打首獄門同好会(バンド)の徹底解説まとめ

「打首獄門同好会」とは、日本のスリーピースロックバンドである。Vo&Gtの大澤敦史を中心に2004年に結成。2010年にインディーズレーベルのLD&Kと契約。ロック・パンク・ヘヴィメタルなど重厚感のあるサウンド対し、生活感溢れるユルい歌詞を乗せた独得のスタイルを自ら「生活密着型ラウドロック」と称している。激しいサウンドとユルい歌詞というギャップから、子供から大人まで多くの層に支持を集めている。

明治のチョコスナック「きのこの山」「たけのこの里」を巡る派閥抗争を描いた楽曲である。日常生活であるあるな「きのこの山とたけのこの里だったらどっちが好き?」という問題を、打首獄門同好会は菓子の発売当時からという意味で「1970年から続く日本最大の内戦」と称している。なお、レトロなRPG風なMVでは、きのこの山がドラクエ、たけのこの里はファイナルファンタジーを模しているという芸の細かさまもまた見どころである。ちなみに明治との正式なタイアップではなく、非公式でリスペクトした楽曲である。YouTubeの再生数は260万回以上。

カンガルーはどこに行ったのか

芦沢ムネトとの2度目のタイアップ楽曲となる本作は、幼児向けアニメ『しまじろうのわお!』の主題歌である。誰もが「なぜそことコラボした?」と疑問に思う異様な組み合わせなのだが、バンドメンバーが1番驚愕しているのである。また、MVにはこれまでの本バンドの楽曲のエッセンスが散りばめられており、MVを制作した芦沢ムネトの愛も詰まった作品となっている。YouTubeの再生数は250万回以上。

死亡フラグを立てないで

MVの物語の舞台は雪深いペンション。そこの宿泊客が死亡してしまうことからストーリーが始まる。登場人物たちがいわゆる「死亡フラグ」を立てまくり次々と死んでいくというストーリーをコミカルに歌とMVで表現している。なおペンションの宿泊客役として、バンドのサポートメンバーであるチダケイイチ・風乃海、親交のあるバンド仲間の青木亞一人が参加。それぞれの絶妙な演技も見ものなのだが、このMVの制作風景も10獄放送局で配信しているため、併せて視聴するのは必見である。

カモン諭吉

「安月給がゆえに1ヶ月を20人の福沢諭吉(=20万円)で乗り切らなければならない」という苦しさを歌った楽曲。MVは、戦国時代に20万の兵士を従えて、立ちはだかる敵(=出費)を戦をするというモチーフで進行していく。タイトルの『カモン諭吉』にあやかり、MVには嘉門達夫がゲスト出演する。さらにMVの最後では、嘉門の代表曲から「アホの見るブタのケツか」と呟き、締めくくられている。YouTubeの再生数は190万回以上。

カモン栄一

一万円札の肖像が福沢諭吉から渋沢栄一に切り替わったその日に発表されたMVである。原曲である『カモン諭吉』を渋沢栄一バージョンにアレンジが加えられている。歌詞の内容も前曲から変更が加えられ「ゲームへの課金」「サブスグ代」など時代を反映させたものとなっている。さらに、『カモン諭吉』に続き、本作でも嘉門達夫との共演が実現している。

『88』

バラエティ深夜番組『水曜どうでしょう』で放送された企画「四国八十八ヵ所シリーズ」をリスペクトとして制作した楽曲である。かねてより、大澤と河本は『水曜どうでしょう』ファンということを公言しており、歌詞には番組内での発言や内容が多数もりこまれている。この曲が縁となり、2013年9月に「水曜どうでしょう祭 UNITE2013」出演が決定した。また、出演が決定した際に大澤が四国八十八箇所を実際に4日間で周り、それをもとにミュージックビデオおよびドキュメンタリーが制作された。その後も「水曜どうでしょうキャラバン」に出演したり、同番組から誕生したキャラクターonちゃんが「打首獄門同好会」のライブにゲスト出演するなど、交流が続いている。

「打首獄門同好会」の名言・発言

大澤敦史「やらないのが普通で、ウチがおかしいんです。」

2018年にツアーファイナルをZepp Tokyoで迎えるはずだったのだが、新型コロナウイルスの蔓延により中止を余儀なくされる。しかし、ライブへの熱い思いを捨てきれず、本バンドは無観客ライブをYouTubeで無料配信を決行した。このことを大澤は「『打首はこうしたのに』って、他バンドに同じような配信ライブを求めないようにしてくださいね。中止ってだけでも損失えげつないのに何百万か赤字が増えるやつです。やらないのが普通で、ウチがおかしいんです。」とコメント。エンタメ業界が大打撃を受けた新型コロナウイルスの脅威。少しでも楽しいことをやろうという心意気だけではなく、他バンドを気遣う言葉こそ、大澤の人の良さがにじみ出ているのである。

大澤敦史「『これ歌にするわ』って生まれた曲が代表曲になるとは、あのときは思わなかったなあ。」

バンドのプロモーションのために始めたYouTubeチャンネル「10獄放送局」だが、単純なプロモーションにとどまらず、番組の幅を大いに広げているのが特徴となっている。本チャンネルでは『水曜どうでしょう』の原付日本列島縦断旅をリスペクトし、大澤、チダ、「アシュラシンドローム」の青木が原付旅を決行。その旅の道中で出会った米のあまりの美味しさに感動した大澤が制作したのが「日本の米は世界一」である。まさかYouTubeチャンネルの企画がきっかけで制作した曲が、代表曲になるとは想定外だった大澤は「『これ歌にするわ』って生まれた曲が代表曲になるとは、あのときは思わなかったなあ。」と発言している。

大澤敦史「もともと『どうでもいい』んで、歌詞に関しては誰の影響も受けてないですね。」

影響を受けたバンドや音楽シーンに触れたインタビューで、大澤は「作詞に関しては誰の影響も受けていない」と語る。それは、大澤はもともとギターを担当しており、たまたまメンバーが見つからなくてボーカルを兼任するようになったという経緯が関係している。インタビューでは「歌詞書くとなった時も『どうでもいいや』って。『どうでもいいから朝メシの歌にしてまえ』と思って生まれたのが『Breakfast』なんです。もともと『どうでもいい』んで、歌詞に関しては誰の影響も受けてないですね。」と語っている。重厚感のあるサウンドからは想像できないユルいテイストの歌詞や世界観はこういうところから生まれているのである。

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@samurai713p5

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