『魔境伝説アクロバンチ』とは、日本テレビと国際映画社が共同制作したSFロボットアニメである。1982年に日本テレビ系列で全24話が放送された。巨大合体ロボ「アクロバンチ」を駆るアマチュア考古学者とその家族が、地底人の軍団「ゴブリン結社」と古代の大秘宝「クワスチカ」を巡り、争奪戦を繰り広げる痛快冒険劇として描かれた。後に『プラレス3四郎』や『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』など、数多くの作品でキャラクターデザインを手掛け人気を博す「いのまたむつみ」のデビュー作となった。
古代の破片
蘭堂ファミリーをクワスチカ探索の旅に誘う不思議な遺物。ひとつの破片の信号分子が類推できる別の信号を予想して補うという「VQ波長」を発しており、新しい破片を近づけると、別の破片の場所を指し示す特性を持っている。ランドー海洋牧場の海底から発見されたのを皮切りに、旅の途上でたびたび見つかる。その表面には古代文字が描かれている。最終的にはタツヤの意向で、エジプトでの破片発見者であるラプネに全ての破片が託された。その後ヘンリーが破片から復元に成功し、金色に光る地球儀の姿を取り戻した。その表面には蘭堂ファミリーが辿った旅の軌跡が記されており、タツヤ達がクワスチカに導かれていることがほぼ確定する。
VQ波長
古代の破片が発していた未知の電波。破片同士が呼び合い、次の破片のありかを示すという不思議な特性がある。その正体は数千年に渡り人類が蓄積してきた「悪しき波長」であり、宇宙の彼方からより大きな「滅亡の波長」を呼び寄せていた。天変地異の原因はこの滅亡の波長であり、「クワスチカ超古代兵器説」の論拠となっていた。
エネルギーポール
探検の最中に見つかる不思議なクリスタル。海底遺跡のアテナ像に似た巨像の額、アラスカの山中、アンコールワット、ポタラ山中などで計4本が発見される。サイズは不定形であり、人間が片手で持ち上げられる程度からアクロバンチが振り回す大きさまで自在に変化する。その正体は、クワスチカが再び新しい宇宙に旅立つために必要な「宇宙の大根源力」を呼び覚ますためのキーだった。クワスチカの起動には計5本が必要で、最後の1本は炎の聖剣エクスキサーチだった。
ゴブリン結社
古代より地上人類に取って代わり、地上を我が物にせんと暗躍してきた地底人「ゴブリン一族」の軍団。かつて自分たちを地底に追いやったとする地上人類に果てしない怨嗟を抱いている。円盤や奇怪な戦闘メカを大量に保有し、地上に出没するための坑道を地球のあらゆる場所に張り巡らせている。その構成員はほぼ全てゴブリン一族で占められているが、ごく少数の地上人がデーロスに心酔し、地球連邦軍や学会などに潜入してスパイ活動をしている。
伝承で語られるところによると、ゴブリン一族が住んでいる地底世界の終焉が、365日と6時間後(第2話の時点)に迫っており、それと同時にクワスチカが出現してゴブリン一族を地上の覇者に押し上げるとされている。したがってゴブリン結社が地上進出を目指すのは、単なる野望ではなく種族の存亡をかけた生存戦術なのである。実際に第23話の中盤で地底世界は崩壊してマグマに呑み込まれており、デーロスは全てのゴブリン一族を率いて地上への進撃を開始した。
ゴブリン一族
有史以前に地球を襲った災難の際、「角が生えている」というだけで、災いをもたらした邪悪な存在として地底に追放・封印された王の末裔。その後王の末裔は地底世界に適応し、数万年の時を経て繁栄した。地底世界の大気に順応しているため、ゴブリンが地上に出る際は呼気を確保するためのヘルメットをかぶっている。
もともとゴブリン一族は地上人類と祖を同じくし、数万年程度の期間棲み分けただけの同じ人類である。祖先の王から頭角を受け継いでいる以外、ゴブリンと地上人類の間に遺伝子的差異はほぼ無い模様。実際に第16話で登場したゴブリン一族のミゲールは、地上人類であるマリアとの間に自然妊娠で子を成している。さらに放逐されたミゲールは地上の環境に適応し、緑色だった皮膚は褐色となり自然呼吸で問題無く行動している。しかしゴブリンの伝承を全て知っているとされるゲペウですらゴブリン一族の由来を知らず、一族はただただ地上人類への怨嗟のみを一方的に募らせている。
地球連邦
21世紀後半に最終核戦争をかろうじて回避した地上人類が、全地球規模で築きあげた連邦政府。国家間戦争は姿を消し、軍備に費やされていた資源やエネルギー・人材は、地球資源の再開発に振り向けられている。洋上開発が行われ、自然と共存した社会が実現している。ランドー海洋牧場もそのひとつで、海上に設営された構造物での放牧や養殖などが盛んに行われている。
地球連邦軍
地球連邦の保有する軍隊。地球連邦が樹立した後も反政府運動やテロ活動に対処する必要があったようで、戦車や戦闘機、空母艦隊まで保有している。地球連邦軍本部の所在地は明言されていないが、第20話の描写を見るにニューヨーク州にあるようだ。当初はゴブリン結社の猛攻に敗走を続けていたが、次第に体制を整え五分の戦いを繰り広げる。保有する兵器もゴブリン結社の戦闘メカに十分通用する破壊力を持つ。
『魔境伝説アクロバンチ』の地名
本作の舞台となる地名や遺跡は一部放送の都合で改名されている部分もあるが、実在するものがほとんどである。
ランドー海洋牧場
第1話の舞台となった蘭堂ファミリーが経営する海上牧場。アメリカ大陸西部沖合の海上に敷設されている。海産物だけでなく、タワー上にある土地で牛なども多数飼育している。収穫した海産物を加工する「カマボコ工場」も併設されており、アクロバンチはその構内で建造された。
シャスタ山
第2話の舞台で、蘭堂ファミリーが古代の破片に導かれた最初の場所。アメリカ合衆国のカルフォルニア州北部に実在する標高4000メートル級の火山。
アンデス山脈
第3話の舞台。南米の山脈で、西海岸に南北7500キロメートルにわたって縦走している世界最長の山脈。ジュンがアタワと出会ったのは、チリのアタカマ砂漠に近いインディオの集落。そこでは古代インカの秘宝にまつわる民謡「星の祈り」を守りながら、昔ながらの素朴な生活が営まれていた。
南太平洋の海底火山
第4話の舞台。南大西洋を渡航中の蘭堂ファミリーの前に、突然現れた火山島。その海底には古代アトランチスの遺跡が沈んでいた。ここで最初の「エネルギーポール」が発見される。
ちなみにアトランチス(アトランティス)大陸とは、実在する古代ギリシアの哲学者「プラトン」が著書の中で提唱した伝説の島で、大西洋に存在したが海中に没したとされている。
Related Articles関連記事
テイルズ オブ エクシリア(Tales of Xillia)のネタバレ解説・考察まとめ
『テイルズ オブ エクシリア』とは、2011年にPlayStation3用タイトルとしてバンダイナムコゲームスから発売されたRPG。同シリーズの15周年記念作品である本作は、シリーズ初のダブル主人公を採用し、同シリーズのキャラクターデザインでお馴染みの藤島康介、いのまたむつみが本作のキャラクターデザインを担当。精霊マクスウェルが創造し、人間と精霊が共生する世界リーゼ・マクシアを舞台に、創造主と同じ姓を名乗る謎の女性ミラ=マクスウェルと、医師を志す青年ジュード・マティスの世界を救う物語が描かれる。
Read Article
テイルズ オブ デスティニー(Tales of Destiny)のネタバレ解説・考察まとめ
『テイルズ オブ デスティニー』とは、ナムコから発売されたPlayStation用のRPGゲーム。 人気の高い作品で、後にリメイク版やディレクターズカット版がPlayStation 2用ソフトとして発売された。 主人公のスタンは故郷を飛び出し、大国セインガルドへ向かう飛行竜に密航していた。しかしその飛行竜にモンスターの大群が襲来。絶体絶命のスタンであったが飛行竜の倉庫で発見した知能のある剣「ディムロス」と出会い、ソーディアンマスターとなったことで彼の運命は大きく変わっていく。
Read Article
テイルズ オブ エクシリア2(Tales of Xillia 2)のネタバレ解説・考察まとめ
リーゼ・マクシアとエレンピオスを隔てる断界殻が消えて約1年後。 エレンピオスの首都トリグラフに住む青年ルドガー・ウィル・クルスニク。 就職先へ初日出社日、見知らぬ少女エルと列車テロに巻き込まれる。 事件解決のため奔走する彼だったが多額な借金と分史世界の破壊という使命を背負うこととなってしまう。 「テイルズ オブ」シリーズの本編作品、第14作目。
Read Article
テイルズ オブ グレイセス エフ(Tales of Graces f)のネタバレ解説・考察まとめ
『テイルズ オブ グレイセス エフ』とは、バンダイナムコゲームスからWii版に新エピソードや衣装が追加された移植版として発売されたPlayStation 3用のRPGゲーム。 ドラマCDやコミック等幅広くメディア展開されている作品である。 主人公であるアスベルと弟ヒューバートは幼年期に記憶喪失の少女ソフィと出会う。 ある事件でソフィは姿を消してしまうが、7年後に立派な騎士へと成長したアスベルが故郷に戻ると、事件で姿を消したソフィそっくりの少女が現れ、運命の変転に巻き込まれていく。
Read Article
テイルズ オブ リバース(Tales of Rebirth)のネタバレ解説・考察まとめ
『テイルズ オブ リバース』はバンダイナムコゲームス発売のRPGであり、『テイルズ オブ シリーズ』の第6作目のマザーシップタイトル。ジャンル名は「君が生まれ変わるRPG」。 主人公のヴェイグ・リュングベルが、さらわれた幼馴染の少女クレア・ベネットを救うべく、仲間たちと共に旅に出る中、「ヒューマ」と「ガジュマ」二つの種族の共存と対立の問題に直面していく物語である。
Read Article
ブレンパワード(Brain Powerd)のネタバレ解説・考察まとめ
『ブレンパワード』とは、矢立肇・富野由悠季原作、富野由悠季総監督のSFロボットアニメ作品。1998年に全26話がWOWOWにて放映された。富野にとって『機動戦士Vガンダム』以来5年ぶりとなるテレビアニメ監督作である。また、富野自ら「第2のデビュー作」と称する作品として有名で、後の『∀ガンダム』や『OVERMANキングゲイナー』に通じる牧歌的で明朗な作風を確立した。主人公の伊佐未勇とヒロインの宇都宮比瑪を中心に、謎の巨大遺跡オルファンを巡る世界の争いと人間ドラマを描いたSFロボットアニメである。
Read Article
【テイルズ オブ エクシリア】主人公・ジュードとミラのカップリングイラスト・画像まとめ【TALES OF XILLIA】
『テイルズ オブ エクシリア』(TOX)は『テイルズ オブ』シリーズのゲームであり、シリーズ初のダブル主人公の形をとっている。2人の主人公は医学生の男の子であるジュード・マティスと、大精霊マクスウェルがこの世で活動するために受肉したとされる存在であるミラ=マクスウェルという女性だ。ミラは人間ではないことから当初は人間を「弱い存在」とみていたが、次第に人の心を理解していき、ジュードとも親密になっていく。
Read Article
PSPのおすすめゲームソフトをまとめて紹介!もう1度やりたくなる名作ばかり!
PSP(プレイステーション・ポータブル)でプレイできるゲームソフトの中から、おすすめのものをまとめて紹介します。『テイルズ オブ リバース』や『モンスターハンター』シリーズなど、長年愛される名作ばかりです。ゲームのプレイ画面の画像も掲載しているので、PSPで遊んだ経験のある方は、思い出に浸ってみるのもいいのではないでしょうか。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『魔境伝説アクロバンチ』の概要
- 『魔境伝説アクロバンチ』のあらすじ・ストーリー
- 冒険への出発
- 遺跡を巡る旅
- エネルギーポール争奪戦
- クワスチカ出現
- 『魔境伝説アクロバンチ』の登場人物・キャラクター
- 蘭堂ファミリー
- 蘭堂 タツヤ(らんどう タツヤ)
- 蘭堂 ヒロ(らんどう ヒロ)
- 蘭堂 リョウ(らんどう リョウ)
- 蘭堂 ミキ(らんどう ミキ)
- 蘭堂 レイカ(らんどう レイカ)
- 蘭堂 ジュン(らんどう ジュン)
- R・C
- D・B
- ゴブリン結社
- ゴブリン王・デーロス
- 黒軍鬼・グロイジ
- 青軍鬼・ブルゾム
- 赤軍鬼・アガイル
- 白軍鬼・シーラ
- ガルモ
- 大神官・ゲペウ
- 赤軍鬼・アガラス
- ゲスト・その他
- ブラッキー
- ドクター時田(ドクターときた)
- 議長
- アタワ
- パチャクティ
- ダランベール博士
- 探検家A
- アルフォンツ
- キャサリン
- トム
- マイティ
- カフラー博士
- エリーナ皇女
- サリカ
- アルタ
- エルシー
- リム
- 妖精
- 邪妖精
- サバの王女・シルビア
- 中年
- イサク
- コト
- ミゲール
- マリア
- ゴメル伯爵
- カナン伯爵
- エベル伯爵
- ラリィ
- エコマ
- ヘンリー中尉
- 総司令
- ジムニー大尉
- モリヤ
- ダライ・ラマ
- ラプネ
- 所長
- 大秘宝クワスチカ
- 蘭堂ローラ
- 『魔境伝説アクロバンチ』の登場メカ
- 蘭堂ファミリーのメカ
- アクロバンチ
- ファルコン・バンチャー
- バンチャー・ホーネット
- バンチャー・アロー
- 量産型アクロバンチ
- ゴブリン結社の戦闘メカ
- 戦闘円盤
- 戦闘司令艇
- アンドロデムス
- アミンガ
- ディラノス
- ゴブンガ
- フォリングス
- バルード
- ケラドウス
- シラミック
- アドラム
- 陸上用車両
- 砂漠用戦車
- 移民船
- デーロス専用円盤
- 海底防衛用蟹状メカ
- クワスチカ関連
- 双頭のグリフォン
- 御神体
- 『魔境伝説アクロバンチ』の用語
- クワスチカ関連
- 大秘宝クワスチカ
- 古代の破片
- VQ波長
- エネルギーポール
- ゴブリン結社
- ゴブリン一族
- 地球連邦
- 地球連邦軍
- 『魔境伝説アクロバンチ』の地名
- ランドー海洋牧場
- シャスタ山
- アンデス山脈
- 南太平洋の海底火山
- マニコンゴの丘
- アゾレス諸島
- ストーンヘンジ
- エジプトのピラミッド
- ペルセポリス
- 北スコットランド
- サバ王宮遺跡
- デロス島
- グリーンランド
- カッパドキア
- アンコール・ワット
- シャーリ山
- ゴビ砂漠
- バーミヤン地方
- ポタラ山
- ナスカ
- イースター島
- 南太平洋
- 『魔境伝説アクロバンチ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 蘭堂タツヤ「今ひとりの男として、このロマンに賭ける!」
- デーロス「我々ゴブリンは一瞬にして地上の人類に取って代わるのだ!」
- 蘭堂ヒロ「女!?」
- ラリィ「夢の狩人の味方です!」
- 蘭堂ジュン「あれは俺たちの星だ!」
- 『魔境伝説アクロバンチ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 記念すべき第1話オープニングで起こった誤植
- 制作遅延が生んだスタイリッシュな合体シーン
- スポンサーの影響で突然赤く染まった翼
- 『魔境伝説アクロバンチ』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):山形ユキオ「夢の狩人」
- ED(エンディング):たいらいさお「渚にひとり」
![RENOTE [リノート]](/assets/logo-5688eb3a2f68a41587a2fb8689fbbe2895080c67a7a472e9e76c994871d89e83.png)