重甲ビーファイター(特撮テレビ)のネタバレ解説・考察まとめ

『重甲ビーファイター』は1995年から1996年にかけてテレビ朝日系列で放送された特撮テレビ番組。「メタルヒーローシリーズ」第14作目にあたる。1990年代の世界を舞台に、侵略者組織ジャマールを相手に昆虫の戦士ビーファイターの力を受け持った3人の若者の戦いを描く。メタルヒーローの初期作品である宇宙刑事シリーズを意識するという、原点に立ち返る内容となった。
第43話にて、異常気象を引き起こしたジャマールに立ち向かおうとしたビーファイター達の前にブラックビートが立ちはだかる。「戦え甲斐拓也、光と影、宿命の戦いを」と告げるブラックビートに対し、一対一の戦いに挑むブルービートこと甲斐拓也。戦いのなかで、ブラックビートは自らシャドーとしての正体を明かし拓也やビーファイター達を驚愕させる。「光と影」という解き放つ事ができない運命だと察し、正体を明かし拓也へ決死の戦いに臨むブラックビートの言葉。
甲斐拓也「お前との戦いは消えない、心の中だけに生き続ける、永久に」

第51話終盤、ブルービート(拓也)とブラックビート(シャドー)、一対一の対決に決着がつく。シャドーは力尽き、自らがカミキリムシや拓也の細胞から作り出されたクローンであると認め消えてなくなる事を告げる。すると拓也は、「お前との戦いは消えない、心の中だけに生き続ける、永久に」と答えた。その言葉を聞いたシャドーは、安堵するかの様に消滅した。ブラックビートことシャドーとの因縁の対決が終わる一方、忘れられない戦いとなった事を表す拓也の言葉だ。
『重甲ビーファイター』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
メタリックな甲虫アーマーを装着するヒーロー

ビーファイターの「重甲」場面
ビーファイターの昆虫がモチーフとしたコンセプトは、カブトムシやクワガタムシといった「甲虫」に絞ったものにされている。「昆虫」や「甲虫」に対し『仮面ライダー』シリーズのキャラクターに見られるリアルな改造人間のイメージもあったが、本作品においては「メタリックな甲虫型アーマー」を装着するヒーローとなった。またタイトルにもある「重甲」について、「甲」は「甲虫」、「重」は「重い」「重なる」という意味である。何層にもメタリックなアーマーが重なる意味が含まれ、それが登場キャラクター達が「重甲」する場面で表現されている。
お互いの出演作にゲスト出演後『重甲ビーファイター』で共演した土屋兄弟

第51話でのシャドー(写真左)と甲斐拓也(写真右)
主役の甲斐拓也/ブルービート役を演じた土屋大輔はモデルとしての活動を経て、1993年に『五星戦隊ダイレンジャー』にて弟の土屋圭輔演じる知のニセモノ役でゲスト出演した。その後、兄弟で『忍者戦隊カクレンジャー』(1994年)でのゲスト出演後、本作品での共演(土屋大輔/ブルービート役、土屋圭輔/シャドー役)に至った。
『パワーレンジャー』のヒットから生まれた本作品のアメリカ版『ビートルボーグ』

『ビーファイター』のアメリカ版『ビートルボーグ』
スーパー戦隊シリーズのアメリカ版『パワーレンジャー』がヒットした事から、本作品のアメリカ版『ビートルボーグ』(1996〜1998年)が制作・放送された。2シーズンにわたり放送され、第1シーズンが本作品をもとにした『ビッグ・バッド・ビートルボーグ』、第2シーズンが『ビーファイターカブト』(1996〜1997年)をベースとした『ビートルボーグ・メタリックス』である。
『重甲ビーファイター』の主題歌・挿入歌
OP(オープニング):石原慎一「重甲ビーファイター 」
作詞・阿木燿子、作曲・宇崎竜童 、 編曲・石田勝範のもとにより制作されたオープニング主題曲は、劇中挿入歌としても使われた。
ED(エンディング):石原慎一「地球孝行」
オープニング主題曲と同様、作詞・阿木燿子、作曲・宇崎竜童 、 編曲・石田勝範のもとで制作された。
挿入歌:石原慎一「出撃!ビートマシン」(第11話、劇場版では挿入歌、第3~6、9、12、18話ではインストゥルメンタル版で登場)
第11話や劇場版にて使われた挿入歌だが、第3~6、9、12、18話にてインストゥルメンタル版としても使用された。
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目次 - Contents
- 『重甲ビーファイター』の概要
- 『重甲ビーファイター』のあらすじ・ストーリー
- 昆虫戦士ビーファイターの誕生
- 新メンバー加入と更なる強敵の登場
- 次なる戦いの幕開け
- 『重甲ビーファイター』の登場人物・キャラクター
- ビーファイター
- 甲斐 拓也(かい たくや/演:土屋大輔)
- ブルービート
- スーパーブルービート
- 片霧 大作(かたぎり だいさく/演:金井茂)
- ジースタッグ
- 羽山 麗(はやま れい/演:葉月レイナ)
- 鷹取 舞(たかとり まい/演:巴千草)
- レッドル
- ビーファイターの支援者
- 向井 健三(むかい けんぞう/演:笹野高史)
- 老師グル(ろうしグル)
- 異次元調達屋カブト(いじげんちょうたつやカブト)
- セントパピリア
- 異次元侵略集団ジャマール(いじげんしんりゃくしゅうだんジャマール)
- ガオーム
- ギガロ(演:高橋利道)
- ファイナルギガロ
- シュヴァルツ
- ジェラ(演:伊藤祐子)
- ジーラ(演:伊藤祐子)
- 魔導士ジャグール(まどうしジャグール)
- 破壊神ジャグール(はかいしんジャグール)
- ブラックシャドー(演:岡元次郎(第19〜43話)、高岩成二(第29話のみ)、土屋圭輔(第43〜51話))
- ブラックビート
- ジャマール怪人(ジャマールかいじん)
- 合成獣(ごうせいじゅう)
- 戦闘メカ(せんとうメカ)
- 傭兵/傭兵戦士(ようへい/ようへいせんし)
- 合体怪人デスマルト(がったいかいじんデスマルト)
- ジャマー
- その他
- ジャンパーソン、ガンギブソン
- ショウ、サラ、シグ
- 『重甲ビーファイター』の用語
- ビーファイターの装備・戦力
- インセクトアーマー
- ビーコマンダー
- インプットマグナム
- パルセイバー
- セイバーマグナム
- ソニックフラップ
- ビートスキャン
- スティンガーウェポン
- スティンガーブレード
- スティンガードリル
- スティンガークロー
- スティンガープラズマー
- ビートイングラム
- その他の装備・戦力
- ムカイダーK3
- 時限爆弾(じげんばくだん)
- メカニック
- 重甲基地(じゅうこうきち)
- ビートルーダー
- スタッガータンク
- レッドジャイロ
- メガヘラクレス
- 『重甲ビーファイター』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 向井健三「やるぞ、サユリさんはワシの初恋の人なんじゃ」
- ブラックビート「戦え甲斐拓也、光と影、宿命の戦いを」
- 甲斐拓也「お前との戦いは消えない、心の中だけに生き続ける、永久に」
- 『重甲ビーファイター』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- メタリックな甲虫アーマーを装着するヒーロー
- お互いの出演作にゲスト出演後『重甲ビーファイター』で共演した土屋兄弟
- 『パワーレンジャー』のヒットから生まれた本作品のアメリカ版『ビートルボーグ』
- 『重甲ビーファイター』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):石原慎一「重甲ビーファイター 」
- ED(エンディング):石原慎一「地球孝行」
- 挿入歌:石原慎一「出撃!ビートマシン」(第11話、劇場版では挿入歌、第3~6、9、12、18話ではインストゥルメンタル版で登場)
- 挿入歌:挿入歌:石原慎一「この星のためならば」(第12、25話、第11話では前奏のみ、劇場版ではエンディングテーマとして登場)
- 挿入歌:石原慎一「今こそ勝利を」(第38、50話)
- 挿入歌:石原慎一「進め!昆虫戦士」(第24、25、33、45話、第22、27話ではインストゥルメンタル版で登場)
- 挿入歌:石原慎一 「しあわせはいつも遅れて来るから」(第37、45、46話、第43話では前奏のみ登場)
- 挿入歌:石原慎一 「戦士たちよ」
- 挿入歌:石原慎一 「黒き十字架 BLACK BEET.」(第35、37、43、45話、第35話ではインストゥルメンタル版と併用、第49話ではインストゥルメンタル版として登場)
- 挿入歌:石原慎一 「戦え!!メガヘラクレス」(第34、40、44、48話)
- 挿入歌:宝ひとみ 「ふたり」(第15話)
- 挿入歌:大矢晋「特捜ロボ ジャンパーソン」(第52話)
- 挿入歌:ショウ(正木蒼二)、サラ(白鳥夕香)、シグ(土門廣)「友情超ファイター」(第52話)