泥水次郎長（銀魂）の徹底解説・考察まとめ

泥水次郎長（銀魂）の概要

泥水次郎長（どろみず じろちょう）とは、SF時代劇風少年漫画『銀魂』（ぎんたま）の登場人物で、江戸のかぶき町を縄張りとして活動する溝鼠組（どぶねずみぐみ）の組長。そのすさまじい実力から、「大侠客」（だいきょうかく）の異名を持つ。
主人公坂田銀時（さかた ぎんとき）が世話になっているお登勢（おとせ）とは幼馴染で、岡っ引きの寺田辰五郎（てらだ たつごろう）とは相反する立場ながら気骨と力量を認め合う親友にしてお登勢を巡る恋敵だった。「ヤクザ者の自分よりは辰五郎の方が女を幸せにできるだろう」との判断から身を引くことを決意し、辰五郎とお登勢が結ばれるのを見届ける。

この頃、地球は天人（あまんと）と呼ばれる宇宙人たちの外圧と開国要求で大きな混乱の中にあった。愛するかぶき町を守るため、次郎長は辰五郎と共に志願兵となり、そこで八面六臂の活躍を見せる。しかし次郎長を庇って辰五郎が命を落としてしまい、彼から「お登勢とかぶき町を頼む」と後を託される。
これ以降、次郎長はお登勢とかぶき町を守るために手段を選ばなくなり、自らの家族をも切り捨てて組織を増強。他の勢力も合わせてかぶき町の守護神として君臨し、辰五郎との約束を守り続ける。しかし頑迷にその姿勢を貫いた結果家族から恨まれ、お登勢とも敵対。銀時と対峙し、1度はこれを叩きのめした。

泥水次郎長（銀魂）のプロフィール・人物像

CV：宮島史年（第1期）、菅生隆之（第2期）、志村知幸（青年時代）

飄々としているようでどうしようもなく頑固、冷淡なようでいて果てしなく情に篤い硬骨漢。義理と人情を重んじ、親友との約束に殉じる古風な人物だが、それらを大切にするあまり他のものを投げ捨てることも少なくない。
凄腕の剣客で、特に居合術を得意としている。幾多の強敵と戦い打ち破ってきた銀時に明確に土をつけた、作中でも数少ない人物の1人である。

幼馴染のお登勢と親友の辰五郎とはいわゆる三角関係にあったが、「お登勢が本当に惚れてるのは自分じゃない、アイツならきっと幸せにしてやれる」と考えて辰五郎に譲ることを決意。同じことを考えていた辰五郎と「意地張ってないでとっととお登勢を嫁にしろ」と壮絶な大ゲンカを繰り広げた末に勝利し、2人の結婚を見届ける。それだけに自分を庇う形で辰五郎を死なせてしまった後悔は大きく、彼の遺言である「お登勢とかぶき町を頼む」という言葉を何十年もかけて守り続けることとなった。
実の娘である椿平子（ちん ぴらこ）からは「母と自分を捨てた憎んでも憎み足りない男」にして「いつか迎えに来てくれると信じ続けた父」と愛憎半ばする感情を向けられていたが、辰五郎との約束を守るために当初は向き合おうとしなかった。銀時によって「お前に守ってもらわなくても、かぶき町はもう大丈夫だ」との事実を実力行使で伝えられた後は改めて父と娘として交流し、生来の情の篤さから親バカっぷりを発揮するようになり、娘に付き合ってあだ名で呼び合うようになる。

泥水次郎長（銀魂）の来歴・活躍

辰五郎との約束

かぶき町のヤクザ者だった泥水家に生まれ、溝鼠組の次期組長として無頼に過ごす。この頃の溝鼠組はかぶき町の人々にとって良き隣人であり、用心棒のような存在として周囲の組織に睨みを利かせるのが常だった。
成長し、幼馴染のお登勢に恋心を抱く一方で「ヤクザ者の嫁になってもアイツは幸せにはなれないのではないか」と悩むようになった頃、かぶき町に新しく寺田辰五郎（てらだ たつごろう）という岡っ引きがやってくる。辰五郎は気骨もあれば腕も立つ快男児で、ヤクザと岡っ引きという相反する立場ながら次郎長とは器量と実力を認め合う親友となった。

お登勢がその辰五郎に憧れていることを察した次郎長は、「ヤクザの自分より真っ当に働いているアイツの方がお登勢を幸せにできる」と考え、彼女を嫁にするよう勧める。しかし辰五郎もお登勢を想う一方で「新参の自分より気心の知れた次郎長の方がお登勢を幸せにできる、ヤクザだとしてもアイツのことは信用できる」と考えており、どちらが彼女を嫁にするかで壮絶な大ゲンカを繰り広げる。結果、次郎長が紙一重で勝利し、辰五郎がお登勢を嫁に迎えることとなる。
この頃、地球は天人（あまんと）と呼ばれる宇宙人たちの外圧と開国要求で大きな混乱の中にあった。愛するかぶき町を守るため、次郎長は辰五郎と共に志願兵となって攘夷戦争に参加し、そこで八面六臂の活躍を見せる。しかし次郎長を庇って辰五郎が命を落としてしまい、彼から「お登勢とかぶき町を頼む」と後を託される。

溝鼠組の躍進

天人の力を思い知った次郎長は、「なんとしても辰五郎との約束を守る、お登勢とかぶき町を天人の手から死守する」と決意。溝鼠組を強硬かつ狂暴なヤクザ集団へと変貌させ、その武威をもってかぶき町を守らんとする。
この行動は実を結び、かぶき町は攘夷戦争初期の英雄西郷特盛（さいごう とくもり）、天人の華佗（かだ）、攘夷戦争後期の英雄坂田銀時（さかた ぎんとき）を味方とするお登勢、そして次郎長の「かぶき町四天王」こと4つの勢力の均衡により表向きは平和を保つ。

一方、かぶき町を守るために邁進した結果、自身の妻子のことはほぼ放置することとなる。次郎長の実の娘である椿平子（ちん ぴらこ）は、母が倒れても迎えに来てくれない父を激しく恨むと同時に強く恋焦がれ、「父を縛り付けているかぶき町が無くなれば、あの人は自分のところに帰ってきてくれるのではないだろうか」と考えるようになる。
かぶき町の制圧を目論んでいた華佗はこれに目をつけ、平子を唆して四天王の勢力の均衡を崩そうと企てる。

かぶき町四天王の激突

華佗の提案で、四天王は「かぶき町の平和のため、勢力の均衡を破るようなことを行った者には協力して制裁を加える」という協定を結ぶ。これと並行して銀時の下へと潜り込んだ平子が次郎長の部下を叩きのめし、“お登勢とその仲間たちが他の四天王から袋叩きにされる”状況が整ってしまう。
次郎長は先んじて行動を起こしてお登勢を斬り伏せ、「あくまで自分とお登勢の問題であり、すでにケリはついた」との体裁を守ろうとする。これに激高した銀時に襲い掛かられ、その実力に一定の評価を与えるも、これを一蹴。大侠客としての存在感を示す。

一連の騒ぎの中で、次郎長は「華佗が協定を結ぼうと言い出してすぐに事が動いた、タイミングが良すぎる」との判断からこれが彼女の筋書きであることを見抜く。次なる手を打たせないよう次郎長が華佗を見張る一方で、平子の扇動によりお登勢の一派に向けてかぶき町の各勢力の一斉攻撃が始まるが、仲間に激励されて敗北から立ち直った銀時がこれを阻止。平子から真相を聞き出し、華佗の下へと向かう。
策略を見破られた華佗が部下をけしかけると、次郎長は銀時と共にこれを叩き伏せる。この間のお礼参りだと銀時に再戦を挑まれた次郎長は、冷静さを取り戻した彼に今度は敗北。自分の知らない間にかぶき町に新しい力が育っていたことを、辰五郎との約束に固執するあまり自分がその邪魔をしていたことを知る。

娘との交流

お登勢は一命を取り留めており、病院で彼女と久々にゆっくり会話を交わした次郎長は、「かぶき町はもう自分がいなくても大丈夫だ」と確信。溝鼠組を若頭の黒駒勝男（くろこま かつお）に託し、自身はかぶき町を後にする。
上京を散々引っ掻き回した平子だったが、華佗に良いように使われていたことを知って素直に反省し、銀時たちに謝罪した上で町を去る。「父を取り戻したくて始めたことだったが、父もすっかり自分に呆れて失望したことだろう」と自嘲しながら歩を進めるが、そんな彼女の前に次郎長が現れ、「どこに行くつもりでもなく旅に出るなら、自分も暇をしているから一緒に行こう」と呼びかける。紆余曲折を経て、ようやく自分の下に戻ってきてくれた父の胸の中で泣き出す平子を、次郎長は優しく抱きしめる。

その後も銀時たちは様々な敵と戦いながらかぶき町を守り続け、天人と幕府を裏で操る天導衆（てんどうしゅう）という秘密結社と対峙。かぶき町に立てこもって徹底抗戦を続ける中、旅に出ていた次郎長と平子がここに合流。かつて銀時の前でも見せたすさまじい剣腕を見せつけて町を救う活躍を見せる。
この頃には平子との仲もかなり改善しており、互いにあだ名で呼び合うなど親バカっぷりを発揮。シリアス一辺倒だった次郎長の変化に、銀時たちは唖然とした。

泥水次郎長（銀魂）の関連人物・キャラクター

お登勢（おとせ）

幼馴染。互いに恋心を抱いていたが、次郎長が自分の家業を気にして想いを言い出せなかったこと、辰五郎という強力な恋敵が現れたこと、「アイツにならお登勢を託せる」と次郎長が考えたことで結ばれないままに終わった。
お登勢は次郎長が辰五郎との約束を優先するあまりに自分の家族や人生を蔑ろにしていることを案じており、今の彼のことを決して好意的には見ていない。次郎長の側もそれを承知しており、同じかぶき町に住みながら何年も顔を合わせない状況が続いていた。

お登勢（銀魂）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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お登勢（おとせ）とは、空知英秋作画による漫画「銀魂」において、主人公・坂田銀時が営む万事屋（よろずや）の大家です。生粋の江戸っ子で、気前がよく、困った人を放っておけない面倒見の良い性格の持ち主。曲がったことが大嫌いで、野暮なことも大嫌いです。行き倒れ寸前の銀時を助けた、命の恩人でもあります。

寺田辰五郎（てらだ たつごろう）

次郎長が若かりし頃に、かぶき町にやってきた岡っ引き。気骨も腕っ節も次郎長が惚れ込むほどの快男児で、ヤクザと岡っ引きという立場を超えて力量と人柄を認め合い、親友となる。一方で彼もまたお登勢に懸想し、彼女を巡る三角関係を作ることともなった。
辰五郎は辰五郎で「新参の自分より、気心の知れた次郎長の方がお登勢を幸せにできる。ヤクザだがアイツは信用できる」と考えており、「いいからとっととお登勢を嫁にしてこい」と大ゲンカを繰り広げる。これに紙一重で敗れてお登勢を妻とするも、攘夷戦争の中で次郎長を庇って戦死。最後に「お登勢とかぶき町を頼む」との言葉を彼に贈った。