タッチの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『タッチ』とはあだち充(あだちみつる)による日本の漫画作品である。高校野球をテーマに双子の兄弟である上杉達也(うえすぎたつや)、上杉和也(うえすぎかずや)と幼馴染の浅倉南(あさくらみなみ)の3人を主人公とした物語。「甲子園へ連れて行って」という南の言葉や、亡き弟の為、そして自分の為に甲子園を目指し奮闘する達也と南の青春ストーリーである。

「あと一人!しまっていこうぜ!」

「敬遠はくせになりそうで」と発言して打たれた後、再び新田に打席が回ってきた。明青学園vs須見工業。5-4、10回裏ツーアウト。常識で考えればここは敬遠する場面だった。そして試合を観ていたほぼ全員がそうすると予想していた。達也も勝利するために敬遠を選んだ。だが、孝太郎は達也の気持ちを察して外野に守備を固めるように指示を出す。そして、「あと1人!しまっていこうぜ!」と喝を入れたのだ。チームメイトも素直にそれに従ったのであった。チームの心が一つになった名場面である。

柏葉英二郎の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「今年の明青は強いぜ兄貴」

兄の英一郎(えいいちろう)が学校にきたことを知った英二郎。兄ばかり期待され、優遇される姿を陰から見るだけの自分のこと、バイク事故に遭い大怪我して帰ってきた兄の身代わりになった自分。愛する女性が兄に取られてしまった過去を思い出す英二郎。「今年の明青は強いぜ、兄貴。このままほっとけばな」と呟く。野球を愛する気持ちと、復讐の気持ちとの間にいる英二郎であった。

「だったら、甲子園にいくんだな」

柏葉監督に「俺はおまえが嫌いってことを忘れるな」と釘を刺される達也。「どうせなら徹底的にきらわれてみたいもんですね」と達也に言われ、「だったら甲子園いくんだな」と返す柏葉監督。明青野球部に復讐するつもりでいた柏葉だが、野球部員たちの野球に対する情熱、純粋さを目の当たりにして、少しづつ気持ちが変化していくのだった。

「ベストをつくし、悔いのないように」

決勝戦、須見工との戦いのまえに一言求められた際に「ベストをつくし、悔いのないように」と言う監督に、意外に思う達也。これは、監督自身ではなくふざけた部員が、後ろで監督のモノマネで言ったセリフだった。だが、監督は否定もせず、達也は一礼をする。色々なことがあったが、ここまで来れたことへの感謝を感じられるシーンである。

「こいつはな、上杉達也がめった打ちされるところをみたいんだよ」

須見工との決勝戦。力んでいた達也はいつもの実力が出せずにいた。そんな達也の様子は新田も感じ取っていた。監督は「上杉和也は力を貸してくれないのか」と発破をかける。過去の自分の気持ちを言うように「華やかな舞台に立った兄を、暗闇で見つめる弟の気持ちはわかるのか」 「その華やかな舞台に自分の出番が金輪際ありあえないと知った弟の気持ちが」と言う。その言葉に達也は反論する。だが「こいつはな、上杉達也がめった打ちされるところをみたいんだよ」 「おれがいなきゃ甲子園なんかいけるもんかといいたいんだよ!」と声を荒げる。孝太郎は監督を睨みつけるが、この言葉のおかげで達也は目をさまし本来の自分を取り戻すのだった。

「打線という言葉を知ってるか? 9人のバカが一人ずつ、なにも考えずにバッターボックスに入ってたんじゃ、線にはならねぇんだよ」

無事に本来の自分を取り戻した達也を労う監督。達也に「9人のバカが1人ずつ、なにも考えずにバッターボックスに入ってたんじゃ、線ににはならねえんだよ」と皮肉をいうが、孝太郎がホームランを打つ。この後、達也は監督に人を引きずり下ろすことばかり考えないで、自分から舞台に上がったらどうかと提案する。この達也の言葉は監督の心を動かすきっかけになった。

「夏は好きなんですよ」

目の手術当日、達也と南がお見舞いに来る。「俺の無様なカッコを笑いにきたのか?」と言う柏葉に対して「なにか話したいんじゃないかと思って」と言う達也。お前が嫌いだと言う柏葉に対し、「監督の嫌いはアテにならないからなぁ」と言う達也。穏やかな空間の中で「夏は好きですか?もちろん嫌いですよね」と言う達也。悪態つく柏葉に「甲子園に行きます」 「ありがとうございました」と伝える。帰り際に「リンゴです」と監督の手に握らせたのは須見工戦の時の野球ボールだった。2人が帰った後、看護師に「夏は好きなんですよ」と独り言のように呟くのであった。

新田明男の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「上杉和也を超えてくれ」

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