Duran Duran(デュラン・デュラン)の徹底解説まとめ

Duran Duran(デュラン・デュラン)とは、1978年、イギリス、バーミンガムにて結成されたバンド。1980年代に起きたニューロマンティックムーブメントを代表するバンドとなり、アイドル的なルックスのよさやスタイリッシュなファッションを武器に世界中でブレイクした。1981年「プラネット・アース」でデビュー、84年シングル「ザ・リフレックス」で初の全米No.1に輝く。その後はメンバー・チェンジなどで活動は一時停滞するが、デビュー40周年を超え、これまでのレコード・セールスは1億枚を超える。

Union of the Snake

サードアルバム 『セブン・アンド・ザ・ラグド・タイガー』からののリードシングル。

1983年末に全米ビルボードチャートで3週間連続で3位にランクインするが、ポール・マッカートニー&マイケル・ジャクソンの「セイ・セイ・セイ / Say Say Say」と、ダリル・ホール&ジョン・オーツの「セイ・イット・イズント・ソー / Say It Isn't So」によって1位の座は阻まれた。

ロジャー・テイラーは、この曲のビートとドラムトラックはデヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス / Let's Dance」の影響を受けたと語っている。また歌詞はドアーズのジム・モリソンの局からヒントを得たと述べている。

The Reflex

3rdアルバム「セブン・アンド・ザ ・ラグド・タイガー」のオープニング曲。

アルバム収録バージョンではインパクトが足りたいとみたナイル ロジャースがリミックスを手がけ、今の「チャラララ〜」で始まるバージョンにして見事全米ナンバーワンを奪取。

まさにニューロマンティクスサウンドの金字塔と言われるナンバーとなった。

しかしこの曲をナンバーワンに押し上げたのはリミックスだけでなく、ラッセル マルケイが監督したビデオの功績も大きい。

いとうせいこう氏は、「この人たちが音楽ビデオを牽引していた。この人たちがやることが、次の時代の映像になったと言う時代が長かった」と20世紀音楽におけるデュラン・デュランの功績を強調している。

「ライブビデオってこういう風に撮るんでしょ?っていうお手本、今でも殆ど同じように撮ってるんじゃないですかね?クレーン使ってああ動くとかこう動くとか」

「これだけのライブ映像を果たして今どれだけのバンドが超えているのだろうか?」

と、ただのお兄ちゃん達だとみなされていた人達がこの時代にこのようなものを完成させていたことに驚きをあらわしている。

まさにこの曲はライブ映像ビデオでも金字塔を打ち立てた一曲である。

ちなみに「ザ・リフレックス」が1位を記録した1984年6月23日のビルボード全米チャートは

1 THE REFLEX –Duran Duran
2 TIME AFTER TIME –Cyndi Lauper
3 LET’S HEAR IT FOR THE BOY –Deniece Williams
4 DANCING IN THE DARK –Bruce Springsteen
5 SELF CONTROL – Laura Branigan
6 THE HEART OF ROCK ‘N ROLL –Huey Lewis & The News
7 JUMP (FOR MY LOVE) –The Pointer Sisters
8 WHEN DOVES CRY –Prince
9 OH SHERRIE –Steve Perry
10 EYES WITHOUT A FACE –Billy Idol

The Wild Boys

1984年のライヴ・アルバム「アリーナ」に収録されていた新曲「The Wild Boys / ワイルド・ボーイズ」。前作「ザ・リフレックス」のリミックスを担当した元シックのナイル・ロジャースがプロデュース。「ザ・リフレックス」に続く全米1位を狙ったが、結果全米チャート2位を4週間キープ。因みに「ワイルド・ボーイズ」が最高位2位を記録した週、1984年12月15日のビルボード全米チャートは

1 OUT OF TOUCH – Daryl Hall & John Oates
2 THE WILD BOYS – Duran Duran
3 LIKE A VIRGIN –Madonna
4 I FEEL FOR YOU –Chaka Khan
5 SEA OF LOVE –The Honeydrippers
6 NO MORE LONELY NIGHTS –Paul McCartney
7 COOL IT NOW – New Edition
8 WAKE ME UP BEFORE YOU GO-GO –Wham!
9 WE BELONG – Pat Benatar
10 ALL THROUGH THE NIGHT –Cyndi Lauper

1位のホール&オーツ「アウト・オブ・タッチ」を射程距離に置いたが、この週、11位から3位へとジャンプアップしたマドンナの「ライク・ア・ヴァージン / Like A Virgin」が、翌週はにデュラン・デュラン、ホール&オーツを飛び越えて1位に。ワイルド・ボーイズはさらに3週粘って翌年まで2位をキープするが、マドンナの前に力付きた。そしてマドンナは初のナンバーワンを獲得し、この曲からサクセスストーリーが始まるのである。因みにこの「ライク・ア・ヴァージン/ Like A Virgin」もプロデュースはナイル・ロジャースである。

A View to a Kill(美しき獲物たち)

映画『007 / 美しき獲物たち』(原題: A View to a Kill)の主題歌。

ジェームズ・ボンド役のロジャー・ムーアの最後の作品の主題歌を、それまでの007シリーズとは趣を変更し、人気絶頂期だったデュラン・デュランを起用し、大ヒットとなった。

イギリスの「ミュージック・ウィーク」誌では2位、アメリカのビルボード誌の「Hot 100」では1位と、007史上最大のヒット主題歌となった。

日本でもオリコン洋楽シングルチャートで1985年7月8日付から6週連続1位を獲得した。

そしてこれがデュラン・デュランの最後の全米No.1ヒットとなった。

Notorious

元シックのナイル・ロジャースのプロデュース。それまでのファンにとって、「これがデュラン・デュランか?」と思わせるほど、ニューウェーブ路線からガラッと路線が変わり、ホワイトファンクっぽいダンサンブルな大人のサウンドに変身した。

ギターのカッティングもナイル・ロジャースっぽく、それまでの行間を詰める様に弾いていジョンのベースも行間を開けるベースラインになり、よりファンキーさを増した。

ロジャー、アンディが抜けて3人になったデュラン・デュランの第二章の始まりとなった曲

全米チャートでは最高位は第2位を記録した。

I Don't Want Your Love

1988年9月リリースの『Big Thing』からのシングル。
時代はユーロビートやヒップホップが流行り、デュラン・デュランもよりハウスに近づいた頃の一曲。

ギターは元ミッシングパーソンズのウォーレン・ククルロ、ドラムは元ABCのデビッド・パーマー。

イギリスでは最高位14位に終わったが、イタリアでは6週連続で1位を記録、1988年の年間1位にも輝いた。

アメリカでも好調で、Billboard Hot 100で4位、Billboard Hot Dance Club Playで1位に輝いた。

All She Wants Is

1998年12月、アルバム『BigThing』からのセカンドシングル

70年代後半にバーミンガムのクラブから誕生したバンドは、またクラブに戻ってきた。
しかもそれは70年代のニューウェーブ的クラブサウンドではなく、80年代後期の、ハウス、ヒップホップを基調としたクラブミックス使用のサウンドに仕上がっている。

結成から10年、かつてのアイドル的デュラン・デュランサウンドは完全に影を潜めた。

PVは、かつてサイドプロジェクトのアルカディアで監督をしたディーン・チェンバレンが担当し、1ヶ月近くかけてロンドンで撮影された。

メンバーは多忙なプロモーションスケジュールの真っ只中にあり、撮影に参加する時間がなかった為、メンバーのマネキンを使った。ラテックスマスクをつけて、スローストップモーションで撮影し、アニメーションの光を効果的に挿入することで非常にシュールな作品となった。

この革新的なビデオクリップは、1988年のMTV Video MusicAwardを受賞した。

UKシングルチャートでは9位に入り、これは1980年代のデュラン・デュランの12曲のUKトップ10ヒットの最後の曲となった。

アメリカBillboard Hot100では22位、Billboard Hot Dance Club Playでは見事1位に輝き、ヨーロッパでもイタリアで2位、ヨーロピアン・ダンスチャートでは1位に輝いた。

Ordinary World / オーディナリー・ワールド

大河が穏やかに水を運ぶような雄大なバラード、身体が宙に浮かぶような浮遊感、ククルロが織りなす哀愁を帯びた優しくも凛々しいギターフレーズ。

侘び寂びの境地をも感じる素朴さと深みを備えたサウンドから後半に進むにつれ壮大で幻想的な世界が広がっていく。

これがあのデュラン・デュランの曲なのか。

往年ファンだけではなく、かつてデュラン・デュランをスルーしてきた人々の心をも掴んだ名曲。オアシスやブラーなどのブリットポップスが活躍しだした、まさにあの頃イギリス音楽シーンの中で生まれた傑作。

80年代のスター達が90年代に入ってことごとく「過去の人たち」になっていった中、デュラン・デュランも例に漏れずそのようなグループになっていたが、93年に突如として放った奇跡の曲。

全米チャートでもゆっくりゆっくりと上昇し、最終的に第3位にまで達する大ヒットとなった。

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