九龍妖魔學園紀(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『九龍妖魔學園紀』とは、株式会社アトラスより発売された「學園ジュブナイル伝奇」と銘打たれたゲームソフトおよびそれをもとに展開するゲームシリーズやグッズの事である。制作自体は、株式会社シャウトデザインワークスが担当しており、同社の代表作『東京魔人學園伝奇シリーズ』にて使用されている独自のシステム・感情入力システムを用いたアドベンチャーゲームとなっている。宝探し屋である主人公・葉佩九龍(はばき くろう)が、新宿にある学園「天香学園」(かみよしがくえん)に眠る秘宝を探すストーリーとなっている。

10th. Discovery「七瀬ふたたび」

白岐と咲重の件からしばらくしたある朝、九龍は七瀬から「誰かから呼ばれている気がする」「不安だから瑞麗先生のところに行きたいのでついてきてくれないか」と頼まれる。さらに学園へ行くと、生徒会会計の神鳳充(かんどり みつる)が弓道部の部室が荒らされている事に気づき、それについて調べているところと遭遇する。とりあえず九龍は七瀬と共に瑞麗のもとへ向かう。瑞麗は七瀬のそれが、霊的な現象の可能性があると診断。手立てはないようで、ひとまずは様子見という事で落ち着く。帰り道、2人は夕薙と出会う。3人は月魅の提案で、図書室で遺跡に関する話しをする事になる。その結果、あの遺跡は日本の神話にまつわる秘密が隠されて居る可能性が浮上する。だが、その秘密が何かまでは判明しなかった。その後2人と別れた九龍の前に小夜子と真夕子が現れ、「次の墓守が九龍を狙っている」と告げてくる。するとその日の午後、突如九龍が周囲の生徒達から敵意を向けられる事件が起こる。ひとまず九龍がその場から逃げると、現れた小夜子と真夕子から何者かに憑かれた七瀬が「鍵」を探している事を教えられる。九龍が七瀬のもとへ駆けつけると、そこへ神鳳も現れる。生まれつき霊能力を持っていた神鳳は、その力を使って七瀬に憑いていたものを剥がす。神鳳はその後、原因が遺跡にあると察して遺跡へ向かう。九龍はその晩も、仲間達と共に遺跡を探索する。すると遺跡内で神鳳と出会う。神鳳は生徒会役員として、これ以上九龍に遺跡を探索させない為に九龍に戦いを挑む。だが九龍に敗北し、黒い砂をその体から溢れさせる。九龍達は砂の中から現れた化人・八俣遠呂智(やまたのおろち)と戦う。九龍が八俣遠呂智を倒した事で神鳳は自分の負を認めるが、その時、七瀬に憑いていた者が彼に取り憑く。その者は自らを荒神・アラハバキと名乗り、九龍が探している宝によって遺跡に封印されている事を明かす。するとそこへ突如夕薙が現れ、九龍の秘宝を自分に寄越すように言う。九龍はそれを止める為、夕薙と戦う羽目になる。どうにか夕薙に勝った九龍に、アラハバキは「鍵を探せ」と告げ、その場を去る。
夕薙と神鳳を連れて外に出た九龍達は、夕薙が月光を浴びると老いる奇病を発症している事を知る。老いた彼は、墓守の老人その人だった。彼は奇病を直す方法を探す為、遺跡を探索していたのだ。そのまま夕薙が倒れてしまった為、九龍達はひとまず彼を寮に連れて帰る。

11th. Discovery「ねらわれた学園」

夕薙を寮へ連れて帰った九龍達は、瑞麗に彼の具合を見てもらう。さらにそこで意識を取り戻した夕薙から九龍は、喪部が日本神話にてとある一族を衰退に追いやった神・饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫・物部(もののべ)と名が似ている事が気になるという話をされる。遺跡が日本神話に関わっている事もあり、九龍はなんらかの意味があるのかもしれないとその話を覚えておく。そうして彼の部屋を後にしたようとした時、神鳳から生徒会副会長補佐の夷澤凍也(いざわ とうや)に気をつけるようにと忠告をされる。
翌朝九龍が学園へ行くと、いつの間にか生徒会と仲良くなっていた事もあってか、周囲から「凄い生徒」だと噂されるようになっていた。するとその日の午後、九龍はいじめられていたクラスメイトを守るため、いじめていた相手をボコボコにしている夷澤と遭遇する。九龍はやり過ぎだと彼を止めるが、それが夷澤の癇に障ったらしく、逆に喧嘩を売られてしまう。なんとか穏便に夷澤と別れた九龍は、瑞麗に呼び出されていた為保健室へ向かう。そこで彼は瑞麗が自分の正体に気づいている事、さらに自分の正体がM+M機関という怪異の退散などを生業としている組織の一員である事を明かす。本来ならM+M機関はロゼッタ協会とは敵対している組織だが、九龍自身を信頼して明かす事を決めたようだった。
さらにその晩、九龍は咲重に呼ばれ、彼女からアラハバキが求めている「鍵」の話をされる。だがそこへ、ファントムが現れる。そして鍵の在り処を咲重から聞き出そうとする。咲重がそれを拒んでいると、そこへ阿門が現れる。そして咲重を助ける為に「鍵」をファントムへ渡してしまう。
2人と別れた九龍は、仲間達と共に遺跡へ向かう。そして新たに解放された遺跡の一角の奥で、ファントムと戦闘をする。九龍がどうにかファントムに勝利すると、外れた仮面の下から夷澤の顔が現れる。実はファントムは、アラハバキの思念に操られていた夷澤だった。操られていた自分を恥じた夷澤は、それを目にした九龍達を消そうとする。だが九龍達に敗れてしまう。その後、黒い砂が彼から溢れだし、そこから化人・邇邇芸(ににぎ)が現れる。九龍達は邇邇芸と戦闘を行う。激闘の末、邇邇芸に九龍達が勝利した事で、夷澤は己が負けた事を認める。

12th. Discovery「夕ばえ作戦」

夷澤の事件からしばらくした後、九龍は夷澤から友人の響五葉の様子がおかしいと告げられる。自分が操られていた事もあり、響も同じ目にあっているのではないかと考えている様子だった。その日の午後、九龍は「自分は強くなった」と言い張って阿門に戦いを挑む響の姿を目にする事になる。生まれつき、声を衝撃波として使う事ができていた響。彼いわく以前ファントムに「学園を変える力がある」と言われたとの事で、己の強さを証明しようと阿門に挑んだという。だが阿門は響の衝撃波をものともせずに彼を倒してしまう。阿門は響を連れて九龍の前から去る。
さらにその後、秘宝を狙った《秘宝の夜明け》が学園を占拠する事件が発生する。《秘宝の夜明け》を率いるメンバーの中には喪部もいたが、殺戮がしたいもう1人のリーダー格とは相性がよくないらしく、作戦に乗り気な様子ではなかった。その後《秘宝の夜明け》のメンバーは、生徒会と生徒会執行委員達によって早々に撃破される。しかし喪部とリーダー格は、秘宝を求めて遺跡へ向かってしまう。その晩、九龍は仲間達と共に喪部の後を追うように遺跡へ向かう。新たに解放された遺跡の一角の奥で、九龍達は《秘宝の夜明け》のリーダー格と戦う。九龍達が彼を負かした直後、喪部がリーダー格を撃ち殺す。喪部は《秘宝の夜明け》の情報ネットワークと総統が持つ資産を狙っており、その計画を遂行する為にこのリーダー格を殺したという。そして自身の秘密を知った九龍達の事も抹殺しようと、襲いかかってくる。どうにか彼に九龍が勝つと、分が悪いと判断した喪部はその場を逃亡。そのまま学園を去る。
九龍達が遺跡から出ると、そこには阿門が待っていた。そこで九龍は「鍵など本当は存在していない」事を、彼から教えられる。さらに阿門が去った直後、九龍のもとに白岐から「(学園内にある)温室で待っている」というメールが入る。

Last Discovery「暁はただ銀色」

白岐に呼び出された九龍。そこで彼を待っていたのは、かつて遺跡の奥にアラハバキを封印した巫女だった。白岐の体を借りて九龍に話しかけてきた彼女いわく、太古の時代日本で行われた大和朝廷と東北人の蝦夷(えみし)の戦いの末、朝廷側が敗北した蝦夷を使った実験を行っていたという。その結果、遺伝子が改造され「化人」という化物が生まれてしまう。さらに蝦夷のリーダー・ナガスネヒコが予想外の力をつけ、自身を荒神・アラハバキだと思い込むようになる。研究者達は彼を施設ごと封印。その際に使った鍵を、ある巫女の体に封印する。それが「封印の巫女」であり、白岐は彼女の末裔にあたる少女だったのだ。巫女は九龍に、再びアラハバキを封印するには彼と共に封印されている「九龍の秘宝」が必要だと告げる。だがその時、アラハバキの思念が現れ、白岐に施されていた封印を解いてしまう。倒れた白岐は、隠していた武器・黄金剣を九龍に託して気を失う。九龍は準備を行った後、仲間達と共に遺跡奥にいるアラハバキに戦いを挑みに行く。だがその前に立ちはだかったのは、皆守だった。実は皆守は生徒会副会長であり、九龍と敵対する間柄だったのだ。かつての仲間との戦いを余儀なくされる九龍。それでもどうにか彼に勝つ事ができた九龍は、皆守も仲間だと彼を一緒に最終決戦へ連れていく事を決める。すでに九龍に絆されていた皆守は、彼と共に遺跡の奥へ向かう。するとその先で彼らは、白岐を使ってアラハバキを封印しようとしていた阿門と遭遇する。最後の生徒会役員である阿門と戦う事になる九龍達。どうにか勝利を収めるも、阿門は無理やり連れてきていた白岐を使って、アラハバキを封印しようと試みる。だが封印はできず、さらに九龍の秘宝もその場になかった為、アラハバキは蘇ってしまう。九龍はアラハバキとの戦闘を開始。激闘の末、彼を無事に倒す。すると、アラハバキを封印する機能を失った遺跡が崩壊し始める。九龍は皆と共に脱出しようとするが、阿門と皆守は自分達が犯してきた罪の償いとしてこのまま遺跡に残る事を決めてしまう。だがその時、小夜子と真夕子が現れ、「学園のこれからに貴方達が必要だ」と自分達の力を使い、九龍達を遺跡の外へと逃がすのだった。

『九龍妖魔學園紀』の登場人物・キャラクター

主要人物

葉佩九龍(はばき くろう)

『九龍妖魔學園紀 re:charg』のゲームパッケージ。真ん中にいるのが主人公の葉佩九龍。

主人公。宝探し屋の協会・ロゼッタ協会所属のハンターで、協会の命により天香学園にある秘宝を探すことになる。「才能溢れる若きトレジャーハンター」という情報以外は不明。超能力などの特殊な力はないが、さまざまな武器が扱える事や遺跡内にいる化人や魔物と同等渡り合えることから、身体能力はとても高い事が見受けられる。
性別は男性で固定だが、名前は変更可能。デフォルト名で行く場合は、好感度のあがったキャラから、「九ちゃん」や「はっちゃん」というあだ名で呼ばれるようになる。また年齢、誕生日、視力、得意科目といった細かいプロフィールも自由に決められる。特に得意科目や所属クラブは、ゲームは戦闘や探索パートで必要なステータスに能力に反映されるものもある。

八千穂明日香(やちほ あすか)

CV:今泉文乃
天香学園、3年C組所属の少女。同じクラス所属の九龍とはクラスメイトの関係にあたる。天香学園に来て、一番最初に仲間(バディ)になるキャラクターである。数少ない、無条件で仲間になってくれるプレイキャラクターでもある。愛称は「やっちー」。4月29日生まれのO型で、好物はハンバーガー。明るく人懐っこい少女で、転校初日の九龍に対しても物怖じせずに声をかけきた。
部活動はテニス部に所属。武器もその設定を活かしてか、ラケットとボールとなっている。スマッシュをくり出して、目の前の敵を倒すことができる。その他にも、敵からの射撃攻撃を反射することも可能。攻撃の範囲は八千穂のレベルがあがる度に前方への攻撃距離が長くなる。とはいえ、彼女の部活の監督いわく、テニスプレイヤーとしては一般的なレベルとのことで、仲間内でも1番一般人に近いキャラクターとなっている。
仲間として連れて行った場合は、生命・身体・直感のステータスが+10、ジャンプ力に補正になる。代わりに、知性が-5になる。ただ、知性は後に加入可能となる知性を補正する仲間を連れて行けば、減った分のステータスをカバーできる。またジャンプ力が補正されていることで、長距離を飛ばないと入手できないアイテムの入手が可能となっている。

皆守甲太郎(みなかみ こうたろう)

CV:浜田賢二
天香学園、3年C組所属の少年。九龍・八千穂とはクラスメイトの関係にあたる。八千穂同様に、無条件で仲間になる数少ないキャラクター。八千穂の次に仲間入りをする。誕生日は4月12日、血液型はB型。部活は帰宅部である。好物はカレーで、作中でも事ある毎にカレーの素晴らしさを説いてくる。気だるげな雰囲気の少年で、めんどくさがりな面がある。常に、ラベンダーの香りのアロマを吸っており、戦闘中の武器もこのアロマとなっている。アロマを吸う事で、彼自身が持つもう1つのスキル「うとうとする」(敵からの正面攻撃を回避できる)の発生率をあげる事ができる。ステータス補正は、洞察を+15、敏捷とAP(アビリティパワー)を+20、さらに虫と獣型の化人に有効なステータス生物に+5の上昇を与えてくれる。音属性の攻撃を仕掛けてくる敵への耐久性にあたるステータス・音楽が-5になるが、音属性の攻撃を仕掛けてくる敵がいるところで仲間にいれなければ特に問題はない。
怠惰的ではあるものの面倒見はよいらしく、転校初日から学園地下にある遺跡の謎を暴こうとする九龍、そして彼についていく八千穂の事を気にかけ、何かと世話を焼いてくれる。だが物語終盤に、その正体が生徒会のNo.2にあたる副会長だという事が判明する。一度敵対するも、勝利すれば彼と共に最終決戦に臨む事ができる。
また親友として、クリスマスイベントを共に過ごす事もできるが、その為には女性キャラクターとのイベントフラグをすべて折って彼に好意的な選択肢を返し続けなければいけない、という条件がついている。そのクリア難易度の高さから、ファンの間では裏ヒロインとして扱われる事が多い。

白岐幽花(しらき かすか)

CV:永迫舞
天香学園、3年C組所属の少女。九龍・八千穂・皆守とはクラスメイトの関係にあたる。八千穂・皆守同様に、無条件で仲間になる数少ないキャラクター。ただし、加入するのは物語終盤の為、一緒に戦える期間は前述した2人よりも少ない。誕生日は1月26日で、血液型はA型。部活は、美術部に所属している。好物はサラダ。戦闘では、支援キャラクターとして活躍。HPを回復してくれるスキル・魂振と、呪いの追加効果がある攻撃を無効化できるスキル・道反之祝詞を持つ。ステータス補正では、直感+40、知性が+10、精神+10、アイテムドロップ率に関わる学科・美術が+10される。身体-10、生命-5というデメリットにより、攻撃力とHPが下がるが、その分、回避に関わる直感や経験値に関わる知性、状態異常の付着率に関わる精神のステータスがあがる為、メリットの方が大きいとプレイヤーの間では人気が高い。
遺跡に関わる重要なキャラクターで、作中では度々、遺跡に挑む九龍に対して警告とも取れるような謎めいた言葉をかけてくる。普段から神秘的な雰囲気のある女子生徒で、その雰囲気故か学園内でも浮いている。その正体は、遺跡に封印されている荒神・アラハバキを封印する「鍵」を封印された封印の巫女の末裔。首についている鎖は、鍵を封印する為のアイテムであった事が物語終盤で発覚する。

生徒会執行委員

取手鎌治(とりで かまち)

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@okazoodd

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