打首獄門同好会(バンド)の徹底解説まとめ

「打首獄門同好会」とは、日本のスリーピースロックバンドである。Vo&Gtの大澤敦史を中心に2004年に結成。2010年にインディーズレーベルのLD&Kと契約。ロック・パンク・ヘヴィメタルなど重厚感のあるサウンド対し、生活感溢れるユルい歌詞を乗せた独得のスタイルを自ら「生活密着型ラウドロック」と称している。激しいサウンドとユルい歌詞というギャップから、子供から大人まで多くの層に支持を集めている。

打首獄門同好会の概要

「打首獄門同好会」とは、日本のスリーピースロックバンドである。Vo&Gtの大澤敦史を中心に2004年に結成。結成当時のメンバーは大澤、河本あす香、高山明の3名であった。2006年3月にベースの高山が「自分のバンドで天下を取りたい」という理由から脱退。同年4月に高山の後任として杉浦直重が加入するが同年10月に脱退。高山脱退後にサポートメンバーとして参加していたjunkoが、2006年11月に「いつの間にかぬるっと正規メンバーになっていた」という。2010年にインディーズレーベルのLD&Kと契約。ロック・パンク・ヘヴィメタルなど重厚感のあるサウンド対し、生活感溢れるユルい歌詞を乗せた独得のスタイルを自ら「生活密着型ラウドロック」と称している。そのユルいテイストの歌詞に、子供から大人まで多くの層に支持を集めている。

彼らの楽曲は「日本の米は世界一」、「布団の中から出たくない」などの日常の中に感じる、「普通の感覚・感情」をテーマとした楽曲が大半を占めており、ラブソングは1曲もないという稀有なバンドである。
「デリシャススティック」、「きのたこたけのこ戦争」などのお菓子や食事に関する楽曲も多く手掛けている。その独特の感性は多くの支持を集めている。
芦沢ムネトやるるてあなどのアーティストとのタイアップの他、多くのCMやアニメ、ゲームとタイアップ曲を制作している。

全国ツアーの開催や、全国各地のフェスに参加するなどライブを愛しており、精力的に音楽シーンを盛り上げている。
2018年にはインディーズバンドでありながら、日本武道館にてワンマンライブを開催。
また、新型コロナウイルスの流行により、2020年にZeppTokyoで行われる予定だったワンマンツアー「獄至十五ファイナルワンマンツアー」最終公演を、インターネット無料生配信による無観客ライブへ変更。音楽で人々を楽しませたいという心意気がありながらも「『打首はこうしたのに』って、他バンドに同じような配信ライブを求めないようにしてくださいね。中止ってだけでも損失えげつないのに何百万か赤字が増えるやつです。やらないのが普通で、ウチがおかしいんです」と同業者への配慮を求めるコメントをした。こういった人柄からも同バンドには多くのファンの多さがうかがえる。

メンバーの大澤と河本あす香が『水曜どうでしょう』のファンであることから、同番組の企画「四国八十八ヶ所」をリスペクトし「88」を制作。長年ファンを公言していることから、同番組のイベント「どうでしょうキャラバン」にも多数出演している。

音楽活動だけではなく、YouTubeチャンネル「10獄放送局」での企画にも力を入れている。同チャンネルでは、MVの他、楽曲にちなんだ米作り、動物園に行く、釣り対決などを企画。また、RISING SUN ROCK FESTIVALへの出演を記念した自転車での北海道横断旅、男3人原付カブぶらり旅なども企画。バンドとは思えないジャンルレスな企画を実施している。同チャンネルでは、「打首獄門同好会」のメンバーだけではなく、LD&Kの社員・チダケイイチがディレクターとして参加。その他、LD&Kの社員兼VJを務める風乃海、「アシュラシンドローム」のVo青木亞一人がレギュラーメンバーとしてほとんどの動画に出演している。

「打首獄門同好会」の活動経歴

結成そしてメンバーチェンジ

2004年9月、同じ音楽専門学校「音楽学校メーザー・ハウス」に在籍していた大澤敦史、河本あす香、高山明(Ba&Vo)の3人で「打首獄門同好会」を結成。バンド結成当時、河本の「なんか和風なバンド名が良い。チョンマゲトリオとか」という発言を危ぶんだ大澤が「打首獄門同好会、切腹愛護団体、終生遠島協同組合」の3案を提案。大澤のアイディアから、高山が選んでバンド名が決定した。バンド名の候補は、大澤の父がよく見ていた「遠山の金さん」の台詞から適当に引用しただけであって、意味はまったく無いとのこと。バンド名の由来を聞かれると「ほら、ステージもフロアもみんな頭振り乱して首痛めて帰るでしょう。みんなそんなライブが大好きって事なんですよ」と後付けの由来を説明することもしばしば。
2006年3月、初代ベース・高山明が脱退。11月に現ベースであるjunkoが加入。当初はサポートメンバー扱いだったものの、いつのまにか正式加入していたと大澤と河本は語る。
2009年5月、初の全国リリース作品『庶民派爆弾さん』をリリース。結成当時から、大澤の日常生活で感じたことを歌詞にするというスタイルが確立されていた。そのため、結成から間もない2006年や2007年に自主制作でリリースした「上野ZOO」、「88」は今でも多くのファンに愛されている楽曲である。

インディーズレーベル「LD&K」と契約とZepp Tokyoでのワンマンライブ

Zepp Tokyoでのワンマンライブの様子。

2010年10月、インディーズレーベル「LD&K」と契約し、5曲入りミニアルバム『打首獄門同好会さんが猛烈に自己アピール中です。』をリリース。事務所との契約時、junkoは初めて大澤と河本に実年齢を明かした。2006年から一緒にバンド活動をしていたので、実に4年もの間、そういった私的な話題に発展しなかったのである。仲が悪いわけではなく、音楽で繋がっているが故に、お互いにとって年齢や生年月日という個人的なステータスはさほど重要な情報ではなかったのだ。それが、事務所との契約で、はじめて実は20歳近く歳が離れていることを告白。バンド活動に影響があるのではないかと心配をしたが、実年齢を聞いた2人は爆笑しただけでそれ以上の言及は何もなかったという。やはり互いにとってはさほど重要な事柄ではないことが伺える。
その後、事務所に所属したことにより、円盤のリリースがコンスタントとなる。また、全国のライブハウスでのライブだけではなく、数多くのフェスにも参加。
ライブハウスやフェスなど、生のライブを尊重し、着実にライブの回数をこなしていく中、2014年に結成10周年を迎える。それを記念したプロジェクト、10獄(てんごく)プロジェクトを発足。このプロジェクトの一環でYouTubeチャンネル「10獄放送局」を開始した。番組内では「打首獄門同好会」の初期の頃の楽曲「上野ZOO」の歌詞内にある動物を上野動物園で探す企画や、『水曜どうでしょう』をリスペクトした企画「男3人原付カブぶらり旅」をする。ただのプロモーション用の動画に留まらない、バラエティ番組さながらの企画に対し、同バンドは「ジャンルレスプログラム」と称している。このYouTubeチャンネル、実はもともと別のラジオ企画があり、その企画向けに考えていたものだった。しかし、ラジオの企画が流れてしまったため、せっかく準備した企画を生かす場としてYouTubeチャンネルを発足したという裏話がある。成り行きで生まれたコンテンツであるあるものの、その面白さから一定のファンが定着し、チャンネルが存続し続けている次第である。

結成12年目を迎えた2016年2月全国ツアーのファイル公演として、Zepp Tokyoでのワンマンライブを実現。インディーズバンドでありながら大型ライブハウスでの単独公演は異例の実績である。それだけ、同バンドの人気が伺える。このツアーでは『まだまだ新米』というアルバムをメインとして公演となっていた。「新米」というフレーズから、お米を使ったプロモーションを実施。YouTubeチャンネルでは実際のお米作りを企画。収穫されたお米は「獄ひかり」と名付け、公演チケット購入者へのプレゼント企画を実施。さらにライブ映像を円盤化するにあたりクラウドファンディングを立ち上げ。目標金額300万円に対し最終的に約5倍の1546万4000円が集まった。クラウドファンディングプロジェクトの支援金額が歴代音楽部門では、国内史上1位を記録である。当初の予想を大きく上回る結果に、どうやって予算を使うかという悩みに直面する。クラウドファンディングの開始は公演日直前のことだったため、当日使用する機材のグレードアップには間に合わず。結果、クラウドファンディングで販売する媒体をDVDだけではなく、Blu-rayも追加する、リターンのグッズを追加するなどの策を講じた。

確実にファンを増やし日本武道館でのワンマンライブ

日本武道館でのワンマンライブの様子。

日常生活に密着した楽曲ばかりをリリースしてきたが、一際目立つのが「食への感動やリスペクト」を歌った曲である。そのため、この頃から様々な企業とのタイアップ企画も多く実現していた。2017年にはRISING SUN ROCK FESTIVAL 2017 in EZOにて、石狩市とのコラボ飲食店を出店。しかも、このオファーはバンドとしての出演ではなく、飲食店ブースへの出店オファーだったため、「これでバンドとしての出演が無かったら面白い」と言われていた。なお、その後、しっかりステージへの出演オファーがあり、フェス当日はステージと飲食ブースと、大忙しの日程となった。

Zepp Tokyoでのワンマンライブからわずか2年、2018年にはついに武道館でのワンマンライブを実現。ワンマンライブ開催の報告と共に「目指せ武道館!!2017-2018 戦獄絵巻」を企画。ライブへ向けて駆け抜ける1年とすべく、多くの企画や連続シングルリリースを実施。企画の中には、フェス全国制覇があったのだが、のちに四国のフェス出演だけクリアしていないことが発覚。急遽、フェスの代わりに、四国八十八ヶ所お遍路の旅を敢行。この模様は武道館ライブでのオープニングとして上映された。
1年かけてあたためてきたワンマンライブ開催ライブ当日、この日は多くのゲストを招いての公演となった。ゲストには、「バックドロップシンデレラ」からは、豊島"ペリー来航"渉とアサヒキャナコが登場。また、親交が深く、10獄放送局ではほとんどレギュラーメンバーと言っても過言ではない、「アシュラシンドローム」の青木亞一人が駆け付ける。しかし青木は登場した途端スタッフによってフライング用のベルトを装着される。イントロと同時に上昇し、苦手な高所から盛り上がるフロアを見つめることなった。「アシュラシンドローム」では硬派なフロントマンである青木を、最高のリアクション王にできるのが、同バンドである。また、コウテイペンギンちゃんやonちゃん、ナマハゲなどの縁のあるキャラクターたちも応援に駆け付けた。また、一瞬だけ、KenKen(RIZE/Dragon Ash etc/Ba)がステージに登場し、会場をどよめかせるという一幕もあった。豪華な友情出演が盛りだくさんのワンマンライブは、大盛況のうちに幕を閉じたのだった。

2019年5月13日、これまでの国産農林水産物の楽曲の音楽活動を評価され、農林水産省から特別職「FANバサダーロック」に任命。同日、安倍晋三元首相を表敬訪問した。
はごろもフーズ「シャキッと!コーン」とのコラボソング「Shake it up 'n' go 〜シャキッと!コーンのうた〜」がテレビCMに採用された。

新型コロナウイルスの影響

ぴあアリーナMMでの「新型コロナウイルスが憎いツアー2022」ファイナルの様子。

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、エンタメ業界が打撃を受ける。この時、「打首獄門同好会」は結成15周年を記念した「獄至十五ファイナルワンマンツアー」を開催中だった。2020年2月29日に、Zepp Tokyoでツアーファイルナルを迎えるはずだったのだが、感染拡大防止のため開催中が決定。しかし、本バンドは中止の代替案として、Zepp Tokyoでの無観客ライブをYouTubeで無料生配信を実施した。このライブは、元々予定してたセットリストをそのまま演奏するのではなく、YouTubeでの生配信に向けて、セットリストや演出の全てを練り直された。このライブでは2018年にサポートメンバーから卒業したVJのサカムケが配信の画面に表示される歌詞の字幕の準備に参加。臨場感のある配信を実現するための念密な計画も練られ、急ピッチで企画が進行した無観客ライブには、本バンドの情熱に賛同した多くのゲストがサプライズ登場した。新型コロナウイルスの感染拡大により、暗いニュースが続く中、世界を明るく、楽しくしたいという本バンドの情熱が感じられる出来事であった。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、多くの施設で換気の実施が義務付けられ、ライブハウスも例外ではなかった。そんな中、同年秋から「新型コロナウイルスが憎いツアー」を決行。ライブ中、定期的な換気タイムを導入する必要があるため、否応なしにライブが中断されてしまう。この換気タイムにも観客を楽しませるためだけに『ひらけ!カンキッキ』というユニットを結成。このユニットは、大澤・青木・チダの3人からならユニットで、ボーカルをチダが務める。事前に制作した『換気パッパ』という楽曲のMVを換気タイムに流すという演出がとられた。しかしこのツアーも、新型コロナウイルス感染拡大の波にさらされツアーファイルナルだけが中止を余儀なくされる。

2021年には、河本がバセドウ病と診断。激しい運動を控える必要があるため、当面の間ライブでのドラム演奏を中止。しかし、そこでも何か面白いことができないかと考え、大澤の案でステージ上に「特設静養ブース」を設置。ドラムの演奏は出来ないが、河本はライブ中、そのブース内から歌唱を担当するというパフォーマンスを見せ、観客を笑わせた。河本は大澤のこの提案に「あれでネガティブにいかずにすんだ。すごい助かりました、自分の心情も」と語っている。

2020年の「新型コロナウイルスが憎いツアー」のファイルが中止となり、翌年の2021年にも「新型コロナウイルスが憎いツアー2021」を敢行。しかしまたしてもツアーファイルナルだけが中止となってしまった。ファイルだけが2度も中止に見舞われたことにより、ついに「新型コロナウイルスが憎いツアー2022」を開催。本ツアーでは、全国各地でライブをおこない、ツアーの最終日をぴあアリーナMMで迎えるというビッグイベントが待ち構えていた。2020年から始まった「新型コロナウイルスが憎いツアー」は、2年越しに無事ファイルを迎えることが出来たのだった。

結成20周年

ミュージックステーション、放送前の一コマ。

2024年、「打首獄門同好会」は結成20周年を迎えた。この記念すべき節目の年をまたもお祭り騒ぎでお祝いしようと『20!+39!=59!』という企画を発表。5年ぶりに全国を回る47都道府県ツーマンツアーを開催。さらにアルバムやシングルをリリースし。さらにポカリスエットとタイアップし、CMソングを発表。音楽番組の「ミュージックステーション」に出演など、テレビへの露出がますます増えていることが伺える。音楽活動の場をライブハウスだけではなく、いろいろな場所へ広げてている彼らの活躍は、とどまるところを知らないのであった。

「打首獄門同好会」のメンバー

メンバー

大澤敦史(おおさわあつし)

Vo&Gt担当。1979年4月26日生まれ。出身は静岡県浜松市。
本バンドのリーダー。全楽曲の作詞・作曲の他、ミックス、グッズデザイン、出演交渉などバンド運営を一手に担当している。バンド名が「打首獄門同好会」なので、愛称は「会長」である。
幼少期に数年だけブラジルで過ごし、サンパウロ日本人学校へ通う。ギタ―を始めたのは小学生の頃。当初はリードギタリストで、ボーカルを兼任するようになったのは本バンド結成後。ボーカリストを兼任するようになったのは「ボーカリストが見つからなかったため」とのこと。

河本あす香(かわもとあすか)

samurai713p5
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@samurai713p5

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