死霊館のシスター 呪いの秘密(ホラー映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『死霊館のシスター 呪いの秘密』とは2023年に公開されたアメリカのホラー映画である。監督はマイケル・チャベス。本作は「死霊館ユニバース」の8作目であり『死霊館のシスター』の続編となっている。1956年、フランスの教会で神父が火炙りになり死亡した。他にも聖職者の不審死が相次ぎ、バチカンは以前に起きた悪魔ヴァラクによる事件と類似していることから、ヴァラクの復活を予感した。そこでバチカンは過去にヴァラクと戦ったシスター・アイリーンに調査を依頼。この調査によってヴァラクの真の目的が明らかになっていく。

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告解を拒否したことで問題を起こしていたデブラ。彼女は告解する罪が何もないと言う。しかし修道長からすれば、告解を拒否すること自体が告解すべき罪なのであった。そこでアイリーンはデブラを説得するよう促される。告解とは洗礼を受けた後の罪を司祭に告白することで、司祭を通し神から許しを得るもの。「ゆるしの秘跡」とも呼ばれている。

コレラ

バークの死因。代表的な経口感染症の1つ。コレラ菌に汚染された水や食べ物を摂取することで感染する。摂取後に胃で死滅しなかった菌が小腸下部に達し、定着後に増殖したコレラ毒素が細胞内に侵入することで下痢や嘔吐を引き起こす。重度の場合にはすぐに脱水症状を起こし、数時間で死に至る危険性がある。

聖ルチア

ヴァラクの探していた聖遺物として登場する聖ルチアの目。そのため聖ルチアの末裔がヴァラクに狙われていた。聖ルチアはキリスト教の殉教者である。イタリアにあるシチリア島の貴族の娘。彼女の母親の病が聖アガタの墓前で祈ったことを機に全快したため、彼女は神に仕えることを決意した。改宗を拒んだことにより最後の拷問時に目を抉り取られた聖ルチア。しかし奇跡が起こり、彼女はそれでも目が見えたという逸話がある。12月13日は聖ルチアが殉教した日であり、北欧の5カ国を中心に「聖ルチア祭」が行われている。

『死霊館のシスター 呪いの秘密』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

モーリス・テリオー「使用人でも優しい心が大事だと知ってる。」

学校でソフィーはビーズに友情を込めて作ったブレスレットをモーリスにプレゼントする。するとそばで見ていたいじめっ子のシモーヌがブレスレットを奪い、からかい出した。返せと言うモーリスに対し、シモーヌは使用人のくせに命令しないでと言う。するとモーリスは彼女によく聞かせるようにしてかがみ「使用人でも優しい心が大事だと知ってる。」と伝えるのであった。直後、ローランが現れ大人しくなる生徒たち。校長と使用人の前での生徒たちの態度は明らかに異なっていた。立場の違いからモーリスを下に見てしまうシモーヌ。人としてどんなに偉大であったとしても、立場でその人が判断されるのは当然のこと。それを理解したうえで人との間に忘れてはいけないものをモーリスはシモーヌに教えようとしていた。

シスター・アイリーン「信じることで奇跡が現実になるの。」

アイリーンはヴァラクの事件に関する調査を引き受け、列車でフランスにあるノワレのいた教会に向かおうとする。すると座席に座っていたアイリーンの前に突然デブラが現れた。彼女は母が神を信じたように自身も奇跡を信じたいと言う。それでもデブラは神父が赤ワインをキリストの血であると言っても、それを信じることができない矛盾を抱えていた。そこでアイリーンは「信じることで奇跡が現実になるの。」とデブラの背中を押す。この時はまだ信じることができずにいたデブラであったが、終盤では2人が祈ることで大量のワインがキリストの血となり、ヴァラクにダメージを与えることに成功する。さまざまな恐怖を乗り越え、見習いのシスターであったデブラが信じる心を見出した瞬間であった。

モーリス・テリオー「怖がるのは悪いことじゃない。俺も怖がりだ。前に何度も怖がったおかげで普通じゃ無理なことができた。」

ローランが立ち入り禁止の礼拝堂で死亡したことを知ったソフィーは、彼女の遺体が運ばれていく様子を目の当たりにし鐘塔に引きこもっていた。自身が礼拝堂でヴァラクに遭遇していたため、怖くて仕方のないソフィー。するとそこに彼女を探していたモーリスが現れ、彼女の話を聞こうとする。この学校には何かいてはいけないものがいるみたいと怯えるソフィーであったが、ヴァラクのことをモーリスに話そうとはしなかった。そんな彼女にモーリスは「怖がるのは悪いことじゃない。俺も怖がりだ。前に何度も怖がったおかげで普通じゃ無理なことができた。」と言う。その後ソフィーは少し笑みを取り戻す。ソフィーを想うモーリスの心が届き、彼女は目線を自身がプレゼントしたブレスレットへと向けていた。何かを恐れることは恥ではない。そして恐れる自身を受け入れた人だけが得られる強さがあった。

『死霊館のシスター 呪いの秘密』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

登場する絵画のモデルはドメニコ・ベッカフーミの描いた『聖ルチア』

出典: x.com

1521年頃に制作されたドメニコ・ベッカフーミによる『聖ルチア』。

作中で聖ルチアの絵画がノワレのいたタラスコンの教会に飾られている。モデルとなっているのはドメニコ・ベッカフーミの描いた『聖ルチア』。映画に登場する絵画には相違点も見られ、聖ルチアは両目が抉り出されていた。他にも衣服の色味が異なっている。

ソフィーが見たヴァラクの幻は『死霊館 エンフィールド事件』でロレイン・ウォーレンが幻視するものと同じ場面

ソフィーは立ち入り禁止の礼拝堂に閉じ込められ、そこでヴァラクの姿を見たことを機にヴァラクの幻を校内で見かけるようになる。ある時ケイトに呼ばれた気がして、ソフィーは階段を上がっていった。ケイトらしき人影を追っていくと、ある部屋の扉を人影がゆっくりと閉める。ケイトが閉めたと思い扉を開けたソフィーであったが、扉の奥にはウォーレン家の廊下が続いていた。中は花柄の壁になっており、奥にはヴァラクがソフィーの方を向いて微動だにせず立っている。これは『死霊館 エンフィールド事件』でロレインが幻視した場面と同じもの。ソフィーは約20年先の未来でロレインが幻視するものを見ていたのであった。

ロレイン・ウォーレンとシスター・アイリーンが血縁関係である可能性を示唆する『死霊館のシスター 呪いの秘密』

ロレイン役のヴェラ・ファーミガがアイリーンを演じるタイッサ・ファーミガと実の姉妹であることから囁かれていた噂がある。それがロレインとアイリーンが血縁関係にあるのではないかという説であった。アイリーンが聖ルチアの末裔であるために霊能力の備わっていることが明かされた本作。そこからロレインも聖ルチアと繋がりをもっているため幼い頃から霊能力が備わっていたと捉えることができ、「死霊館ユニバース」の8作目にしてシリーズの設定に示唆を与えた可能性のある作品となっている。

『死霊館のシスター 呪いの秘密』の主題歌・挿入歌

主題歌:マルコ・ベルトラミ「The Nun's Story」

マルコ・ベルトラミは映画音楽を手がけるイタリア人の作曲家。ベルトラミは本作が「死霊館ユニバース」の初参加である。「The Nun's Story」はオープニングロゴが映し出されている間に楽曲の一部が使用されている。20曲が収録されているサウンドトラック『The Nun II Soundtrack』の中で、「The Nun's Story」はもっとも人気のある楽曲。オープニングロゴの後にはフランス・タラスコンの夜の街並みが登場する。薄く霧のかかった街が音楽が止むのと入れ替わるようにして映し出され、恐怖の始まりを告げる出だしとなっている。

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