Dr.STONE(ドクターストーン)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『Dr.STONE』とは、稲垣理一郎が原作、Boichiが作画を担当する、科学を題材とした冒険少年漫画である。地球上の人類すべてを標的にした謎の石化現象により文明が崩壊してから約3700年後の世界を舞台に、ずば抜けた科学の知識と探求心を持つ主人公が仲間と共に人類の復興を目指す物語。
「第64回小学館漫画賞少年向け部門」を受賞し、累計発行部数が1400万部を突破しているなど、高い評価を得ている。
作中では様々な立場、性格、信条のキャラクターが、読者の心を動かす名言・名シーンを演出する。

氷月の口癖であり、彼の指針。敵でも味方でも、自身の役割を理解して最大限の働きをしようと努力する人間が好きなのだ。当初は司の下につき、司を殺して覇権を握ろうとした氷月だったが、千空や仲間たちが氷月の基準で「ちゃんとしている」人たちだということを理解し、心から信頼するようになっていく。

西園寺羽京(さいおんじ うきょう)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「こんな世界で、それが人としての、最後の砦じゃないのか?」

自衛隊でソナーマンとして働いた経験のある羽京は、その驚異的な聴力で千空たちの暗躍を察知する。しかし羽京は司にすべてを報告することはせず、ひそかに千空たちを援護するような動きを見せる。羽京は千空たちに全面的に味方しているわけではなく、「誰にも死んでほしくない」という願いを持っていた。石像を壊して大人を殺し続ける司の下にいても、せめて今生きている人間は誰も死んでほしくないと考えていたのだ。「救いがたいほど卑怯なのは分かってる。でも、僕はただ…目の前の誰にも、死んで欲しくないだけなんだ」「こんな世界で、それが人としての、最後の砦じゃないのか?」と羽京は千空たちに訴え、無血開城を約束するなら味方につく、と提案するのだった。法や秩序が意味をなさなくなったストーンワールドで、せめて人としての尊厳を保ち続けたいという羽京の誇りが滲んだセリフだ。

七海才(ななみ さい)の弟の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ドラゴンクエスト

作中ではSAIと呼ばれることが多い天才数学者・七海才は、龍水の兄だ。好きなプログラミングに没頭するために一族から離れてインドにいたところを石化していた。月面へ行くロケットを作るため優秀なプログラマーを求めていた千空と龍水に復活させられたが、「まともなコンピューターができるまでどんなに早くても5年はかかる」という事実に愕然とする。それでもプログラミングをやめるという選択肢がないSAIは、部屋の壁にある文字列を書き始める。千空と龍水が目にしたそれは、マシン語で書かれた『ドラゴンクエスト』のプログラムだった。SAIの圧倒的なプログラミング能力を目にした千空は、コンピューターを1から作り上げることを決心する。

Dr.XENOの人の名言・名セリフ/名シーン・名場面

生きていた千空の姿に涙を滲ませるDr.XENO

かつてNASAの科学者だったDr.XENO(ゼノ)は、幼い千空にメールで科学技術の指南をした師匠だ。科学者が支配する独裁を夢見るゼノは石化から復活してから軍事方面に特化した科学の王国を作っていた。平和のために科学技術を生かそうとする千空とは根底から思想が違うゼノは、アメリカにやってきた弟子を夢のために殺害することを決める。ゼノの相棒スタンリーによって狙撃された千空は瀕死の重傷を負ったがかろうじて生き延び、自分の死を偽装してゼノを誘拐、南アメリカへ逃亡しながら石化現象の謎を解くという作戦を立てる。激しい攻防の末に単身で千空陣営に捕まったゼノは、死んだと報告されていた千空が生きて目の前にいることを知り、涙を滲ませて安堵の笑顔を浮かべる。愛弟子を殺すという選択を取っておきながら、本心では「そんなことをしたくない、千空に生きていてほしい」と願っていたことがわかる。冷血な悪の科学者ゼノの人間らしい側面が表れたシーンだ。

スタンリー・スナイダーの人の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「ああ できるね」

凄腕のスナイパー・スタンリーの口癖で、彼を象徴する一言。千空たちと敵対していたときだけでなく、ホワイマンと直接対決する人員として選出された際など、どんな高難易度のミッションでも「ああ できるね」の一言でこなしてみせる。

石神百夜(いしがみ びゃくや)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

3700年後の息子へ

村の巫女・ルリの病気を治した千空は、ルリの口から村に伝わる「百物語」の百番目を聞かされる。そのタイトルは「石神千空」。ルリたちの村は正式名称を「石神村」というのだった。
3700年前、NASAの宇宙飛行士として仲間たちと宇宙にいた千空の父・百夜は石化を逃れたが、文明が停止した地球で少ない仲間たちと生きていくことになってしまう。百夜は「千空ならいつかきっと石化の謎を解く」と信じて、未来で目を覚ますだろう息子に「仲間」という贈り物を残した。石神村の住人たちは百夜とその仲間たちの子孫なのだった。
石神村の墓地の最奥、朽ちかけた百夜の墓石の中には、ガラスでできた丸い板があった。それは、百夜と同じ宇宙船に乗っていた世界的歌手、リリアン・ワインバーグの歌声が収録されたレコードだった。百夜が未来の息子に向けて遺した、人々の心をひとつにする天使の歌声だ。この歌は村人たちを喜ばせただけでなく、リリアンの歌に支えられてきたニッキーをはじめとする多くの人々が千空の味方につくきっかけとなった。
また、百夜はその生涯をかけて川底をさらい、砂金や砂粒のようなプラチナを集めて保存していた。貴金属は科学に不可欠なものだが、採掘しやすい浅い地層にあるものは既に取りつくされてしまったと言われている。百夜は途方もない労力をかけて川から貴金属をかき集め、未来の息子へ贈ったのだった。千空はプラチナを入手したことで、硝酸なしでも石化復活液を作れるようになった。
千空は石化によって父・百夜と永遠に会えなくなってしまったが、百夜は息子に多くのものを遺したのだった。

shuichi
shuichi
@shuichi

Related Articles関連記事

Dr.STONE(ドクターストーン)のネタバレ解説・考察まとめ

Dr.STONE(ドクターストーン)のネタバレ解説・考察まとめ

『Dr.STONE』とは、原作・稲垣理一郎、作画・BoichiによるSF・サバイバル漫画である。2017年から『週刊少年ジャンプ』で連載開始した。2019年に第1期が全24話でアニメ化し、2021年に第2期が放送。ある日、謎の光によって地球上の全人類が石化してしまう。長い長い時が流れ、最初に石化から目覚めたのは主人公「石神千空」で、人類が石化してから約3700年が経っていた。人類はこれまで築いてきた全文明を失うが、千空は幼馴染「大木大樹」などの仲間と共に科学によってその文明を取り戻していく。

Read Article

Dr.STONE(ドクターストーン)のアイテム・発明品まとめ

Dr.STONE(ドクターストーン)のアイテム・発明品まとめ

『Dr.STONE』とは、原作:稲垣理一郎、作画:Boichiによる漫画作品である。 ある日、地球を怪光線が包んだ。その光線は人類全てを石化させてしまう。それから3700年後、石神千空という少年が石化から解ける。千空は卓越した科学力を持っており、石化した人類、崩壊した文明を取り戻そうとする。 千空は試行錯誤しながら、様々なアイテムを開発していく。

Read Article

Dr.STONE(ドクターストーン)の料理・食事・食べ物・お菓子・飲み物まとめ

Dr.STONE(ドクターストーン)の料理・食事・食べ物・お菓子・飲み物まとめ

『Dr.STONE』とは『週刊少年ジャンプ』で連載された稲垣理一郎原作、Boichi作画によるSF・サバイバル漫画である。全人類が一斉に石化した世界を舞台に、石神千空たちが科学で文明を再建する姿が描かれる。 本作では主人公の石化が解けるまでに長い年月が経過しているため、文明が崩壊している。当然、食材もいちから用意しなければならず、物語序盤は原始的な食事しかできなかった。しかし千空たちは科学を駆使し、ラーメンやわたあめといった料理・食事・食べ物・お菓子・飲み物を再現していく。

Read Article

アイシールド21(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

アイシールド21(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『アイシールド21』とは、原作稲垣理一郎、作画村田雄介によって『週刊少年ジャンプ』に掲載されていた少年漫画、およびそれを原作としたテレビアニメ作品。パシリにより鍛えられた俊足を見込まれ、強制的に泥門高校のアメフト選手にされた小早川瀬名。選手登録名「アイシールド21」として日本のアメフト界の最高峰である全国大会決勝(クリスマスボウル)を目指し、仲間たちと共に様々な強敵を相手に奮闘する。

Read Article

トリリオンゲーム(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

トリリオンゲーム(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『トリリオンゲーム』とは稲垣理一郎の原作、池上遼一の作画によって2021年より『ビッグコミックスペリオール』に連載されている、スタートアップを題材とした青年漫画及び、それらを原作としたドラマ作品である。物語は主人公のハルとその相棒のガクの2人が1兆(トリリオン)ドルを稼ぐために起業し、ライバルとなる世界的IT企業ドラゴンバンクの黒龍キリカと競いながら、大富豪を目指す姿が描かれる。ハッタリが得意なハルと堅実なガクの友情とコンビネーションが見どころの一つである。

Read Article

ジャンプの歴代ヒロインまとめ

ジャンプの歴代ヒロインまとめ

日本でもっとも発行部数の多い漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』は、人気でも知名度でも漫画という文化の頂点に位置する存在であり、幾多の傑作を生み出してきた。少年漫画であるだけにほとんどの作品の主人公は男性キャラクターだが、彼らを盛り立てるヒロインもまた魅力的な造形の人物ばかりである。 大人に子供、主人公に守られるだけの存在から共に戦う相棒、正規のヒロインを蹴散らして主人公と結ばれた者、“少年漫画”の常識を超えたヒロインかつ女性主人公というタイプ。ここでは、ジャンプ作品を彩ったヒロインたちを紹介する。

Read Article

アイシールド21の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

アイシールド21の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『アイシールド21』とは原作・稲垣理一郎、作画・村田雄介によるアメリカンフットボールを題材とした漫画作品である。 主人公の小早川瀬那(セナ)は気弱な高校生だが、俊足の持ち主であった。彼の走りを見たアメフト部の主将、蛭魔に強制的にアメフト部に入部させられ、セナは最強ランナーである「アイシールド21」を名乗ることになる。 本作では、勝利のためにひたむきに努力する姿や、苦悩する姿が描かれ、胸を熱くさせる名言・名シーンが存在する。

Read Article

【人気漫画】2007年~2018年の週刊少年ジャンプ打ち切り・終了マンガまとめ!

【人気漫画】2007年~2018年の週刊少年ジャンプ打ち切り・終了マンガまとめ!

2007年~2018年の間に『週刊少年ジャンプ』で打ち切り・終了したマンガをまとめました。作品は2007年1号以降に終了したものです。『銀魂』『BLEACH』『NARUTO』『こちら葛飾区亀有公園前派出所』といったジャンプを代表するマンガはもちろん、残念ながら打ち切りになってしまった作品、内容は悪くなかったのに読者に響かなかった隠れた良作を紹介していきます。

Read Article

目次 - Contents