることは、小さなことです。だけど小ささを恥じて、それをしまい込む人が多すぎるんです」
- 渋谷調査官が母親を息子に会わせるために背負って運ぶシーン
- 仕事中に暴行を受けた少女が帰り道に傷ついた男の子と出会うシーン
- 桑田「あなたは知らないだけですよ。その恐ろしい輪の中から抜け出した時に…人がどんな顔で笑うかを」
- 『家栽の人』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 福岡家庭裁判所のマンホールに「家栽」の文字
- 植物「以外」のタイトル2つ
- 異色回「ホオズキ」
- 原作者・毛利甚八の遺作『「家栽の人」から君への遺言 佐世保高一同級生殺害事件と少年法』
- 『家栽の人』の主題歌・挿入歌
- TBS版ドラマ主題歌:大貫妙子「春の手紙」