PSYREN(サイレン)のネタバレ解説・考察まとめ

『PSYREN -サイレン-』とは、岩代俊明による漫画作品。2008年から2010年にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載され、全16巻のコミックスが刊行された。2025年末には、翌2026年のテレビアニメ化が発表されて話題となった。ひょんなことから赤いテレホンカードを拾い、荒廃した未来と現代を行き来する謎のゲームに巻き込まれることになった少年・夜科アゲハが、幼馴染や他の参加者たちと共にゲームを進め、世界の崩壊を防ごうと奮闘する姿を描く。

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アゲハとフブキ姉弟の実父。天文学の研究組織であるNASLの主任を勤める、優秀な天文学者。非常に若々しい容姿をしているが、年齢は作中の西暦2008年時点で47歳。外見、性格ともに穏やかで、一見するととてもアゲハとは似ていない。しかし、血の気の多いアゲハと体当たりで向き合うためだけに通信空手で身体を鍛えており、アゲハを制圧するほどの実力を持つようになった。日頃は温厚でも、アゲハが何かをやらかした際には文字通り鉄拳制裁を行うなど、息子に対しては手が早い。謎の隕石であるウロボロスには深い関心を寄せており、情報を求めていたアゲハと雨宮を研究所に招いた。
サイレン世界では5回目のゲームで登場する。登場時で57歳になっているにもかかわらず、見た目には若々しい外見をしっかりと保っていた。
転生の日で世界が崩壊した際、500人余りの生存者を救助している。実はサイキッカーであり、この時点で第4のPSI「ノヴァ」の習得に成功していた。PSIは、周囲の限られた領域を支配下に置く「星空間(せいくうかん)」で、領域外からの攻撃を弾く、領域内に進入した相手のPSIを抑えて動きを鈍くし、自分だけは身軽に動くことができる、などの作用がある。この力によって作中では第2星将のジュナスを圧倒するも、自身の脳への負荷も非常に大きく、最終的には時間切れで戦闘不能に陥ってしまった。また、この「星空間」の応用技として、重力を捩じ曲げて時空を歪ませ、領域内の時間の進行を遅くする「星空間・重力特異点(せいくうかん・じゅうりょくとくいてん)」があり、上記の若々しい外見もこの能力によって、自身の時間の流れを遅くした結果であることが明かされた。作中では、この能力でアゲハと雨宮が「ノヴァ」を習得する為の時間を稼いでいる。

W.I.S.Eの関係者

天戯 弥勒(あまぎ みろく)/グリゴリ06号

W.I.S.Eの若き設立者で、正体は第2期グリゴリ計画の元実験体06号。非常に自己中心的で独善的な性格をしており、選民意識も強い。このことから、PSIの力を持たない人間を旧人種として毛嫌いしている。
生命を操るPSI「生命の樹(セフィロト)」の使い手。「生命の樹」には、周囲の人間を串刺しにしながら成長する樹を創造する「峻厳(ケブラー)」や、「生命の樹」の種を植え付けた人間を操作し、生命力を吸収する「王国(マルクト)」、他者から奪った生命力で自身の肉体を回復させる「美(ティファレト)」、大量に収集した生命エネルギーから新たな生命を生み出す「王冠(ケテル)」などの派生技が存在する。このほか、球状のエネルギー体を作り、相手の攻撃を防御する「生命の門(セフィラ・ゲート)」などの派生技も生み出している。
幼少の頃、双子の姉である07号と共にグリゴリの管理下に置かれることになった。当初は「実験が終われば家に帰れる」などの嘘を信じて笑顔を絶やさなかったが、成長と共に精神を蝕まれたのか笑顔が見られなくなり、奇異な言動をとるようになっていく。
18歳の誕生日にグリゴリの職員であった射場を唆し、自身のPSIを抑制しているPacsのスイッチを切らせた後、射場以外の職員全員を殺害して逃走した。その後、犬居に従う愚鈍な弟として犬居三郎を演じて犬居を洗脳し、活動資金を集めた。「約束の涙」の回収を企むが、その落下地点でアゲハと戦った際に真実を知り、アゲハと共闘する形でミスラを倒す。最後は軍の攻撃を避けて身を隠し、表舞台から消えている。
小説版では、これからの道を考えた結果、世界を壊すことなく『異能の力を持つことが異常でない世界』を作ることをW.I.S.Eの新しい方針に掲げて再出発したことが明かされている。
サイレン世界では、右目の周りに入れ墨を入れているのが特徴。実務的な仕事は全てグラナに一任しており、裏では古い命から新しい命へ引き継ぐ計画を進めていたが、その計画をミスラによって利用されていた。クァト ネヴァスによる地球の捕食を食い止めるため、グラナと共にミスラを倒し、クァト ネヴァスを地球から追い出したところで力尽きる。

ミスラ

弥勒に助言を与える女性で、一人称は「ボク」。正体はW.I.S.Eを利用して地球をサイレン世界に変えていた、物語の真の黒幕。弥勒の力をクァトネヴァスが地球を食いつくす力にするため、毎夜、彼に夢を見せると共にテレパシーで世界への憎悪を煽っていた。「約束の涙」を体内に取り込んでクァト ネヴァスの一部と同化し、ウロボロスを地球へ導く道標の役割になることを画策するものの、同化直後にアゲハと弥勒の共闘によって倒され、「暴王の月」に飲み込まれて消滅するという最期を迎えた。
サイレン世界では、W.I.S.Eにイルミナの技術を教え、「かがり火」という予知能力を扱うほか、物質をブロック状に切断する能力を有している。クァトネヴァスを取り込んだ後は、あらゆる物体を破壊する光線を放つ能力を得た。小説版では、ミスラの器にされた少女に想いを寄せていた少年の日記という形式で、吹奏楽部に所属していたごく普通の女子高生が、ある夜、流れ星をその身に受けてから徐々に心を喰われ、ミスラへと変えられていったことが書き記されている。

グラナ/グリゴリ01号

ボサボサの髪に逞しい外見をした大男で、グリゴリの元実験体01号。物語開始の16年前にグリゴリを脱走しており、一人で旅を続けていた。
豪快かつ繊細というかなり面倒な性格をしているように見えるが、実際は実験の過程で感情を消されており、本来は機械のように無感情な性格である。その後は自身の生まれた理由を探すために各地を放浪していたが、天戯弥勒の言葉や思想に感銘を受けて仲間となった。
胎児期からサイキッカーとなる為の手術と訓練を受け続けたためにPSIは強大で、途方もない規模のテレキシネスを操ることができる。サイレン世界では、W.I.S.E第1星将の立場を与えられ、「天修羅のグラナ」と名乗り、右目に眼帯をしている。弥勒とはただの主従関係ではなく、互いに友人として絶大な信頼を寄せていることから、弥勒の代理としてW.I.S.Eを指揮することもある。
この一方でミスラを信用していないため、イルミナス・フォージは受けていなかった。それにもかかわらず現代の頃よりもさらにテレキネシスは強力になっており、空全体の太陽光を捻じ曲げて「日輪天墜」を溜め無しで連発できるようになっている。ミスラが本性を現した後、弥勒と共にミスラを倒し、クァト ネヴァスを地球から追い出して力尽きた。

ジュナス/グリゴリ05号

グリゴリの元実験体05号。左目の上に傷を持つ男性。性格は極めて凶暴で残忍、殺人を躊躇しない。しかし、その性格に反して同じ実験体だった弥勒に呼応し、彼と共にグリゴリを脱走して以降は素直に従っている。
弥勒の命令で理子を新たな仲間として加えたが、その時に自分のことを「友達」だと言ってくれた彼女に対しては優しく接し、とても大切にしている。
有しているPSIは、刃物状のバーストを操る「神刃(カミキリ)」。応用技として、周囲のバースト波動に反応して炸裂する刀を空中に無数配置する「毘沙門・叢(びしゃもん むら)」や、武器からバーストの刃を放つ遠距離攻撃である「毘沙門・礫(びしゃもん つぶて)」、高速で振動するバースト粒子を刀の形に集結させて振り回す「阿修羅・解(あしゅら かい)」などの技を使う。内容改変後の「宣戦の儀」では、毘沙門・叢でエルモア・ウッドの子供達を殺害した。
サイレン世界では、W.I.S.E第2星将の地位を与えられ、直属の戦闘部隊「スカージ」を指揮している。

ウラヌス/グリゴリ03号

グリゴリの元実験体03号。長いコートにマフラー、尖った髪型が特徴。冷気を操るPSI「氷碧眼(ディープ・フリーズ)」の使い手で、スケート靴のブレードや氷の槍、被弾した相手を凍結させる銃などの武器を形成することができる。対象を完全に凍結させる「グラシアル・ウォール」という技も持っている。脱走したグラナを始末するために政府から解放されたが返り討ちに遭ってしまい、それ以降は強さを証明しようと、自分自身も政府から逃走して独自にグラナを追うようになった。テレビ中継された弥勒とグラナの戦いを見て、グラナを超える為にW.I.S.Eに加わる。グラナ以外では、サイレン世界で自身より上の階級になったジュナスにも強い対抗心を燃やしており、「根」襲撃の際に敗走してきたジュナスには、わざわざ嫌味を言いにやって来た。
サイレン世界では、W.I.S.E第3星将の地位を与えられている。

シャイナ

W.I.S.E第4星将で、PSI研究を担当している青年。ウラヌスやヴィーゴの加入前は第3星将を務めていた。現代では普通の学生だったものの、弥勒の演説に感銘を受けてW.I.S.Eに参加。誰に対しても笑顔で丁寧に接するが、W.I.S.Eに仇なす敵や自分が格下と見なした相手のことは露骨に見下した態度をとる一面もある。プライドは非常に高く、傷つけられると普段の余裕や冷静さが崩れて激情を露わにし、自身のそんな姿を見た部下の禁人種すら八つ当たり気味に殺害する感情的で残忍な面もある。そういった面を除けば比較的良識的な感性の人物であるがゆえに、仲間達の間に入って調整役などを担うことも多い。PSIとしては瞬間移動能力を持ち、自身のみならず、周囲の物体を異なる場所へ転送できる。技として、狙い定めた六角柱状の空間を丸ごと転送させる「六方転晶系(ヘキサゴナル・トランスファー・システム)」があり、自分の周囲の空間を破壊することもできる。3度目のゲームで初登場して、窮地に陥ったドルキを救出した。

ヴィーゴ/鬼瀬 鋭二(きせ えいじ)

「芸術」と称し、自身の能力で殺人を繰り返していたサイコキラー。吃音を持っており、非常に特徴的な話し方をする。テレビ中継された弥勒の演説に感動し、当初は彼を殺すつもりでいた。しかし自身の中の本能の声に従い、それを止めてW.I.S.Eに加わることにしたという経緯がある。あらゆる物質と自身の肉体を同化させ、その内側に潜り込む「潜航師(ゾーン・ダイバー)」というPSIを持つ。この能力を応用し、近接武器や飛び道具などを瞬間的に自身と同化させることで、肉体の損傷を回避することが可能。手足を伸ばしたり、離れた場所に手足を作る、同化した壁から無数の手足を出現させて操る「潜航師・傀儡(ゾーン・ダイバー・フリークドール)」などの技も使うことができる。明言こそされていないが、家族という繋がりに対してコンプレックスがある様子を垣間見せる。
サイレン世界では、W.I.S.E第5星将の立場を与えられている。「根」襲撃の際に斥候として参戦し、応戦したマリーに一目惚れして彼女を誘拐した。その後は、マリーのことをもっとよく知ろうと接近するも、自分を拒絶するマリーに絶望して翌日殺すと宣言した。しかし、彼女を新たな肉体の器にしようとするミスラの目論見を知って抵抗し、殺されてしまう。

カプリコ/八星 理子(はちぼし りこ)

Dada_05042016
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@Dada_05042016

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