HACHI 約束の犬(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『HACHI 約束の犬』とは、2009年に公開されたアメリカ映画。1987年公開の日本映画『ハチ公物語』のリメイク作品である。ある寒い冬の夜、アメリカ東海岸の郊外の駅でパーカー・ウィルソン教授は1匹の迷い犬に出会う。飼い主を探しながら保護するが、妻の反対を押し切りパーカーは自分で飼うことにするのだった。首輪のタグに「八」と刻まれていた漢字から「ハチ」と名付けられその秋田犬の子犬は、パーカーの大きな愛情を受け立派に成長して行く。そんな幸せな日々がいつまでも続くと思われたが、突然の悲劇が降りかかる。
ベッドリッジ駅
パーカーとハチが出会った場所。ここを拠点に、物語が繰り広げられる。
午後5時
ハチは毎日午後5時にベッドリッジ駅に向かい、花壇に座り改札から出て来るパーカーを待っていた。それはパーカーの死後、10年続いた。
『HACHI 約束の犬』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
パーカー「どんな時もその気持を忘れるなよ」
アンディの婚約者のマイケルを自宅に招いたパーカーとケイト。マイケルが庭でバーベキューの準備をしているパーカーの元に行き2人で会話していると、パーカーが唐突に「君は娘が好きかい?」と聞いた。「ええ。大好きです」と答えたマイケルに向かって、「そうか。どんな時もその気持を忘れるなよ」とパーカーは言った。相手を思う気持ちさえあれば問題ないというパーカーの優しい人柄が伝わるシーンである。
ケン「特別の意味がある時だけ物を取って来る」
「何度ボールを投げても取って来ない」とパーカーは、ハチのことをケンに話していた。ケンは「秋田犬は人を喜ばせることに関心がない。君が好きだから駅までついて行く。”ボールを取って来い”?奴には意味がない」と言った。そして、「特別の意味がある時だけ物を取って来る」とパーカーに伝えた。ハチはパーカーが亡くなる当日、ボールを咥えパーカーを追いかけた。ハチはパーカーをどうにか引き止めようとするが、パーカーはそのままいつものように電車に乗り大学へ向かった。ケンの言葉が伏線となっていたのだが、パーカーはハチの意図に気付けなかったのだった。
家に帰ろうとしないハチと電車に乗れないパーカー
最初に柵の下の土を掘って仕事へ行くパーカーを追いかけた時、パーカーが「家に戻るんだ」と言っても帰ろうとせずパーカーに駆け寄るハチ。駅長のカールが「30秒電車を止めておくよ」と言い、パーカーはハチをなんとか帰そうとするが、すぐにパーカーのあとをついて来てしまう。パーカーは諦めて「カール。もう行っていい」と笑った。パーカーのことが大好きなのだということがよく分かる心温まるシーン。次の日からハチは、朝はパーカーと一緒に駅まで行き、パーカーが「まっすぐ家に帰るんだ。夕方帰るからね」と言うと、パーカーの言うことをよく聞き来た道を戻り、午後5時になると駅までパーカーを迎えに行った。
戻らないパーカーを待つハチ
ハチはパーカーが亡くなった後も、午後5時になると決まってベッドリッジ駅に行きパーカーの帰りを待った。見かねたカールが「もう待たないでいいんだよ。彼は戻らない」とハチに言うが、ハチは哀しげな目でじっとカールを見つめていた。ハチの物言わぬ表情が印象に残る感動的なシーン。
ハチの最期
雪の降る寒い冬の日、ハチは花壇に座り静かに永遠の眠りについた。ハチが思い出しているパーカーとの幸せな日々の回想シーンと、天国でパーカーと会えたことを思わせるような演出が、ハチの喪失感をすくい上げてくれるような感動的な場面である。
『HACHI 約束の犬』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
脚本を読み号泣したというリチャード・ギア
Related Articles関連記事
ボーン・レガシー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ボーン・レガシー』とは『ボーンシリーズ』の4作目で、2012年公開のサスペンス・アクション映画。記憶を失くした元CIAトップ工作員ジェイソン・ボーンをめぐる陰謀を描いた前3部作の裏で同時進行していたストーリーを描くスピンオフ的作品。ボーンの存在によりCIA上層部でさえ知らない国家的極秘計画が暴かれる危機が発生。計画隠蔽のために襲われた工作員アーロン・クロスの逃避行が描かれる。『ボーンシリーズ』の世界観を継承したストーリー展開に加え、前3部作後のCIAの状況もわかるファン必見の物語である。
Read Article
ギルバート・グレイプ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ギルバート・グレイプ』とは、原題は『What’s Eating Gilbert Grape』で、同名小説の映画化。ジョニー・デップと、レオナルド・ディカプリオが共演している、1993年のアメリカ映画である。 知的障害を抱えた弟アーニー(レオナルド・ディカプリオ)と、夫を亡くした事で過食症となり、病的な肥満になってしまった母親。 退屈な田舎町で家族を支えるギルバート(ジョニー・デップ)が、ある日ベッキーという女性と出会うことで自分自身を見つめ直し、心の揺れ動きと成長を描いた物語。
Read Article
ボーン・アルティメイタム(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ボーン・アルティメイタム』とは『ボーンシリーズ』の3作目で、2007年公開のサスペンス・アクション映画。記憶を失くした元CIAトップ工作員ジェイソン・ボーンは、CIAの極秘計画の暴露記事を書こうとする記者と接触したことで存在が見つかり、またもやCIAに狙われる。その一方、CIA内部の人間と協力し、極秘計画に絡んだ組織の陰謀を暴き、とうとう記憶を取り戻す。その場にいるかのような臨場感溢れる映像やスピーディなストーリー展開、スリリングな逃走劇など息もつかせぬシーンの連続で観る者を引き込む最高傑作。
Read Article
ボーン・スプレマシー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ボーン・スプレマシー』とは『ボーンシリーズ』の2作目で、2004年に公開されたサスペンス・アクション映画。記憶を失くした元CIAトップ工作員ジェイソン・ボーンの2年後を描く。インドでマリーと暮らしていたボーンの元に暗殺者が現れ代わりにマリーが殺されてしまう。自分を追う理由を知るため動き出したボーンだが、ある事件の容疑者に仕立てられる。CIAの追跡をかわしながら自分を巡る陰謀の真相を探るボーン。トンネルの中のカーチェイスなど前作以上にスピード感あるスリリングなシーンの連続で観る者を魅了する。
Read Article
シカゴ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『シカゴ』とは、監督ロブ・マーシャルメインキャストにレニー・ゼルウィガー、リチャード・ギア、キャサリン・ゼタ=ジョーンズの3人を起用したミュージカル映画。 1920年代、ショービジネスと犯罪の町シカゴを舞台に、スターを夢見る主人公が、殺人を起こし刑務所に収容されながらもスターへの道を上る様子を描いている。 キャッチコピーは「この街では、銃弾一発で有名になれる」 近年のアメリカ映画において、ミュージカル映画はヒットしないと言われていたが、そのジンクスを覆した作品ともいわれている。
Read Article
【ギルバート・グレイプ】心温まるヒューマンドラマを描いた映画10選【サイダーハウス・ルール】
この記事では見終わった後に心がすっきりと澄み渡るように爽快な気持ちになれる、心温まるヒューマンドラマを描いた映画をまとめた。どの映画でも様々な苦難を前にして成長していく主人公の姿が描かれており、家族や友人との絆、愛情が大切なものだと改めて感じさせてくれる。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『HACHI 約束の犬』の概要
- 『HACHI 約束の犬』のあらすじ・ストーリー
- ハチとの出会い
- ハチを引き取るパーカー
- パーカーとハチの毎日
- 突然の別れ
- 天国へ旅立つハチ
- 『HACHI 約束の犬』の登場人物・キャラクター
- パーカー・ウィルソン(演:リチャード・ギア)
- ハチ(演:レイラ/フォレスト/チコ)
- ケイト・ウィルソン(演:ジョーン・アレン)
- ケン(演:ケイリー=ヒロユキ・タガワ)
- アンディ(演:サラ・ローマー)
- カール(演:ジェイソン・アレクサンダー)
- ジェス・シャビール(演:エリック・アヴァリ)
- メアリー・アン(演:ダヴェニア・マクファデン)
- マイケル(演:ロビー・コリアー・サブレット)
- ロニー(演:ケビン・デ・コステ)
- 『HACHI 約束の犬』の用語
- 秋田犬
- ベッドリッジ駅
- 午後5時
- 『HACHI 約束の犬』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- パーカー「どんな時もその気持を忘れるなよ」
- ケン「特別の意味がある時だけ物を取って来る」
- 家に帰ろうとしないハチと電車に乗れないパーカー
- 戻らないパーカーを待つハチ
- ハチの最期
- 『HACHI 約束の犬』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 脚本を読み号泣したというリチャード・ギア
- 子犬のハチを演じたのは柴犬
- 撮影地にハチ公の銅像のレプリカを設置
- 『HACHI 約束の犬』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:Jan A.P. Kaczmarek「To Train Together」