ビーファイターカブト(特撮テレビ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ビーファイターカブト』とは1996年から1997年にかけてテレビ朝日系列で放送された特撮テレビ番組。「メタルヒーローシリーズ」第15作目にあたる。初代ビーファイターの戦いから5年の月日が流れ、ジャマールにかわり長い眠りから覚めたメルザード一族の地球侵略が展開する。そして、新たなビーファイターへ任命された3人の若者がメルザード一族との戦いが描かれる。前作『重甲ビーファイター』の好評により、登場人物を高校生にしたりと年齢層を下げ「若さ」や「青春」を前面に出した作品となった。

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マザーメルザードにより作られた生命体かつ戦闘機で、メルザードスから発進し自らの意思を持ち動く。また複数体が合体し戦車モード(通称「生体戦闘タンク」)にもなり行動し、その様子に甲平が「イモムシ野郎」と呼ぶ。

『ビーファイターカブト』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

鳥羽 ゆい「いつもの事だもん、あいつ本当しょうがねえ奴なの。」

第5話にて、メルザードとの戦いにてチームワークが乱れて甲平と衝突してしまった健吾。健吾は元々自分がビーファイターカブトになる為に訓練を重ねていたが、コスモアカデミアのメンバーでもなく感情的な行動を取る甲平がビーファイターカブトに選ばれた事に苛立ちを覚えていた。その矢先に健吾は甲平の妹・ゆいに話しかけられ、ゆいは直ぐに健吾の苛立ちの原因が甲平だと察した。健吾が思わず本音を打ち明けると、ゆいは「いつもの事だもん、あいつ本当しょうがねえ奴なの。」と答えた。ゆいの言葉に健吾は笑みを浮かべて、健吾は徐々に甲平を受け入れていく。兄妹だからこそ理解し合っているゆいから出た一言だ。

猛毒鎧将デスコーピオン「もっともっと楽しまねば戦いを。また会おう、また戦おうビーファイター。」

第29話にて、インセクトメダルで誕生したビークラッシャー4人は、初代ビーファイターやビーファイターカブト達との戦いを一旦終える。更にビークラッシャーの一人であるデスコーピオンは、「急いで決着をつける必要は無い。もっともっと楽しまねば戦いを。また会おう、また戦おうビーファイター。」と告げてその場を去って行く。これから激しくなるであろうビーファイターとの戦いを、楽しみにしているとも感じられるデスコーピオンの恐ろしい言葉だ。

小山内 勝「武器を持つ事の重さ、引き金を引く事の重さ、それを忘れた時、どんな戦いも戦いの為でしかなくなってしまう。」

第31話にて、ビートアームズを合わせて放ったインプットカードガンを手にしたビーファイターカブトだが、あまりの高い破壊力で恐怖を感じた様子だった。そんな彼に小山内が傍に駆け寄り、「武器を持つ事の重さ、引き金を引く事の重さ、それを忘れた時、どんな戦いも戦いの為でしかなくなってしまう。」と囁いた。戦士としての使命や戦う事の意味を伝えた小山内の言葉だ。

鳥羽 甲平「俺は泣かない、泣くもんか、敵を倒すその日まで戦い続ける。」

第47話での波動獣ダーグリフォンとの戦いで、息を引き取った老師を前に拓也らビーファイターのメンバー達だった。しかしただ一人、甲平は「俺は泣かない、泣くもんか、敵を倒すその日まで戦い続ける。」と口にしつつ、遠くから老師の姿を見つめていた。悲しみに直面しながらも覚悟した、甲平のメルザードとの戦いへの決意だ。

鳥羽 甲平「ありがとう昆虫達、ありがとう命達、ありがとう仲間達、今日俺の卒業、俺の旅立ち」

第50話にて、メルザードとの戦いが終わり高校卒業を向かえた甲平は、コスモアカデミア設立の大学進学の為にアメリカへ留学する事となった。そして、アメリカへ向かう飛行機の中で甲平は「ありがとう昆虫達、ありがとう命達、ありがとう仲間達、今日俺の卒業、俺の旅立ち」と呟いた。甲平の新たな一歩、かつ物語を締めくくるのに相応しい言葉だ。

『ビーファイターカブト』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

『ヒーファイター』シリーズの制作目標は「3年」

新旧ビーファイター戦士達

本作品を含めた『ビーファイター』シリーズーは「昆虫大戦争」をコンセプトとして、前作『重甲ビーファイター』から「3年はやりたい」という目標が掲げられていた。しかし本作品が商業的に前作に及ばなかった為、次回作から『ヒーロボカブタック』(1997〜1998年)といったコメディアクション路線へと方向転換を余儀なくされた。 一方で、海洋生物をモチーフとした『シーファイター』 という本作品の続編が提案されていたが、立ち消えとなった。

ナレーションも演者が兼務

本作品のエンディング場面

本作品では、ナレーター専任者がキャスティングされていなかった。そこで劇中や次回予告ナレーションは、小山内勝役の山口良一が兼任した。ただ小山内勝の不在回では、鳥羽甲平役の中里栄臣がナレーションを担当したりした。また海外から来たビーファイターであるフリオ・リベラ役として、前作『重甲ビーファイター』のブルービートやビーファイターカブトのスーツアクターを務める高岩成二が起用された。高岩成二はJAC(現:JAE)取締役社長の金田治より直々にフリオ・リベラ役を任命されたものの、起用理由は明らかとなっていない。そしてフリオ・リベラ役を演じるにあたり、ペルー人という設定から初めは黒いメイクを施したものの、手間がかかる故に徐々にナチュラルメイクになっていった。

海外版は同じ主人公でシリーズ化

本作品の海外版『ビートルボーグ・メタリックス』

前作『重甲ビーファイター』の海外版『ビートルボーグ』がアメリカで制作され、本作品をベースにした海外版『ビートルボーグ・メタリックス』が放送された。『ビートルボーグ』シリーズは第1〜3シーズン(1996〜1998年)まであり、登場人物の少年達による物語展開となった(第3シーズンは再編集版)。他にも2002年に放送された『パワーレンジャー・ワイルドフォース』(『百獣戦隊ガオレンジャー』の『パワーレンジャー』版)にて、『ビーファイター』シリーズの着ぐるみが登場した。

『ビーファイターカブト』の主題歌・挿入歌

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