灼眼のシャナの自在法まとめ

『灼眼のシャナ』(しゃくがんのシャナ)とは、人を喰らう異世界の住人「紅世の徒」を討つ「フレイムヘイズ」の少女と、彼女の戦いに巻き込まれた高校生の少年の恋と成長を描いたライトノベル作品。
自在法(じざいほう)とは、フレイムヘイズと紅世の徒が習得している、森羅万象の根源である「存在の力」を用いて超常的な現象を引き起こす技法。広く一般化されているものを別にすれば一切体系化されておらず、使い手ごとに異なる術を用いる。両者の戦闘では「相手はどんな自在法を使うのか」を見抜くことが重要となっている。

『灼眼のシャナ』の概要

『灼眼のシャナ』(しゃくがんのシャナ)とは、人を喰らう異世界の住人「紅世の徒」を討つ「フレイムヘイズ」の少女と、両者の戦いに巻き込まれた高校生の少年の恋と成長を描いた高橋弥七郎によるライトノベル作品。
アニメやマンガ、ゲームと様々なメディアミックスを果たした2000年代を代表する作品である。全26巻の大長編ながら、その高い人気から断続的に物語の最後までアニメ化されており、後にベテラン声優として活躍する釘宮理恵の出世作としても知られる。

高校生の少年坂井悠二(さかい ゆうじ)は、ある時不可思議な力を持つ怪人に襲われ、割って入った小柄な少女から「お前はもう死んでいる」と告げられる。怪人の正体は人間の“存在する力”を喰らう異世界の住人「紅世の徒」であり、少女はそれを討つために活動する「フレイムヘイズ」という存在だという。その彼女は個人のとしての名前は持っていなかったが、「贄殿遮那(にえどののしゃな)」という刀を得物として愛用していたことから、“シャナ”と呼ばれるようになる。
やがて悠二は、シャナの言っていた通りに今の自分がかつての己の残滓でしかないことを理解し、愕然とする。それでも「せめて家族や友人のために生まれ育った街を守ろう」と考えた悠二は、シャナと共に戦う道を選ぶ。2人は時にケンカし、時に互いに影響を与えながら紅世の徒たちとの戦いを繰り広げ、同時にパートナーとしての強い絆で結ばれていく。

自在法とは

自在法(じざいほう)とは、フレイムヘイズと紅世の徒が習得している、森羅万象の根源である「存在の力」を用いて超常的な現象を引き起こす技法。本来この世に存在しない現象や事象を“むりやり顕現させる”ことで発動する。
いわゆるファンタジー的な世界観で描かれるところの「魔法」に相当するものだが、広く一般化されているものを別にすれば一切体系化されておらず、使い手ごとにまったく異なる術を用いる。

このためフレイムヘイズと紅世の徒の戦闘では、いかに早く「相手はどんな自在法を使うのか」を見抜き、その対策を取るかが重要となっている。戦闘に独特の緊張感と頭脳戦の要素を持たせると同時、発動する際に唱える詩も作品の魅力となっている。
本記事では、紅世の王がその本来の姿を現世に表す「神威召喚」についても紹介する。

一般化されている自在法

封絶(ふうぜつ)

一定の範囲をドーム状態の空間で覆い、内部と外部の因果を断絶する。存在の力を操る能力を持つ者か、特殊な宝具を持つ者以外は内部では思考も含めて完全に停止し、またそういった能力の無い者たちは外部にいても内部のことを認識できなくなる。
フレイムヘイズと紅世の徒の双方に広く伝わっている自在法で、前者は被害の限定化、後者は存在の力の捕食の隠蔽というそれぞれの目的のため、「存在の力を用いる行動を起こす時はまず封絶」というのがごく当たり前のこととなっている。

炎弾(えんだん)

存在の力に、もっともシンプルな「破壊」のイメージたる炎を模した形態を取らせて撃ち出す術。
自在法としての難易度はそこそこだが、とにかく使い勝手が良く、これを使えないフレイムヘイズや紅世の徒の方が珍しい。中には追尾式や時限式にしたりと独自の工夫を加える者もいる。

達意の言(たついのげん)

違う言語を操る者同士が意思の疎通を図る際に使用する自在法。より簡単な説明をすれば、つまり『ドラえもん』の「ほんやくコンニャク」である。
世界中を活動の場とするフレイムヘイズや異世界の住人である紅世の徒たちが普通に会話できるのは、彼らがこの術を使用しているからである。なお、紅世の徒たちの間では、地球においては英語が一般的な言語として用いられているらしい。

清めの炎(きよめのほのお)

主にフレイムヘイズが使う自在法。毒などによる肉体の変調を回復し、本来のコンディションに整えることができる。事前に使っておけばその手の弱体化を狙った攻撃を無効化することも可能。
「体の汚れを落とす」という目的で使う者も少なくなく、このためフレイムヘイズの多くはあまり風呂などには入らない。幼い頃からフレイムヘイズとなるべく育てられたシャナに至っては風呂というものがどういうものかすら知らなかったが、悠二たちと一緒に過ごすようになってからその心地よさにすっかり魅了され、入浴を趣味にするようになっていった。

調律(ちょうりつ)

紅世の徒による存在の力の浸食を、「その地に長く住まう者」のイメージする“あるべき姿”を参考に修繕する術。あくまで“多大な存在の力の喪失による世界へのダメージを和らげる”ための術であり、元の状態に戻せるわけではない。
戦いに疲れ果てたフレイムヘイズの中には、紅世の徒を討つことを放棄して世界の調律にのみ力を尽くす者もいる。

遠話(えんわ)

離れた場所にいる者と会話する術。いわゆる“テレパシー”とほぼ同等の効果を持つ。
広く一般化されている自在法の中では習得難易度が若干高く、また単独行動かごく少数での活動を基本としている多くのフレイムヘイズにとってはそれほど重要な術でもなく、この術が使える者はあまり多くない。また、術者の力量にもよるが、一定以上距離があるとさすがに声が届けられなくなる。

人間の技術発展で国際的に電話がかけられるようになった現在では、ますます肩身の狭い術となった。作中では祭礼の蛇率いる紅世の徒たちとの決戦前になってから、急いでこの術を使える者が集められた。

人化(じんか)

紅世の徒たちの間で一般化している、自身の外見の姿を変える術。基本的には人間の姿への変化を目的とした術であり、名称からもその意図が見て取れる。当初ただの「存在の力を食べるための獲物」としてしか見ていなかった人類が、見事な文明社会を築いていくのを目の当たりにした紅世の徒たちが、無意識に抱いた彼らへの憧れから編み出して広まっていったもの。
紅世の徒のほとんどは異形の怪物の姿をしており、完全に人の姿になるにはもともとの力が強大過ぎるため、角や翼など本来の姿の痕跡を若干残すことが多い。“人化”とはいえど、変身する姿は人である必要はなく、この術を得意とする者は状況に合わせて様々な形態へと変化する。

悠二は「紅世の徒たちが自ら編み出したこの術こそが、彼らが無意識に抱いた人間への憧れの象徴であり、翻って“存在の力の捕食”という問題さえ解決すれば人間と共存できる可能性そのものだ」として、祭礼の蛇と共に新世界の創造に臨むこととなった。

フレイムヘイズの自在法

シャナの自在法

炎の大太刀(ほのおのおおたち)

得物である贄殿遮那の刀身を媒介にして、アラストールの力を限定的に開放し、巨大な炎の刃を作り出す術。斬撃の威力を増すだけでなく、リーチの差を埋めることもできるようになる。
接近戦を十八番とするシャナの得意の術。素手でも使用することができるが、贄殿遮那を握った状態で発動した方が使い勝手は良いようである。

断罪(だんざい)

YAMAKUZIRA
YAMAKUZIRA
@YAMAKUZIRA

目次 - Contents