炎（刃牙）とは【徹底解説・考察まとめ】

炎（刃牙シリーズ）の概要

炎（ほのお）とは、『刃牙シリーズ』の第5作目『バキ道』で登場する角界の小結を張る力士である。角界一のスピードを持ち、小柄な体格から想像を絶するほどのパワーで繰り出される投げ技はいずれも必殺の威力を誇る。元横綱の金龍山（きんりゅうざん）から勧誘された異種格闘技戦では、練習試合で総合格闘家の貝沼文也（かいぬま ふみや）と戦い、得意の投げ技で失神させた。続く本戦では副将を務め、主人公の範馬刃牙（はんま ばき）と対戦して善戦したが敗れた。

炎（刃牙シリーズ）のプロフィール・人物像

身長165cm、体重97kgの小結。スピードは角界一で、この小柄な体格からは想像を絶する程のパワーの持ち主である。刃牙との戦いでは、はじめ相撲の構えで戦っていたが、刃牙が相撲で対抗してきたため、途中から炎も総合格闘技の構えを取り、刃牙の土俵で戦う場面がある。このことから、負けず嫌いな性格と正々堂々と戦おうとするフェアな精神が伺える。

炎（刃牙シリーズ）の能力

スピード

角界一のスピードの持ち主。貝沼はもちろん、チャンピオンの刃牙でさえも背中を取られたことから、100kg近い体重では考えられないほどのスピードである。日々の訓練でいかに足腰を鍛えているかがわかる。

パワー

刃牙を遠投するほどのパワーの持ち主。腕力だけでなく、強い足腰が無ければできない芸当から、日頃から全身をしっかり鍛え抜いていることがわかる。

炎（刃牙シリーズ）の必殺技

投げ技

角界一のスピードと持ち前のパワーから繰り出される投げ技は、貝沼を失神させ、刃牙をダウンさせた。強い足腰と腕力だけでなく柔軟な体も必要なため、柔らかい筋肉を備えたバランスの良い力士である。

炎（刃牙シリーズ）の来歴・活躍

金龍山からの勧誘

元横綱の金龍山（きんりゅうざん）は、現役時代に優秀な成績を残したため、引退後は後進に教育に勤しんでいる。ある時、その金龍山は日本有数の資産家である徳川光成（とくがわ みつなり）と総合格闘家 vs. 現役力士という異種格闘技戦を企画した。金龍山は角界で絶大な影響力があるためか、この企画に参加を希望する力士が多数いたのだ。その1人が小結の炎（ほのお）であった。力士の中では小柄で、総合格闘技に向いていると判断されたためか選考に通過したのだ。実際に戦った相手は主人公の範馬刃牙（はんま ばき）で、体格面では同等であった。これは金龍山の配慮だと考えられる。

炎 vs. 貝沼文也

異種格闘技戦の練習試合として組まれた対戦。総合格闘技ライトヘビー級王者の貝沼文也（かいぬま ふみや）は空手出身で、総合格闘技に転向した理由は“息の根”を止められないから。倒したら一本の空手ではなく、倒してから失神するまで殴れる総合格闘技の方が向いているということで転向したのだ。対する小結の炎（ほのお）は相撲一筋で戦ってきた男。身長167cm、体重97kgの小柄な炎を貝沼は舐めてかかっていた。大相撲と戦えると聞いていたために大きな関取を思い切りぶっ叩けると思っていたが、実際の対戦相手は自分よりも小さな力士だったからだ。それでも小結を張っているということで気持ちを入れ替えて、全力を出すつもりでこの戦いに臨んだ。試合が始まると、炎が妙に大きくなったように見えた。貝沼は思い切りローキックを入れようとすると、目の前から炎はいなくなっており、いつの間にか自分の背中に回られていた。貝沼は背後から胴を掴まれた瞬間、あまりの力強さに血の気が引き、動ける気がしなかった。次の瞬間、炎は貝沼を持ち上げながら自身もジャンプし、そのまま片手で貝沼を地面に叩きつけて失神KOした。

貝沼はその時の状況を後にこう述べている。「まずはやいです。メチャクチャはやいッ。背後に廻り込まれたのまったく見えなかったですもん。いや…はやいのもはやいンだけど、腕力っす。実際は165センチらしいけど、とんでもない。まるで巨人ですよ!!!大男にワシ掴みされたような…？で叩きつけられたような…？今さらちゃ今さらなんだけど…ちっちゃくても“力士”なんですよね、あの人」と試合後になってようやく力士の恐ろしさがわかったようである。

炎 vs. 範馬刃牙

炎は異種格闘技戦の本番では、副将を務め、相手は本編の主人公である範馬刃牙（はんま ばき）だった。刃牙は準備として手首にバンテージを丁寧に巻き、片足をゆっくり真上に上げて一旦止まり、ゆっくり下ろして四股のポーズをとった。範馬刃牙流の四股である。この四股は“地上最強の生物”と言われている父親の範馬勇次郎（はんま ゆうじろう）に教わった。2千年もの時を経て、現在も尚消えることなく残り続けた最新最古のトレーニングである四股は、身の内に「芯」が生まれ繰り返すことで芯が育つ。心を込めて丁寧にやれと教わったトレーニングである。刃牙はウォーミングアップを終えて闘技場に入場すると、そこには笑顔で迎える炎が待っていた。刃牙も笑顔で返し、互いにリスペクトしあっていることが観客にもわかったのか会場は大盛り上がりを見せた。試合が始まると、蹲踞もフットワークもなく、互いに近づき両者手四つの構えをとった。刃牙の右手と炎の左手の指同士が触れるか触れないかのタイミングで、お互い手を握り合うと刃牙は手四つになるかと思ったが、次の瞬間炎は刃牙の背後に廻り胴を掴んだ。あまりの速さに驚いた刃牙は、さらにその力に驚いた。炎は刃牙を持ち上げて片手で刃牙を遠投してのけたのだ。刃牙は体をひねって足から着地したためにダメージは無かったが、炎のスピードとパワーに畏敬の念を持った。刃牙はこんな力士と戦えることに感謝し、その気持ちとして最も得意な総合格闘技のファイティングポーズをとることになる。炎はこの時、刃牙が大横綱に見えたことに驚き、次の瞬間、刃牙の目にも止まらないジャブを顎に喰らうと大銀杏がほどけ、お尻から地面についてしまった。炎ははじめ何が起こったかわからなかったが、顎にパンチを受けて足が言うことを効かなくなったことを理解し、立ち上がると両腕で顎を守った。刃牙はすかさず炎の顎にアッパーを入れてパンチの連打を浴びせた後、左ハイキックを顔面に入れて再度ダウンさせる。炎はすぐに立ち上がって今度は相撲の構えをとって原点回帰した。すると刃牙も同じ構えをとり、炎に高速タックルを仕掛ける。炎は壁際まで押されたが、刃牙のパンツの後ろを掴み、思い切り持ち上げて観客席まで投げ飛ばした。炎は先程のジャブといい、今のタックルといい、相撲では完全に負けていたことを認めながら、闘技場に戻った刃牙に今度は先手を取ってタックルを仕掛けた。刃牙はカウンターで炎の顎に後ろ回し蹴りを入れようとしたが、炎はさらに低い姿勢をとったのでこの攻撃をかわし、刃牙の背中を取る。すかさずバックドロップで壁に叩きつけると、刃牙は失神して倒れた。

刃牙はすぐに意識を取り戻したのでここで決着にはならず、立ち上がって今度は炎にスピード対決しないかと提案した。指が触れるか触れないかのタイミングで炎が刃牙の背後に廻ると、目の前に刃牙はおらず、すでに自身の背後に廻られていた。驚いた炎はすぐにその場を離れようと横に飛んだが、刃牙に一瞬で追いつかれたために炎は恐怖に駆られて張り手を入れようとする。その攻撃はあっさりと刃牙にかわされ、刃牙の左ハイキックを喰らって立ちながら失神した。刃牙は意識を取り戻した炎に、今度は腕っぷし一本のブン殴り合いを提案する。相手の攻撃を受ける覚悟を見せる刃牙に炎はファイティングポーズをとり、その提案を受け入れた。炎は初めてグーで人を殴る相手が範馬刃牙であることに幸福を感じた。それは相手がこれほどの実力者であることを光栄だと感じたためである。炎の右ストレートが刃牙の顔面を捉えるや否や刃牙の張り手がカウンターで炎の顎を捉え、炎はあっさりと失神してその場に沈み決着となった。

炎は目覚めると刃牙に近づき、両者握手を交わしお互いを讃え合った。