タッチの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『タッチ』とはあだち充(あだちみつる)による日本の漫画作品である。高校野球をテーマに双子の兄弟である上杉達也(うえすぎたつや)、上杉和也(うえすぎかずや)と幼馴染の浅倉南(あさくらみなみ)の3人を主人公とした物語。「甲子園へ連れて行って」という南の言葉や、亡き弟の為、そして自分の為に甲子園を目指し奮闘する達也と南の青春ストーリーである。

原田と2人きりで練習する達也。他の部員は野球部の練習試合に行ってしまった。「おまえもみたけりゃいってこいよ」と言う原田に「和也のいいカッコみたって不愉快になるだけだ」と言う達也。達也の南に対する気持ちに気づいている原田は「おまえは浅倉のためになんの努力もしてこなかった」とけしかける。その言葉で、不貞腐れながらも、野球部の応援に行く達也であった。

「舞台にあがれ、上杉!」

和也が準決勝で劇的な勝利をあげた時に、観客席で一緒に見ていた達也に「舞台に上がれ、上杉!」と熱くなる原田。原田は達也に才能があることを見抜いて、弟のために野球をしない達也に言い放ったセリフ。原田は親友として達也のことを気にかけいつも的確なアドバイスをする。強面で人付き合いは上手ではないが、鋭く周りを観察して的確なアドバイスをする男前な性格である。そんな彼自身も密かに南に思いを寄せていた。この時、達也は初めて原田の気持ちに気づいたのだ。

「天才という言葉はー死んだ弟より、やつの方がふさわしいかもしれないな」

勢南高校と明青との試合を観ていた原田と新田。新田は、中3の時に頼まれて野球部の試合に出た時の相手が和也だった。だが、新田の番まで打席が回って来ず、勝負は出来なかった。和也との勝負がしたくて野球を始めたが和也は事故により亡くなったため、その願いは叶えられなかった。そんな思い出話をしながら、達也の読めない投球パターンと早さに無限の可能性を感じる2人。そんな達也の戦う姿を見て「天才という言葉はー死んだ弟より、やつの方がふさわしいのかもしれないな」と呟く原田だった。

「あれだけの人数が倒れるまでノックするってのも大変だろうなぁ」

高校生最後の合宿。オニ監督のしごきにより、次々と倒れていく部員たち。南と原田たちが部活帰りに野球部の前を通り過ぎる時、やけに静かなことに疑問を持つ。覗き込むと部員たちが倒れている中、最後まで監督のノックを受ける部員の姿があった。心配する南に原田は 「あれだけの人数が倒れるまでノックするってのも大変だろうなァ」と思わず呟く。歪んでいるがたいした熱意だと評価した。

「ボールだったな…」

延長線に突入した明青と勢南の戦い。雨が酷くなり、このまま決着が付かなければ再試合という厳しい戦い。緊迫のシーンで達也は四球もデッドボールも恐れず攻める。それに対し西村も意地を見せる。本来ならボールの所をファールにしたとき「ボールだったな…」と呟く原田。西村の焦りを感じとっていた。この試合はフォアボールで明青は負けるが、達也は勢南をノーヒットで抑え、相手にとってはスッキリしない勝利となった。

「上杉達也のライバルは新田でも西村でもねぇ。双子の弟上杉和也だ」

須見工との練習試合で吉田とポジションチェンジし、ピッチャーとしてマウンドに立つ達也。達也の投球に相手陣も由香も目をみはる。練習試合を見に来た西村は、吉田程度の投球投手を気にするようなら、自分のライバルにはなれないと言い放つ。だが原田は「上杉達也のライバルは…たった1人、双子の弟、上杉和也だけだ」と呟いた。その言葉に何も返せない西村だった。

西村勇の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「マネージャーだけは明青に完封負けだぜ」

予選大会を見ていた西村は、まだ達也にそれほど強い興味はなかったが南の事を気に入り、自分の実力を見せつけるという口実に明青に向かう事にする。「まったく…マネージャーだけは、明青に完封負けだぜ」と幼なじみの鈴子(すずこ)に悪態をつくのだった。途中、勢南高校へ向かう南と達也に出会う。迷子になった南達は西村本人だと気付かず勢南高校への場所を聞く。ちゃっかり自分の事をアピールし、急いで高校へ戻り練習へ参加するが、南達は新田のいる須見工に立ち寄る。新田の面白いくらいにカーブを打つ姿に見入る2人。結局良いところを見せ付けようとする西村は空振りに終わるのだった。

「いいもんだよな、幼なじみってのは……たとえ、それがどんな…」

勢南高校が負けてしまった。そのことを知らない達也の元を訪ねる西村。彼の口から前日に亡くなった祖母の事、自分の調子が悪く打たれてしまった事を告げる。驚く達也に、小学生の時から変化球を投げてきたツケがたまっていたとぼやく。落ち込む西村に何も返せない達也。この試合の直前、西村の幼馴染の鈴子が南に西村を励ますようお願いしていた。その事を思い出し「いいもんだよな幼馴染ってのは」と呟く。普段は口が悪く、悪態ばかりついているが、彼女の健気な気持ちや存在に助けられている事に感謝する気持ちが伝わってくるシーンである。

「幼なじみになろうね」

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