タッチの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『タッチ』とはあだち充(あだちみつる)による日本の漫画作品である。高校野球をテーマに双子の兄弟である上杉達也(うえすぎたつや)、上杉和也(うえすぎかずや)と幼馴染の浅倉南(あさくらみなみ)の3人を主人公とした物語。「甲子園へ連れて行って」という南の言葉や、亡き弟の為、そして自分の為に甲子園を目指し奮闘する達也と南の青春ストーリーである。

クラス対抗運動会、男女混合リレー。周囲の反対を押し切って達也を推薦してくれた南だが、達也は練習をサボってばかり。南は友人たちに達也を推薦したことをなじられていた。そんな南をみていた和也は、達也の態度に腹を立て「南はアニキに期待したんだよ!裏切ったりしたら承知しないからな!」と怒る。普段、穏やかな和也が感情をむき出しにするシーンである。

「勝ったほうが南を嫁さんにできる」

合宿が終わり、久しぶりに3人で花火を楽しむ。遊びで始めたトランプゲームでさえも、和也に勝ちを譲ってしまう達也。優しすぎる達也の本気を引き出すために「勝ったほうが南を嫁さんにできる」とゲームでの賭けを提案する。しかし、南は怒りゲームは中止となった。そんな南に達也は「和也は本気だよ」と伝えるが、「南だって…本気だよ」と部屋を出ていくのであった。3人のそれぞれの気持ちが絵が描かれているシーンである。

「兄貴とおれの先の長い勝負」

和也が南にプロポーズをし、達也と和也がお互いの気持ちを伝えあった昨夜。甲子園に行けるがどうかの大切な試合の朝、もう3人それぞれの気持ちを隠さなくても良くなった。久しぶりにキャッチボールをする達也と和也。南を振り向かせるために正々堂々と戦う事にした和也は「ではこれより、プレーボール!」と宣言する。「兄貴とおれの先の長い勝負」と切り出し、和也はまず、「まず南を甲子園に連れていくと先取点を狙いますので…」と宣戦布告するのであった。

「じゃ兄貴、いってくるね。はげましのおことばは?」

達也と和也は南を振り向かせる為にお互い努力する事を誓い、南は2人に負けない素敵な女性になろうと決める。気まずい雰囲気が続いた3人だったが、新たな気持ちで前を向いていた。「じゃ兄貴いってくるね。はげましのおことばは?」 「がんばれよ」これが2人がかわす最後の言葉になってしまった。

松平孝太郎の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「和也!甲子園行こうぜ」

土砂降りの試合の中、和也の疲労もピークであった。だが、南らマネージャーも応援団も皆ずぶ濡れになりながら必死だった。そんな彼らを見た南の父も指していた傘をたたむ。兄の達也も、南風でマスターの代わりに店番をしながら、コーヒーを飲みにきた原田と気を揉んでいた。最後は孝太郎が体を張りアウトを取る。顔面は傷だらけになりながら、「和也!甲子園行こうぜ!!」と熱く伝える。目線の先には泣いて喜ぶ南の姿があったのだ。

心折れた孝太郎

和也の死を乗り越えられずにいる孝太郎がいた。

孝太郎は和也と幼いころからバッテリーを組んでいた。そのため、達也や南と同じくらい和也の死を悲しみ、野球する気持ちも失ってしまっていたのだ。和也を失い、心がポッキリ折れてしまった孝太郎。だが、この後、和也のふりをした達也が現れ、ボールを投げる。突然の不意打ちに受け取れなかった孝太郎。怒り狂う孝太郎だが、達也なりの励ましがあったのだ。

「和也は必ず構えた遠路へ投げてくれた。ミットを動かす必要はなかった」

キャプテンの黒木に引き抜かれ、意図せず野球部に入部させられた達也。孝太郎と反発しあうが、黒木の命令で達也の球を受け止めるよう命令される。何度投げてもミットに当たらない。孝太郎も、構えたところから動こうとしない事に腹立てる達也に対し、「和也は、かならず構えたところへ投げてくれた。ミットを動かす必要はなかった」と反抗する。この言葉に火がついた達也は何度もチャレンジする。両者意地の張り合いであるが、何球も何球も投げ続け、やっとミットへ投げる事に成功する。そのスピードに周りも孝太郎も驚くばかりだった。

「いやだ。ぜったいこの500円で肉まん買うんだ!」

部室の外から、中にいる達也に制服の上着を取るようにお願いした孝太郎。投げ渡された制服の中から孝太郎の全財産である500円玉がマンホールの中に落ちてしまう。土砂降りの中、500円を探す孝太郎に諦めるよう説得する南に「いやだ。ぜったいこの500円で肉まん買うんだ!」という事を聞かない。結局、孝太郎は風邪を引いてしまう。部活も休み、達也も何となくいつもの調子が出ない。責任を感じた達也はさりげなく、孝太郎の母に肉まんを手渡して去る。だが、肉まんを頬張る孝太郎の口の中には500円玉。「おまえの友だちなのかい?」と問う母に、一言「ああ」と答える孝太郎。達也との距離は少し縮まったのだった。

TomoG4
TomoG4
@TomoG4

Related Articles関連記事

タッチ(アニメ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

タッチ(アニメ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『タッチ』とは、『週刊少年サンデー』において1981年から1986年まで連載されたあだち充による日本の青春漫画。題材は高校野球であるが、双子の上杉達也、和也と幼馴染である浅倉南の関係など登場人物らの恋模様も多く描かれる。甲子園出場を夢みる南、南の夢を叶えることを目標とする和也、そんな2人を見守る達也という構図で物語は進むが、甲子園予選の決勝に向かう途中で和也は交通事故で亡くなってしまう。達也は「南を甲子園に連れていく」という和也の目標を背負うことを決め、南や残された仲間たちと甲子園出場を目指す。

Read Article

H2(エイチツー)のネタバレ解説・考察まとめ

H2(エイチツー)のネタバレ解説・考察まとめ

『H2』とはあだち充が1992年から1999年まで『週刊少年サンデー』で連載していた青春恋愛漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。 主人公の国見比呂、親友でありライバルでもある橘英雄、比呂の幼馴染であり英雄と恋仲である雨宮ひかり、高校野球が大好きで比呂が所属する野球部のマネージャーを務める古賀春華を中心に繰り広げられる青春と恋を描く。 優れた心理描写や読者に解釈の余地を残したラストなど、あだち充長編漫画のエッセンスが凝縮された最高傑作との呼び声も高い。

Read Article

クロスゲーム(あだち充)のネタバレ解説・考察まとめ

クロスゲーム(あだち充)のネタバレ解説・考察まとめ

『クロスゲーム』とは、作者・あだち充による青春野球漫画である。「週刊少年サンデー」で連載されて、単行本は全17巻。小学館が主催している日本の漫画賞で、平成20年度第54回小学館漫画賞少年向け部門を受賞した。アニメにもなっており、人気の作品だ。 高校生になったコウは、若葉が最後に見た「コウがピッチャーで、赤石君がキャッチャー。舞台は超満員の甲子園。」という夢を叶えるため、野球部のエースとして奮闘する。甲子園を目指して、青葉とコウの運命の歯車が動き始める。

Read Article

ラフ(漫画・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

ラフ(漫画・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ラフ』とは、1987年~1989年にあだち充が週刊少年サンデーで連載していた、高校競泳をテーマとした漫画作品。栄泉高校水泳部員・大和圭介と二ノ宮亜美を中心に、同じ寮で生活する男女の交流を描くスポーツ青春群像劇。コミックスは全12巻、ワイド版は全6巻、文庫版全7巻で、累計発行部数は1500万部を記録している。2006年には、長澤まさみと速水もこみちが主演を務めた実写映画『ラフ ROUGH』が公開された。

Read Article

どろろ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

どろろ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『どろろ』とは手塚治虫によって描かれた、戦国時代を舞台に奪われた自身の身体を取り戻すべく48の魔物を追う百鬼丸と、泥棒の少年どろろの旅を描く時代劇漫画である。1967年から1968年までは『週刊少年サンデー』に、1969年には『冒険王』で連載された。父親の野望によって、48の妖怪に身体を奪われた姿で誕生した百鬼丸。医者・寿海に助けられた彼は身体を取り戻すため妖怪退治の旅を続けていたある時、泥棒少年どろろと出会う。手塚オリジナルの妖怪が多数描かれており、カルト的なファンも多い。

Read Article

虹色とうがらし(あだち充)のネタバレ解説・考察まとめ

虹色とうがらし(あだち充)のネタバレ解説・考察まとめ

『虹色とうがらし』とは、あだち充による日本の漫画で、『週刊少年サンデー』に1990年から1992年まで連載された。ジャンルはSFを交えた時代劇である。物語は、将軍奥川秋光と各地で出会った女性との間に生まれた7人兄弟が主人公だ。兄弟は母親の墓参りの旅で命を狙われるが、その背後には将軍の秘密と浪人・浮論の暗躍が関係していた。兄弟たちは父親の過去に迫りながら友情と絆を深めていく。全11巻の単行本が出版され、2021年8月には舞台化が決定した。

Read Article

衝撃の死を遂げ、読者や視聴者を驚かせたキャラクターまとめ

衝撃の死を遂げ、読者や視聴者を驚かせたキャラクターまとめ

アニメ、漫画の中でも安易な展開を避けたいがために死んでしまうキャラクターは星の数ほどいます。しかしそういう作品はキャラクターを殺すことで逆に安易な展開になってしまうものもあります。 そんな中でも、悲惨だったり、予想だにできない衝撃の死を遂げたキャラクターをまとめました。

Read Article

目次 - Contents