阿散井恋次(BLEACH)の徹底解説・考察まとめ

阿散井恋次(あばらい れんじ)とは、『BLEACH』の登場人物で、死神たちの実働部隊である護廷十三隊の六番隊に所属する死神。
死神としては若いながらも副隊長を務め、卍解を修得している実力者。流魂街出身の叩き上げであり、粗にして野だが卑ではない気風のいい少年。朽木ルキアとは幼馴染で、内心では大切に想っているが、名門朽木家の養女となった彼女とは「身分が違う」と感じて距離を置くようになっていった。主人公の黒崎一護とは当初激しく激突するも、やがて戦友として強い絆で結ばれていく。

幼い頃に出会い、共に過ごしたルキア(1コマ目)に、恋次は次第に引かれていった。

死者の魂が暮らす尸魂界(ソウル・ソサエティ)にて、身寄りのない子供として暮らす。同じ境遇の孤児たちと一緒にストリートチルドレン同然の生活をする中、同じく身寄りのないルキアと出会い、新たな仲間を通り越してリーダーとして彼女を受け入れる。
最底辺の暮らしをしながら、ルキアの振る舞いにはどこか気品があり、その内面の高潔さに少しずつ惹かれていく。やがて貧しさから仲間たちが1人また1人と命を落とす中、ルキアと共に「生き抜くために死神になろう」と決意し、そのための学校である真央霊術院に入る(本作における死神とは、死者の魂の中でもエリートのみに任される、一種の職業である)。

真央霊術院ではそれぞれに才能を発揮し、同期の中でも特に注目される1人となる。ルキアとは友人として同期のライバルとして競い合うように力をつけていったが、彼女が尸魂界の貴族である朽木家に養女として引き取られることになったがためにその関係は終わりを迎える。「貴族になれば裕福な暮らしができる」と考えて迷う彼女を後押しし、一方で「貴族になれば今までのように話しかけられる相手ではなくなる」との想いから、自身の恋心を伝えることもなくルキアから距離を取る道を選んだ。
ルキアのためを思っての選択ではあったが、彼女への思慕は捨てられず、せめて死神として近くにいようと奮起。同期の中でもトップクラスの成績で真央霊術院を卒業し、死神たちの実働部隊である護廷十三隊に所属する。

ルキアの処刑命令

現世にいたルキアの捕縛に現れた恋次。「処刑するためにルキアを捕まえる」という行為への絶望と罪悪感を隠すためか、この時は異様にハイテンションだった。

朽木家の養女となったことで一足先に死神となったルキアを遠くから見守りつつ、自身も死神として活躍し、五番隊、十一番隊、六番隊を歴任。六番隊では副隊長にまで上り詰める。ルキアと対等になりたいがために、彼女の義兄で六番隊の隊長でもある朽木白夜(くちき びゃくや)を超えることを目標にするが、その圧倒的な実力を日々見せつけられることで次第に心折れ、「自分には白夜を超えられない」との諦観を抱くようになっていった。
そんな折、虚を追撃して人間たちの住む現世に赴いたルキアに、「死神としての力を人間に譲渡した」罪で死罪が申し渡される。ルキアが人間に自身の力を与えたのはさらなる被害を防ぐための不可抗力的な行為で、どう見ても不当な判決だったが、ただ尸魂界の刃たることを誉れとする護廷十三隊はルキアの捕縛命令に唯々諾々と従う。義兄の白夜までもがこれに異を唱えず、恋次もまた動揺しつつもこれを受け入れる。内心では「なんとかルキアを助けたい」との焦燥を抱えていたが、直接の上司である白夜に“勝てない”との諦念、彼に匹敵する猛者ぞろいである護廷十三隊の隊長格の死神のほぼ全員がルキアの処刑に表向き賛同したことで、自分が逆らっても何もできないと思い込んでいた。

それでも何もせずにいることもできず、白夜と共に現世で活動中のルキアを捕らえる役を引き受ける。久々に面と向かって話をしたルキアは、自身に処刑命令が出ていることに驚き、自分にそれほどの非があるのかと反論。自身も処刑命令に納得していなかった恋次はこれを正面から論破できず、死神としての力がまだ回復していないルキアを力づくで連行しようとする。
ここに乱入してきたのが、ルキアから死神としての力を借り受けた人間の少年黒崎一護(くろさき いちご)だった。一護はルキアのことを「自分や仲間の命を救うために死神としての力を貸してくれた恩人」だと認識しており、その行為が理由で彼女が処刑されるという話に憤慨。恋次も恋次で「コイツのせいでルキアは死ぬことになった」と憎悪に身を震わせ、激闘を繰り広げる。戦いは恋次が優勢に進めていくものの、一護が予想外の奮闘を見せたことで白夜が割って入り、その一撃によって一護が倒れる。トドメを刺そうとする恋次をルキアが必死に止め、罪人として尸魂界に戻ることを承諾したことで、恋次と一護の最初の戦いは決着するのだった。

尸魂界での死闘

2度目の死闘を演じる恋次と一護(右)。この敗北が、恋次の大きな転機となった。

尸魂界に帰還したルキアは素直に牢に入り、処刑される日を待つこととなる。恋次はなんとか彼女の力になりたいと考える一方、具体的にどうすればいいのか分からず、頻繁に面会に訪れては話だけして立ち去ることを繰り返す。
そんな中、一護が仲間と共に尸魂界に乗り込んでくる。一護の仲間たちもまた多くがルキアに命を救われた人間たちで、今こそその恩を返そうと奮起していた。恋次はこれを「人間がどれほど集まったところで死神には勝てないし、自分の死と向き合うとしているルキアに無駄に希望を抱かせるだけだ」と苛立ち、彼らの排除に乗り出す。しかし再戦した一護は現世で戦った時以上の力を身に着けており、彼の「なんとしてもルキアを助ける」という想いの前に苦杯を喫する。同時に彼らに感じていた苛立ちが、ルキアを見捨てようとしている自分自身への絶望を投影したものだと気づき、己の惨めさに打ちひしがれながら「ルキアを助けてくれ」と一護に懇願。そのために自らも動き出す。

死神の用いる武器である斬魄刀の真の力を引き出す“卍解”を修得し、ルキア救出の前に立ち塞がった白夜と対戦。死力を尽くし、白夜をも瞠目させるほどの力を見せつけるが、最終的に敗北。それでも一護や彼の仲間たちと巧みに連携し、ルキアの救出自体は成功させる。
一連の騒ぎの中、ルキアの処刑命令は護廷十三隊の五番隊隊長の藍染惣右介(あいぜん そうすけ)の謀略であったことが判明。世界の全てを我が物とした上で作り替えることを望む彼が本格的に動き始めたことでこれが明らかとなり、護廷十三隊が新たな強敵と対峙することとなる一方、ルキアへの処刑命令は撤回される。これを機にルキアとの関係を復活させ、友人として、幼馴染として、同期の死神として、息の合った姿を見せるようになる。大抵の場面で一緒に行動しており、男女としても少しずつ仲を深めていったことがうかがえる。

黒崎一護の戦友

その後護廷十三隊はルキアを巡る謀略の黒幕だった藍染や、彼の反乱を好機と捉えて動き出した滅却師(クインシー)の一族と立て続けに交戦。一護は様々な事情からここに深く関わり、護廷十三隊側の大きな戦力として活躍する。
ルキアを助けるきっかけとなってくれた一護に深い恩義を感じ、同時に強く信頼した恋次は、彼が戦場に赴く際には自身も駆けつけるようになる。時に同じ敵と戦い、時に露払いを買って出て、時に別の場所でそれぞれに強敵を相手に奮戦する中、一護もまた恋次のことを「信頼できる仲間」として認識。戦友として強い絆で結ばれていく。

一護は実は死神の血を引いており、ルキアから借り受けた力と早い段階で馴染んだのも、短期間で恋次や白夜とも戦う力を身に着けていったのもそれが理由だった。物語終盤には明確な実力差がついていたが、恋次はなお一護をサポートし、最終決戦にも参加。自身にできる全てを投げ打って戦い、一護の勝利に貢献した。

手に入れた未来と平穏

幾多の死闘を戦い抜いた恋次は、ルキアと結ばれる。

物語最後の決戦の後、ルキアと結婚。数年後には一人娘の阿散井苺花(あばらい いちか)を儲け、ややファザコン気味の彼女に慕われつつ幸せな家庭を築いている。
護廷十三隊としても活躍を続ける一方、一護との関係も維持しており、時折飲みに誘う仲となっている。一護の息子である黒崎一勇(くろさき かずい)に苺花が惹かれていることにも気づいており、その様子を暖かく見守っている。

阿散井恋次の関連人物・キャラクター

朽木ルキア(くちき ルキア)

流魂街でストリートチルドレン同然の暮らしをしていた頃からの幼馴染。その清々しい人柄と高潔さに、子供の時から密かに惹かれていた。
共に死神となることを目指すも、彼女が貴族である朽木家の養女となる話を持ち掛けられた際、「貴族になれば裕福な暮らしができる」と考えて後押しする一方で「ルキアが貴族になったら、流魂街出身の自分が迂闊に話しかけていい相手ではなくなる」との想いから一時関係が断絶。その後2人とも護廷十三隊所属の死神となるも、まともに口も交わさない時期が長く続いていた。

ルキアに処刑命令が出た際、自分がこれに逆らっても何もできないとの諦念からこれに従う一方、自分の知らないところで彼女の運命が決まっていくことに耐えられず自ら捕縛役を務める。その後幽閉されたルキアの下に頻繁に面会に訪れるも、彼女を助けに来た一護に敗北したことでようやく自分の本心と向き合い、護廷十三隊を相手に大立ち回りを演じた。
処刑命令が撤回された後はルキアとの交流を復活させ、友人として同期の死神として親しく接する。以降は同時に登場することが多くなり、自身の想いを伝えるか、ルキアの側が察したかは不明ながら男女としての仲も進んでいった。後に結婚し、一人娘の苺花を儲ける。

renote.net

黒崎一護(くろさき いちご)

高校生の少年。ルキアが虚を追って現世に赴いた際、アクシデントから戦えなくなった彼女から死神としての力を借り受けた人物。家族や友人を助けるための力を与えてくれたルキアに強い恩義を感じており、それが原因で彼女に処刑命令が下ったと知った時は強く反発。命令であるとしてルキアの護送を遂行しようとする恋次や白夜と激しく衝突した。
「なんとしても恩人であるルキアを助ける」というその想いは恋次を動かし、白夜を倒し、果ては一連の謀略の黒幕だった藍染をも撃破する。恋次は自身の諦念を吹き飛ばし、ルキアを助ける大きなきっかけとなり、彼女との関係を蘇らせてくれた一護に深い感謝と信頼を寄せ、以降の戦いでは彼の戦友として活躍するようになっていった。一護もまた恋次を信頼し、戦闘では息の合った連携を披露している。

ルキアのために命をも懸けようとする彼の姿勢に、男女の仲にあるのではと案じたこともあったが、一護はあくまで恩人として彼女を大切にしていたようである。ルキアの方は彼に異性としての想いも抱かないではなかったが、死神としての役目があること、現世での友人かつ仲間の1人が一護に恋心を抱いているのを察していたことからそれ以上関係を進めず、戦友としての絆を純粋に育んでいった。
幾多の争乱を共に潜り抜け、肩を並べて戦う機会が無くなった後も友人として交流を続け、最終回の後もたまに一緒に飲みに行く間柄となっている。

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朽木白夜(くちき びゃくや)

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黒崎一護(くろさきいちご)とは『週刊少年ジャンプ』で連載していた『BLEACH』の主人公で、死神代行。ある時、家族を虚(ホロウ)から守るため、死神の朽木ルキア(くちきるきあ)から死神の力を譲り受け危機を打破。それ以降は死神代行として活動する。「尸魂界篇」「破面篇」では自らに虚の力が宿っていることを知り、破面篇での戦いで死神の力を失うことになるが「死神代行消失篇」で完現術(フルブリング)を会得し、戦う力を得る。「千年血戦篇」では虚の力だけではなく滅却師であった母の力も受け継いでいたことが判明した。

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ユーハバッハ(BLEACH)の徹底解説・考察まとめ

ユーハバッハ(BLEACH)の徹底解説・考察まとめ

ユーハバッハとは、『BLEACH』に登場する滅却師の軍団「見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)」を率いる人物で、すべての滅却師の始祖。自身のために部下を殺すことを躊躇わない冷酷な男だ。この世とあの世のバランスを破壊し、生と死の区別のない世界を作るべく、尸魂界に侵攻し、全面戦争を起こす。あらゆる未来を見通し、干渉、改変する「全知全能(ジ・オールマイティ)」という力を持つ、『BLEACH』最強の敵。

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市丸ギン(BLEACH)の徹底解説・考察まとめ

市丸ギン(BLEACH)の徹底解説・考察まとめ

市丸ギンとは(いちまるぎん)とは、久保帯人によって『週刊少年ジャンプ』で連載されていたバトル漫画作品『BLEACH』の登場人物で、護廷十三隊三番隊元隊長。 その実力は護廷十三隊の中でも相当なもので、たったの一年で真央霊術院を卒業している不世出の天才。 市丸ギンは「尸魂界(ソウルソサエティ)篇」の終盤で護廷十三隊を裏切り、藍染惣右介と共に虚圏(ウェコムンド)に行く。だが市丸ギンの行動はすべて幼馴染である松本乱菊のためであった。最期は藍染惣右介との決闘に敗れ、黒崎一護に思いを託し死亡する。

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銀城空吾(BLEACH)の徹底解説・考察まとめ

銀城空吾(BLEACH)の徹底解説・考察まとめ

銀城空吾とは、『BLEACH』に登場する完現術者(フルブリンガー)の集まりである「XCUTION」のリーダーで、死神の力を失った一護の前に現れて完現術(フルブリング)を身に着けさせる。一護の前に代行証を得ていた初代・死神代行で、一度は死神と協力関係を結んだが代行証を捨てて姿をくらまし、仲間を集めて復讐の機会をうかがっていた。一護が身に着けた完現術を奪い、護廷十三隊に挑もうとするが、死神の力を取り戻した一護に敗れて死亡し、魂は尸魂界へ送られた。千年血戦篇では月島と共に一護に手を貸している。

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雀部長次郎忠息(BLEACH)の徹底解説・考察まとめ

雀部長次郎忠息(BLEACH)の徹底解説・考察まとめ

雀部長次郎忠息(ささきべちょうじろうただおき)とは、『BLEACH』に登場する護廷十三隊の一番隊副隊長で、天候を操る強力な卍解を持ち、何度となく隊長への昇進を打診されても頑なに断り続け、一番隊隊長山本元柳斎重國(やまもとげんりゅうさいしげくに)を支えるために副隊長でありつづけた忠義の男だ。無口な性格で、作中での会話シーンは少ない。滅却師の軍団「見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)」が尸魂界に宣戦布告した際、卍解を奪われて殺害される。

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日番谷冬獅郎(BLEACH)の徹底解説・考察まとめ

日番谷冬獅郎(BLEACH)の徹底解説・考察まとめ

日番谷冬獅郎(ひつがや とうしろう)とは週刊少年ジャンプで連載していた『BLEACH』の登場人物で、護廷十三隊の十番隊隊長。史上最年少で隊長の座に就いた天才で、氷雪系最強の斬魄刀「氷輪丸」の所持者。女性死神からの人気も高く、元々の実力は高いもののそれに驕らず、鍛錬に励む努力家。 少年のような見た目で銀髪の翡翠眼が特徴的。主人公、死神代行の黒崎一護(くろさき いちご)からは「冬獅郎」と呼ばれ、なぜか慕われているが、本人は必ず「日番谷隊長だ」と頑なに訂正している。

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