ONE PIECE（ワンピース）の五老星まとめ

ONE PIECE（ワンピース）の概要

『ONE PIECE（ワンピース）』とは、日本の漫画家・尾田栄一郎による海賊を題材にした少年漫画。集英社の『週刊少年ジャンプ』1997年34号から連載を開始し、2022年に連載25周年を迎えている。発行された単行本は100巻を超えており、『週刊少年ジャンプ』の作品の中でも長寿作品だ。日本国内では発行部数が4億を超えており、単行本初版発行部数の日本記録などの出版に関する国内最高記録をいくつも保持している。世界的にも圧倒的な人気を誇り、57以上の国や地域で翻訳版が発売されている。2021年には、全世界を対象としたキャラクター人気投票企画「第1回 ONE PIECE キャラクター世界人気投票 WT（ワールドトップ）100」が開催された。

『ONE PIECE』の世界には、「世界政府」と呼ばれる世界の秩序と平和を守る超巨大機関が存在する。その頂点に立つのが、5人の老男性からなる「五老星（ごろうせい）」という組織である。海賊である主人公モンキー・D・ルフィから見ると敵であり、「五老星」のほうも世界を引っ掻き回す活躍を見せるルフィを煩わしく思っている。

五老星（ごろうせい）とは

五老星（ごろうせい）とは、大人気海賊漫画『ONE PIECE（ワンピース）』に登場する5人の世界政府の世界政府最高権力者の総称。世界政府を作った「20人の王」の末裔である世界貴族”天竜人”の中でも最高位である5人の老人を指す。顔ぶれは20年以上前から変わっていない。初登場からかなり期間が経っても名前が登場しておらず、過去のキャラクター人気投票でもA～Eのアルファベットで区別されていた。そして第1086話で5人全員の名前が満を持して明かされる。キャラクターモデルは、日本や世界の偉人だという考察が存在する。

「空白の100年」や「Dの一族」など、世界に関する重大な秘密を知っており、その秘密を守り続けている。そのため危険因子と思しき者を徹底的に抹殺する決断を下してきた。主人公モンキー・D・ルフィ率いる麦わらの一味の考古学者ニコ・ロビンの故郷・西の海（ウエストブルー）にある考古学の聖地オハラも、五老星の判断により、海軍の総戦力を用いたバスターコールによって地図上から姿を消している。

世界政府の頂点に立ち、海軍本部に命令を下してきた五老星だが、世界会議編で五老星よりも上の存在であるイムの存在が明かされる。それまでその権力で世界を動かしてきた五老星が、皆一様にイムに膝をつく姿は読者に衝撃を与えた。

五老星の来歴・活躍

過去

オハラへのバスターコール

ルフィ率いる麦わらの一味の考古学者ニコ・ロビンは、西の海（ウエストブルー）にある考古学の聖地・オハラの出身だ。オハラには世界中から優秀な考古学者が集まっており、歴史に関して研究を行っていた。

新世界編から22年前。オハラに世界政府直属の諜報機関「CP9（シーピーナイン）」がやってきた。罪状はオハラの考古学者が法律で固く禁じられている歴史の本文（ポーネグリフ）の解読と「空白の100年」に関しての研究を行っていたこと。オハラの考古学者の筆頭クローバー博士は、逮捕される前に自分達が立てた仮説を五老星に聞かせたいと申し出る。しかしクローバー博士が「空白の100年」に存在したと思われる王国の名前を口にしようとした時、五老星は「CP9」にクローバー博士を殺すように命令した。五老星は「オハラは知りすぎた」として、バスターコールを発動。島一つ消すぐらいの戦力がオハラに集められ、オハラは地図上からその姿を消した。

偉大なる航路（グランドライン）編

サー・クロコダイルの後任探し

五老星の本編初登場は、ルフィが偉大なる航路の砂の国・アラバスタ王国で元王下七武海サー・クロコダイルを倒した後だった。王下七武海は、海軍本部、四皇と並ぶ『ONE PIECE』の世界の中の三大勢力の一つに数えられている。その王下七武海に欠員が出たとなれば、早急に後任を探さなければならない。五老星はルフィに存在に頭を痛めながら、クロコダイルの後任について話し合うのだった。

新世界編

世界会議（レヴェリー）編

『ONE PIECE』の世界では、4年に一度、世界政府に加盟する170以上の国の王達の内50人が集まる世界会議（レヴェリー）というものが行われる。そこには会議に参加する王達だけでなく、王の親族達も集い、会議の間親交を深めていた。

五老星はパンゲア城にある”虚の玉座”の間へと向かう。”虚の玉座”は玉座と言われているが、実際にこの玉座に座ることを許された王はおらず、「この玉座に誰も座らない」、つまり「誰か一人が世界を支配することはない」という世界の平和と平等を示すための象徴になっている。玉座の周りには「世界政府」を作った”20人の王”達の誓いの証として20本の剣が突き立てられている。世界会議の折りには集まった王達がこの”虚の玉座”に平和を誓うのだ。五老星は”虚の玉座”に座る謎の人物に深々と頭を下げる。これまで世界政府の最高権力だと思われていた五老星の上に、さらに高位の存在がいることが明かされた。

その後五老星は、シャンクスと密会をする。やってきたシャンクスに対して、五老星は「君だから時間を取った」とシャンクスを信頼しているような素振りを見せる。シャンクスは”ある海賊”について話をにしに来たと言ったが、その話がどのような内容かは明かされていない。またこの時シャンクスは右側から見た横顔しか描かれておらず、トレードマークと言える左目を見せていない。このことからこの時の人物はシャンクスではない、別の誰かだという考察も多い。

ネフェルタリ・コブラの謁見

世界会議の期間中、五老星は偉大なる航路（グランドライン）の砂の国・アラバスタ王国の国王ネフェルタリ・コブラから謁見を申し込まれた。五老星は謁見を許可し、虚の玉座でコブラ王を迎える。

コブラ王の要件は、800年前の世界政府発足時にアラバスタ王国を治めていた、自身の先祖ネフェルタリ・リリィについてだった。リリィは、世界政府を発足させた”20人の王”に名を連ねるも、聖地マリージョアへの移住を居して自国へ戻ったとされている。しかしアラバスタ王国の古い文献を確認してもリリィに関する情報は何一つ残っていないとコブラ王は言った。五老星はコブラ王の話を聞き、リリィについてわかることは何もないと答える。その答えを聞いたコブラ王は、次の質問を五老星に投げかけた。「”D”とは？」というコブラ王の質問に、五老星は顔色を変える。そしてリリィが書いた短い手紙がネフェルタリ家に伝わっていることを知った。

その話の最中、虚の玉座に突然イムが現れた。イムの存在は超重要機密であるため、五老星を大層驚かせた。しかしイムは構わず、コブラ王に質問を投げかける。その問答の末、ネフェルタリ・リリィの本名がネフェルタリ・D・リリィであることが判明した。「五老星」はコブラを殺そうと武器を構える。そこへ乱入してきたのは、革命軍No.2のサボだった。「五老星」はサボの攻撃を受けて炎に包まれる。次の瞬間、「五老星」の姿は異形の黒い影に変身していた。「五老星」はその不気味な力でコブラとサボを追い詰め、コブラを死に追いやることに成功した。

悪魔の実「ヒトヒトの実 モデル”ニカ”」の覚醒

ワノ国編の戦いで、ルフィは四皇・百獣のカイドウと戦った。幾度も死闘を繰り広げた結果、ルフィは「ゴムゴムの実」の力を”覚醒”させ、ギア5を発動させる。その時「ゴムゴムの実」の本当の名前が「ヒトヒトの実 モデル”ニカ”」であることが明らかになった。ニカは『ONE PIECE』の世界における太陽の神の名前であり、人々に自由をもたらす”解放の戦士”と呼ばれていた。五老星はその「ヒトヒトの実 モデル”ニカ”」の存在に怯え、世界政府が設立してから800年間、その悪魔の実を管理下に置こうとしてきた。しかしまるで悪魔の実が世界政府から逃げているかのようで、「ヒトヒトの実 モデル”ニカ”」を世界政府管理下に置けたことはないという。

五老星はワノ国での出来事を隠蔽しようとしたが、世界経済新聞者のモルガンズは、政府の様子を無視して、世界中にルフィの覚醒姿が印刷された手配書をばらまく。五老星はそれにひどく慌てた様子だった。

ルルシア王国消滅

世界会議が開催されたマリージョアで事件が起こった。反世界政府組織である革命軍が、世界政府の旗を撃ち抜き、宣戦布告。世界貴族”天竜人”に奴隷にされていた、元王下七武海で革命軍のメンバーだったバーソロミュー・くまの奪還を決行した。革命軍と海軍本部大将が激突し、激しい戦いが繰り広げられる。その事件を報じた世界経済新聞は、ルフィの義兄で革命軍No.2のサボが、アラバスタの国王ネフェルタリ・コブラを殺害したことや、同国王女ネフェルタリ・ビビの失踪を報じた。

行方がわからなくなっていたサボは、偉大なる航路にあるルルシア王国に潜伏していた。サボは、カマバッカ王国にいる革命軍の総司令官モンキー・D・ドラゴン達に電伝虫で連絡を取る。その連絡は緊急を要するもので、盗聴対策などをしていなかったため、海軍の網に引っかかった。そしてサボがドラゴン達に”虚の玉座”について何かを伝えようとした時、ルルシア王国は天から降り注ぐ巨大な光の柱に包まれて姿を消した。五老星は通信を傍受した海兵達に「通信部よく聞け………お前達は何も探知していない 何も傍受していない…『ルルシア王国』？――そんな国は……元々…ないではないか…」と言う。ルルシア王国の存在は、イムの力によって最初からなかったものにされてしまったのだった。

未来島エッグヘッド

麦わらの一味はワノ国を出港し、次の島である未来島エッグヘッドにそれぞれ上陸した。そこには世界一の天才科学者・Dr.ベガパンクのいる島だった。ベガパンクは優秀な科学者で自身の想像したものを発明するために資金が豊富にある世界政府に雇われている。しかし人柄は良く、自らの発明品を人々のために使いたいと考える人徳者だった。ある日、知的好奇心が旺盛なベガパンクは、「五老星」がひた隠しにしている世界の秘密を知ってしまった。そのことを知った「五老星」はベガパンクの暗殺を「CP-0／サイファーポール”イージス”ゼロ」の諜報員をエッグヘッドに向かわせる。そしてさらに「五老星」の1人であるジェイガルシア・サターン聖も自らエッグヘッドへと向かった。護衛するのは海軍本部大将・黄猿（本名：ボルサリーノ）が率いる海軍の艦隊である。

ベガパンクはルフィを味方につけ、自分の命が危ないためエッグヘッドから自分を連れ出してもらう約束を取り付けていた。麦わらの一味、「CP-0」、海軍、海軍の兵器・パシフィスタが入り乱れ、エッグヘッドは混乱を極めてる。そんな中サターン聖はついにベガパンクに致命傷を負わせることに成功した。出血量からベガパンクは助かる見込みもなく、やがてベガパンクの心音の停止を告げていると思われる電子音が流れる。それと同時に全世界に対してベガパンクからのメッセージが放送され始めた。ベガパンクが自身の絶命を条件に自動で再生される設定にしていたものと思われる。何を話そうとしているかはわからないが、「五老星」にとっておそらく不都合な内容であろうことは明白だった。サターン聖はベガパンクの放送を止めるために、エッグヘッドに何者か達を呼び寄せるのだった。