霜月コウ三郎（ONE PIECE）の徹底解説・考察まとめ

霜月コウ三郎の概要

霜月コウ三郎（しもつき コウざぶろう）とは、集英社の発刊する『週刊少年ジャンプ』の大人気海賊漫画『ONE PIECE（ワンピース）』の登場人物。

偉大なる航路（グランドライン）の後半の海・新世界にある鎖国国家・ワノ国出身である。優れたな刀鍛冶であるのと同時に剣豪でもあり、刀のことをよく理解している。ワノ国の氏族・光月おでんの愛刀だった「閻魔（えんま）」や、麦わらの一味の剣士ロロノア・ゾロの三本の剣の内の一本「和道一文字（わどういちもんじ）」を作った刀工だ。

新世界編の時間軸から55年前にワノ国を出国。当時のワノ国は海外へ興味を持ち勝手に国を出ることが法律で禁止されていたため、霜月コウ三郎の出国は法律違反である。何故出国するに至ったかは不明。長い旅を経て東の海（イーストブルー）に到達し、剣術を指南するなどしながらそこに定住。シモツキ村を作った。ゾロの幼なじみ・霜月くいな（しもつき くいな）の祖父であり、ゾロの剣の師匠・霜月コウシロウ（しもつき コウシロウ）の父である。ゾロも幼少期に霜月コウ三郎と会ったことがあるが、当時ゾロはコウ三郎を「村のジジー」と呼んでいたため、本名を知らなかった。くいなとの血縁関係があることも葬式でくいなが泣いている姿を見て初めて知ったという。

物語開始時点では故人であり、登場はゾロの回想のみとなる。ワノ国で四皇・百獣のカイドウの居城である鬼ヶ島で、ゾロが百獣海賊団の大幹部”大看板”のキング／アルベルと戦っている時のゾロの回想で登場。ゾロは譲り受けた「閻魔」の力の制御に手を焼き劣勢になる。その時唐突に幼い頃にシモツキ村にいた「村のジジー」が霜月コウ三郎であることに思い至り、コウ三郎が言っていた「名刀は人間を見てる。己に見合った剣士を選ぶ…！！」という言葉を思い出すのだった。

霜月コウ三郎のプロフィール・人物像

優れた刀鍛冶であり、剣豪でもある。白い眉毛が横一直線に繋がった変わった形をしているのが特徴。ワノ国にいた頃どのような生活をしていたかは不明だ。シモツキ村では日がな一日ガケで魚釣りをしていたようである。キセルを吸い、酒の入っていると思われるひょうたんを側に置いていた。コウ三郎の釣り場のすぐそばにはゾロ個人の剣の練習場所があり、コウ三郎は日々ゾロの鍛錬の様子を伺っていた。そしてある日真剣を二本ゾロに無償で与え、刀の本質をゾロに説く。その時のコウ三郎とのやり取りはゾロの記憶の底に沈んでいたが、百獣海賊団の大幹部”大看板”のキング／アルベルとの戦闘時にふとその記憶を思い出し、「刀が人を選ぶ」ということを思い出した。

霜月コウ三郎の能力

刀工としての優れた才能

霜月コウ三郎には刀鍛冶としての優れた才能があった。作り出した刀の中には位列が上から二番目である”大業物”というものも存在する。大業物は金で買おうとすれば1,000万ベリーもするという非常に高価で優れたものである。昔は刀鍛冶として優秀だったが、晩年になってからは刀鍛冶の腕も落ち、本人曰く”ナマクラ”な刀しか作れなくなったという。

和道一文字（わどういちもんじ）

霜月コウ三郎の作品。大業物21工に数えられる優れた刀である。麦わらの一味の剣士ロロノア・ゾロがメインの剣として使っているが、もともとはゾロの幼馴染の霜月くいなが所有していた。くいなが不慮の事故で亡くなり、その後ゾロの手に渡った経緯がある。ゾロ自身は刀の価値を全く知らず、東の海のローグタウンでは武器屋に安値で買い取らせてくれと迫られていた。だがくいなの形見であるためゾロ自身に売る気は全くなかった。

閻魔（えんま）

霜月コウ三郎の作品。大業物21工に数えられる優れた刀である。ワノ国の氏族・光月おでんの二本の愛刀の内の一本。持ち主の覇気を強制的に吸い取って放出する力があり、並の剣士では覇気を吸い上げられて死に至る。過去、おでんが強靭な皮膚を持つ百獣のカイドウに傷をつけたという伝説を持っている。おでんの死後、「閻魔」はおでんの娘である光月日和（こうづき ひより）に受け継がれていた。日和はその時ゾロが持っていた「秋水（しゅうすい）」という刀がワノ国の宝刀であるため返してほしいと懇願。「秋水」の代わりに「閻魔」を譲ることで話は落ち着いたのだった。

霜月コウ三郎の来歴・活躍

ワノ国を出国

新世界編の時間軸から55年前。霜月コウ三郎はワノ国を出国。当時のワノ国には海外へ出国することは法律で禁止されていた。そのためコウ三郎の出国は法律違反である。何故出国に思い立ったのか、出国時に他に仲間がいたかなどは不明。大冒険を経てコウ三郎は東の海（イーストブルー）に到達。山賊に襲われている人々を救い、その後剣術の指南などをしていた。そしてそこで恋に落ち定住するようになり、シモツキ村を作ったという。後に子供達がこの村の歴史について「この村 昔 海賊が作ったって。ウチのばあちゃんが言ってた」と語っていることから、コウ三郎は旅の間、海賊を生業にしていた可能性がある。

シモツキ村で隠居生活

霜月コウ三郎は結婚し、息子・コウシロウを授かる。そしてそのコウシロウも結婚し、コウ三郎の孫娘・くいなが誕生した。くいなはコウシロウの開く剣道場で剣術の鍛錬に励んでおり、麦わらの一味の剣士ロロノア・ゾロもまた幼少期、コウシロウの道場で剣術を磨いた。ゾロは何度くいなに挑んでも負けてしまうため、一人で鍛錬をする小さな訓練場を持っていた。そのそばで魚釣りに勤しんでいたのがコウ三郎である。ゾロはコウ三郎の正体を知らず、「村のジジー」と呼んでいた。

新世界編から13年前の出来事だ。コウ三郎はゾロに「スナッチ」というワノ国の古い言葉を教える。しかしゾロはそれにさして興味を示さなかった。コウ三郎はくいなに負けたのが悔しくて鍛錬をしているゾロに真剣を二本譲る。お金がないというゾロにコウ三郎はその二本は”ナマクラ”であるためタダでやるといった。そして”ナマクラ”しか打てなくなったことを悲観するような言葉をつぶやく。真剣を手に入れたゾロは嬉しそうに刀を見た。それを見てコウ三郎は、「いいか刀は”人斬り包丁”！！人を殺す為に生まれる！！刀鍛冶はより多くの命を奪える様にそれを作る！！」と刀の怖さを教える。それと同時に刀にも性格があり、それを服従させるのが剣士であると刀と剣士の本質を語った。

その後霜月コウ三郎は亡くなった。ゾロはコウ三郎の葬式で初めて彼がくいなの祖父だったことを知るのだった。

ロロノア・ゾロの記憶の中で

時は流れて物語の舞台はワノ国。カイドウを討ち取るため、侍軍団が鬼ヶ島に潜入、交戦した。ゾロは百獣海賊団の”大看板”キング／アルベルと戦った。使い手の覇気を吸い取るという性質を持つ霜月コウ三郎の名刀「閻魔」を制御できず、ゾロはキングに押されていた。そこでゾロは唐突に13年前のコウ三郎とのやり取りを思い出す。ワノ国の刀が東の海のシモツキ村にあったことや、50年以上前に霜月コウ三郎という刀鍛冶がワノ国を違法出国したことなど、それまでに聞いたり、疑問に思っていたことがゾロの中で全て繋がり、「村のジジー」が霜月コウ三郎だったことをゾロは悟った。「名刀は人間を見てる。己に見合った剣士を選ぶ…！！」というコウ三郎の言葉を思い出したゾロは「閻魔」と向き合う。そしてキングに見事勝利するのだった。

霜月コウ三郎の関連人物・キャラクター

霜月コウシロウ（しもつき コウシロウ）