虚(銀魂)の徹底解説・考察まとめ
虚(うつろ)とは、『銀魂』(ぎんたま)の登場人物で、星の生命エネルギーの奔流「アルタナ」の影響で不死身となり、500年の時を生きる存在。本作最大の敵である。
長い時を生きる中で化け物呼ばわりされ、幾度となく処刑され、その都度復活。苦痛と絶望の中で自我が崩壊するたびに新たな人格を作り出し、“自分を殺そうとする者たち”の技を覚え、人間を超越した魔人へと成長した。主人公坂田銀時の師である吉田松陽も、虚が持つ無数の人格の1つに過ぎない。自身の“確実な死”を求め、宇宙をも道連れにしようと画策した。
虚(銀魂)の概要
虚(うつろ)とは、『銀魂』(ぎんたま)に登場するキャラクターで、星の生命エネルギーの奔流「アルタナ」の影響で不死身となり、500年の時を生きる人物。本作最大最悪にして最強最後の敵である。
長い時を生きる中で化け物呼ばわりされ、幾度となく処刑され、その都度復活。苦痛と絶望の中で自我が崩壊するたびに新たな人格を作り出し、“自分を殺そうとする者たち”の技を覚え、人間を超越した魔人へと成長する。
ある頃から時の権力者に暗殺者として仕えるようになり、人知を超えた技と知識で無数の人々を殺める。そんな日々の中で「誰かから奪われ、誰かから奪うことしかできなかった自分にも、誰かに何かを与えることができるのではないか」との考えに囚われ、温厚で善良な吉田松陽(よしだ しょうよう)の人格を作り出す。それから10数年の間は松陽の人格に肉体を任せ、主人公の坂田銀時(さかた ぎんとき)など何人もの弟子を育てるが、動乱の中で斬首されて死亡。その後火葬される中で落とされた首と肉体がつながり、松陽としての人格を己の奥底に封じ、再び暗殺者としての活動を再開した。
しかしあまりに長く苦痛に満ちた生に飽きた虚は、ただの暗殺者に留まることなく権謀術数を尽くして幕府の実権を掌握。苦痛に満ちた生を終わらせるため、自身の“確実な死”を求めて地球の完全な消滅を画策する。この余波で宇宙全体が滅亡しかねないことを知った銀時とその仲間たちにより野望を阻まれ、不死を失って消滅した。
虚(銀魂)のプロフィール・人物像
CV:山寺宏一/喜多村英梨(少年体)
無情にして冷酷、およそ感情らしいものを感じさせない虚無的な人物。アルタナの影響で500年前に臨まずして不死を獲得し、「化け物」と忌み嫌われ、幾度となく処刑されては復活することを繰り返してきた。悠久の時の中で自分を殺そうとする者の技を見て学んで修得し、苦痛と絶望の中で自我が崩壊するたびに新たな人格を作り出し、作中最強の技量とあらゆる情動の消え失せたかのような言動を備えた魔人と化す。
一時的に姿を消すまでは幕府配下の暗殺組織「天照院奈落」(てんしょういんならく)の頭領として、ただ命じられることを淡々と行い、権力者に無言で従う巨大な装置の歯車のような存在だった。なんらかの気付きや意識の変化があったのか、再び虚として活動を始めるなり「完全なる己の死のために地球を滅ぼす」というおぞましい計画のために宇宙全土を巻き込む謀略を推し進める。
銀時が敬愛し、その命を救うために攘夷戦争に身を投じることとなった吉田松陽こそは、「誰かから奪われ、その次は誰かから奪うことしかしてこなかった自分にも、誰かに何かを与えることができるだろうか」と考えた虚が作り出した、彼の内にある無数の人格の内の1つである。虚は松陽の人格を己の心の奥底に封じているが、完全にその力を奪えたわけではないらしく、たびたび彼の「人を傷つけたくない」との想いに影響されて倒せるはずの敵を見逃す失態を犯している。
松陽だった時の教え子である銀時、桂小太郎(かつら こたろう)、高杉晋助(たかすぎ しんすけ)からは「師の仇」と目され、敵対する関係にある。一方で銀時たちは「どうにかして松陽を救うことはできないか」とギリギリまで葛藤し、これが彼らの決着が長引いた一因ともなった。
虚(銀魂)の来歴・活躍
悠久の苦悩と絶望
経緯も本名も不明ながら、生まれてすぐ星の生命エネルギーアルタナの奔流を浴び、奇跡的な偶然の結果生還。この時に不死を獲得し、成人となって以降は不老となる。
しかし刺されても燃やされても死なない青年の存在は事情を知らない人々からすれば「化け物」でしかなく、幾度となく捕らえられては処刑され、その都度復活。首を落としても首の方から胴体が生えるというデタラメな不死身っぷりにますます人々は戦慄し、彼を迫害して追放して監禁するようになる。隙を見て逃げ出しては行き着いた先でまた恐怖と殺意を向けられ、苦痛と絶望の中で自我の崩壊を繰り返し、新たな人格を作り上げることを重ねていく。
悠久の時の中、いつしか彼は自分を殺そうとする者たちの技を見て学び、これを覚えるようになっていく。かくして不死身の肉体と無数の人格、数百年分の研鑽で身に着けた技を備えた彼は「虚」(うつろ)と呼ばれるようになり、幕府直属の暗殺組織「天照院奈落」(てんしょういんならく)の頭領として暗殺稼業に身を染めていく。
虚が生まれてから500年ほど経った頃、彼は「誰かから奪われ、誰かから奪うことしかしてこなかったが、自分にも誰かに何かを与えることはできるのだろうか」とふと考え、明るく善良な“吉田松陽(よしだ しょうよう)”という人格を作り出す。
吉田松陽とその弟子たち
天照院奈落を離脱
吉田松陽となった虚が最初にしたのは、天導衆からの依頼で襲撃した現場で深手を負って倒れていた少年に自分の血を分け与え、その命を救うことだった。朧(おぼろ)と名乗るようになったその少年は、松陽に深い恩義を感じて彼に尽くすようになる。
“誰かに何かを与える”ために生まれた松陽だったが、この時点ではどのようにしてそれを実行するかまったく考えておらず、「放っておくわけにもいかず連れ帰ってきてしまったが、このままでは朧も暗殺者に、奪う側の人間にされてしまう」と悩むばかりだった。これを見た朧は、「あなたほどの知恵と技があるのなら、それを教える学校を開いてはどうか」と松陽に提案し、これを実現させるために2人は天照院奈落から脱走することを企てる。
天照院奈落は2人を執拗に追撃し、「もう人を殺めたくない」と考える松陽は朧と共に必死に逃げ回ることとなる。このままでは松陽の夢は永遠に叶えられないと考えた朧は、2人で作った罠で自分ごと追手を殲滅し、命の恩人を送り出す。
「自分の最初の教え子になってくれた朧を、自分の夢のための犠牲にしてしまった」と心痛めつつ、松陽は追手を振り切って自由を得る。
松下村塾
その後松陽は、戦場で戦死した兵士から装備を剥ぎ取って生計を立てていた幼い少年を保護し、彼に坂田銀時(さかた ぎんとき)という名をつけて新たな弟子とする。「松下村塾」という私塾を開き、主に農民や下級武士の子に学問と剣術を教え始めると、その評判を聞いた桂小太郎(かつら こたろう)や高杉晋助(たかすぎ しんすけ)といった身分の高い侍の子までもが松下村塾に通うようになる。
銀時たちは松陽を慕い、偉大な師への敬意を日に日に強くしていったが、松陽もまた「与えるつもりで始めたが、自分の方が多くのものをもらっていた」と当時のことを振り返っている。
しかしある時、朧が密かに松下村塾の様子を探りに現れる。松陽の血を与えられたことで仮初の不死を得た彼は、死んでいなければおかしい状況の中でなお生き永らえ、「松陽の夢のために、自分が天照院奈落の中で出世して影響力を獲得し、彼の側に近寄らせないようにする」ことを何年もかけて実現させていた。
それでも師を敬愛する心を抑えられなかった朧は、松陽とその弟子たちを一目見ようと考えるも、楽し気に学ぶ彼らを見て「どうしてあの輪の中に自分はいないのか」との嫉妬に心狂わせる。ついには「師を取り戻そう」と考えた朧が手を回したことで松陽は言いがかりのような罪で捕らえられ、死罪が申し渡される。
攘夷戦争と“吉田松陽”の終焉
折しも江戸は、天人(あまんと)こと無数の宇宙人たちの開国要求に大いに揺れていた。松陽が捕らえられたのも天人による植民地化政策の一環だと捉えた銀時たち松下村塾の生徒たちは、「天人撃退」を掲げる攘夷志士たちに合流。松陽を助けるため、天人相手の戦争に身を投じる。
「決して自分を助けようとはするな、みんなを守ってくれ」と銀時に言い含めていた松陽は、弟子たちが命懸けで自分を助けようとしていることには気付かないまま、牢獄の中で自身の見張りについていた幼い少女を相手に様々なことを教えていた。天照院奈落の中でも「奈落三羽」と呼ばれる実力者だったこの骸(むくろ)という名の少女は、松陽から学んだことを胸に、自身にできる形で大切な人を守ろうと奮戦していくこととなる。
多くの仲間を失いつつ、銀時、桂、高杉の3人は攘夷戦争の英雄として名を上げていく。しかし最終的には敗れて捕らえられ、銀時は「桂と高杉の命を助ける代わりに、お前が松陽の首を落とせ」と強要される。もはや他に手が無いことを理解した銀時は、彼と交わした約束を守るため涙を流しながら松陽の首を斬り落とす。仕方のないことだと頭では理解しつつ、命に代えても助けたかった恩師を死なせてしまった後悔は銀時たち3人にそれぞれ衝撃を与え、彼らは別々の道を歩んでいく。
一方、首を落とされた松陽だったが、不死者としての特性を発揮して遺体を回収した天照院奈落の前であっさりと復活。しかしこの時には松陽の人格は完全に消え失せており、朧と出会う以前の冷酷な虚の人格が蘇っていた。朧は自身の知る松陽とは2度と会えないだろうことに衝撃を受けるも、「それでも自分はこの人に命を救ってもらった」と彼に尽くしていった。
求めるは「完全なる死」
攘夷戦争は攘夷志士側の敗北に終わり、幕府は天人たちの傀儡政権となる。その全てを裏で操っていたのが、天導衆という天人たちによる秘密組織だった。この時天照院奈落は天導衆に組み込まれていたが、虚は権謀術数を尽くしてその幹部となる。
吉田松陽としての人格を封印した虚は、「自身の完全な死」を求めるようになっていた。地球のアルタナがある限り、完全な形で自分が死ぬことはないと知っていた虚は、「地球の完全消滅」を目的に暗躍。それは結果として宇宙全体に壊滅の危機を招くものでもあったが、虚にとってはどうでもいいことだった。
信女(のぶめ)と名前を変えた骸は、天導衆と天照院奈落の排除を目指して遠大な計画を進める男と行動を共にするようになっていた。これに気付いた虚は先んじて彼らを討ち果たすべく自ら出陣するも、ここに銀時が立ちはだかる。信女たちの計画に関わっていた彼は、虚の圧倒的な力に苦戦するも仲間と共にこれを耐え凌ぐ。
虚の中に残っていた松陽としての人格が銀時の殺害に抵抗したこと、一緒に連れてきた部下が壊滅的な打撃を受けたこともあり、「この程度ならいつでも殺せる」と判断した虚は、銀時たちにトドメを刺さずに撤退。地球消滅のための次の作戦の準備に取り掛かる。
宇宙最強の男との戦い
その後虚は宇宙海賊「春雨」(はるさめ)の艦隊を奪取し、さらには自身の不死を餌に天導衆の幹部を篭絡。事実上天導衆を牛耳り、地球以外の星のアルタナの管理権を奪い、地球消滅の準備を整えていく。
これらの陽動として、烙陽(らくよう)と呼ばれる惑星を訪れ、銀時たちと交戦。この時、虚は銀時と縁があり“宇宙最強”とも呼ばれる星海坊主(うみぼうず)という男と立ち合い、これを打ち破っている。
星海坊主もまた恐るべき実力者であり、虚にとってもこれほどの猛者を相手にしたのは初めてのことだった。互いに命懸けの手段を用いて相手を殺そうと力を尽くし、その不死性を活用して虚の側が勝利するという内容で、皮肉を交えつつ星海坊主の強さを称えている。
この戦いには朧も参戦し、高杉を相手に最後の戦いを繰り広げた。すでに彼の中の不死の血は尽きかけており、これまで幾度も致命傷を負ってきた反動でその体も朽ちようとしていた。高杉に敗れた朧は、自身が高杉たちの兄弟子であることを明かし、「松陽を救ってくれ」と言い残して息を引き取る。
地球のアルタナの中に消える
全ての準備を整えた虚は、いよいよ地球の消滅作戦を実行に移す。地球と宇宙の星々のアルタナを共鳴させてその全てを滅ぼすというもので、完全に実行されれば宇宙の全てが壊滅しかねない暴挙だった。
銀時たちは仲間と共に奮戦し、天照院奈落の生き残りや春雨の宇宙海賊たちを相手に大立ち回りを演じる。彼らを排除しないことには計画は進められないと判断した虚は、いよいよ決着をつけるべく銀時の前に姿を現す。
圧倒的な実力で銀時たちを蹴散らしていく虚だったが、攘夷戦争が終わってから様々な形で松陽の教えを実践してきた銀時は、数えきれないほど多くの人々と強い絆を育んでいた。「地球の危機で銀時のピンチ」と判断した彼らは次から次に彼の応援に駆け付け、勝てぬと分かっていながらも虚に挑み続ける。彼らの奮闘により、ついには計画の要だったアルタナの暴走までもが収まり始め、虚は愕然としながら「どうして失敗したのか、何が敗因だったのか」に思い巡らせる。
ここぞとばかりに斬りかかった銀時たちにより、虚はアルタナの奔流の中に没する。虚を飲み込んだアルタナは完全に安定し、地球と宇宙は壊滅の危機を脱するのだった。
不死の怪物の最期
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佐々木異三郎(ささきいさぶろう)は、空知英秋作画の漫画「銀魂」に登場する特殊武装警察・見廻組の局長。名家に生まれ、文武両道、隙のない人物ですが、冷たく傲慢な性格で威圧感を漂わせています。真選組創立に深くかかわった人物であり、実は心に癒しがたい傷を負っていることがわかってくると印象がぐっと変化するキャラクターです。
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神楽(銀魂)の徹底解説・考察まとめ
神楽(かぐら)は、空知英秋作画の漫画「銀魂」で、主人公坂田銀時が営む万事屋に、強引に押しかける形で住み込み、万事屋の仕事を手伝うことになった少女です。夜兎という宇宙最強の傭兵部族の一人で、細い体からは信じられないような怪力と、驚くべき食欲の持ち主。赤い髪、青い瞳、真っ白な肌が特徴で、日焼けが苦手なため日向では常に傘をさしています。
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お登勢(銀魂)の徹底解説・考察まとめ
お登勢(おとせ)とは、空知英秋作画による漫画「銀魂」において、主人公・坂田銀時が営む万事屋(よろずや)の大家です。生粋の江戸っ子で、気前がよく、困った人を放っておけない面倒見の良い性格の持ち主。曲がったことが大嫌いで、野暮なことも大嫌いです。行き倒れ寸前の銀時を助けた、命の恩人でもあります。
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坂本辰馬(銀魂)の徹底解説・考察まとめ
坂本辰馬(さかもとたつま)とは、 空知英秋作画の漫画「銀魂」で、主人公坂田銀時が物語中、過去に参加していた攘夷戦争において、「攘夷志士四天王」の一人として銀時、桂、高杉とともに戦った男です。戦を好まず、商い・貿易を通じて自分なりに世界を変えていこうとする坂本のもとには、そのカリスマ性に惹かれて多くの人たちが集まってきます。
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近藤勲(銀魂)の徹底解説・考察まとめ
近藤勲(こんどういさお)は、空知英秋作画の漫画「銀魂」において、江戸に屯所を構える武装警察・真選組の局長を務める人物です。隊士たちからの人望も厚く、頼り甲斐のある大人の男性ですが、一方で志村新八の姉・妙にしつこく言いよるストーカーとしての側面も持っています。その風貌から「ゴリラ」と呼ばれることが多い、筋骨隆々の身長180cmを上回る大男です。
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目次 - Contents
- 虚(銀魂)の概要
- 虚(銀魂)のプロフィール・人物像
- 虚(銀魂)の来歴・活躍
- 悠久の苦悩と絶望
- 吉田松陽とその弟子たち
- 天照院奈落を離脱
- 松下村塾
- 攘夷戦争と“吉田松陽”の終焉
- 求めるは「完全なる死」
- 宇宙最強の男との戦い
- 地球のアルタナの中に消える
- 不死の怪物の最期
- 虚(銀魂)の関連人物・キャラクター
- 吉田松陽(よしだ しょうよう)
- 坂田銀時(さかた ぎんとき)
- 高杉晋助(たかすぎ しんすけ)
- 桂小太郎(かつら こたろう)
- 朧(おぼろ)
- 虚(銀魂)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「君の剣は私には届かない」
- 「やっぱりアナタでも私は殺せませんでしたか」
- 「この星を滅ぼさない限り、私は倒れることはない」
- 虚(銀魂)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 虚の刀の鍔は上から見ても下から見ても卍型