狡噛慎也（PSYCHO-PASS）の徹底解説・考察まとめ

トラックの横転により常守も身を投げ出され、負傷してしまう。狡噛はそんな彼女を安全な場所まで連れて行き休ませた。そして、常守がトラックのタイヤを撃つ時に使用していた拳銃に弾を装填し、槙島を追いかけに行く。
槙島は血を流しながら丘の上まで辿り着き、追いついた狡噛に対して「なぁ、どうなんだ？狡噛。君はこの後、僕の代わりを見付けられるのか？」と問いかけた。そのセリフに対して狡噛は、「いいや、もう二度と御免だね」と答え、拳銃で槙島を撃ったのだった。

狡噛慎也の関連人物・キャラクター

常守朱（つねもり あかね）

本作のヒロインであり、立場上は狡噛の上司。強い正義感を持っており、自分が正しいと思った行動は貫き通す。配属後すぐに事件が起き、そこで共に捜査する執行官である狡噛と出会う。この事件では、潜在犯が性的暴力を行うために人質をとっていたため救出しようとするが、潜在犯と共に行動していたことによりサイコ・ハザード（犯罪係数の伝染）を引き起こしてしまい、人質の犯罪係数も上がってしまっていた。そのため狡噛が人質もドミネーターで撃とうとしたが、常守は「何もしてない被害者を撃つなんてそんなの納得できません！！」と叫び声をあげた。それでもシビュラシステムの命令通り撃とうとする狡噛に対して、常守は人質を救うために狡噛にドミネーターを向け、麻酔銃（ノンリーサル・パラライザー）により気絶させた。
このシーンからも、常守が強い正義感を持っており、正しいと思った行動は貫き通すという信念を持っていることがわかる。その後の事件でも常守は狡噛に振り回されるシーンは多々あるものの、最終的には物語の黒幕である槙島を捕らえることに成功している。

宜野座伸元（ぎのざ のぶちか）

狡噛とは、旧知の仲である監視官。狡噛が監視官から執行官に降格されたのをきっかけに、裏切られたという感情からか、狡噛とは意見が衝突し、否定的な発言をするシーンが度々見られる。眼鏡をかけており話し方が落ち着いているため、知的な印象を抱きやすいが、他の執行官などからサポートをされるシーンが多い。父親である征陸とは仲が悪く、狡噛同様に衝突するシーンが多いが、槙島との戦闘中に殉職した征陸が死に際に「やっぱ親子なんだなぁ…目元なんざ若い頃の俺に…そっくりだ」と呟いた時には、「遅すぎるだろうが…ッ」と嗚咽混じりの声を漏らした。

縢秀星（かがり しゅうせい）

狡噛と同じ執行官。お調子者であり、普段から冗談を交えながら話すシーンが多い。
執行官の素質である犯罪者に対しての勘が鋭く、ドローン工場で発生した事件を捜査中、ドローンに解剖された死体のホログラムを見て、事故ではなく殺人だと断定した征陸に即座に同調していた。
ノナタワー潜入時には、ドミネーターが使えない不利な状況にも関わらず、1人で3人を制圧しているため格闘技術も高いと言える。その後縢は、ノナタワー最下層にたどり着き、シビュラシステムの正体を目の当たりにする。しかし、その直後にやって来た局長（シビュラシステム）に、死体の痕跡を残さないドミネーターの形態である、デストロイ・デコンポーザーによって殺害されてしまう。理由として、「縢秀星が生涯を通じて社会に果たす貢献と、シビュラシステムの機密漏洩の危険を比較検討し、後者の方がより重大であると判断」されたためであった。縢は「やってらんねーよ、クソが」と死ぬ間際に呟き、帰らぬ人となった。

唐之杜志恩（からのもり しおん）

執行官と監視官を影で支える分析官。金髪の美女であり、化粧が濃くタバコを口に咥えていることが多い。サバサバとした性格であり、思ったことはハッキリ言うタイプである。事件を捜査する際は執行官や監視官から指示されたことに迅速に対応し、犯人確保に貢献している。その容姿端麗な見た目からか、狡噛に対しては「せめて1度ぐらいはあなたと寝てみるべきだったのかなぁ」と言い、狡噛を負傷させてしまいその様子を伺いに来た常守に対しては、「立ったり喋ったりはちょっとね、もちろんベッドのお供も無理」といったいやらしい発言をするシーンも多い。

征陸智己（まさおか ともみ）

最年長の執行官であり、宜野座の父親。左手が義手であり格闘技術が高く、狡噛と協力して犯人を確保するシーンも見受けられる。最年長であるため、狡噛を含め他の執行官や監視官に対して、人生の先輩としてアドバイスをするシーンがよく見受けられる。槙島との戦闘中に彼を捕えることに成功したが、近くにいた宜野座を殺害されそうになり、それを庇ったため殉職した。

槙島聖護（まきしま しょうご）

さまざまな事件の黒幕であり、物語のラスボス的存在。狡噛が3年間調べていた「標本事件」の首謀者でもあり、裏で手を引いていた。頭脳明晰であり、かなりのカリスマ性を備える。格闘技術も非常に優れており、狡噛とノナタワーで交戦した時には、狡噛が負傷した状態であったとはいえほぼ一方的に追い詰める展開を見せていた。また、読書好きでもあり狡噛とは哲学の偉人の名言を用いて会話するシーンも見られた。

狡噛慎也の名言・名セリフ／名シーン・名場面

「あんたは何が正しいかを自分で判断した。役目より正義を優先できた。そういう上司の下でなら俺はただの犬ではなく、刑事として働けるかもしれない」

狡噛が事件の捜査中、潜在犯になった容疑者をドミネーターで撃とうとするが、この事件は狡噛が常守にドミネーターのパラライザーで撃たれて間もない出来事であったため、狡噛は隣にいた常守に対して、「あんたはどうしたいんだ？」と問いかける。すると常守は狡噛に、撃たずに保護するように命令。その後先日のパラライザーで撃ってしまった常守の謝罪に対して「あんたは何が正しいかを自分で判断した。役目より正義を優先できた。そういう上司の下でなら俺はただの犬ではなく、刑事として働けるかもしれない」と返答する。このセリフを言われた常守は狡噛に対して、目に涙を浮かべながら、「ありがとうございます…」と答えた。新人監視官でありまだ右も左もわからず、刑事という過酷な環境下にいる常守にとって、彼女の今後の意思決定を後押しすることに繋がる重要なセリフである。実際、この直後に執行官とのコミュニケーションについて宜野座と衝突するシーンがあり、その後も常守は刑事として何が正しいかを自分で判断し、成長していく。