食べて、祈って、恋をして(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『食べて、祈って、恋をして』は2010年8月13日にアメリカで制作されたロマンス映画である。ライアン・マーフィーが監督を務め、エリザベス・ギルバートが書いた回顧録『食べて、祈って、恋をして 女が直面するあらゆること探求の書』を映像化。ニューヨークでライターをしているリズは、取材で訪れたバリで出会った薬療師クトゥ・リエの予言をきっかけに、自分を見つめ直し、離婚を決意。本当の自分を見つけるために、旅に出る。イタリアで食を堪能し、インドで瞑想を身につけ、そしてバリで恋をする物語。

リズはフェリペをクトゥの元に連れていき、フェリペも手相を占ってもらった。楽しそうにしていたフェリペだが、自分のことをどんどん言い当てられ、その表情は真剣なものに変わっていく。リズもフェリペも人間関係にトラウマを抱えていた。人を信じたり愛したりすることを怖がっていた。クトゥは「傷を癒してくれるものは信頼だ。だが辛い思いは努力したという証拠だ。」と言う。信頼でトラウマを抱え、信頼に癒されるという矛盾。この世界における楽しいこと、辛いことは人との信頼関係から生まれるという真理をついたセリフであり、トラウマから前を向くために必要な優しい名セリフだ。

リズ「私の言葉を決めたわ。アトラヴェルシアーモ。」

自分の言葉を宣言するリズ。

イタリア、インド、バリの旅で、自分の調和を見つけたリズ。恋をしたフェリペとの日々を過ごしていると、自分を見失いそうで怖かった。ある日、突然フェリペに海に連れて行かれ、二人だけで島に行こうと言われる。リズは、せっかく見つけた調和が崩れることを恐れ、強い言葉で断ってしまう。しかし、クトゥから調和が乱れるのも調和がある生活の一部だ、と背中を押され、もう一度フェリペに会いに行く。イタリア滞在時から、自分の言葉を探していたリズは、この時自分の言葉を見つけた。「アトラヴェルシアーモ」、意味は「さあ渡りましょう」。リズはフェリペに「私の言葉を決めたわ。アトラヴェルシアーモ。」と宣言する。二人は改めて、船を出す。自分探しの旅で生き方を見つけ、再び人生の舵を切るというラストにふさわしい名場面だ。

『食べて、祈って、恋をして』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

原作はエリザベス・ギルバートの自伝小説

原作の『eat pray love』。

この作品はノンフィクション映画だ。原作の作者であるエリザベス・ギルバートは、20代半ばで作家デビューを果たし、結婚して一軒家で生活をするという表向きには充実した30代を迎えていた。しかし、結婚生活は上手くいっておらず、離婚を視野に入れる。そんな生活の中、恋に落ちた男性と付き合うも、こちらも破綻。ギルバートの心は追い詰められた。鬱になってしまったギルバートは、幸せになるために1年間海外に行くことを決意。響きが美しいという理由でイタリア語を学び、美しい街並みを見て、食に喜びを見出す。そして、インドで自分を見つめ直す修行をし、バリの薬療師の元へ向かう。ギルバートはバリで恋に落ち、幸せになるが、この幸せについてギルバートは「決して王子様に救われたわけではない。自分を探し出す作戦の司令官は私自身だった。」と述べたという。

薬療師クトゥのモデルはバリのバリアンだった「クトゥ・リヤール」

薬療師クトゥ(右)の話を聞くリズ(左)。

バリでは占い師のことを「バリアン」「メディスンマン」と呼ぶ。本作に登場するクトゥ・リエのモデルになったのは、バリのバリアンであるクトゥ・リヤール。100歳を超えても、占いをしていたという。クトゥ・リヤールの自宅は、バリの高原ウブドにあり、クトゥ・リエが占いをしている建物のモデルになっている。クトゥ・リヤールの占いを組み込んだツアーも行われている。

聖地巡礼

本作の撮影は実在する場所で撮られているため、聖地巡礼をすることが出来る。リズに共感した人々が、その場所を訪れることも多い。
・ナポリでピザを食べたお店…アンティーカ・ピッツェリア・ダ・ミケーレ(東京の恵比寿にも支店がある)
・グルのアシュラム…都市パタウディにあるヒンドゥー教のアシュラム
・バリのビーチ…パダンパダンビーチ
・リズとフェリペとフェリペの息子の3人で景色を眺めた場所…アグン山の麓

『食べて、祈って、恋をして』の主題歌・挿入歌

主題歌:Eddie Vedder「Better Days」

挿入歌:Dario Marianelli「Suzie Creamcheese」

挿入歌:Dario Marianelli「Attraversiamo」

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