楠木(リコリス・リコイル)の徹底解説・考察まとめ

楠木(くすのき)とは、『リコリス・リコイル』(リコリコ)の登場人物で、武力を用いた犯罪抑止を活動目的とする秘密組織Direct Attack(DA)の司令官。下の名前は不明。
DAの長として絶大な権限を持ち、その活動の中枢でもあるAIラジアータが外部からのハッキングで不調となった事実を隠蔽するなど組織全体の活動のためなら手段は選ばない。DAのエージェントであるリコリスの中でも“歴代最強”と称される錦木千束については、その高い能力を認めつつも「それ以外は生意気なガキだ」と語っている。

楠木(リコリス・リコイル)の概要

楠木(くすのき)とは、『リコリス・リコイル』(リコリコ)の登場人物で、武力を用いた犯罪抑止を活動目的とする秘密組織Direct Attack(DA)の司令官。下の名前は明かされいないが、組織の性質上“楠木”というのが本名かどうかも不明。
DAの長として絶大な権限を持ち、そのエージェントであるリコリスたちを放って様々な非合法活動に従事させている。

楠木(リコリス・リコイル)のプロフィール・人物像

CV:沢海陽子

組織の活動と広い視野での公益を第一としており、そのためであれば個々のリコリスの事情や判断は意に介さない。上層部の意向を受けた上でのことでもあるが、DAの活動の中枢を担うAIラジアータがクラッキングされて不調になった事実を隠蔽し、それに端を発するトラブルの中で命令違反を犯した井ノ上たきな(いのうえ たきな)を左遷に等しい形で転属させたのはその典型的な例である。
一方で個人としては平和のために消耗されていくリコリスたちに対して思うところがあるらしく、“歴代最強のリコリス”と称される錦木千束(にしきぎ ちさと)にたきなの処遇について糾弾された際は表向き聞き流しつつも一通り耳を傾け、後に彼女の能力について語る際はどこか楽し気に笑みを浮かべていた。

楠木(リコリス・リコイル)の来歴・活躍

DAの司令官として活躍

DAの司令官として、日本の治安維持のために辣腕を振るう。
元DAの訓練教官で、現在は下部組織である喫茶店リコリコの店主兼リーダーであるミカに対しては、立場は自分の方が上であるにも関わらず敬語を使っている。このことから以前に彼の世話になった、あるいはかつては上司と部下の関係だった可能性が高い。ミカがDAにスカウトされたのは15年前なので、楠木がDAに参加したのはそれよりは後のことだと思われる。

拳銃の闇取引現場制圧

事実上の失敗に終わった制圧任務の報告を受ける楠木。

1000丁もの拳銃の闇取引が行われるとの情報を入手した楠木は、ランクファーストのリコリスである春川フキ(はるかわ フキ)と彼女の率いるチームにこの制圧を命じる。しかし作戦中にDAの中枢を担うAIラジアータが何者かにハッキングを受け、現場との連絡が途絶。この影響もあってか連携が狂い、フキのチームの一員である蛇ノ目エリカ(じゃのめ エリカ)がテロリストに捕らえられる事態となる。
現場の状況が正確につかめず、不用意に指示を出せば被害を拡大すると考えた楠木は、エリカを見捨てる覚悟で待機するようフキに命令。しかしフキのチームの井ノ上たきな(いのうえ たきな)はこれを無視し、「エリカに当てなければ問題ない」との判断から機関銃を乱射。エリカには一発も当てなかったが、現場に現れたテロリストを1人残らず射殺するという結果を招く。

証人となる者が全滅したことで、1000丁の拳銃の行方はつかめないまま。さらにフキから「その結果エリカが助かったのだとしても、何度も命令を無視して仲間にまで銃を向けるようなヤツをこれ以上扱い切れない」との訴えが上がり、たきなには相応の処罰が与えられることとなる。全ての原因となったラジアータの不調は、伝説のハッカーとも称されるウォールナットという人物によりクラッキングであることが判明するも、この事実は「リコリスの間に不安を広めないためにも、ラジアータに侵入された事実は伏せるべきだ」との上層部の意向で隠蔽される。
以上の結果として、ただたきなだけが“現場での暴走”の責任を取らされる形でDAの下部組織である喫茶店リコリコへと転属。事実上の左遷を食らう。楠木はこの処理を淡々と進めるも、ラジアータに侵入された事実を隠蔽しようという上層部の意向について秘書に語った際には辟易とした様子を見せており、個人としては納得していないことがうかがえる。

なお、一連の事態の原因となったウォールナットについては「探して殺せ」とも指示を出しているが、そのウォールナットがその後リコリコで匿われたことは承知していないようである。

千束とフキの模擬戦

それからしばらくして、“歴代最強のリコリス”として名を知られる錦木千束(にしきぎ ちさと)が健康診断と体力測定のためにDA本部を来訪。千束はリコリコに所属しており、後輩としてやってきたたきなのことをかわいがっていた。DA本部への復帰を目指すたきなを応援する千束は、「ラジアータの不調なんて通常では考えられない、たきなだけに責任を押し付けるのはおかしい」と楠木に食って掛かる。ラジアータがクラッキングされた件については隠蔽されることが決まっていたため、千束の意見を受け入れようとはしなかったが、この決定に思うところがあったこともあってか一応は耳を傾けていた。

ここにフキが割って入り、「後任も決まったし、もうDAにたきなの居場所は無い」と断言。激高する千束と口論となり、2人はチームを組んでの模擬戦で決着をつけることとなる。
このチーム戦の見届け人となり、千束の側の勝利を見届ける。この時千束が見せた“銃弾を避ける”という神業に対し、「銃弾の軌跡と射撃のタイミングを見切り、事前に体を移動させる」という技術の賜物だと秘書に説明している。

延空木を巡る攻防

トイレに籠りつつ、密かにミカに連絡を入れる楠木。

その後東京で様々なテロが発生するようになり、その対処と隠蔽に尽力していく。テロの実行犯は真島という男で、当初は別の思惑で動く者に依頼されてテロ行為を繰り返していたが、やがて彼は「孤児を兵士にして治安を守っている今の日本」そのものに違和感を感じ、これを崩壊させることを目論むようになる。その標的となったのが、日本の治安維持に直接的に関与するリコリスの存在だった。
新たな電波塔である延空木の完成セレモニーを電波ジャックした真島は、「1000丁の拳銃を東京中にバラ撒いた」と宣言し、それによる治安の崩壊と対応に動かざるを得ないリコリスの存在を世間に暴露することを狙う。彼に協力するハッカーによってラジアータは不調に陥り、さらに真島の捕縛に向かわせたリコリスたちの存在を大々的に報道され、DAは一転して窮地に陥る。

真島自体は千束とたきなが倒して捕まえるものの、上層部は「DAの機密維持のため全リコリスを処分する」ことを決定。男子版リコリスであるリリベルの大部隊が延空木へと派遣される。指揮権を奪われてしまった楠木だったが、上層部の決定を不服とし、密かにミカに連絡。千束やたきな、何より彼女たちが保護する形になっていたウォールナットの活躍により、「真島のテロは全てが茶番だった」として事態は落着。状況が変わったことにより、リコリスの処分は撤回される。
かくして事件は解決し、ウォールナットの情報操作を利用して「一連の事件は新しいテーマパークの宣伝だった」という形で事後処理を進めていく。しかし首謀者の真島には逃げられ、さらに彼が東京中にバラ撒いた拳銃は半数以上が行方不明のままとなる。新たな波乱の火種を早急に揉み消すべく、リコリスたちを率いてDAを導いていく。

楠木(リコリス・リコイル)の関連人物・キャラクター

錦木千束(にしきぎ ちさと)

喫茶店リコリコに所属する、DAのエージェントであるリコリスの中でも“歴代最強”と評される少女。天真爛漫な性格で、任務の中で必要と判断すれば殺人も許可されているリコリスにあって非殺主義を貫く風変わりな人物。
その高い能力を認めてはいるが、納得できなければ任務にもすんなり従わないなど、楠木からすれば「生意気なクソガキ」である。一方で秘書に向かってそう語っている場面では苦笑めいたものを浮かべており、単に嫌っているわけではないことが見て取れる。一方の千束も、司令官という立場の相手に対するものとは思えないほど楠木にズケズケと物を言っており、付き合いの長さからか距離の近い間柄であることがうかがえる。

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井ノ上たきな(いのうえ たきな)

DAのエージェントであるリコリスの一員で、現在は喫茶店リコリコに所属している。優秀なリコリスではあるがやや直情径行があり、大抵のピンチは1人で切り抜ける実力があるため止めるのも難しいという困った人物。

フキのチームのメンバーだったが、独断専行や越権行為が多く、大いに不評を買っていた。拳銃取引現場でのエリカを巻き込んでの銃撃によって、ついに転属という名の左遷を食らうこととなる。
喫茶店リコリコの所属となってからもDAへの復帰を目指していたが、ラジアータの不調を隠蔽する工作の影響もあってそれが叶わぬことを知って意気消沈。千束ほどには付き合いが無いためか、たきなに対しては楠木は事務的な対応に終始している。

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