ワイルドアームズ(WA)のネタバレ解説・考察まとめ

『ワイルドアームズ(WILD ARMS)』とはメディア・ビジョンが開発したPlayStation用のゲーム作品。1996年12月20日にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)より発売。略称は「WA」。ジャンルはロールプレイングゲーム(RPG)。荒廃した大地が広がる惑星「ファルガイア」を舞台に、荒野を冒険する「渡り鳥」と呼ばれる3人の主人公達と、異世界からの侵略者「魔族」との戦いの物語を描いた作品で、壮大な世界観と個性溢れるキャラクター、深く練り込まれたストーリーが魅力となっている。

エルゥ

人間に近しい姿をしているが、毛の生えた長耳と鋭い爪を持ち、高度な技術を誇る上位種族。無限に続く寿命を持ち、大戦前は人間と共存し、圧倒的な科学力で世界を繁栄させてきた。しかし環境が破壊された場所では激しい苦痛を感じるため、大戦後荒廃化したファルガイアでは生きられないと判断したエルゥ達は、エルゥ界という亜空間に浮かぶ島に移住しファルガイアを去った。

魔族

別の次元に存在していた世界「魔星ヒアデス」に代わり新たな故郷としてファルガイアへ襲来してきた侵略者。鋼鉄の身体に水銀の血が流れており、ファルガイアの生態系とは大きく異なる半機械生命体。1000年前にファルガイアの人間、エルゥ、守護獣との戦いの末敗北するが、この時に生き残った魔族達は眠りにつき、現代で蘇った後再び戦いを仕掛ける。中でも屈指の戦闘能力を誇る魔族はナイトクォーターズやイレギュラーナンバーと呼ばれ、魔族達の幹部にあたる。そして魔族の頂点はマザーであり、全ての魔族はマザーから生まれた細胞の一部である。

魔獣(モンスター)

ファルガイアの荒野を危険な場所としている存在。出自は様々だが、多くはファルガイアの荒野化と1000年前の大戦が魔獣が増加した要因となっている。

渡り鳥

危険に満ち溢れる荒野を旅する者をファルガイアでは渡り鳥と呼ぶ。1つの地には留まらず、世界の町々を巡り、依頼を請け負うことで生計を立てている。依頼内容は魔獣退治や護衛、遺跡の発掘や村の仕事の手伝いなど様々である。実力至上主義の世界であり、ある程度の実力者であれば出生や年齢を問わず渡り鳥になれるため、犯罪者や無法者などが渡り鳥になるケースも少なくない。

フェンリルナイツ

北の大国アークティカに仕える騎士団。生まれも経歴も振るう武器もバラバラで統一性に欠けているが、全員騎士として確かな実力を持つ。メンバーは7人で、フェンリルナイツを束ねる騎士団長、「鎧」のゴルドバード・レノックス。副団長で「盾」のライアン・ラグナロク。長身の騎士「兜」のアスピリージャ。強靭な肉体の持ち主で「槍」のカーツ・バロウズ。細身の騎士で「具足」のマルコ・ファンバステン。紅一点の「剣」のエルミナ・ニエット。そして、エルミナから剣の手ほどきを受けている新参者で「篭手」のギャレット・スタンピード。彼らはそれぞれ、騎士の武器になぞらえた通り名を持っており、アークティカの平和を守っていたが、数年前に魔族の襲撃を受けて一夜にしてアークティカが滅びた際にフェンリルナイツも壊滅した。

兵器

ARM

「Ancient Relics Machine(古代遺跡機械)」の略称で、1000年前の大戦期に造られた機械。現在ではARMを製造する技術は失われてしまっているが、古代遺跡から発掘され、ARMマイスターによって研究が進んでいる。魔族と戦うために魔族の力を研究して造られたため、ARMは魔族の振るう力とほぼ同質のものとなっている。個人で扱える取り回しの良さと魔族の鋼鉄の身体を粉砕する大火力を持つが、一方で使用者の精神とARMが同調しなければ力を発揮できない精神感応兵器であるという弱点があり、ARMと同調するには先天的な才能が必要となっている。ARMはその構造が複雑になればなるほど、より深く同調しなければならないため、この欠点を克服するために生み出されたのが、高い同調能力を持った人造兵士ホムンクルスである。強大な力を持つARMだが、伝承にある魔族に近いその力は禁断の兵器として認識されていることもあって、多くの人々から恐れられ忌み嫌われている。

ゴーレム

ARMと同様、魔族の殲滅を目的として、人間とエルゥの技術を結集して造られた巨大兵器。攻撃性能や戦域が異なる8体が製造されたが、8体全てが製造されるまでに時間が掛かっており、最も初期に造られたリリティアと後期に造られたルシファアやセトとはデザイン及び設計コンセプトに大きな隔たりがある。兵器として特化した性能を持つが、その反面汎用性に乏しく思考回路が単純なため敵に利用されやすいという弱点がある。しかし魔族との戦いに大きな戦果を挙げたのは事実であり、後のARM開発の基礎となった。

ホムンクルス

ARMの使用を想定として開発された人造生命体。推論型理論回路によって全ての行動を自己の判断で行いあらゆる状況に対応できる。外見は人間と同一であるが、その身体構造は魔族の肉体組織をベースとして造られているため、ゴーレム以上に忌まわしき存在として見られた。全部で30体完成したものの、その全てが暴走してしまったため、後に破棄され歴史の表舞台から完全に抹消された。しかし試作機だった1体のみ唯一暴走しなかったため、地中深くに埋められて封印された。

ガーディアンブレード

1000年前に魔族との大戦に終止符を打つために造られた武器。命ある金属をベースとし、錬金術、守護獣の力、そして刀鍛冶バシムの技術を結集して開発された剣で「絶対たる力」と呼ばれるほど強大な力を秘めている。魔族に追い詰められたファルガイア軍はこのガーディアンブレードに希望を託して大戦末期の最終決戦を行う選択をした。ガーディアンブレードの一振りによって、結果的にファルガイア軍は勝利するが、その一振りでガーディアンブレードは力を暴走させ、魔族を壊滅させると同時にファルガイアを死の世界へと変貌させ、自身も砕け散った。

遺跡・建造物

エルゥのほこら

1000年前の大戦末期にエルゥ達の手によって造られた生命エネルギーのターミナルポイント。衛星軌道上にある36機のリフレクターを経由してあらゆる生命体をエネルギー化して転送することができる。また、リフレクターを介してファルガイア各地に守護獣の力を連結、増幅させることができる。

マルドゥーク

人々から「新しい月」と呼ばれているが、その正体は強力な対地攻撃能力と移住区を設けた人工衛星。大戦末期に権力と財力を持つ特権階級の者達によってファルガイアを脱出するために秘密裏に開発されていた。選ばれた人間だけが数百年単位の生活をすることができるよう設計されていたが、完全起動を目前に魔族の手によって陥落した。

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