吉田松陽(銀魂)の徹底解説・考察まとめ
吉田松陽(よしだ しょうよう)とは、SF時代劇風少年漫画『銀魂』(ぎんたま)の登場人物で、主人公である坂田銀時の師。
片田舎で「松下村塾」という私塾を開き、子供相手に学問と剣術を教えていた。しかし言いがかり同然の罪で捕らえられ、幕府によって死刑を申し渡される。師を救おうとする弟子たちの奮戦叶わず、最期は仲間を人質にされた銀時によって斬首される。実は500年もの時を生きる不老不死者の虚が持つ人格の1つで、虚の心の奥底に封じられた状態で復活。出番は少ないが、物語の最重要人物として活躍した。
吉田松陽(銀魂)の概要
吉田松陽(よしだ しょうよう)とは、SF時代劇風少年漫画『銀魂』(ぎんたま)の登場人物で、主人公である坂田銀時(さかた ぎんとき)の師。
片田舎で「松下村塾」(しょうかそんじゅく)という私塾を開き、子供相手に学問と剣術を教えていた。しかし言いがかり同然の罪で捕らえられ、幕府によって死刑を申し渡される。師を救おうとする弟子たちの奮戦叶わず、最期は仲間を人質にされた銀時によって斬首された。
実は500年もの時を生きる不老不死者の虚(うつろ)が持つ人格の1つ。長過ぎる生に絶望していた虚は、ある時「奪うことしかしてこなかった自分にも、誰かに何かを与えることはできるのだろうか」との想いを抱き、聡明かつ善良な“吉田松陽”の人格を作り出していた。
松陽が処刑された後、虚は肉体を再生させて平然と復活。松陽は虚の心の奥底に封じられるも、完全な死を遂げるために地球を滅ぼそうとする彼の暴挙をなんとか食い止めようと必死に抗い続けた。
吉田松陽(銀魂)のプロフィール・人物像
CV:山寺宏一
聡明かつ善良、温厚で誠実、弟子たちに惜しみない愛情を注ぐ教師として理想的な人物。一方で怒らせると笑顔のまま怒るおっかない性格で、銀時たちが言いつけを破った際には拳骨を落としている。
剣術、体術、その他あらゆる武術に長けた恐るべき達人で、銀時は修行中に1度も勝つことができなかった。国家転覆を目論んだとの言いがかりで幕府の役人に捕らえられた際はまったく抵抗しなかったが、「弟子たちに手を出すつもりなら、国くらい滅ぼしても構わない」とすさまじいことを言い切っている。
銀時、桂小太郎(かつら こたろう)、高杉晋助(たかすぎ しんすけ)といった松下村塾の生徒たちからは深く敬愛されており、作中では彼らは「松陽を助ける」ために一致団結して戦っている。松陽も彼らを大切にしており、上記の役人に捕縛されたシーンなどではそれがよく表れている。
主人格である虚は、500年の間に「化け物」と恐れられては捕らえられ、処刑されることを繰り返してきた。この苦痛と絶望の中で自我の崩壊を迎えるたびに新たな人格を作り出し、それらの融合体として虚無的な性格の人物となっている。松陽の人格を作り出したのは一時の道楽のようなもので、作中で復活した後は心の奥底に封じている。しかしその松陽に心理的なブレーキという形で抵抗され、彼の弟子である銀時たちに敗北したことから、「自分の中の松陽を滅ぼさなければならない」との強い敵意を抱かれることとなる。
吉田松陽(銀魂)の来歴・活躍
“吉田松陽”の誕生
星の生命エネルギーの影響で、不死者となった赤ん坊がいた。成長していく中でその肉体の異常性を周囲に知られるようになった彼は、「化け物」と迫害されては捕らえられ、処刑されては復活することを繰り返していく。悠久の時の中、いつしか彼は自分を殺そうとする者たちの技を見て学び、これを修得。かくして不死身の肉体と無数の人格、数百年分の研鑽で身に着けた技を備えた彼は「虚」(うつろ)と呼ばれるようになり、幕府直属の暗殺組織「天照院奈落」(てんしょういんならく)の頭領として暗殺稼業に身を染めていく。
虚が生まれてから500年ほど経った頃、虚は任務で襲撃した商家で深手を負って倒れている少年を見掛ける。「誰かから奪われ、誰かから奪うことしかしてこなかったが、自分にも誰かに何かを与えることはできるのだろうか」とふと考えた彼は、明るく善良な“吉田松陽(よしだ しょうよう)”という人格を作り出し、自分の血を分け与えることでその少年を救う。
天照院奈落を離脱
松陽によって救われた少年は、朧(おぼろ)と名乗るようになり、彼に深い恩義を感じて尽くすようになる。
“誰かに何かを与える”ために生まれた松陽だったが、この時点ではどのようにしてそれを実行するかまったく考えておらず、「放っておくわけにもいかず連れ帰ってきてしまったが、このままでは朧も暗殺者に、奪う側の人間にされてしまう」と悩むばかりだった。これを見た朧は、「あなたほどの知恵と技があるのなら、それを教える学校を開いてはどうか」と松陽に提案し、これを実現させるために2人は天照院奈落から脱走することを企てる。
天照院奈落は2人を執拗に追撃し、「もう人を殺めたくない」と考える松陽は朧と共に必死に逃げ回ることとなる。このままでは松陽の夢は永遠に叶えられないと考えた朧は、2人で作った罠で自分ごと追手を殲滅し、命の恩人を送り出す。
「自分の最初の教え子になってくれた朧を、自分の夢のための犠牲にしてしまった」と心痛めつつ、松陽は一番弟子の望むまま追手を振り切って自由を得るのだった。
松下村塾の興亡
その後松陽は、戦場で戦死した兵士から装備を剥ぎ取って生計を立てていた幼い少年を保護し、彼に坂田銀時(さかた ぎんとき)という名をつけて新たな弟子とする。「松下村塾」という私塾を開き、主に農民や下級武士の子に学問と剣術を教え始めると、その評判を聞いた桂小太郎(かつら こたろう)や高杉晋助(たかすぎ しんすけ)といった身分の高い侍の子までもが松下村塾に通うようになる。
銀時たちは松陽を慕い、偉大な師への敬意を日に日に強くしていったが、松陽もまた「与えるつもりで始めたが、自分の方が多くのものをもらっていた」と当時のことを振り返っている。
しかしある時、朧が密かに松下村塾の様子を探りに現れる。松陽の血を与えられたことで仮初の不死を得た彼は、死んでいなければおかしい状況の中でなお生き永らえ、「松陽の夢のために、自分が天照院奈落の中で出世して影響力を獲得し、彼の側に近寄らせないようにする」ことを何年もかけて実現させていた。
それでも師を敬愛する心を抑えられなかった朧は、松陽とその弟子たちを一目見ようと考えるも、楽し気に学ぶ彼らを見て「どうしてあの輪の中に自分はいないのか」との嫉妬に心狂わせる。ついには「師を取り戻そう」と考えた朧が手を回したことで、松陽は言いがかりのような罪で捕らえられ、死罪を申し渡される。
攘夷戦争と“吉田松陽”の終焉
折しも江戸は、天人(あまんと)こと無数の宇宙人たちの開国要求に大いに揺れていた。松陽が捕らえられたのも天人による植民地化政策の一環だと捉えた銀時たち松下村塾の生徒たちは、「天人撃退」を掲げる攘夷志士たちに合流。松陽を助けるため、天人相手の戦争に身を投じる。
「決して自分を助けようとはするな、みんなを守ってくれ」と銀時に言い含めていた松陽は、弟子たちが命懸けで自分を助けようとしていることには気付かないまま、牢獄の中で自身の見張りについていた幼い少女を相手に様々なことを教えていた。天照院奈落の中でも「奈落三羽」と呼ばれる実力者だったこの骸(むくろ)という名の少女は、松陽から学んだことを胸に、自身にできる形で大切な人を守ろうと奮戦していくこととなる。
多くの仲間を失いつつ、銀時、桂、高杉の3人は攘夷戦争の英雄として名を上げていく。しかし最終的には敗れて捕らえられ、銀時は「桂と高杉の命を助ける代わりに、お前が松陽の首を落とせ」と強要される。もはや他に手が無いことを理解した銀時は、彼と交わした約束を守るため涙を流しながら松陽の首を斬り落とす。仕方のないことだと頭では理解しつつ、命に代えても助けたかった恩師を死なせてしまった後悔は銀時たち3人にそれぞれ衝撃を与え、彼らは別々の道を歩んでいく。
一方、首を落とされた松陽だったが、不死者としての特性を発揮して遺体を回収した天照院奈落の前であっさりと復活。しかしこの時には松陽の人格はその心の奥底に封じられており、朧と出会う以前の冷酷な虚の人格が蘇っていた。長過ぎる生に飽きた虚は、「自身の完全な死」を遂げるため、全宇宙をも巻き込む壮大な策謀を進めていく。朧は松陽の人格が虚の中に飲み込まれたことに気付いて衝撃を受けるも、「それでもこの人は自分の命の恩人だ」と彼に尽くしていく。
弟子との再会
虚の計画が宇宙全体をも滅ぼしかねない危険なものであることを知った銀時は、桂や高杉、信女(のぶめ)と名を改めた骸とも協力してこれを打ち破る。天照院奈落の頭領として虚に尽くし続けた朧も倒れるも、最期に弟弟子たちに松陽の救出を託して散る。朧が自分たちの兄弟子であることを知った高杉は、「この男だって松陽を救いたいはずだ」と、彼の血を自分の中に取り入れる。
壮大な計画を叩き潰された虚は、「この敗北は自分の中の吉田松陽と、彼に育てられた弟子たちの力によるもの」だと分析。新たな計画を練る前に、松陽を完全に滅ぼそうと考える。
そのために虚が行ったのは、「朧に与えた血を通して高杉の肉体を乗っ取り、松陽の人格だけを宿した肉体を再生してこれを始末する」という策だった。これは松陽抹殺の直前まではうまくいくものの、師を想う高杉の心と、血を介して彼の内に宿った朧の遺志により失敗。この策のために一時的に不死を失った虚は、「学友にして戦友を斬る苦しみ」を受け入れた銀時によって高杉の肉体ごと倒され、念願の死を迎える。
この時、“松陽の肉体”を作り出すために、虚は地球のアルタナを暴走させていた。松陽は「アルタナに近しい存在である自分なら暴走を止められるかもしれない」と考え、志村新八(しむら しんぱち)や神楽(かぐら)といった今の銀時の仲間たちに支えられつつアルタナを吸い上げる炉心へと向かう。新八と神楽は避難するよう勧められるが、「困っている人がいれば助けて金をもらうのが、銀時が自分たちに教えてくれた万事屋の精神だ」との言葉と共に断られ、同時に弟子が自分亡き後にどのように生きてきたのかを知る。
自身も不死を失ったままアルタナの暴走を阻止せんとする松陽だったが、その肉体はすでに限界を迎えつつあった。新八や神楽に支えられながらアルタナの奔流を受け止め、ついに全員が吹き飛ばされそうになったその時、虚を打ち破った銀時がその場に駆け付ける。
数奇な運命と過酷な戦いの果てに再会した師弟は、わずかな時間の中で言葉を交わす。胸を張って「コイツらと万事屋やってるんだ」と語る銀時を見た松陽は、彼が自分の教えたことをしっかりと自分のものにして周囲に伝え、それが回り回って今この瞬間を作り出したことを理解して感謝と歓喜に静かに心を震わせる。アルタナの暴走を食い止めると、松陽の肉体も細胞の一片に至るまでが消滅し、自身の教えを受け継いだ者たちを守りながら世を去って行った。
吉田松陽(銀魂)の関連人物・キャラクター
虚(うつろ)
500年の時を生きる不死者。宇宙最強と称される男とも互角に渡り合う恐るべき技量と無数の人格を持つ魔人であり、松陽も彼の人格の1つに過ぎない。
ある時、「誰かから奪われ、誰かから奪うことしかしてこなかったが、自分にも誰かに何かを与えることができるのだろうか」との想いを抱き、長過ぎる生の一時の道楽のつもりで松陽の人格を作り出す。復活した後は彼の人格を心の奥底に封じるも、彼の抵抗とその弟子たちによって敗れたことで、「松陽は滅ぼさなければならない」と強い敵意を向けるようになる。
虚(銀魂)の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]
renote.net
虚(うつろ)とは、『銀魂』(ぎんたま)の登場人物で、星の生命エネルギーの奔流「アルタナ」の影響で不死身となり、500年の時を生きる存在。本作最大の敵である。
長い時を生きる中で化け物呼ばわりされ、幾度となく処刑され、その都度復活。苦痛と絶望の中で自我が崩壊するたびに新たな人格を作り出し、“自分を殺そうとする者たち”の技を覚え、人間を超越した魔人へと成長した。主人公坂田銀時の師である吉田松陽も、虚が持つ無数の人格の1つに過ぎない。自身の“確実な死”を求め、宇宙をも道連れにしようと画策した。
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お登勢(おとせ)とは、空知英秋作画による漫画「銀魂」において、主人公・坂田銀時が営む万事屋(よろずや)の大家です。生粋の江戸っ子で、気前がよく、困った人を放っておけない面倒見の良い性格の持ち主。曲がったことが大嫌いで、野暮なことも大嫌いです。行き倒れ寸前の銀時を助けた、命の恩人でもあります。
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坂本辰馬(銀魂)の徹底解説・考察まとめ
坂本辰馬(さかもとたつま)とは、 空知英秋作画の漫画「銀魂」で、主人公坂田銀時が物語中、過去に参加していた攘夷戦争において、「攘夷志士四天王」の一人として銀時、桂、高杉とともに戦った男です。戦を好まず、商い・貿易を通じて自分なりに世界を変えていこうとする坂本のもとには、そのカリスマ性に惹かれて多くの人たちが集まってきます。
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近藤勲(銀魂)の徹底解説・考察まとめ
近藤勲(こんどういさお)は、空知英秋作画の漫画「銀魂」において、江戸に屯所を構える武装警察・真選組の局長を務める人物です。隊士たちからの人望も厚く、頼り甲斐のある大人の男性ですが、一方で志村新八の姉・妙にしつこく言いよるストーカーとしての側面も持っています。その風貌から「ゴリラ」と呼ばれることが多い、筋骨隆々の身長180cmを上回る大男です。
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目次 - Contents
- 吉田松陽(銀魂)の概要
- 吉田松陽(銀魂)のプロフィール・人物像
- 吉田松陽(銀魂)の来歴・活躍
- “吉田松陽”の誕生
- 天照院奈落を離脱
- 松下村塾の興亡
- 攘夷戦争と“吉田松陽”の終焉
- 弟子との再会
- 吉田松陽(銀魂)の関連人物・キャラクター
- 虚(うつろ)
- 坂田銀時(さかた ぎんとき)
- 高杉晋助(たかすぎ しんすけ)
- 桂小太郎(かつら こたろう)
- 朧(おぼろ)
- 吉田松陽(銀魂)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「ずいぶんとかわいい鬼がいたものですね」
- 「剣を私の教え子たちに向けるというのなら、私は本当に国家くらい転覆しても構いませんよ」
- 「ありがとう。そして…すまなかった」
- 吉田松陽(銀魂)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 山寺宏一が吹き替えを担当した実写版の吉田松陽