魔術師 MERLIN(海外ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『魔術師MERLIN』とはアーサー王伝説でお馴染みのマーリンを主人公にした歴史ファンタジードラマだ。2008年から2012年にかけて製作されたイギリスドラマであり、全5シーズンから成る。アーサー王伝説をベースに、若かりし頃のアーサーとマーリンの出会いから、キャメロットの偉大なる王とそれを支える魔術師へと成長していく様を描き出した作品。老人のイメージが強いマーリン像のイメージを一新し、まだ魔力も不安定で未熟な青年であるマーリンが「偉大な魔術師」と呼ばれるまでの軌跡が綴られている。

ウーサー・ペンドラゴン(演:アンソニー・スチュワート・ヘッド)

日本語吹き替え:菅生隆之

アーサーの父で、キャメロット王国の現国王。アーサーが生まれる時、魔術に頼ったため、最愛の妻イグレイン妃を亡くしている。そのことから、魔術を恨むようになり、魔術に関すること全般を禁じている。魔術師らは粛清され、魔術師たちにとっての暗黒時代を築いた王でもある。また、血筋にも強いこだわりを持っており、庶民に対しては犠牲になっても仕方がないという考えを持つ。逆に高貴な血を持つものであれば、多少の犯罪には目を瞑るほど甘い。息子アーサーに対してはかなり厳しい父親として接している。しかし、後見人を務めているモルガーナ姫に対しては甘く、後に実子であることが明かされる。
自分に対して不利な状況、納得のいかない状況に関しては権力でねじ伏せる傾向があり、暴君としての顔が見られる。戦いを好む残虐的な性格を持つことでも知られ、ウーサーに仕える者たちは王の顔色をうかがうことが多い。

モルガーナ(演:ケイティ・マクグラス)

日本語吹き替え:弓場沙織

キャメロットの美しき姫君として登場。漆黒の髪、白い素肌、大きな青緑色の瞳は見る者を魅了した。マーリンも初めてモルガーナ姫に会った時にはその美しさに魅了されていた。正義感が強く、自分の意志で行動する傾向があり、後見人であるウーサーを冷や冷やさせることもしばしば。そんなモルガーナは幼少期から原因不明の悪夢に悩まされていた。あまりにも生々しい映像は未来の断片であることが徐々に明らかになっていく。また、それが予知夢として機能し始めた時、モルガーナの中に眠る魔力も覚醒し、強大な魔法が扱えるようになる。時同じくして異父姉だというモルゴースと出会い、自分の出生の秘密を知ってしまう。それはウーサーが他でもない実の父親であること、そして魔族の血が流れているということだった。ウーサーに対して元々良い印象を抱いていなかったモルガーナは、これを機にウーサーと縁を切り、裏切る。それまで仲間として絆さえ育んできたアーサー、グウェン、マーリンとの手を切り、すっかり悪に染まっていくのである。魔女として悪の道を突き進むモルガーナはかつてのようなお姫様の美しさはない。漆黒の美しかった髪の毛は無造作に束ねられ、服装も青や紫などの綺麗な色味から真っ黒なものへと変化。

魔女として絶対的なパワーを手に入れたモルガーナは、唯一自分の脅威となる「エムリス」とういう魔術師を必死で探す。最後の戦いの前にモルドレッドによって「エムリス」の正体が分かり、エムリスことマーリンの魔術を封印することに成功する。戦いは圧倒的有利さを誇っていたものの、最後はマーリンによってエクスカリバーで刺されたことが致命傷となり絶命する。

アグラヴェイン(演:ナサニエル・パーカー)

シーズン4から登場。(シーズン3以降は字幕対応のみのため、日本語吹き替えはない。)
アーサーの亡き母イグレイン王妃の兄弟であり、アーサーの叔父にあたる人物。
モルガーナの裏切り行為にあい、すっかり精気を失くしてしまったウーサーに変わりアーサーを補佐する。しかし、その実はモルガーナの仲間であり、キャメロット内部の情報はアグラヴェインによってモルガーナ側に筒抜けになっていた。
アーサーの絶対的な信頼を得ているため、アグラヴェインは色々と悪知恵を働かせて、邪魔になるマーリンやグウェンを追い出そうとするも失敗する。
シーズン4の最後では、モルガーナら悪の軍勢をキャメロットに招き入れる。逃亡するアーサーを追うも、ずっと探し続けていたエムリス(マーリン)の魔法によって絶命。

王宮勤めの人々

ガイアス(演:リチャード・ウィルソン)

日本語吹き替え:山野史人

宮廷医師として王宮に勤めている初老の男性。かつては魔術についても学んでおり、今でも多少の魔術は使える。マーリンを自分の助手として匿い、マーリンに医学と魔術の知識を与える。マーリンにとっては良き父親といった存在である。マーリンが強大な運命を背負っていることを知り、何度となく自分の命をマーリンの代わりに差し出している。常にマーリンのことを気にかけ、最後までマーリンをサポートしていた。

グウェン(演:エンジェル・コールビー)

日本語吹き替え:林真里花

本名グィネヴィア。
モルガーナ姫の侍女である、心優しい女性。父は鍛冶屋であり、弟のエリアンも鍛冶屋の手伝いをしていた。マーリンと同等の立場にあるということもあり、意気投合。陰ながらアーサーやモルガーナ姫を助けてきた。
どんなに辛く悲しいことがあっても、人を憎んだりせず、まっすぐな心と信念で正義を貫き通す性格で、時に正義感が強すぎてマーリンやアーサーと対峙することもある。意志が強く、美しく、かつ優しい女性ということもあり、男性陣から好意を寄せられることも少なくない。本人はランスロットに恋し、後にアーサーを愛するようになるも、心の奥底ではランスロットが忘れられず、その心の隙をモルガーナに悪用されてしまう。身分差などアーサーとの恋の間には様々な障壁があったものの、最終的には結ばれる。そして、キャメロットの王妃になる。アーサー亡き後は女王としてキャメロットを治めていくことになる。

円卓の騎士

エリアン(演:アデトシワ・エデュン)

シーズン3より登場。(シーズン3以降は字幕対応のみのため、日本語吹き替えはない。)

グウェンの弟で血気盛んな青年。鍛冶屋の息子として鍛冶屋修業もしていたが、剣の腕がたつため、剣の修行に明け暮れる。グウェンを脅迫する材料としてモルガーナに捕まってしまったエリアン。アーサーに助けられ、忠誠を誓う。アーサーが危機に陥った時は命の危険を顧みずに救出し、平民でありながら後にアーサーによって騎士に任命された。円卓の騎士の一員である。

最終シーズンで、姉を庇い絶命してしまう。

ガウェイン(演:オーエン・マッケン)

シーズン3より登場。(シーズン3以降は字幕対応のみのため、日本語吹き替えはない。)

騎士であった父の血を受け継ぎ、ガウェイン本人も相当の剣の使い手である。幼少期に父を亡くしたが、仕えていた王からのサポートが得られず苦しい生活を強いられる。その苦い経験から王族や貴族を極端に嫌っている。初めはアーサーのことも自分が可愛い王子様なんだろうと思っていたが、召使であるマーリンを自分の命の危険を顧みずに助けたり、マーリンに対して誠意をもって接する姿に心打たれ、アーサーになら仕えても良いと考えるようになる。シーズン4でキャメロットがモルガーナの手に渡った時には、即座にアーサーやマーリンの助けに向かっている。円卓の騎士の中でもマーリンと特に仲が良い。

最終シーズンでは、同じ円卓の騎士仲間であるパーシヴァルと共にモルガーナの拷問にあい、絶命する。

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