九龍妖魔學園紀(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『九龍妖魔學園紀』とは、株式会社アトラスより発売された「學園ジュブナイル伝奇」と銘打たれたゲームソフトおよびそれをもとに展開するゲームシリーズやグッズの事である。制作自体は、株式会社シャウトデザインワークスが担当しており、同社の代表作『東京魔人學園伝奇シリーズ』にて使用されている独自のシステム・感情入力システムを用いたアドベンチャーゲームとなっている。宝探し屋である主人公・葉佩九龍(はばき くろう)が、新宿にある学園「天香学園」(かみよしがくえん)に眠る秘宝を探すストーリーとなっている。

アイテム整理ができる画面。画面右の列の下2つの枠が、防具装備の枠となっている。

『九龍妖魔學園紀』では、一度に2つまでの防具を着用できる。防具には耐久性の上昇はもちろんのこと、特定の状態異常を無効化するものや戦闘中の行動回数を示すAPの数値をあげられるものもある。ものによっては、探索パート中に使用するアイテム・H.A.N.T(ハント)の仕様に影響を与えるアイテムもある。防具は防具らしいアイテムもあれば、カーテンや百科事典など本当に防具として使えるのか不明なものまで存在している。防具をゲットするには遺跡内にある壺型の宝箱から、フリータイム中に学園内にて奪取するかの方法で入手できる。

回復アイテム

アイテム一覧の画面。画面左の縦列に並んでいるのが、回復アイテム。

『九龍妖魔學園紀』では、飲食類が回復アイテムとなっている。購買で購入できるものもあれば、九龍自身がアイテムを調合してしか生み出せない回復アイテムもある。回復の値としては、調合で生み出すもののほうが高い場合がある。また体力の回復のみならず、状態異常の治療や戦闘中の行動回数を示すAPの値を回復させるものもある。また一部の料理アイテムは、交流可能なキャラクター達にあげると好感度をあげられるものがある。

H.A.N.T(ハント)

H.A.N.Tのメインメニュー画面。

ロゼッタ協会から宝探し屋に支給されるアイテム。遺跡探索・戦闘時の自身の体力や敵の状態・弱点の確認といったものに加え、日常パートでも仲間達とのメールのやり取りをする際に使用されたりする。その他、ゲームシステムに関する情報が記載された「ヘルプ」の確認を出来たりする。

プリクラ

遺跡を探索できるメンバーのプロフィールとプリクラが貼られた、プリクラ帳の画面。

主人公が仲間として、戦闘に連れていける相手を獲得した際に、相手から貰うアイテム。貰ったプリクラは専用のプリクラ帳に貼られる。遺跡探索前に、このプリクラ帳を使って連絡の取れるメンバーから探索につれていく者を選ぶ。またプリクラをくれた相手のプロフィールが書かれており、フリータイム時に好物の欄に書かれたものをあげると好感度を上昇できるシステムも存在する。

秘宝

遺跡の中には、『九龍妖魔學園紀』の目標である秘宝以外にもさまざまな秘宝が眠っている。これらの秘宝は、遺跡内に点在する謎を解くのに活用される。秘宝は、宝箱からや専用の謎を解くことで入手できる。

『九龍妖魔學園紀』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

取手鎌治「君の進む先に僕が道を作ってあげるよ」

『九龍妖魔學園紀』の戦闘画面。画面下のアイコンが連れて行る仲間のもので、戦闘中や探索中に喋りかけてくれる場合がある。

『九龍妖魔學園紀』では、本編外に戦闘中でしか聞けないセリフが複数存在する。その1つが「君の進む先に僕が道を作ってあげるよ。」というセリフである。これは、初期の方で条件さえクリアすれば仲間にできるキャラクター・取手鎌治のボイスだ。彼を連れて遺跡を探索したり敵と戦闘したりする事で聞けるセリフとなっている。本作では、もともとは敵であった者達が九龍との会話や戦闘を通して最終的に仲間になる場合が多く、鎌治はそうした流れで仲間になる1番最初のキャラクターだ。かつて敵として主人公の前に立ちはだかっていた相手が、今は仲間として主人公の行く先を切り開こうとする姿勢を見せる様は、プレイヤーからすれば胸が熱くなる嬉しいセリフだといえる。ジュブナイル学園ものと銘打ってるだけある、キャラクター同士の友情・絆といったものを感じられる名セリフであり、名演出だ。

八千穂明日香「この三ヶ月、毎日がドキドキの連続だった。こんな体験、しようと思ったって、でいないよッ。キミと知り合えて、本当によかった」

最終決戦前の自由時間にて聞ける八千穂のセリフ。自由に天香学園内を歩ける最後のフリータイムでは、これまで出会ってきた仲間達全員と会話をする事が可能となっている。その際に八千穂に話しかけると、「この三ヶ月、毎日がドキドキの連続だった。こんな体験、しようと思ったって、でいないよッ。キミと知り合えて、本当によかった」といったセリフを聞く事ができる。特段ひねりのないストレートな言葉で述べられる内容は、無邪気で陽気な八千穂というキャラクターらしいラストのセリフだといえる。また物語序盤から仲間であった彼女から出会ったことへの感謝を伝えられることで、これまでのプレイに対する感慨深さが感じられる作りとなっている。本作を楽しんで遊ぶ事ができたプレイヤーであればあるほど、「それはこちらのセリフ」と言いたくなる言葉だといえる。八千穂らしさを感じるセリフであると同時に、これまでのプレイの日々を思い出して胸が熱くなる名セリフだ。

皆守甲太郎「だから、お前も忘れるな。俺が、ここでお前と共に在った事を」

『九龍妖魔學園紀』では、好感度の1番高いキャラクターとクリスマスを過ごせるイベントが存在する。「だから、お前も忘れるな。俺が、ここでお前と共に在った事を」という皆守のセリフは、彼とクリスマスを過ごす際に聞く事ができるセリフとなっている。
一見すると、これまでの九龍と過ごしてきた日々を思い返すようなセリフと取れるが、皆守の正体が生徒会副会長であると知った後で聞くとまた意味が異なって聞こえるセリフとなる。このセリフを述べた時点で、皆守は九龍には己の正体を告げていない。だが、思い出を振り返るにしてはやけに重たい空気をまとっているように感じられるセリフである事から、この言葉を目にしたプレイヤーの多くが感動しつつも何かそれだけではない不安を覚えた。実際この後に皆守は、遺跡を守る生徒会としての最後の責任を果たす為に、最終決戦後の崩れゆくダンジョンの中に阿門と残ろうとする。九龍が遺跡の秘密を暴いた後に、ダンジョンがこうなる事は最初から決まっていたようなものなので、このセリフを述べた時点で皆守は生徒会としての覚悟を決めていた事になる。また、遺跡が崩れそうになった際に小夜子と真夕子の力によって九龍達が救出されるシーンで終わる本編が、遺跡に残る事を選んだ阿門と皆守も救ってくれたのかは不明な終わり方となっており、見方によっては、皆守を助けられずに終わった印象を覚えてしまう展開となっている。そのため、これまで共に過ごした日々を忘れるなと懇願するような皆守のこのセリフは、多くのプレイヤーの心にトラウマを植え付けた名フラグ・名シーンとなった。

『九龍妖魔學園紀』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

okazoodd
okazoodd
@okazoodd

目次 - Contents