ワイルドアームズ(WA)のネタバレ解説・考察まとめ
『ワイルドアームズ(WILD ARMS)』とはメディア・ビジョンが開発したPlayStation用のゲーム作品。1996年12月20日にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)より発売。略称は「WA」。ジャンルはロールプレイングゲーム(RPG)。荒廃した大地が広がる惑星「ファルガイア」を舞台に、荒野を冒険する「渡り鳥」と呼ばれる3人の主人公達と、異世界からの侵略者「魔族」との戦いの物語を描いた作品で、壮大な世界観と個性溢れるキャラクター、深く練り込まれたストーリーが魅力となっている。
ロディ・ラグナイト
本作の主人公の1人。15歳。依頼されたトラブルを解決して、その報酬で各地を旅している渡り鳥と呼ばれる冒険者。禁断の兵器と呼ばれるARMを操る戦士でもある。彼の持つARMは1000年前の大戦の遺産であり、魔族の力として人々に忌み嫌われている。ARMを扱うために必要なシンクロ率が普通の人間と比べて非常に高く、そんなARMを扱うロディもまた、周囲の人々から恐れられ避けられてきた。だが彼の祖父ゼペットの教えや影響もあり、不幸な境遇にも負けない強い意志を持っており、他人の痛みや苦しみが分かる心優しき少年である。ストーリー中盤で、自身の正体が人間ではなく人造生命体ホムンクルスであることが発覚する。そのショックから一時期心を閉ざしかけるが、仲間達の助けも得て自分が普通の人間とは違うというコンプレックスを克服していく。劇中では一切セリフを喋らないキャラクターで、グラフィック上で頷いたりジェスチャーなどでリアクションを取ったりする。この点については他のRPGでよく見られるプレイヤーの感情移入を促すための措置であり、劇中世界では言葉を発している説と、実際に無口で何も喋っていないという説が存在している。
ザック・ヴァン・ブレイス
本作の主人公の1人。27歳。遺跡盗掘専門のトレジャーハンターで、相棒のカゼネズミであるハンペンとともに世界中を旅をする渡り鳥。早撃ちと呼ばれる居合抜きによく似た剣技の使い手で、スピードに秀でた戦闘を得意とする。達者な口と軽いノリを持ち、気さくな一面も持ち合わせているが、心の奥底では絶えず復讐の炎がくすぶり続けている。ザックという名前は偽名であり、本名はギャレット・スタンピード。かつて魔族に滅ぼされた騎士団フェンリルナイツの生き残りで、復讐のために世界のどこかに存在するとされる「絶対たる力」を探し続けてきた。自らの過去を直接語ることが無かったが、ストーリーが進むにつれて徐々に過去が明らかになっていった。ロディ達との旅を通じて過去に囚われた状態を脱し未来へ進み始めるようになる。髪を束ねているリボンは、騎士団時代に彼が惚れていた女性で同じ騎士団の仲間であるエルミナの形見である。
セシリア・レイン・アーデルハイド
本作の主人公の1人。17歳。ファルガイアの国家アーデルハイドの公女で、守護獣と交信する能力の持つ巫女でもある。アーデルハイドに代々伝わる秘宝にして亡き母親の形見でもある涙のかけらを魔族から取り戻し、ファルガイアへの侵略を阻止するために旅に出る。学び舎であるクラン修道院で紋章魔法を修得しており、様々な紋章魔法を扱える。行動的で優しいが、寂しがり屋で思い込みの激しい性格の持ち主で、修道院では周りの友人から「突発性妄想癖」と心配されることもあった。周囲から向けられる好意を公女という立場にいる自分に向けられたもので、ただのセシリア自身には向けられていないものだと思い込んでいたが、旅の途中、心を閉ざしたロディに必死で呼びかけた自分の言葉で、誰かに愛されたいと願うなら、自分が誰かを愛することが大切なのだと気付き、精神的に大きく成長していく。また、同時にロディに好意を抱くようになる。ストーリー開始時は長髪だったが、涙のかけらを取り戻すための旅に出る前、自らの決意を示すために断髪する。焼きそばが好物で大盛り5人前を1人で平らげる驚異の胃袋の持ち主。それでも決して太らない理由は、紋章魔法使用時に大量のエネルギーを消費するためである。
仲間達
ハンペン
ザックの相棒である精霊に近い動物の亜精霊で、カゼネズミと呼ばれている。人語を巧みに操ることができるほど頭が良く、自身のことを知性派と呼んでいる。ザックがまだギャレットと名乗っていた頃、魔族に襲撃されたアークティカ城から脱出した後、雪の中で倒れていた彼をハンペンが助けたのが2人の出会いとなっている。ザックはそれを恥だと感じており、それをいつか見返すためにハンペンと一緒に行動するようになった。一方ハンペンには生き別れとなった主人がおり、ザックと旅をしながら本当の主人を探すという目的を持っている。年齢は4000歳となっているが、これは本来は400歳という設定だったものが誤植となっており、そのまま公式の年齢に設定されるようになったものである。
マリエル
タウンロゼッタに住んでいるエルゥの少女。1000年前の大戦で荒廃したファルガイアを捨てて異世界に移住したエルゥ族の中で唯一ファルガイアに残った。ファルガイアが荒廃する原因となったガーディアンブレードを造った刀鍛冶バシムの妹で、兄の罪を償うために荒野に花を咲かせようとしている。他人とコミュニケーションを取るのが苦手で臆病な性格。耳に獣毛が生えており、両手両足には出し入れ可能な長い爪を持っている。外見が人間と違うことが原因で周囲の人々から疎まれてきたが、ロディ達と出会い彼らと交流を重ねるうちに大きく成長していく。
ジェーン・マックスウェル
元富商だったというマックスウェル家の次女。14歳。賞金稼ぎの渡り鳥で執事のマクダレンとともに賞金首の魔獣を追って旅を続けている彼女はその腕前からカラミティー・ジェーンという二つ名で呼ばれている。現実的かつ奔放な性格で金銭面ではしっかりしている一方、年相応の少女の顔も持っている。稼いだ賞金はコートセイムの孤児院の経営にあてており、賞金稼ぎになったのも孤児院の子供達を養うためだが、孤児院を経営している父ニコラにはそのことを秘密にしている。ARMの使い手でもあり、ロディには及ばないがARMに対する同調能力を持っている。優しいロディに惹かれていくが、素直になれない一面を持つ。
マクダレン・ハーツ
常にジェーンに付き従う執事。51歳。若い頃にジェーンの父ニコラに恩義を受けて以来、マックスウェル家に忠誠を誓い献身的に尽くしてきた。能力的には極めて優秀で、我儘でやりたい放題のジェーンのために食事の支度や旅先の宿の手配、戦闘面でのサポートなど何をやらせても万能にこなす。性格は控えめで常に自分よりもジェーンを立てようとしている。未熟なジェーンがカラミティー・ジェーンとして成功したのは彼のサポートがあったからこそである。
エマ・ヘットフィールド
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目次 - Contents
- 『ワイルドアームズ』の概要
- 『ワイルドアームズ』のあらすじ・ストーリー
- プロローグ
- ひとり旅の少年:ロディ編
- トレジャーハンター:ザック編
- 修道院の少女:セシリア編
- 3人の出会いと魔族襲撃
- 封印の神像を巡る旅
- マザー討伐を目指して
- 動き出したナイトクォーターズ
- ロディの正体
- ダークネスティア
- ザックとエルミナ
- 希望の西風
- 最終決戦の地へ
- 荒野の渡り鳥
- 『ワイルドアームズ』のゲームシステム
- キャラクターチェンジ
- マルチオープニング
- グッズ
- バトルシステム
- オリジナル
- フォースアビリティ
- 『ワイルドアームズ』の登場人物・キャラクター
- メインキャラクター
- ロディ・ラグナイト
- ザック・ヴァン・ブレイス
- セシリア・レイン・アーデルハイド
- 仲間達
- ハンペン
- マリエル
- ジェーン・マックスウェル
- マクダレン・ハーツ
- エマ・ヘットフィールド
- バーソロミュー船長
- 魔族
- ジークフリード
- ベルセルク
- レディ・ハーケン
- アルハザード
- ブーメラン
- ルシエド
- ゼット
- マザー
- その他の登場人物
- ゼペット・ラグナイト
- ゴーレム
- アースガルズ
- リリティア
- ディアブロ
- バルバトス
- リヴァイアサン
- ベリアル
- セト
- ルシファア
- 『ワイルドアームズ』の用語
- 世界
- ファルガイア
- 魔星ヒアデス
- 守護獣(ガーディアン)
- 貴種守護獣(ガーディアンロード)
- 涙のかけら
- 種族
- 人間
- エルゥ
- 魔族
- 魔獣(モンスター)
- 渡り鳥
- フェンリルナイツ
- 兵器
- ARM
- ゴーレム
- ホムンクルス
- ガーディアンブレード
- 遺跡・建造物
- エルゥのほこら
- マルドゥーク
- 『ワイルドアームズ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ギャレット「…リボン、返す、必ず…」
- ジェーン「命はお金で買えないけれど世の中には、お金で買えるモノの方がたくさんあるってこと、忘れないで」
- セシリア「奇跡は自分の手で起こしてこそその価値があります。それは、ぜったいにぜったいです」
- 『ワイルドアームズ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 3人の主人公の役割
- タイトル画面放置で開始する裏オープニング
- 腰振りダンスをするセシリア
- 『ワイルドアームズ』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):「荒野の果てへ」
- ED(エンディング):渡辺真知子「青空に誓って」