ホーム・アローン2(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ホーム・アローン2』とは、クリスマス休暇に旅行に行く予定で空港を訪れていた主人公の小学生ケビンが、家族とはぐれて1人だけニューヨークに行ってしまったことから始まるコメディ映画である。主人公ケビンを演じたマコーレー・カルキンの出世作でもある、大ヒット映画『ホーム・アローン』の続編として公開された。前作にも登場した泥棒ハリーとマーヴの悪事を暴いて撃退する展開は変わらず、最後ははぐれた家族と再会する温かいストーリーとなっている。クリスマス映画の定番としても知られている。

ニューヨークで1番大きいと言われているおもちゃ屋。ダンカン社長が経営している。
ダンカン社長は毎年クリスマスのおもちゃの売り上げは、子ども病院に寄付をしている。
ケビンは、おもちゃが実際に体験できるようになっている気の利いた店内を見たり、ダンカン社長の子ども病院への寄付の話を聞いたりして、すっかりダンカンおもちゃデパートが気に入ってしまった。ケビンも「自分のお小遣いから子ども病院へ寄付をしたい」と申し出ると、たまたまレジに入っていたダンカン社長が感動し、キジバトのつがいのクリスマス飾りをケビンにくれた。

『ホーム・アローン2』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ケビン「ハートだって使わなきゃ持ってる意味がないじゃない。ずっと閉まったままじゃ僕のスケートと一緒さ。使いたいと思った時はもう役に立たない。怖がってないで勇気を出さなくちゃ」

ケビンが鳩おばさんと話をしていた際、「人を信じることが怖い」と話すおばさんにケビンがかけた言葉である。この言葉を聞いて、鳩おばさんは「人をもう一度信じてみよう」という気持ちが芽生え始める、おばさんを変えるきっかけとなったセリフだ。
「暖かい場所に行きたい」と言うケビンを、鳩おばさんは音楽ホールの倉庫に連れてきた。
「私も昔はこんなんじゃなかった」と話すおばさんに、ケビンは「そう、昔はどんなだったの」と尋ねる。おばさんは「仕事があったし、家もあった。家族もいた」と話し、ケビンは「子どももいたの」と聞く。「いいえ、ほしかったわ。でも愛した男が私を捨てて去っていった。傷ついたわ。それからは愛が芽生えるチャンスに出会っても、怖くて逃げだした。人を信じられなくて」とおばさんは打ち明ける。話を聞いたケビンは「怒らないでね、でもそんなの馬鹿なことだと思うよ」とあっけらかんと言う。おばさんは「また傷つくことが怖かったのよ。信じ合えたと思った相手でも、忘れられている」と言うと、ケビンは「みんな忙しすぎるんだ。忘れるつもりがなくてもつい忘れてしまうんだ。僕なんかもしょっちゅうだよ。だからよく叱られる。兄ちゃんが言ってた。よっぽど気を付けないとスクールバスに頭を置いてきちゃうぞって」と冗談を言う。おばさんが「また信じて傷つくことがこわいの」と話すと「その気持ちは分かる。昔ローラースケートを買ってもらったことがあった。でも壊したらやだなと思って、ずっと箱の中にしまってた。どうなったと思う。そうしている間に背が伸びて足が大きくなった。結局一度も履かなかったよ」とケビンはたとえ話をする。「人のハートっていいうのはね、ローラースケートとは違うの」と少し怒ったおばさんに、ケビンは「同じことだと思うよ、ハートだって使わなきゃ持ってる意味がないじゃない。ずっと閉まったままじゃ僕のスケートと一緒さ。使いたいと思った時はもう役に立たない。怖がってないで勇気を出さなくちゃ」と言う。おばさんが「いいことを言うね」と褒めると、ケビンは「おばさんもさ、傷付いていてもまだハートがあるんでしょう。だっておばさんはいい人だもん」と慰める。「ありがとう。こうやって誰かと話をしたのは何年振りかしらね」というおばさんに「大丈夫だよ、とても上手だ、退屈しないし、しゃべり方もなめらかだよ。ただ、鳩のうんちのついた服は問題だけどね」とケビンが答える。おばさんは「人を遠ざけたいと思ったの。効果抜群よ」と声を出して笑った。

ケイト「でもケビンだって1人ぼっちなのよ。私は平気。強盗だろうが人殺しだろうが、今は何も怖くないわ」

左側がケイト

ケイトがいかにケビンを心配し、愛しているかが分かる一言である。
ケイトたちマカリスター一家はニューヨークに着き、ケビンがクレジットカードを使ったニューヨークプラザホテルを訪れていた。子どもを一人で宿泊させ、その後怖がらせて逃がしたホテルスタッフのセクター、ストーン、セドリックにケイトは怒っていた。
ピーターはケイトに「僕は警察へ行って捜索状況を確かめてくるよ。君は子どもたちと一緒に休んでいなさい」と言うと、ケイトは「いやよ、私も一緒に街を探すわ」と答える。「この世界最大級の都会のニューヨークをしかも君1人で探し回るなんて無茶だ」とピーターが言うと、「でもケビンだって1人ぼっちなのよ。私は平気。強盗だろうが人殺しだろうが、今は何も怖くないわ」とケイトは言い切った。そして、その後本当に1人でニューヨークの夜の街をケビンを探して歩いた。

ケビン「僕はこれまでたくさん悪いことをしてきました。だからプレゼントはいりません。その代わりに家族に行った生意気な言葉を取り消します。みんなになんと言われても許します。僕はみんなを愛してます。だからみんなに会わせて。一度だけほんのちょっとでいいんです。ごめんなさいと言いたいんです」

ケビンが家族のことを愛していることの分かるセリフである。
ケビンはロックフェラーセンターの大きなクリスマスツリーの前で「僕はこれまでたくさん悪いことをしてきました。だからプレゼントはいりません。その代わりに家族に行った生意気な言葉を取り消します。みんなになんと言われても許します。僕はみんなを愛してます。だからみんなに会わせて。一度だけほんのちょっとでいいんです。ごめんなさいと言いたいんです」と独り言を言っていた。ちょうどそこへケイトがやって来る。ケイトは「ケビン!」と叫んでケビンの元へと駆け寄る。ケビンはケイトに気付き「もう願いが叶っちゃった」とつぶやく。ケイトがケビンの目の前にやって来ると、ケビンは「ママ、ごめんなさい」と旅行出発前夜のことを謝り、ケイトも「ママのほうこそ」と言って2人は抱き合う。ケビンが「どうしてここが分かったの」とケイトに聞くと、ケイトは「大好きなクリスマスツリーのところにいると思ったの」と答える。ケイトの母親の勘で、ケビンとケイトは奇跡的に大都会で再会することが出来た。

ケビン「あなたを忘れない、本当さ」

キジバトのクリスマス飾りを受け取る鳩おばさん(左)とケビン(右)

ケビンはクリスマスツリーに飾ってあるキジバトのつがいの飾りを見て、公園にいる鳩おばさんを思い出し会いに行くことにする。
キジバトのつがいは、ダンカンおもちゃデパートをケビンが訪れた際、ダンカン社長がくれたものだった。ダンカン社長は「キジバトは友情の証で、1匹は大事な人に渡すといい」と言っていた。
公園でおばさんを見つけたケビンは「メリークリスマス」と言って、キジバトのつがいの一羽をおばさんに渡す。おばさんが「これはなんなの」と聞くと、ケビンは「キジバトだよ。1匹ずつ。これを持っている限り、僕らは永遠に友達だ」と言う。鳩おばさんが「人を信じられない。みんな私を忘れてしまう」と言っていたのを聞いて、「自分だけはずっと友達だ」と伝えたいがためのケビンの行動だった。おばさんはとても喜んでキジバトを受け取る。ケビンが「あなたを忘れない、本当さ」と言うと、おばさんは笑ってケビンを抱きしめるのだった。
ケビンのおばさんを思う優しさと、ケビンと鳩おばさんが年齢を越えて心を通じ合わせたことが分かるセリフである。

『ホーム・アローン2』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

マコーレー・カルキンの弟・キーランも出演

左側がキーラン

前作から引き続き、フランク叔父さんとレスリー叔母さんの末っ子として登場するフラー・マカリスターを演じているのはキーラン・カルキンである。ケビンを演じているマコーレー・カルキンと同じ苗字なのは、実はマコーレー・カルキンの弟だからである。マコーレー・カルキンは、7人兄弟(5男2女)の次男で弟が3人いるのだが、そのうちの1人がキーラン・カルキンである。
キーラン・カルキンにとって、『ホーム・アローン』が子役デビュー作となっている。『ホーム・アローン』『ホーム・アローン2』の後、10代になってからはインディペンデント系映画への出演が多く、2002年公開の『17歳の処方箋』という映画の出演で、第60回ゴールデングローブ賞ミュージカル・コメディ部門の主演男優賞にノミネートされたこともある。

アメリカのドナルド・トランプ元大統領も登場

ニューヨークプラザホテルのロビーで話すケビン(左)とトランプ元大統領(右)

ニューヨークプラザホテルで、ケビンが男性にフロントの場所を尋ねるシーンがある。そのシーンでケビンから尋ねられて「左だよ」と答えているのが、アメリカのドナルド・J・トランプ元大統領である。
ロケ地となったニューヨークプラザホテルの当時の所有者がドナルド・J・トランプ氏であり、ロケ地として使用するための条件として自分の映画出演を希望したためである。

『ホーム・アローン2』の主題歌・挿入歌

挿入歌:Darlene Love「All Alone On Christmas」

yasurin218k6
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@yasurin218k6

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『ホーム・アローン』とは、1990年にアメリカで公開され興行収入が全世界で4億7668万ドルを記録したコメディ映画である。クリスマスにひょんなことから1人で留守番をすることになった小学生のケビン・マカリスターが泥棒を撃退して自分の家を守るストーリーとなっている。ケビンが初めて1人になり鬱陶しさを感じていた家族の大切さを再確認する、家族を題材にした作品である。クリスマス休暇を題材にした映画であることからクリスマスの定番としても有名で、主演を務めたマコーレー・カルキンの出世作としても知られている。

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