破裏拳ポリマー(新破裏拳ポリマー)のネタバレ解説・考察まとめ

『破裏拳ポリマー』とは、1974年から1975年に放送されていたアニメ・映像作品。タツノコSFアクションヒーロー、3作目にあたる。舞台は、無国籍都市アメホン国ワシンキョウ市。主人公・鎧武士が赤いスーツを身にまとい、「破裏拳流」を使うヒーロー・破裏拳ポリマーとなって怪人と戦う姿を描いている。コメディタッチな作風とカンフーを彷彿とさせる激しいアクションは、時代を超えても色褪せることはない。ポリマーの決め台詞は「この世に悪のある限り、正義の怒りが俺を呼ぶ!破裏拳ポリマー、ここに参上!」。

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ポリマーの大ピンチを救ったヒロイン

警察や軍隊でも敵わない怪人組織を体1つで撃退する、絶対無敵のポリマー。しかし9話では猫魔団が開発した「エレマジックマシン」によりエネルギーを吸われ、転身解除寸前まで追い込まれてしまった。彼の窮地を救ったのは、一緒に猫魔団のアジトに潜入していた南波テルである。

テルは履いていた靴のヒールに仕込まれた爆弾を投げて、エレマジックマシンを爆破。周りにいた猫魔団員達を一掃し、ポリマーの危機を救い出したのだった。ヒーロー顔負け、ヒロイン大活躍の名シーンである。

悲劇的な結末

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クレパスに落ちてしまったホワイトウルフを助けようとしたポリマー。しかしホワイトウルフは自らの罪を悔い、悲劇的な最期を迎える。

どんな凶悪犯であっても、命を奪うことは絶対にしなかったポリマー。最終的には警察へと引き渡し、事件は一件落着となる。しかし、11話のホワイトウルフに関しては残念な結末に終わった。

ホワイトウルフはポリマーの正体を探るため、オニトラや車探偵長に罠を仕掛ける。武士は車探偵長を追跡し、独自にホワイトウルフの調査を進めていた。ホワイトウルフは世界征服を企むため、狼型のロボットを製造。さらにポリマーのロボットも生み出し、力を追い求めていたのだ。そんな野望をポリマーは許すはずもなく、瞬く間に世界征服の夢は潰える。

ホワイトウルフはクレパスに落ちて、絶体絶命の大ピンチ。ポリマーは彼を助けようと、手を差し伸べる。しかしホワイトウルフにクレパスをよじ登るだけの気力は残っておらず、自らの過ちを悔いるだけ。罪を償うために、ホワイトウルフはポリマーの手を払いのけたのだった。

『破裏拳ポリマー』は全体的に明るい作風で、見るだけでも元気がもらえるアニメである。ところが11話のラストだけは、ポリマーにとっても視聴者にとっても、後味の悪い結末であった。

忠犬男爵

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限界を超えて倒れてしまった武士。彼を助けたのは、唯一ポリマーの正体を知る忠犬男爵。

一軍隊をも殲滅できるほど強力な怪人組織が相手でも、ポリマーの敵ではない。しかし無敵のポリマーであっても、生命の危機に陥ったことがある。たった1人で戦うポリマーの命を救った者こそが、車探偵事務所で飼われている犬の男爵である。

冷凍魔・コーリーが出す冷気は、ポリマーの弱点だ。一度冷気を浴びてしまうと転身解除どころか、体に大きな損壊を与えてしまいかねない。ポリマーは本当の意味で命を懸けてコーリーに戦いに挑み、辛うじて勝利を掴み取った。しかしポリマーは満身創痍となり、武士に戻った途端に倒れてしまった。絶体絶命の武士を救った者こそが、忠犬男爵である。

男爵はポリマーの正体が武士であると、すでに知っている。普段は少々頼りない犬ではあるが、元警察犬だけあって武士の危機をいち早くキャッチ。彼は自らの体を使い、武士の体を温めた。男爵がいなければ、武士の命はなかったかもしれない。男爵の忠犬っぷりが分かる名シーンである。

劇的な親子の再会

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25話かけてようやく実現した親子の再会。

『破裏拳ポリマー』の物語を語る上で、外せないのは鬼河原親子の再会であろう。武士とオニトラの鬼河原親子は、事あるごとに事件現場に遭遇していた。もし事件現場で親子が遭遇すれば、武士は強制的に家に帰される。そこで武士はオニトラに見つからないように、こそこそと隠れていた。

勘当したとはいえ、息子が気になって仕方がないオニトラは車探偵長に、「写真に写っている重要手配犯を探すように」と人探しを依頼する。写真に写っていたのは、車探偵事務所で働く鎧武士本人である。「よくも騙してくれたな」と、車探偵長は武士を拘束。そのまま警察へ連絡を入れた。

車探偵長からの連絡を受けて、オニトラは探偵事務所へ。武士は車探偵長に拘束された状態のまま、父と久しぶりの再会を果たしたのだった。2人の間にしばらく沈黙が続いたあと、オニトラはその場で土下座。さらに、頼りない青年だった鎧武士の正体がオニトラの息子と知り、探偵事務所の面々はビックリ仰天。ポリマーの正体を知っていた男爵すらも、知らなかった事実である。

25話かけて、ようやく親子再会を果たす。表に出ることがなかったオニトラの感情、反発しつつも親を思う武士の思いは、視聴者の胸を熱くした。

『破裏拳ポリマー(新破裏拳ポリマー)』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ポリマーのモデルはブルース・リー

主人公のモデルになったブルース・リー

『破裏拳ポリマー』が放送されていた1974年には、全世界でカンフーが大ブーム。ブームを牽引していたブルース・リーの存在は、日本のエンタメにも大きく影響を与えた。ポリマーが出す怪鳥音やカンフーアクションの、元ネタとなっている。

ブルース・リーは一時期はハリウッドでも活躍しており、数々の海外ドラマに出演している。彼の名前が一躍有名になったのは、ドラマ『グリーンホーネット』であろう。準主役の立ち位置で、切れのあるアクションを披露していた。彼の名前が世界的なものになったのは、アメリカから香港に帰ってからだ。『ドラゴン危機一髪』が香港で公開されると、猛烈な大ヒットとなった。

ブルース・リーの映画は日本でも話題になり、映画『ドラゴン危機一髪』は1974年日本国内における映画興行収入ランキング2位を獲得。同年興行収入ランキングにおいて、ベスト10内にブルース・リー映画が3作品ランクインするほどの人気となった。

鎧武士の声を演じた声優・役者は6人

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アニメ「破裏拳ポリマー」で主人公の声を担当した曽我部和恭。曽我部和恭は声優の傍ら、ミュージシャンとしても活躍。声優バンド「スラップスティック」でギターを担当していたことも。

『破裏拳ポリマー』の主人公である鎧武士を演じた声優や役者は、6人いる。

1974年放送のオリジナルで声を演じたのは、曽我部和恭だ。1973年に声優デビューを果たし、端役を務める。『破裏拳ポリマー』で初出演を果たし、人気声優の仲間入りとなった。演技幅は広く、ヒーロー・悪役・イケメン・三枚目も器用に演じた。2006年に58歳という若さで亡くなられてしまったが、彼が演じたキャラクターは永遠に不滅だ。

1996年制作のOVA版で、主人公を演じたのは置鮎龍太郎だ。置鮎龍太郎は、曽我部和恭が演じていた他のキャラも担当。声質は違うが彼も演技幅が広い声優で、ヒーロー役から悪役までこなせる人物である。

2001年には『HURRICANE POLYMER』というタイトルで、俳優の宮内大主演で実写化。なお映像作品ではなくコンテンツ素材として制作されたものになるため、一般公開はされていない。

視聴できるコンテンツとしては、2017年公開の実写映画『破裏拳ポリマー』がある。鎧武士を演じたのは、人気俳優の溝端淳平。自身初の本格アクション映画だったため話題となっていた。

同年には『Infini-T Force』のタイトルで、3DCGアニメが制作。タツノコヒーローが多く登場するアニメ作品で、ポリマーはメインキャラクターとして活躍した。デザインは74年オリジナル版とは別物だが、声を担当した鈴村健一の熱演で魅力あるキャラに仕上がっている。

ポリマーは、Wiiゲームソフト『タツノコ VS. CAPCOM CROSS GENERATION OF HEROES』にも登場。声を担当したのは、声優の安井邦彦である。

『破裏拳ポリマー(新破裏拳ポリマー)』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):ささきいさお、コロムビアゆりかご会「戦え!ポリマー」

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イントロで流れる、ささきいさおの「ハ・リ・拳・ポリマー!」の叫び声が印象的な楽曲だ。曲はOPだけでなく、ポリマーと怪人組織のバトルシーンでも流れる。

ED(エンディング):ささきいさお、コロムビアゆりかご会「転身ポリマー」

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