Duran Duran(デュラン・デュラン)の徹底解説まとめ

Duran Duran(デュラン・デュラン)とは、1978年、イギリス、バーミンガムにて結成されたバンド。1980年代に起きたニューロマンティックムーブメントを代表するバンドとなり、アイドル的なルックスのよさやスタイリッシュなファッションを武器に世界中でブレイクした。1981年「プラネット・アース」でデビュー、84年シングル「ザ・リフレックス」で初の全米No.1に輝く。その後はメンバー・チェンジなどで活動は一時停滞するが、デビュー40周年を超え、これまでのレコード・セールスは1億枚を超える。

01. Rio / リオ
02. My Own Way / マイ・オウン・ウェイ
03. Lonely In Your Nightmare / 悪夢の中の孤独
04. Hungry Like The Wolf / ハングリー・ライク・ザ・ウルフ
05. Hold Back The Rain / ホールド・バック・ザ・レイン
06. New Religion / ニュー・レリジョン
07. Last Chance On The Stairway / ラスト・チャンス・オン・ザ・ステアウェイ
08. Save A Prayer / セイヴ・ア・プレイヤー
09. The Chauffeur / ザ・ショーファー

1982年リリースのセカンドアルバム。アイドル的美貌とスタイリッシュなファッションがMTV世代にマッチし、本格的なアメリカでの成功のきっかけとなったアルバム。
大ヒット・シングル「ハングリー・ライク・ザ・ウルフ」や、表題曲「リオ」、「セイヴ・ア・プレイヤー」といったヒット曲を収録した充実した作品で、次作『セヴン・アンド・ザ・ラグド・タイガー』とともにニューロマンティクス黄金期の代表作に挙げられる一枚。故ダイアナ イギリス王妃の愛聴盤。

Seven And The Ragged Tiger / セブン・アンド・ザ・ラグド・タイガー

01. The Reflex / ザ・リフレックス
02. New Moon On Monday / ニュー・ムーン・オン・マンデイ
03. (I'm Looking For) Cracks In The Pavement / ひび割れた歩道
04. I Take The Dice / 賽は投げられた
05. Of Crime And Passion/ 罪と情熱
06. Union Of The Snake / ユニオン・オブ・ザ・スネイク
07. Shadows On Your Side / 運命の影
08. Tiger Tiger / タイガー・タイガー
09. The Seventh Stranger / 7番目の男

「デュラン・デュランといえばこれ」といわれる代表作にして最高傑作。MTV時代の寵児となった彼らは英国のトップ・グループからアメリカ市場を制覇した世界的グループへの地位を確立した。
全英No.1に輝いたシングル「ザ・リフレックス」はニューロマンティックサウンドの金字塔。
その他、「ニュー・ムーン・オン・マンデイ」「ユニオン・オブ・ザ・スネイク」などのヒット曲を収録した、1983年リリースの大ヒットアルバム。

Notorious / ノトーリアス

01. NOTORIOUS / ノトーリアス
02. AMERICAN SCIENCE / アメリカン・サイエンス
03. SKIN TRADE / スキン・トレイド
04. A MATTER OF FEELING / ア・マター・オブ・フィーリング
04. HOLD ME / ホールド・ミー
05. VERTIGO(DO THE DEMOLITION) / めまい
06. SO MISLED / ソー・ミスレッド
07. MEET EL PRESIDENTE / ミート・エル・プレシデンテ
08. WINTER MARCHES ON / ウィンター・マーチズ・オン
09. PROPOSITION / プロポジション

1986年に発表した通算4作目のアルバム。
前作のヒットの勢いをそのままに、バンドは2つに分かれてそれぞれのサイド・プロジェクトを成功させるが、この分裂がバンドに亀裂を起こし、ロジャー・テイラーに続きアンディ・テイラーがレコーディング中に脱退。波乱の中で制作されたアルバム。ニューロマンティックサウンドからは脱却し、新たな音楽路線を歩むこととなったが、タイトル曲「ノトーリアス」がスマッシュヒットした。バンドもアイドル路線から脱皮し、大人のバンドへと変貌していく。

BIG THING / ビッグ・シング

01. BIG THING
02. I DON'T WANT YOUR LOVE
03. ALL SHE WANTS IS
04. TOO LATE MARLENE
05. DRUG (IT'S JUST A STATE OF MIND)
06. DO YOU BELIEVE IN SHAME?
07. PALOMINO
08. INTERLUDE ONE
09. LAND
10. FLUTE INTERLUDE
11. THE EDGE OF AMERICA
12. LAKE SHORE DRIVING
13. DRUG (IT'S JUST A STATE OF MIND)

1988年に発表した通算5作目となるアルバム。メンバーの脱退によりニック・ローズ、サイモン・ル・ボン、ジョン・テイラーの3人体制で制作された一枚。前作より、デビュー当時の煌びやかなサウンドは完全に影を潜め、全体的に地味で暗く重たいサウンドとなった。時代もレコードからCDの時代となり、全盛期の頃のデュラン・デュランのファンの多くが離れていった時期でもある。しかしながら時代的な流れもあり、ファンクやハウス的なビートを取り入れた「アイ・ドント・ウォント・ユア・ラブ / I DON'T WANT YOUR LOVE」や「オール・シー・ウォンツ・イット / ALL SHE WANTS IS」等はクラブなどでリミックスされヒットし、デュラン・デュランの健在ぶりを証明したアルバムとなった。

Liberty / リバティ

01. Violence Of Summer (Love's Taking Over)
02. Liberty
03. Hothead
04. Serious
05. All Along The Water
06. My Antarctica
07. First Impression
08. Read My Lips
09. Can You Deal With It
10. Venice Drowning
11. Downtown

1990年発表の6作目。新しくウォーレン・ククルロとスターリング・キャンベルをメンバーに迎えた、新生デュラン・デュランの第1弾。シングル曲「夏のヴァイオレンス」はかつてのニューロマンティック・サウンドにオールドスタイルのロック色を加えた、久しぶりにデュラン・デュランらしいナンバー。30代に突入した彼らの大人のポップミュージックを堪能できるアルバム。

Duran Duran ‎/ ザ・ウェディング・アルバム

01. Too Much Information
02. Ordinary World
03. Love Voodoo
04. Drowning Man
05. Shotgun
06. Come Undone
07. Breath After Breath
08. UMF
09. Femme Fatale
10. None Of The Above
11. Shelter
12. To Whom It May Concern
13. Sin Of The City

デュラン・デュラン、1990年代の最高傑作。
1993年2月11日発表の7作目。デビュー作のセルフタイトルアルバムの『Duran Duran』と同じタイトルである為、通称『ウエディングアルバム』と呼ばれている。
1990年代に入り、商業的な成功から遠ざかっていたなか、久しぶりに全英チャート5位に返り咲いたアルバム。全米チャートでも10位に入り、イギリスでゴールドディスク(10万枚)アメリカでもプラチナディスク(100万枚)に輝いた。スタイリッシュなサウンドで新たなファンを獲得しデュラン・デュラン復活を予感させた。ドラムのスターリング・キャンベルが脱退し、4人となったが、アンディー・テイラーの代わりに加入したウォーレン・ククルロのギターワークが独自の世界観を作り出している。名曲として知られる「オーディナリー・ワールド」ほか、ヒット曲「カム・アンダン」を収録。「デュラン・デュラン、93年の奇跡」「90’sイギリスロックの名盤」「デュラン・デュランの最高傑作」等、様々な称賛を浴びた名作。
アルバムジャケットはNick Eganが手がけ、メンバー4人の両親のウエディング写真をアートワークにしている。

Thank You / サンキュー

01. White Lines (Don't Do It) / Grandmaster Melle Mel
02. I Wanna Take You Higher (Version 1) / SLY & THE FAMILY STONE
03. Perfect Day / Lou Reed
04. Watching The Detectives / Elvis Costello
05. Lay Lady Lay / Bob Dylan
06. 911 Is A Joke / PUBLIC ENEMY
07. Success / Iggy Pop
08. The Crystal Ship / THE DOORS
09. Ball Of Confusion (That's What The World Is Today) / THE TEMPTATIONS
10. Thank You / LED ZEPPELIN
11. Drive By / Duran Duran
12. I Wanna Take You Higher Again / SLY & THE FAMILY STONE

前作の成功を受けて、1995年に発表した通算8作目のアルバムはバンド初の全曲カバーアルバムとなった。
レッド・ツェッペリンやボブ・ディランなど70年代の名曲を、90年代デュラン・デュラン風サウンドにしたようなアレンジは評論家達からは酷評を受け、「原曲のケミストリーを再現できていない、オリジナルアーチストに対する冒涜である」と言った批判的評価や、「史上最低の音楽 (worst music releases of all time)」等と評され、『Q』誌は、2006年に作成した「史上最低のアルバム50枚! (The 50 Worst Albums Ever!)」のリストの1位にこのアルバムを挙げた。また、『ローリング・ストーン』誌のJ・D・コンシディンは、「ここで演奏されるアイデアのいくつかは、驚くほど間違った考えによったもので、ある種の呆けた天才がなければできないことだ」と述べている。

しかしアイドルバンドとみなされていたデュラン・デュランの音楽的バックボーンの多様性を垣間見ることが出来、前作に引き続きギターのウォーレン・ククルロが、ハイセンスなサウンドを演出、サイモンの高い歌唱力も存分に堪能できる一枚となっている。またドラムにはスターリング・キャンベルの他に、オリジナルメンバーだったロジャーテイラーが3、4曲目に登場、その他にもスティーブ・フェローン/Steve Ferrone (1,8), テリー・ボジオ/ Terry Bozzio (7,10,11), エイブ・ラボリエル・ジュニア/Abe Laboriel Jr. (5,12) がそれぞれドラムを担当している。また、元シックのドラマーで、パワーステーションでも活躍したトニー・トンプソンが「I Wanna Take You Higher (Version 1) 」で疾走感溢れる迫力とキレのあるドラムパフォーマンスを披露する。しかしこのアルバムのハイライトはシングルにもなった一曲目の「ホワイト・ライン/White Lines」である。
この曲は、80年代のオールドスクールラップの「グランドマスター・フラッシュ / Grandmaster Flash & The Furious Five」のリードシンガーであるメリー・メルが1983年に発表した、麻薬撲滅を歌ったラップソングである。往年のラップファンはデュラン・デュランのバージョンに拒絶反応を示したが、近年ではデュラン・デュランのバージョンの方が知名度を上げている。
UKシングルチャート17位、UK on a Pop Tip Club チャート7位、US Billboard Hot Dance Club Playチャート5位に輝き、現在でもライブでは欠かさず演奏するナンバーとなっている。

Medazzaland / メダザランド

01. Medazzaland
02. Big Bang Generation
03. Electric Barbarella
04. Out Of My Mind
05. Who Do You Think You Are?
06. Silva Halo
07. Be My Icon
08. Buried In The Sand
09. Michael You've Got A Lot To Answer For
10. Midnight Sun
11. So Long Suicide
12. Undergoing Treatment

デュラン・デュラン低迷期の一枚。
サイモン・ル・ボン、ニック・ローズ、ウォーレン・ククルロの三人となったデュラン・デュランが、ヴァージン・レーベルからリリースした1997年発表の9作目。
このアルバムはヨーロッパで正式にリリースされることはなく、北米、ラテンアメリカ、日本でのみリリースされた。脱退を表明したジョン・テイラーも5曲でプレイしている。
デュラン・デュランが一貫して目指しているROCK+DANCEコンセプトを貫いているが、ファンの間でも最も人気の低いアルバムで、正直、バンドの限界を危惧するファンも多かった。しかしこの後バンドは、傑作「ポップ・トラッシュ」を発表、オリジナル・メンバー再結成となり、傑作「アストロノート」で再びバンドの凄さを発揮することになる。

Pop Trash / ポップ・トラッシュ

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