レインマン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『レインマン』とは、1988年にアメリカで公開された、自由奔放な弟と自閉症の兄の心の繋がりを描いたロード・ムービーである。高級車のディーラーの仕事をしているチャーリーの元に疎遠だった父親の訃報が届き、そこで初めて自分に兄がいるという事実を知る。事業が上手くいかず四苦八苦していたチャーリーは遺産目当てに故郷に戻るが、遺産の300万ドルが兄のレイモンドに相続されることを知り、施設にいたレイモンドを半ば強引に連れ去るのだった。

アボット・コステロのギャグ

アメリカのコメディアン、アボット・コステロのギャグ。「1塁手は”だれ”(フー)だ。セントルイスの1塁手だ。だから名前は?」とレイモンドが不安な時に繰り返す口癖だが、1塁手が”だれ”(フー)という名前のギャグだという事に気付かない。

サヴァン症候群

サヴァン症候群とは発達障害や精神障害のある者が、特定の分野で常軌を逸した能力を発揮する症状。
劇中でレイモンドは、チャーリーから渡された電話帳を暗記したり、ひと目見ただけでばら撒かれた楊枝の数を当てたりなど、典型的なサヴァン症候群として描かれている。

『レインマン』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

明かされるレインマンの正体

レイモンド(画像右)とチャーリー(画像左)

レイモンドとチャーリーが話をしていると、突然レイモンドが「おかしなレインマン」と言って笑った。空想の友達だと思っていたレインマンの名を口にしたレイモンドに「なんだって?」とチャーリーは驚く。チャーリーが子供の頃頭の中で作った友達、よく歌を歌ってくれた 「レインマン」の正体は実はレイモンドだったのだ。

レイモンド「チャーリーにケガさせるな」

モーテルに泊まるレイモンド(画像左)とチャーリー(画像右)

チャーリーがバスルームで蛇口をひねりお湯を出した時、パニックになり大声を上げるレイモンド。不安定な状態になったレイモンドは「チャーリーにケガさせるなチャーリーにケガさせるな」と何度も呟く。チャーリーがまだ小さかった頃、ケガをさせてしまいそうになったレイモンドは施設に入れられてしまったのだ。施設に向かう時、窓から幼いチャーリーが手を振っていたのを覚えているという。

心を通わせるレイモンドとチャーリー

レストランにいるレイモンド(画像左)とチャーリー(画像中央)

レストランでホットケーキを注文したレイモンド。チャーリーがテーブルに置かれたメープルシロップを持って「ジャジャーン」と効果音を付けレイモンドに見せると、レイモンドは「チャーリーがふざけた」と言って笑った。決まった行動を好みこだわりの強いレイモンドはテーブルにメープルシロップがないと落ち着きをなくす。その事で以前のチャーリーはレイモンドをきつく叱ったのだが、1週間共に過ごした中でレイモンドへの接し方に変化が表れていた。レイモンドが望む事にチャーリーが自然と応えられたというのが分かる、心を通わせた印象的なシーン。

チャーリー「兄貴ができてうれしい」

審問会でのレイモンド(画像右)とチャーリー(画像左)

レイモンドとロスで暮らす事を希望するチャーリーだったが、レイモンドは「病院に帰ってチャーリーと一緒に暮らす」と言った。レイモンドには、ロスでチャーリーと暮らす事と、シンシナティの病院で暮らす事の区別が付かないようだった。審問会で第三者の医師として立ち会ったマーストン医師に「その2つは別だ。チャーリーとロスで暮らすか?病院へ戻るか?」と質問を繰り返され混乱するレイモンドを不憫に思ったチャーリーは、「分かったもういい。これ以上兄を辱める事はない」と言って話を終わらせた。マーストン医師は、ブルーナー医師を連れて席を外す。
チャーリーは、レイモンドはきっと病院に戻る事になるだろうと察し「レイ。今のうちに話しておく。兄貴ができてうれしい」と話した。最初はレイモンドにきつく当たり、障害についても理解しようとしなかったチャーリーだったが、自分達の過去を知り、徐々に関係を深めて行く事で「兄ができてうれしい」と思えたチャーリーの素直な気持ちが表れた感動的なシーンである。

『レインマン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

レインマンにはモデルがいる

キム・ピーク(画像左)とキムの父親(画像中央)とダスティン・ホフマン(画像右)

映画「レインマン」にはキム・ピークという実在するモデルがいた。レイモンドと同じような特殊能力を持っており、9600冊以上の書籍の内容を1字1句ほぼすべてを記憶しているという。
レイモンドを演じたダスティン・ホフマンは、役作りの為にキム・ピークに実際会って彼を研究した。

バリー・レヴィンソン監督がカメオ出演している

審問会でのチャーリー(画像左)、マーストン医師(画像中央)、レイモンド(画像右)

審問会の時の第三者の医師という立場で立ち会う精神科医のマーストン医師として、バリー・レヴィンソン監督がカメオ出演している。作品としても高い評価を受け、興行的にも成功を収めた今作を手掛けたことで一流監督の地位を得た。

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