井ノ上たきな（リコリス・リコイル）とは【徹底解説・考察まとめ】

井ノ上たきなの概要

井ノ上たきな（いのうえ たきな）とは、『リコリス・リコイル』（リコリコ）の登場人物で、武力を用いた犯罪抑止を活動目的とする秘密組織Direct Attack（DA）に所属するエージェント・リコリスの1人。
黒いセミロングの髪を普段は下ろしているが、喫茶店リコリコでのアルバイトの時のみ左右のお下げにまとめている。服装には無頓着で、支給されたものがあればそれで充分だと考えており、一時期は「通気性もいいし動きやすい」という理由から男物のトランクスを下着にしていた。

井ノ上たきなのプロフィール・人物像

年齢：16歳
誕生日：8月2日
血液型：A型
ランク：セカンド

CV：若山詩音

クールに見えて内面は直情径行で、リコリスとしての任務においては現場の状況ではなく理屈や効率を優先させがちなところがある。その一方で「夜間に数10メートルは離れた位置を飛ぶドローンを拳銃で撃ち落とす」など、無茶を押し通すだけの高い能力を持つ。
仲間のリコリスがテリストの人質にされた際、「仲間に当てなければ問題ない」と判断し上官の待機命令を無視して銃弾の雨を浴びせる。狙い通り捕らわれた仲間には一発も銃弾を当てなかったものの、この行為が問題視され、DAの下部組織でもある喫茶店リコリコへの異動を命じられる。

そこに「歴代最強」とも称されるリコリス錦木千束（にしきぎ ちさと）がいると聞き、学ぶべきを学んでとっととDAに復帰しようと考えるも、彼女のリコリスらしからぬ天真爛漫さや非殺主義に困惑。しかし噂に違わぬ高い実力や真摯に自分のDA復帰を応援してくれる様を見て「信頼に値する人物」だと再評価し、千束との交流の中で視野を広げていく。

リコリス・リコイル（リコリコ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

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『リコリス・リコイル』とは、リコリスこと犯罪抑止を目的に活動する少女たちの活躍を描いた、2022年夏のオリジナルアニメ作品である。丁寧に作り込まれた世界観とキャラクター、さらに波乱のストーリーで話題となった。通称“リコリコ”。
平和の維持のために暗躍する秘密組織DA。そのエージェントとして育成された少女、通称リコリス。任務でミスを犯した井ノ上たきなは、歴代最強のリコリスと呼ばれる錦木千束と共に活動するよう命じられる。奔放な千束と生真面目なたきなは、デコボココンビとして様々な事件を解決していく。

井ノ上たきなの能力

リコリスとしてのランクはセカンドだが、オールマイティに高い能力を持つ。特に銃火器の扱いには熟達しており、「仲間を人質にしているテロリストに機関銃を乱射して敵だけを撃ち抜く」、「拳銃で数10メートル先を移動するドローンを撃ち落とす」などすさまじい技量を見せている。射撃の精度に関していえば千束をも超えており、敵対した者からも警戒されるほど。
いざという時に敵との間合いを詰めて接近戦に持ち込もうとする傾向の強い千束と比べると距離を取った戦いを好み、それぞれの得意レンジを活かして立ち回っている。

井ノ上たきなの来歴・活躍

新進気鋭のリコリス

経緯は不明ながら孤児となり、DAの下でリコリスとして育てられる。
リコリスとして求められる様々な能力に長じる一方、“リコリス以外の世界”を知らず、DAの内部で評価されることだけに意味を見出すようになっていった。

拳銃取引現場での不始末

ある時、都内でテロリスト同士の拳銃の闇取引が発生。これを阻止するためにリコリスが出撃するも、DAの作戦の中枢を担うAIラジアータがハッキングを受けたこともあり、同僚の蛇ノ目エリカ（じゃのめ エリカ）がテロリストに囚われてしまう。
エリカを人質にされて仲間たちが動けない中、たきなは「エリカに当てなければ問題ない」と判断し、待機命令を無視して機関銃を乱射。エリカには一発も弾丸を当てずにテロリストを制圧するという神業を披露するが、命令無視に加えて仲間の命を軽視するような振る舞いが大いに問題視される。

千束との出会い

拳銃取引現場での不始末により、DAの下部組織である喫茶店リコリコへの異動を命じられる。ここに“歴代最強”と言われるリコリスがいると聞いたたきなは、「学ぶべきを学び、早々に手柄を挙げてDAに復帰しよう」と考える。
しかし新たな仕事の場で出会った噂の“歴代最強のリコリス”千束は、リコリスらしからぬ天真爛漫さと、たきなからすれば非効率だとしか思えない非殺主義を掲げる少女だった。当初は呆気に取られ、「これが本当に歴代最強のリコリスなのか」と疑いさえしていたたきなだったが、千束のリコリスとしての高い能力と、自身のDA復帰を本気で応援してくれる様を見て、少しずつ「信頼に値する人物だ」と評価を改めていく。

同時に千束から視野を広げるよう勧められ、リコリスやDA以外の世界へと目を向けていく。これによりただリコリスとして成果を挙げることにしか興味の無かった己を脱却し、次第に感情豊かな面を見せていく。同時にそのきっかけとなった千束に対しては不器用に甘えるようになり、彼女が自分に対して秘密にしていたことがあると知ると不服そうな顔をしていた。

アラン機関の陰謀

たきながリコリコに転属させられてからしばらくして、千束の恩人である吉松が、喫茶店リコリコに正体を隠したままたびたび来訪するようになる。吉松は自身が見出した千束の“殺しの才能”がどのように開花したのかを見届けることを目的にしていたが、彼女が非殺主義を抱くようになっていたことを知って驚愕。その才能を真の意味で開花させるべく、東京で大規模なテロを計画する。
そのために吉松が海外から呼び出した真島（まじま）というテロリストは、10年前に旧電波塔で千束と対決し、彼女に完敗したという因縁のある相手だった。期せずして訪れた再戦の機会に、真島は心を躍らせていく。

その真島が千束のお気に入りのセーフハウスにまでやってきたことを知ったたきなは、敵が彼女をピンポイントで狙っていると知って危機感を募らせる。当の千束は自分の実力に自信があるだけにそれほど焦っていなかったが、アラン機関の魔の手はすぐそこまで迫っていた。DA本部に、吉松の息のかかった工作員が送り込まれたのである。
定期健診に訪れた千束は、医療スタッフだと思って油断していた工作員に麻酔を打たれて昏睡。千束が電話に出ないことから彼女のみに何か起きたと察したたきなは、銃を手にDA本部へと急行。しかし時すでに遅く、千束は自身の命を支える人工心臓に高圧電流を流し込まれてしまう。これにより人工心臓の一部機能が故障し、2か月後には千束は死ぬことが確定する。

ショックを受けるたきなだったが、なんとか千束を救う方法は無いかと思案し、アラン機関に接触する方法を模索する。クルミから「派手に動いている真島から逆に辿っていくのが現状もっとも建設的だ」との意見をもらい、たきなは近々行われる真島掃討作戦に参加するべく、DAへの復帰の辞令を受け入れる。
喫茶リコリコで過ごす最後の1日、たきなは千束と2人で遊びに出掛ける。そこに“優秀なリコリスであること”だけに価値を見出し焦っていたかつての彼女はおらず、代わりにあったのは「友を想うからこそひとまずの別離を受け入れた、優しくも不器用な少女」の姿だった。必ず千束を延命させる方法を見つけてみせると誓い、たきなは喫茶リコリコを後にする。

延空木の攻防

「たきなが喫茶リコリコへと転属させられるきっかけとなった拳銃の闇取引に、アラン機関が関与していた」という以外に手掛かりがつかめぬまま時は流れ、新電波塔「延空木」の完成セレモニーが開かれる。真島がここを狙うという情報をつかんでいたたきなは、フキやリコリスの仲間たちと共にここの警備につく。
しかし真島は延空木そのものではなく、日本中の注目が集まるその完成セレモニーを利用して、「東京中に1000丁の拳銃をバラ撒いた」と宣言。これにより混乱した市民たち自らの手でDAが守り続けてきた日本の安全神話を崩壊させることこそ、真島の真の目的だった。

数ヶ月かけて準備を整えたロボ太によって頼みのラジアータも機能しなくなり、情報戦でも後れを取ったDAは、リコリスの存在までも世間に大々的に暴露されてしまう。

旧電波塔の決戦

DAが真島たちの攻撃に翻弄される中、たきなはクルミから「吉松が新しい人工心臓を調達していた」との報せを受ける。これを手に入れれば千束を助けられると考えたたきなは、フキから「2度とDAに戻れなくなるがそれでもいいのか」と案じられつつ、無二の相棒のためにDAの作戦から離れることを決意する。
しかしこの時には、千束はミカと共に真島に拉致された吉松を救出するために旧電波塔に向かっていた。シャッターの下ろされた展望台に誘い込まれた千束は、頼みの視力を封じられて苦戦。彼女がいよいよ追い詰められたその時、たきなはシャッターを突き破って展望台に突入。即座に真島に反撃されるも、千束の窮地を救いつつ、彼女との合流にも成功する。そのままたきなは千束と共に抜群のコンビネーションを発揮しながら、真島を打倒して拘束するのだった。